25万人分のデータをまとめた研究では、座る時間の長い人は、そうでない人と比べて、認知症リスクが1.3倍に増加していることがわかりました。
思い出せるかどうか、知識を脳に保管する状態が問題なのです。
脳は勉強内容の個々の要素をまとめ上げて、なるべく全体像を見ようとします。個々に注目するよりも、その全体像の概念を優先して覚えようとします。概念なので、文字ではなくいわばニュアンスのようなものです。
そして後になってから勉強中にそのニュアンスに出合うと、「ああ、あのことか」と、その勉強対象の全体的な概念を思い出すことができるのです。これはとても重要な能力ですが、試験となると少し厄介な能力なのです。試験の解答形式のほとんどは、選択するにせよ記述するにせよ、文字の形で答えを表現する必要があるからです。つまり知識や考え方をイメージの状態ではなく、言葉として認識しておく必要があるのです。
単に思考力を鍛えるのが目的であるならば、この勉強方法でもまったく問題ないと思いますが、アウトプットの結果が重要な試験やテストの場合には、その概念のかたまりから答えを具体的な言葉の形で取り出せるようにしておかなければなりません。
そのために必要なことが、その内容を口に出して説明したり、文字にして書いたりして、言葉としてアウトプットできるか、覚えていたのに答えが書けないことがないよう事前に確認しておくことです。
テキストや参考書で理解できた部分にマーカーをしたりアンダーラインを引いたりしたと思います。そうすることで、覚えたような気になり満足感も得られるでしょう。けれども、そこで終わらせてしまうと、単にニュアンスを覚えているだけで、具体的な言葉としての答えが書けないという落とし穴があるのです。そうならないためには、マーカーを引いた箇所などは言葉にして説明できるか、一度確認しておくとよいでしょう。それがさらに自分にとっての経験となり、記憶を強化することにもつながります。
試験を目的とした勉強に限っては、知識というのは昔でいうところのイメージで覚える右脳的作業、それではだめで、左脳的作業、要するに言葉に出す作業も同時に重要なのです。この右脳的、左脳的、両方の「脳力」をフルに活用することで、さらに皆さんの脳は「まかせられる脳」になっていきます。
試験、資格、英語、ビジネスほか……記憶力が左右するものなら、なんでも効果抜群!
3回読んで1分書くだけで、ラクに大量に覚えられる!!
『世界記憶力グランドマスターが教える 脳にまかせる勉強法』
ある法則にしたがって3回繰り返して読むだけの「3サイクル反復速習法」や記憶の確認と強化を同時に行う「1分間ライティング」、 脳の自動編集機能を使った「1分間マッピング」など、 記憶競技で生み出した技術を完全に体系化。時間のない中、早く結果を出したい、そんな人の要望に応えられる勉強法です。
世の中に存在する「試験」と名のつくもののほとんどは記憶の量で結果が左右されるので、 「記憶力」を身につければ、たいていの問題は解決できます。
本書は、記憶力日本一、日本人初の世界グランドマスターが教える勉強法で、 「覚える」「引き出す」「やる気を出す」「集中力を保つ」など、 脳を活用した技術を網羅。