23日に投開票された兵庫県芦屋市長選では、現職ら3氏を引き離し、26歳の無所属新人で学生の留学を支援するNPO法人の運営にも携わってきたNPO理事長の高島崚輔氏が初当選を決めた。中学、高校、大学とラグビー部に所属。「すべての選手がそれぞれの役割を果たさなければトライは生まれない。そこがラグビーの魅力。市政にも『ワンチーム』で取り組みたい」という。
大阪府箕面市出身。幼いころは小児ぜんそくに苦しみ、環境問題は常に「自分の問題」だった。高校時代には東日本大震災の被災地で同世代と語らい、日本のエネルギー政策を考えるようになった。米・ハーバード大学では環境工学を専攻。2019年に大学を休学し、インターンとして芦屋市政策推進課で働き、市政に関心を持ち、「自然豊かで住みやすい芦屋のポテンシャルの高さに気づいた。次世代に引き継がねばと思った」という。学んだことをどう社会に還元するか。
昨年5月に大学卒業後、芦屋に移り住み、市長選挑戦を決めた。選挙戦では、子育て支援の拡充、18歳までの子ども医療費無償化、英語教育の充実などを公約に掲げ、「市民との対話を重視した市政の実現」を訴え、幅広い支持を得た。全国市長会によると、これまで27歳で当選した志々田浩太郎氏(1994年の東京都武蔵村山市長選)を抜き、史上最年少での当選となった。
出典 朝日新聞
北海道函館市長選は、4期目を目指した現職の工藤寿樹氏(73)=自民推薦=を破って無所属新人で元市部長の大泉潤氏(57)が、初当選を果たした。大泉氏は立憲民主党が支持し、工藤氏は自民党のほか、公明党の地方組織が推薦した。選挙は与野党対決の様相を呈し、大泉氏は「市民党」を強調して支持を広げた。
大泉氏は札幌市に隣接する江別市の出身。早稲田大卒業後に函館市役所に入り、工藤氏のもとで観光部長などを務め、保健福祉部長として新型コロナウイルスの対応に当たった。昨年7月に退職し、10月に出馬を正式表明した。
大泉氏は俳優の大泉洋さん(50)の実兄。大泉氏は洋さんについて「私の選挙と彼の芸能生活は別のもの。応援について話したことはなく、応援を頼む考えもない」と語った。一方で「彼は面白いだけでなく家族思い。選挙について話すことはないが、彼の性格からすれば応援してくれているはず」とも述べた。選挙戦で洋さんが応援に入ることはなかったが、「選挙期間中などに『体を大事にして頑張ってくれ』とやり取りをした。やはり弟の洋さんに似ている大泉氏との記念撮影を求める有権者が列を作る光景もみられた。弟の知名度がなければきょうの勝利はなかった。ありがとうと伝えたい」と語った。
出典 毎日新聞