このところ、短絡的に人を危めてしまう事件が多発している。そんな時に、北野武監督の映画『アウトレイジ』をおもいだした。観たことない人のために説明しておくと、アウトレイジは“登場人物、全員悪人” がキャッチコピーのヤクザ映画で、最初から最後まで、ひたすら殺人、暴力、そして理不尽が飛び交う“たくさん人が死ぬ”映画。
北野武監督自身は、雑誌のインタビューで「拳銃を使った奴は大抵、死に至るっていうポリシーは持ってるよ」と述べている。
感情的になった人間が死に、冷静な人間は生き残ったが、感情的になった人間はさんざん利用されたあげく、みんな殺されてしまったのです。
サセックス大学教授の心理学者、スチュアート・サザーランドは著書『不合理 誰もまぬがれない思考の罠100』の中でこう述べます。
《怒りや恐怖など強い感情にとらわれると、愚かな行動に走りやすい》
要するに、怒っているときは、だれでも頭が悪くなる。怒っているときに下す判断は、まず、間違っていると考えたほうがいい。
“キレること” “感情的になること”でどれだけ大きな損失を被るか知っておくべきです。
感情的になったとき、すぐに反応するのではなく、感情をコントロールし、冷静になって考える術を身につけているのです。
つまり、感情に任せて反応するのではなく、“冷静になること”の訓練ができているかは重要で、映画はそれを捉えて画像にして見せたのでしょう。