サッカー元日本代表で実業家の中田英寿氏(47)が、株式会社サニーサイドアップグループ(次原悦子代表取締役)の執行役員に10日1日付において就任することになった。同社公式サイトを更新し、中田氏の執行役員及びエグゼティブオフィサー就任を報告した。
次原代表は株主総会でも中田氏について、次のように語った。
「私が彼と出会ったのは彼が19歳、そして、私が29歳の時でした。『サッカーしかしらない大人になりたくない。サッカーをやっている間に、未来に通じる有形無形の財産を作りたいんだ』。それは、彼と私がはじめて出会った日の会話でした」中田氏との出会いから振り返った次原代表は「この度、サニーサイドアップグループは、元サッカー日本代表、今や日本酒、日本文化のプロモーター、そして弊社の大株主でもあります中田英寿を弊社グループの執行役員、エグゼクティブオフィサーに迎えます」とあらためて宣言し、「中田がいなければ弊社の今はありません。今日に至るまで、ともに成長を支え合い、一緒に生きてきた同志です」と強調した。
その上で互いのことを「いい年になった」と表現し、中田氏の起用理由を説明した。「ここからは、フィールドをともにビジネスという同じフィールドに移し、同じチームで戦っていきたいと思います。中田は現役引退後、長い旅に出ましたが、その旅路の末に培った知見、ブラッシュアップされた独特のセンス、彼の持つ国際的な多岐に渡る人脈、知見、影響力を今こそ、グループの力にも役立てたいと思います。また、人口減少、資源を持たない日本にとって、経済成長の大きなキーに地方創生がありますが、日本中を旅して、今や旅人と言えば松尾芭蕉に続いて中田英寿と言われるくらいですが、そんな中田とタッグを組み、日本再生、日本創生プロジェクトにもグループとしてチャレンジしていきたいと考えております。また、彼の国際的な人脈を生かして、日本参入をされるようなグローバル企業のお力にもなれたらと考えております」
そして、株主に向けて「現役時代から、彼はフィールドでプレーしながら、視点はスタンドの上から。そんなプレイースタイルと評価されていましたが、そんな広い視野を持つ彼です。今後の弊社グループの成長拡大の強いパートナーとしてご期待いただければと存じます」と話し、中田氏を壇上に招いた。
登場した中田氏も次原代表との関係説明した。
「サニーサイドアップおよび次原悦子とは、常に新しいことを挑戦してきた同志みたいなものです。まだ、海外移籍ができなかった時代にそこに一緒に挑戦し、メディアしか伝達手段がなかった時に個人のWEBメディアを一緒に作る挑戦をし、引退後も一緒にいろいろなことに挑戦してきました」
その上で「自分の旅、会社もやっていますが、また、一緒に仕事を行うことは楽しみでもあり、自分の会社ではできないことをやっていくことができるのではないか。自分のやってきた国内、海外での経験がさらに生かすことができるのではないかと思ったので、今回参加することになりました」と、執行役員及びエグゼティブオフィサー就任への経緯を明かした。そして、「こんな感じでいいですか」と照れ笑いした。
中田氏は現役時代からビジネスへの関心が高く、別会社の執行役員を務めた経験はある。だが、上場企業での就任は初のキャリアとなる。
’06年7月5日に現役引退を表明後、世界を旅し、”09年1月に一般財団法人のTAKE ACTION FOUNDATIONを設立。同年4月からは、全国47都道府県をめぐる旅を開始し、同財団主催で伝統文化・工芸などを支援するプロジェクト・REVALUE NIPPON PROJECTをスタートした。
’14年にはGOLDEN FOOT AWARD 2014で、サッカーの歴史上に偉大な功績を残した引退選手に贈られるオール・タイム・レジェンドをアジア人として初めて受賞した。
”15年には株式会社 JAPAN CRAFT SAKE COMPANYを設立し、代表取締役に就任。現在、国際サッカー連盟(FIFA)の諮問機関である国際サッカー評議会(IFAB)の諮問委員を務めている。