1893年(明治26年)のハワイ王国と日本の秘話は、大国自体が存続していないので、知る人は少ないでしょう。ハワイ王国の最期の継承者リリウオカラニ女王が米国との不平等条約を撤廃したいと動きだすと、入植してきたアメリカ人農場主らがこれに強く反発したが、ハワイ在留日本人も女王支持派に同情的であった。しかし、海兵隊160名の支援を得てクーデターを起こし、王政を打倒して「臨時政府」を樹立した。
この時、日本は邦人保護を理由に東郷平八郎が率いる巡洋艦「浪速」他2隻をハワイに派遣し、ホノルル軍港に停泊させてクーデター勢力を威嚇したのです。女王を支持するハワイ先住民らは涙を流して歓喜したといわれる事件でした。明治31年(1898年)にアメリカによるハワイ併合は実現されて、ハワイはアメリカ合衆国の一州となったのです。誰もが知る常夏の人気観光地となっているのですが、原住民にとっては煮え湯を飲まされた結果でした。