内閣府が3月31日、ひきこもり調査の結果を公表した。15〜64歳でひきこもり状態にある人は全国で推計146万人いることがわかった。15〜64歳のうち約50人に1人がひきこもり状態に該当することになる。子どもから中高年までの全世代の推計が明らかになるのは初めて。
調査は2022年11月、全国で無作為に抽出した15〜64歳の計約1万1300人が回答した。146万人という推計値は、ただ、約5人に1人は理由の一つに「新型コロナウイルスの感染を抑えて外出をひかえている」をあげており、コロナ禍の影響も色濃く反映され外出を控えている人も含まれている可能性があると内閣府は説明する。
146万人のうち男性が約6割強を占め、女性は約4割弱だった。ひきこもりとなった主な理由(複数回答)では、若年層の15〜39歳で最も多かったのは「退職」の21・5%。次いで「新型コロナの流行」が18・1%だった。40〜69歳では「退職」が44・5%、次いで「新型コロナの流行」が20・6%だった。
ひきこもり期間は、15〜39歳では6カ月〜1年未満が21・5%、3〜5年未満が17・4%だった。40〜69歳では、2〜3年未満が21・9%、次いで3〜5年未満が16・1%だった。30年以上の人は1・9%いた。
「ひきこもり」という言葉が使われ始めたのは、平成が始まって間もない1990年代初頭のこと。学校や仕事に行かず、家にこもって過ごす人を指して98年に精神科医の斎藤環さんの著書「社会的ひきこもり 終わらない思春期」がベストセラーとなり、一般的に知られるようになった。
不登校、若者特有の問題ととらえ始めていたことが、年月を重ね、ひきこもり状態から脱することができない人の中高年化へと進んだ。
「このままでは、親の死後に残された子どもが困窮して孤独死したり、老衰した親が一家心中を図ったりと、最悪の事態が相次ぎかねない」
平成の終わりには、「8050問題」と呼ばれるひきこもりの中高年化が叫ばれるようになった。つまり、80代の親がひきこもりの50代の子を養う状況も増えた。内閣府が2019年3月末、初めて40〜64歳を対象にしたひきこもりに関する調査結果を公表。ひきこもり状態にある中高年の人が全国で61万3千人いると推計した。一方で、専門家は「実際には、200万人を超えている可能性がある」−。
ひきこもりが続き、中高年となると、職探しも困難になる。「働いていなかった人が50代から急に職に就いても、続けるのは難しい」と村上さん。ひきこもり期間が長期化するほど、社会に出る恐怖心は強くなる。社会復帰には、ひきこもった歳月の倍以上の期間をかけ、ボランティア活動から仕事経験へと段階的に支援していくことが不可欠という。
サポートする親も高齢化する。最近は、継続的に相談に訪れていた親自身が介護の必要な体調になり、解決しないまま退会したケースもある。ひきこもり当事者の社会復帰支援を続けるNPO法人「青少年サポートセンターひまわりの会」(福岡市博多区)の村上友利代表は「このままでは、親の死後に残された子どもが困窮して孤独死したり、老衰した親が一家心中を図ったりと、最悪の事態が相次ぎかねない」と心配している。村上さんは「いずれ、90歳の親が60歳の子を養う『9060』も現実になる」と話す。
ある女性は自宅で、50歳近くになった息子と暮らしている。息子は定職に就いておらず、生活の頼りは両親の年金だ。息子は幼少時から引っ込み思案で、人付き合いが苦手だった。学校で孤立し、いじめられることもあった。高校で不登校になり、受験に失敗してからは家族との会話も減った。浪人して私立大に進学した後も、サークル活動やアルバイトはせず、キャンパスと自宅を往復するばかりだった。卒業当時は、平成初期のバブル崩壊を機に始まった就職氷河期の真っただ中。息子は気後れして、企業の説明会に行くこともできなかった。それは弟が先に就職した春だった、家族が喜んでいると、家中に「ガー」とうめき声が響いた。2階の部屋で布団にうずくまり、震える息子が叫んでいた。父や他の兄弟は有名国立大出身で、プレッシャーや負い目があったのかもしれない。「気持ちを分かってあげられず、ごめんね」。女性は息子に寄り添い、涙ながらに謝った。
