老年精神医学・老年心理学の専門家・和田秀樹「50歳を過ぎた頃から、体が悪いわけでもないのに、何だかやる気が出ない、出かけるのがおっくうと感じることが増えた……という人は、脳の『前頭葉』の機能が衰えてきた可能性があります」という。前頭葉には、やる気がでる元になっている他、新しい発想や創造性、感情や考えのスイッチングを司る機能があるという。
「人間の脳は大きく4つの領域に分かれています。なかでも最も早く老化するのが前頭葉で、早い人は40〜50代から萎縮が目立つようになります。前頭葉の主な機能のひとつは意欲と感情のコントロールですから、前頭葉が老化すると、やる気が起きない、おっくうになるといった症状が出るのです。人間の脳は、年とともに萎縮していきます。萎縮とは、言い換えれば脳の老化です。」
「前頭葉が老化すると、新しいアイデアが出にくくなって創造力が乏しくなり、よく知っている店しか行かない、好きな作家の本しか読まない、といったルーティンに陥りがちです。気持ちの切り替えもうまくいかず、怒りっぽくなったり、何かのきっかけで悩み始めると、いつまでもくよくよ悩んでうつっぽくなったりします」
「更年期でイライラやうつ自体は、更年期でホルモンのバランスが崩れたり、神経伝達物質のセロトニンが不足したりして起こります。そこに前頭葉の老化が加わると、ブレーキがうまく効かなくなる、ととらえてください。仮に何かでカッときても、本来なら前頭葉が『このまま怒り続けると周囲の信頼を失う』など理性でストップをかけるのですが、その機能が弱まっているために、怒りを抑えられない。公の場で怒鳴り続ける『暴走老人』と呼ばれる高齢者も、前頭葉の老化が原因と考えられます」
前頭葉は萎縮しても、意識して使うことで機能は保てるそうなので、前向きな感情を大事にし、頭の切り替えを速くして想像力を働かせること。それが前頭葉の鍛錬につながる。実際、萎縮が同程度進んでいても、気が若く元気な人と老け込んでいる人がいるのはそのため。ボケないためには、意欲的であることを意識して行動する、一日一歩、日々が鍛錬・修行ということではないか。
黒柳徹子さんがこのところ話題だが、まさに和田氏のいうのを人生かけて興味関心を失わず、頭の切り替えが早く、音楽が好きで、若い彼ら彼女らと交わり、面白いことを実践して、現役でTV界のセンターをこなしてきた方だ。ユニセフ親善大使、パンダ保護でも知られるマルチタレントの才が知られている。因みに、最近では、下記のような活動が評価されている。
2011年 ギネス世界記録認定(『徹子の部屋』、同一司会者による番組の最多放送回数記録)
2013年 第38回菊田一夫演劇賞 特別賞(永年の翻訳劇に対する情熱と功績に対して)
2015年 ギネス世界記録更新(『徹子の部屋』、放送40年、同一司会者による番組の最多放送回数記録、放送1万回)
2016年 第32回浅草芸能大賞 大賞[128]
栄典・称号
2003年 勲三等瑞宝章
2015年 平成27年度文化功労者(俳優、司会、エッセイ)
2017年 東京都名誉都民
2023年 日本芸術院会員
出典 Wikipedia
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