日本時間の1月6日午前、エミー賞に続き、第82回ゴールデン・グローブ賞では『SHOGUN 将軍』がテレビドラマ部門の作品賞を受賞しました。この作品は真田広之さんがプロデュースと主演を務めたもので、真田さんが主演男優賞、浅野忠信さんが助演男優賞、アンナ・サワイさんが主演女優賞を受賞し、見事4冠を達成しました。真田さんは「SHOGUNが言葉の壁を壊した。大きな門がアジアの国々に開けた。その土壌に次からまた、クルーもキャストも橋を渡って来られる状況が作れた。可能性は大きく広がった」とコメントしています。
この授賞式での浅野忠信さんの英語スピーチも、SNSを中心に絶賛されていたことも話題になっているくらい、このドラマは新たな歴史をつくりました。実際、浅野さんは、すでに米国でも10年ほど活躍してきて、存在感を示す俳優で、それは英語ができなければ世界では通用しないとか、完璧な英語ができるのが大前提というスタイルは、変わってきた印象すらしたのです。
『SHOGUN 将軍』は、米国で制作されたドラマですが、劇中のセリフの約7割が日本語です。それでも、「Disney+(ディズニープラス)」で世界配信され、英語を母国語としない人々も数多くその国の字幕で視聴し、高い評価を受けました。ゴールデン・グローブ賞の投票権を持つ人も、近年はアメリカ人に限らず多様化しているということが言わている事も要因です。
今回の日本人俳優の授賞は、「英語が完璧に話せるかどうかは、俳優として世界で活躍することには関係ない」ことを証明して見せたということが見て取れました。
実際、浅野さんは受賞後のインタビューで(日本語で)、「今後の日本人俳優の世界での活躍を期待する」と語っています。こうしたメッセージは、全ての日本人にとって意味があることだと思います。日本人の個々の能力は高く、世界に通用するものです。しかし、英語ができないがゆえに日本に閉じこもりがちでした。しかし、自分の専門分野や強みがあれば、自信を持って世界に出るべきです。後になって英語をマスターして、さらに高みを目指せばいいのです。そうした意味でも、今回の日本人の快挙はアジア人のロールモデルにもなり得るでしょう。
参照 ダイヤモンドオンライン (1/7)