それから20年ほどの間、息子は仕事に就かず「ひきこもり」となった。知人のつてで携わった事務の仕事は、人間関係をこじらせて1年余りで辞めた。近所に買い物で外出しても、家族以外との交流はほとんどない。
「兄弟には迷惑をかけられない。息子が1人で生きられるようにするのが、親の最後の責任です」。女性は支援団体に通い、相談を続けている。
福岡県立大の四戸智昭准教授(嗜癖(しへき)行動学)は、「昭和から引きずる価値観を問い直す時期に来ている」との指摘する。「学歴や年収を重視する世間のレールに乗れず、企業の就労に合わない人がひきこもりになる。現実には終身雇用は既に崩れ、働き方、生き方も多様化しつつある。強引に社会に引き戻すのではなく、地域貢献活動など、ひきこもりの人の居場所を見つける必要があるのでは」と話した。世間体を気にし、ひきこもりの子を隠そうとする親もおり、実態は見えない。精神科医の斎藤環さんは「自治体の調査を踏まえると、実際には200万人を超えている可能性もある」と指摘し、行政の支援充実を訴えている。
政府は2009年度以降、「ひきこもり地域支援センター」を都道府県や政令市ごとに整備した。全国75カ所(昨年4月現在)に上り、相談員として精神保健福祉士などを配置する。既存の精神保健福祉センターに窓口を置き、そのスタッフが業務を兼任するケースも多い。厚生労働省の集計によると、センターの継続的な利用者は約7500人(昨年3月時点)。支援を受ける期間をみると、約4千人は「1年未満」、約2千人が「1〜3年未満」にとどまる。継続的な支援ができているとは言い難い。
KHJ全国ひきこもり家族会連合会の伊藤正俊共同代表(66)は「現状の限られた人員で、どこまで丁寧に対応できるだろうか」と首をかしげる。KHJが実施した家族調査では、ひきこもり当事者の平均年齢は02年度に26・6歳だったが、18年度には35・2歳と高年齢化。ひきこもりの平均期間も7・5年(02年度)から12・2年(18年度)に伸びている。
バブル崩壊を経て「失われた20年」と呼ばれる経済低迷が続いた平成の時代。経済成長を追い求める陰で、ひきこもりという日本社会の現実問題は令和へと持ち越されている。
出典
朝日新聞 2023/3/31
西日本新聞2019/4/26
つづき
2023年03月31日
2023年03月30日
あらゆる場面に役立つ考え方
上記のように、クリ返してしてきたのが、侍ジャパンのメンバーたちだったのだろうと今さら思い・・・
これって、子育てにも通じるし、教育場面に生かせる、ミスを繰り返さないで向上する方法だそう。
言われた通りにするのではなく、自分のミスの分析をするという化学できるというのが令和と昭和の取り組みの違いなのかもしれない。
不安要素を減らして、集中できるように環境を整える。
WBCで各選手が注目され、スポーツで極めてトップに近づくには、ミスをして落ち込むなどでなく
次へと向上とするための分析ができ、記憶し、目標設定して成し遂げるまでの計画性が出来なくてはならないのだ、野球も深いナと気づかされた。
彼らのように力があり、身体能力が伴って、投げればいい、打てばいいのではなく、意欲をもち、目標攻略の能力がいるし、もともとある才能ばかりでなく、いかに改善して向上するか考える、凄いことなんだと教えられた内容でした。
出来ない事が出来るようになる、チャレンジ
できてることが上手くなるスピードが速くなる
ミスで評価を下げないチャレンジを誉める、
みんなを大事にする、ミスOK、笑ってOK(笑わないと固くなる)、これらを約束しておく
確実に向上させる、あらゆる場面で役立つ、動画でなら、だれでも、どこでも学ぶチャンスがある
生涯時代ですね。
つづき
2023年03月29日
マスクははずせない、について
厚労省は、マスクの着用に関して屋外では原則不要、屋内では原則着用を推奨してきました。しかし、令和5年3月13日から、マスクの着用は個人の判断を基本とする方針に変更されました。行政が一律にルールを策定するのではなく、個人の主体的な選択を尊重するというのが方針変更の大きな理由です。
一方で、感染リスクに対するマスクの有効性を疑問視する声も多く、加えてマスクの感染予防効果を検証した研究データも限られているのが現状でした。
