22年10月時点で日本から海外に生活拠点を移した「永住者」は過去最高の55万7千人に上ります。そして、そのうち62%を女性が占めているのです。
1990年時点では女性比は54%でしたが、日本を離れる女性がじわじわ増えていたのです。バブル崩壊以降、デフレモードになり、欧米韓と比較して日本の賃金水準低いというのに、女性の職場条件は相変わらずチャンスに差がある。医学部の入学に男女差がつけられていたなんて、当然のように起きていた日本。一事が万事、女性にはつまらない状況が落とし穴のようにめぐらされてフェアでないと感じさせる。海外はジョブ型雇用なので、基本的に性別や年齢で差別を受けることはありません。その国でニーズの高いスキルや資格、一定の語学力を身に付ければ生活ができるかもしれない、さらに子育て環境も良いとなれば、日本の女性たちが海外に目を向けても不思議ではないでしょう。
英語が堪能なグローバル人材ほど、海外に移住する人が増えるので、語学に強い女性が多く海外脱出する傾向に頷けます。
ダイバーシティの浸透の遅れに敏感な女性たちが「適材適所と言いながら、相変わらず女は二軍扱い、男は産休とらずに働く一軍」という男性を優遇、つまり男性に昇進のチャンスをもたらす阿吽の区別=見えない壁を巡らしている、古い価値観を捨てきれない職場環境に嫌気がさすのです。職場のセクハラ、性的タッチや言葉でのハラスメントだけでなく、育児は女性の役割という意識が残っていて、女性だけに働く足枷をはめているのを当たり前に見過ごすのに、腹立ちを持つのです。待って出会いに期待するよりもジェンダーギャップ解消できる場所で、気持ちよく働きたいと、国境を気にせずに出て行ってしまう女性が増えているのです。出産、育児をするだけじゃなく、自分らしく暮らせるならばと、目を海外に向けてしまうと、意外と気楽。早急に進めないと、日本の少子化問題も深まるばかりですね。
参照:NIKKEI Style
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO09769890R21C16A1000000?dicbo=v2-y2dz0ht&page=3