『こわいほど「運」を呼び込む習慣術』日本実業出版社
自己イメージを高めるには、自己暗示が人間の感情や行動、思考などに大きな影響を与えることは心理学でも明らかにされているが、言葉による暗示もその一つだ。
このとき大事なのは、「否定語を使わず、肯定語を使う」こと。否定語とは、「・・・でない」という言葉だけを指すのではなく、嫌い、汚い、痛い、悪いなどの言葉も、否定的な内容なので「否定語」のうちだ。
自己暗示によってさまざまな病気を治す「クエイズム」という精神療法の開発者のフランスの精神療法家エミール・クエは、自己暗示法の秘訣として、マイナス語は口にしないことを挙げている。
たとえば、患者に「痛みは消える、痛みは消える、痛みは消える」という場合で「痛み」という否定語を3回も使わず、せめて、「痛みは消える、消える、消える」と「痛み」を1回だけしか使わないようにする。マイナスの刺激を与える言葉は避けるか、省略した方が効果が高いという。人は言葉の暗示にかかりやすい。では、どういう言葉を使えばいいのか? 「大丈夫、OKだ」と言う。「元気?」と言えばいい。
先ほどの「痛みはラクになる、ラクになる、ラクになる」でもいいだろう。
自分が大声で怒ってしまったようなときは、怒りが、どんどんとエスカレートしてしまうことは多い。
言わなくてもいいようなことまで言ってしまい、あとでひどく後悔する。
自分の発した言葉は、むしろ自分に向けて発信している。人間の脳は、人称や、主語や、否定語か肯定語かも認識しないから。
「病気にならない」と言えば、病気だけを認識する。「お前はバカだ」と言えば、バカだけを認識する。
だから・・・相手の成功をたたえれば、自分が成功する。「素敵だね」と言えば、自分が素敵になる。
人を高めれば、自分も高めることになるということだ。
だからこそマイナスの言葉をプラスに置き換える練習が必要だ。