そんな中、2023年1月30日付で質の高い医療情報の発信で世界的に定評のあるコクランという非営利団体が、ウイルス感染症に対するマスクの有効性を検討した研究論文を公開しました。この研究では、これまでに報告されているマスクの感染予防効果を検討した研究9件分のデータが統合解析されています。新型コロナウイルス感染症のみならず、インフルエンザ感染症など呼吸器(喉や鼻、気管支など)に感染するウイルスが検討対象となりました。
解析の結果、ウイルス感染症の症状は、マスクを着用していた場合で1000人あたり152人、マスクを着用していない場合で1000人あたり160人と、マスクを着用していた場合で5%の低下傾向を認めましたが、統計学的に有意な差は示されませんでした。
ただし、解析に含まれた研究の中でも最大規模のデータは、マスクの直接的な感染予防効果を検証した研究ではなく、マスクの着用を推奨する教育的な取り組みの効果を検証した研究でした。たしかに、個人に対するマスクの有効性は必ずしも高いものではないように思います。しかし、この解析結果は、集団における感染拡大の抑止に対するマスクの効果を否定するものではありません。
(青島周一/勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰)
一方で、感染リスクに対するマスクの有効性を疑問視する声も多く、加えてマスクの感染予防効果を検証した研究データも限られているのが現状でした。
そんな中、2023年1月30日付で質の高い医療情報の発信で世界的に定評のあるコクランという非営利団体が、ウイルス感染症に対するマスクの有効性を検討した研究論文を公開しました。この研究では、これまでに報告されているマスクの感染予防効果を検討した研究9件分のデータが統合解析されています。新型コロナウイルス感染症のみならず、インフルエンザ感染症など呼吸器(喉や鼻、気管支など)に感染するウイルスが検討対象となりました。
解析の結果、ウイルス感染症の症状は、マスクを着用していた場合で1000人あたり152人、マスクを着用していない場合で1000人あたり160人と、マスクを着用していた場合で5%の低下傾向を認めましたが、統計学的に有意な差は示されませんでした。
ただし、解析に含まれた研究の中でも最大規模のデータは、マスクの直接的な感染予防効果を検証した研究ではなく、マスクの着用を推奨する教育的な取り組みの効果を検証した研究でした。たしかに、個人に対するマスクの有効性は必ずしも高いものではないように思います。しかし、この解析結果は、集団における感染拡大の抑止に対するマスクの効果を否定するものではありません。
(青島周一/勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰)
2023年03月28日
日韓親和の背景と大谷効果
大谷翔平選手は、WBC優勝後のコメントで、韓国野球界をもうならせた。野球界の発展のためにと、高い次元での発言をしていたことに、特に日本に対しては、スポーツマンシップ以上に対抗意識をもつ組織である野球界も動かした。
そんなおり、武藤正敏元駐韓大使は、慰安婦問題も徴用工問題も市民団体が盛り上げた問題であると分析しするコメントを発した。その際に、
『それでも韓国に住みますか』の著者・豊璋氏の在日としての観点からの発言にも注視していた。武藤氏が著した『韓国人に生まれなくてよかった』(悟空出版)と通底する部分があるというのだ。
在日1世の著者・豊璋氏は祖父に「強制労働」について聞いたところ「”仕事で来た!“以上、終了である」とのこと。当初、元徴用工の要求は「不払い賃金を返してほしい」というだけだった。しかし、韓国の「常識」としての理解は「奴隷のように働かされて満足に給与ももらえなかった」との話が語られている。特に左翼政権下では、この「常識」に歯向かうことは反民族的であるとして、社会的抹殺を意味した。
前大統領は「民主社会のための弁護士会」(民弁)の旗振り役であり、民弁は、この問題を世に訴えることで自分たちのイメージの向上、勢力拡大、政界はじめ社会への進出を果たしてきた背景があり、その先頭にいたのが自明の事実だ。「日本企業から多くの補償を受け取れる」と主張、これを聞いて原告に加わった人も多いという。
