米テレビ界で最高の栄誉とされる第76回エミー賞の発表で、9月7日・8日にひと足先に16部門が発表され、主に製作・技術に携わった人々に贈られる「クリエイティブ・アーツ・エミー賞(Creative Arts Emmy Awards)」にて「SHOGUN 将軍」が編集賞&スタント賞ほか史上最多14部門を受賞。日本人スタッフとして最多となる7名が栄冠に輝いた。AP通信によると、テレビ番組の単一シーズンの受賞数としては過去最多。
真田広之さんは連続ドラマ部門の主演男優賞に、また主演女優賞にアンナ・サワイさんがノミネートされている。作品賞や主演男優賞など主要部門の発表・授賞式は15日にロサンゼルスで開かれる。
ジェームズ・クラベルの戦国時代を舞台にしたベストセラー小説『将軍』を原作で、1980年にアメリカで放送され、その後日本でも放送され、話題作となった。その時は三船敏郎主演で、同じ賞にノミネートされていたが、受賞とはならなかった。鞠子役の島田陽子さんがゴールデングローブ賞の主演女優賞を受賞、国際は女優と話題になった。
今回の作品は、今回はハリウッド制作でセットを作り、リメイクされ、ディズニープラスの「スター」にて独占配信中のFXのドラマシリーズ。世界にネット配信されている点が違うものの、全世界で900万回再生以上されており、1か月経過した今も非常に話題で人気が非常に高い。
ドラマで徳川家康がモデルにした武将を演じた真田さんは、正しい日本の描写に徹底してこだわった。どうせ日本人にしかわからないと決めつけられがちなディテールにも注意を向けたのが、この作品の大きな魅力のひとつになっているのである。そこが、日本人以外の視聴者の心にも響いた。
実際、見た人の評価は非常に高い。一般人のコメントには、「まだ3話しか見られていないので気が早いかもしれないが、これは今年最高のドラマのひとつになるだろう」、「劇場用映画のレベルの大傑作」、「1話を見た時から好きだったが、話が進むに従ってますます良くなる」など、絶賛の声が寄せられている。
ドラマはまだ始まって2週目で、「衣装をはじめ日本文化のディテールが徹底しているところがすばらしい」、「このドラマを見て日本の歴史をもっと知りたいと思うようになった」などといったコメントがされていた。
毎回多くのドラマチックなことが起きるものの、最後の3話はとりわけ劇的で、「次が待ちきれない」というファンの気持ちはますますたかぶると思われるのだ。口コミ効果もあってファンは増え続け、最終回ではさらにすごい数字を出すことになるかもしれない。
配信開始前、真田さんは、「これをきっかけに、日本をテーマにした作品が作られやすくなって、もっと世界にアピールしていけるようになれば」との願いを語っていた。真田さんが、作品の総指揮を執り主演し、最終発表の日に大きな期待が寄せられている。
(共同)つづき