2024年7月15日付の『SNSで「米騒動」心配する声も…農水省が冷静な対応を呼びかけるワケ』という記事がある。農林水産省の担当者は「1年間は国産米を国民の皆さまに食べていただけるようになっている」と回答し、「慌てずに、安心して」と呼びかけている。
ただ「安心して」と言われても、2023年夏に続いて2024年の夏も暑くなることが予想されており、コメの品質への影響はまぬがれない。世界気象機関(WMO)は、2023年はこれまでの記録に大差をつけて観測史上、最も気温の高い年だったと発表した。2024年は2023年よりさらに気温が高くなる可能性を指摘している。
新潟県産のコシヒカリは、2023年に発生した3度のフェーン現象(乾燥した高温の風が吹く現象)により、2023年産のコメは生産や品質に大きく影響を受け、「1等米」の比率が4.7%と過去最低を更新した。宮城県でも、2023年夏の記録的な猛暑で、宮城県産米の品質が低下し、宮城県やJAは、暑さに強い栽培法を推進する方針を確認している。
農業・食品産業技術総合研究機構は、地球温暖化が最悪のペースで進むと、今世紀末にはコシヒカリの米粒の最大約7割に深刻な高温障害が生じるとする実験結果を発表した。この成果は米科学アカデミー紀要に掲載されている。
では、このような生産調整や記録的猛暑により、コメの値上げや不足が問われる中、スーパーでは精米して1ヶ月のコメを商品棚から撤去してしまうルールだった。おおむね、精米して1ヶ月から40日、50日程度で、どのスーパーも商品棚から撤去している。
撤去したあとどうするか、については企業や店舗によって異なり、言語道断だが捨てると答えたスーパーがあったが、他は、従業員に安く売る、フードバンクに寄付する、コメの納入業者に返品する、ということだった。
取材ができなかったスーパーについては、商品棚に並んでいるコメの精米時期をチェックしたところ、精米から1ヶ月以上経ったものは見られなかった。こんなことでもないと、いかに飽食の時代であったのかも気づかないままであった。
参照 yahooニュース7/15
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