また、慰安婦についても、日本の弁護士、女性ジャーナリストが韓国の女性人権団体の呼びかけに応じてこの問題を国際的にも広める国際法廷に持ち出して強調することを計画した。その流れで、韓国内に挺身隊問題対策協議会を設立、日本と韓国で元慰安婦のシンボルとなる女性を集めた。
市民団体や労働団体は、これらのテーマを材料にできるだけ多く、国際的にも、可能な限り長期に補助金要求を引っ張ってきた。文政権になって、そうした左派系団体には補助金がばら撒かれ、デモをすることや、国外でもデモは立像することで、マスコミに注目されて市民団体の権威は高まった。
尹政権になって、そうした市民団体の補助金に対しもメスを入れようとしている。貨物連帯のデモや労組幹部の北朝鮮のスパイ活動に対して安易に妥協することなく取り締まりを行っている。それまで政治的な発言に積極的でなかった多くの一般国民が、尹政権の姿勢を好意的に受け止めはじめた。
武藤元駐韓大使は「そうした彼らの背後には、北朝鮮がいるとの懸念がある。」と警鐘を鳴らす。韓国の「反日」を押さえ込むために最も重要なことは、尹政権が行おうとしている市民団体の取り締まりが成功することだと武藤氏は示唆する。そのための第一歩が、元徴用工の解決案に対する反対世論が大きくなり、市民団体の勢いがぶり返さないようにすることが必要である。
そのために、尹大統領が市民団体の取り締まりに成功すれば、今後ちゃぶ台返しは起きにくくなるはずだという。元徴用工問題では、尹錫悦大統領が国民から反発を受けないよう日本としても前向きに取り組むことが求められるだろう。
前述の豊璋氏によれば、韓国では左派系の声が目立っていると指摘がある、一方で、政党支持率や政権支持率を見る限り、保革は半々と考えられる。しかも、支持率が示ように、熱狂的に左派を支持しているわけではない。実際に大声を上げている左派の割合はさほど多くないというのが実感だそうである。武藤氏もそれに対し、同感だと表明する。
韓国で「NO JAPAN」の大合唱をしていた頃は、ユニクロの店頭に行くのをしぶしぶ控えて通販を利用し、日本旅行にはこっそり行ってSNSには上げないように注意していた日本好き韓国人も多い。もちろん、日本のマンガへの関心は止めようがない。
残念ながら、これまでの韓国側は一旦納得したことでも、元慰安婦や市民団体が強硬に反対し、世論が後押しをすると、前言を翻して新たな要求をしてきたのは、官民ともちゃぶ台返しをそれほど悪いことと考えていないとする意識の欠如を指摘する。
なぜ契約を簡単に反故にするのか。
「数千万円、数億円の未払いで訴えられたところで、返せないと押し通せば、民事は破産、最悪刑事としては詐欺罪で何万円か罰金を払って刑務所に半年入れば全部済む。だったら刑務所に入った方がもうかるから」という態度だそうである。ある人は出所後ソウルを出て、別の場所で同じような「仕事」をしているそうである。
だとすれば、ちゃぶ台返しをすれば如何に強い報復を受け、損失が大きいか理解させることが重要である。日韓間で国益を増進させる交流、協力を約束したのに、ちゃぶ台返しをすれば、それと同等に日本側からも反故にする、報復をするということを理解されることで重要だ。
韓国が徴用工問題に関連し、日本企業に賠償を命じた。そのタイミングで、日本は半導体素材などの戦略物資の対韓輸出を包括的許可制から個別審査に切り替えた。日本は、これは国際輸出管理レジームの問題であり、徴用工問題の報復ではないとしている。
輸出規制の厳格化は、国際輸出管理レジームの問題だということは事実である。輸出規制が厳格化されたタイミングから見て、韓国側は報復だと考えている。そのあたりは建前と本音があってもいいだろう。ちゃぶ台返しをさせないという観点からは、これは報復であると考えさせる方が得策であろう。日本はやるべき時はやる。手控える必要はない。韓国の左派・新左派などを推挙する半数がいる思考様式を踏まえた対応の方が効果的だというのが、武藤氏、豊璋氏の考えのようだ。
参照HP JB Press https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/74573
https://gendai.media/articles/-/97569?page=2
つづき
