2022年7月8日に安倍晋三元首相が山上徹也被告に銃撃され、死去した日から1年が経過した。去年の7月8日がなければ旧統一教会と政治家の接点も把握できていなかった。盲目的に資金提供をしてしまう、旧統一協会に家庭を破壊され、進学にも、人生も狂わされた思う宗教2世問題が明るみに出た。今後、宗教被害を出さないことと、宗教二世の被害を救済することの必要性も浮かび上がってきた。
一方で、6月末に韓国で開かれた、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の韓鶴子総裁の発言が音声データで報じられている。韓総裁は集会で「日本が第2次世界大戦の戦犯国家だから被害を与えた国に賠償をしなければならない」などと発言。日本で旧統一教会への風当たりが強くなることに「日本の政治は滅びるしかない」「岸田(文雄首相とみられる)に教育を受けに来いと伝えなさい」と強い口調で語ったとされる。
そうした発言に、ジャーナリストの鈴木エイト氏は、「戦犯」「賠償」などの言葉について「日本からの収奪を正当化する発言にしか聞こえないです」と分析した。「岸田」と実名を出したことについては「かなり異例」と説明した。つまるところ、韓総裁の発言は「資金不足」からくるものだと指摘した。安倍元首相の事件をきっかけに、旧統一教会の実態や政治家との接点も明らかになり、日本からの献金・送金が滞っている為だと説明した。
政界では、政治と教団の癒着には結局メスを入れぬまま終わったような話になっている。人を死に至らしめた山上被告の凶行は決して許されるものではなくて、暴力でそれは解決してはならない、暴力を正当化しない、そして、集票という活動がなされる政治のありようを確認しなくてはならない。
稲田朋美元防衛相が9日、フジテレビ「日曜報道 THE PRIME」(日曜前7・30)に出演。宗教と政治の議論の中で、自民党と旧統一教会の関係について「安倍総理の事件で深い闇の部分も明るみに出てきて、党の方針としてここは切るということで地方統一選でもそれで来ていますので、そこはその方針でいくということだと」と自身の考えを述べた。