42歳でパーキンソン病と診断され、精神科医・岡崎信子氏が60歳を過ぎた今、人生とはただ生きることであり、そして、生きていることそのものが勉強なのだと気づいたと、次のように著書に書いていた。
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皆さんにも「自分の好奇心に正直な学び」がもたらす楽しさを感じてほしいと思っています。それがダンスでも音楽でもスポーツでも何だって構いません。
「もう年を取りすぎた」と思う人もいるかもしれませんが、今からでも遅くありません。ローマの政治家カトーは、なんと80歳を過ぎてからギリシャ語の勉強を始めたといいます。
小さい子どもを見ていると、誰かに言われなくとも気になることには見たり、触れたり、味見したりします。子どもはそうやって何事も遊びに昇華させて、もっと知ろうとします。これも好奇心のなせる業です。
ところが、次第に両親や学校に統制されることに慣れ、成績表に評価されるかどうかを気にして勉強そのものに興味を感じられなくなります。そんなふうに無理やり勉強し、仕事もやらされてするような受け身でいれば、うんざりして無気力になるのは当然です。本来持っていた好奇心や、知ろうとする本能まで忘れてしまうのです。
幸いなことに、私は比較的早いうちに学ぶ喜びに気づくことができました。学びながら自分の世界を広げ、そして勉強の範囲もどんどん広がりました。本を読むことも、職場で働くことも、結婚生活も子育ても、人とできるだけ円満につき合うことも、しまいには服の着こなしや化粧に至るまで、もうすべてが学びでした。おまけに、人や社会とぶつかりながら、自分や他人がどういう人間かを知り、学んだことで、自分のことをもっと愛せるようになりました。
chapter1 30年間、精神分析専門医として働いてわかったこと
・人生は、いつ、どこからでも変えられる
・時には義務と責任を放りなげよう
・「無気力の沼」から抜け出す方法
chapter2 患者たちに言えなかった、今だからこそ話したいこと
・健全な大人にふさわしい10の条件
・職場にいる嫌な人との「楽なつき合い方」
・「さみしいけれど、かまわれたくない」の正体
chapter3 パーキンソン病の私が、楽しく生きている理由
・「心から憎い相手」を許した本当の理由
・他人から振り回されずに自分を守る「4つの視点」
・つまらない毎日を「特別な1日」にする意外な処方箋
chapter4 40歳で知っておきたかったこと
・40代の罠ーー自分の生き方を再点検しよう
・人生には休み時間が必要だ。でもどう作る?
・家族とは、この世で一番親しく、そして憎み合う存在
chapter5 もし私が人生をやり直せたら
・何度だって失敗して、それを喜びたい
・どんな瞬間でも、私は私を信じたい
・そして静かに死を迎えたい
自発的に行う学びは、好奇心の領域をどんどん広げてくれ、人生をイキイキと輝かせてくれます。
好奇心優先で通うカルチャーセンターや同好会などで見かけるお年寄りたちが皆、ティーンのようにキラキラした表情をしていることもこれで納得です。
少しでも早いうちに心の赴くまま、学びの世界を探検してみてください。
出典 岡崎暢子『もし私が人生をやり直せたら』韓国語出版を翻訳し、一部抜粋)つづき