そんなおり、武藤正敏元駐韓大使は、慰安婦問題も徴用工問題も市民団体が盛り上げた問題であると分析しするコメントを発した。その際に、
『それでも韓国に住みますか』の著者・豊璋氏の在日としての観点からの発言にも注視していた。武藤氏が著した『韓国人に生まれなくてよかった』(悟空出版)と通底する部分があるというのだ。
在日1世の著者・豊璋氏は祖父に「強制労働」について聞いたところ「”仕事で来た!“以上、終了である」とのこと。当初、元徴用工の要求は「不払い賃金を返してほしい」というだけだった。しかし、韓国の「常識」としての理解は「奴隷のように働かされて満足に給与ももらえなかった」との話が語られている。特に左翼政権下では、この「常識」に歯向かうことは反民族的であるとして、社会的抹殺を意味した。
前大統領は「民主社会のための弁護士会」(民弁)の旗振り役であり、民弁は、この問題を世に訴えることで自分たちのイメージの向上、勢力拡大、政界はじめ社会への進出を果たしてきた背景があり、その先頭にいたのが自明の事実だ。「日本企業から多くの補償を受け取れる」と主張、これを聞いて原告に加わった人も多いという。
また、慰安婦についても、日本の弁護士、女性ジャーナリストが韓国の女性人権団体の呼びかけに応じてこの問題を国際的にも広める国際法廷に持ち出して強調することを計画した。その流れで、韓国内に挺身隊問題対策協議会を設立、日本と韓国で元慰安婦のシンボルとなる女性を集めた。
市民団体や労働団体は、これらのテーマを材料にできるだけ多く、国際的にも、可能な限り長期に補助金要求を引っ張ってきた。文政権になって、そうした左派系団体には補助金がばら撒かれ、デモをすることや、国外でもデモは立像することで、マスコミに注目されて市民団体の権威は高まった。
尹政権になって、そうした市民団体の補助金に対しもメスを入れようとしている。貨物連帯のデモや労組幹部の北朝鮮のスパイ活動に対して安易に妥協することなく取り締まりを行っている。それまで政治的な発言に積極的でなかった多くの一般国民が、尹政権の姿勢を好意的に受け止めはじめた。
武藤元駐韓大使は「そうした彼らの背後には、北朝鮮がいるとの懸念がある。」と警鐘を鳴らす。韓国の「反日」を押さえ込むために最も重要なことは、尹政権が行おうとしている市民団体の取り締まりが成功することだと武藤氏は示唆する。そのための第一歩が、元徴用工の解決案に対する反対世論が大きくなり、市民団体の勢いがぶり返さないようにすることが必要である。
そのために、尹大統領が市民団体の取り締まりに成功すれば、今後ちゃぶ台返しは起きにくくなるはずだという。元徴用工問題では、尹錫悦大統領が国民から反発を受けないよう日本としても前向きに取り組むことが求められるだろう。
前述の豊璋氏によれば、韓国では左派系の声が目立っていると指摘がある、一方で、政党支持率や政権支持率を見る限り、保革は半々と考えられる。しかも、支持率が示ように、熱狂的に左派を支持しているわけではない。実際に大声を上げている左派の割合はさほど多くないというのが実感だそうである。武藤氏もそれに対し、同感だと表明する。
韓国で「NO JAPAN」の大合唱をしていた頃は、ユニクロの店頭に行くのをしぶしぶ控えて通販を利用し、日本旅行にはこっそり行ってSNSには上げないように注意していた日本好き韓国人も多い。もちろん、日本のマンガへの関心は止めようがない。
残念ながら、これまでの韓国側は一旦納得したことでも、元慰安婦や市民団体が強硬に反対し、世論が後押しをすると、前言を翻して新たな要求をしてきたのは、官民ともちゃぶ台返しをそれほど悪いことと考えていないとする意識の欠如を指摘する。
なぜ契約を簡単に反故にするのか。
「数千万円、数億円の未払いで訴えられたところで、返せないと押し通せば、民事は破産、最悪刑事としては詐欺罪で何万円か罰金を払って刑務所に半年入れば全部済む。だったら刑務所に入った方がもうかるから」という態度だそうである。ある人は出所後ソウルを出て、別の場所で同じような「仕事」をしているそうである。
だとすれば、ちゃぶ台返しをすれば如何に強い報復を受け、損失が大きいか理解させることが重要である。日韓間で国益を増進させる交流、協力を約束したのに、ちゃぶ台返しをすれば、それと同等に日本側からも反故にする、報復をするということを理解されることで重要だ。
韓国が徴用工問題に関連し、日本企業に賠償を命じた。そのタイミングで、日本は半導体素材などの戦略物資の対韓輸出を包括的許可制から個別審査に切り替えた。日本は、これは国際輸出管理レジームの問題であり、徴用工問題の報復ではないとしている。
輸出規制の厳格化は、国際輸出管理レジームの問題だということは事実である。輸出規制が厳格化されたタイミングから見て、韓国側は報復だと考えている。そのあたりは建前と本音があってもいいだろう。ちゃぶ台返しをさせないという観点からは、これは報復であると考えさせる方が得策であろう。日本はやるべき時はやる。手控える必要はない。韓国の左派・新左派などを推挙する半数がいる思考様式を踏まえた対応の方が効果的だというのが、武藤氏、豊璋氏の考えのようだ。
参照HP JB Press https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/74573
https://gendai.media/articles/-/97569?page=2
つづき
2023年03月27日
さくらの季節、雨にもマケズ
早稲田大学大学院スポーツ科学研究科の修士課程の学位授与式が雨の26日に行われ、有名人も式に臨んでいたためメディアが取材をしていました。
修士入学していたのは、タレントの恵俊彰さん、ラグビー元日本代表の五郎丸歩さん、サッカー元日本代表の福西崇史さんらが修了式に臨んだ。そして、恵さんらを担当した平田竹男教授は、「サッカー界、ラグビー界、メディア界、大事なテーマを見つけてまとめあげられて、卒業のための論文ではなくて、その世界で役に立つ論文をまとめられた」と評価しました。
恵さんは『スポーツを伝える情報番組の役割』をテーマに、一年かけて47,000字に及ぶ修士論文を仕上げ最優秀となった。「情報番組には良い役割があることがわかりました」と研究の成果を報告。また、仕事を抱えながらのキャンパスライフについては、「毎日楽しくてしょうがなかったです。修士学生の皆さんには本当にお世話になり、ワードの使い方からエクセルの使い方から。本当に今の学生さんたちが素晴らしいということがわかりました」とコメントしました。
ラグビー元日本代表の五郎丸さんは、「イギリス、フランス、アメリカのラグビー界をしっかり調べて日本の(ラグビー界を)将来どう切り開いていくか、この一年間調べ、今まで自分の思いだけできましたが、それを活字にすることで整理されてきた」としたうえで、「恐らく我々が生きている間にワールドカップがもう一度日本に戻ってくると思います。それまでに国内リーグ含めて、国内が盛り上がるように尽力していきたい」と今後の決意を語りました。
サッカー元日本代表の福西さんは、「サッカーの得点者やアシスト者だけでなく起点になる大事なところをどう伝えるかの研究を行った」とし、「今後、サッカー界に尽力していきたい」と意気込みを語りました。
出典 TBSニュース
つづき
修士入学していたのは、タレントの恵俊彰さん、ラグビー元日本代表の五郎丸歩さん、サッカー元日本代表の福西崇史さんらが修了式に臨んだ。そして、恵さんらを担当した平田竹男教授は、「サッカー界、ラグビー界、メディア界、大事なテーマを見つけてまとめあげられて、卒業のための論文ではなくて、その世界で役に立つ論文をまとめられた」と評価しました。
恵さんは『スポーツを伝える情報番組の役割』をテーマに、一年かけて47,000字に及ぶ修士論文を仕上げ最優秀となった。「情報番組には良い役割があることがわかりました」と研究の成果を報告。また、仕事を抱えながらのキャンパスライフについては、「毎日楽しくてしょうがなかったです。修士学生の皆さんには本当にお世話になり、ワードの使い方からエクセルの使い方から。本当に今の学生さんたちが素晴らしいということがわかりました」とコメントしました。
ラグビー元日本代表の五郎丸さんは、「イギリス、フランス、アメリカのラグビー界をしっかり調べて日本の(ラグビー界を)将来どう切り開いていくか、この一年間調べ、今まで自分の思いだけできましたが、それを活字にすることで整理されてきた」としたうえで、「恐らく我々が生きている間にワールドカップがもう一度日本に戻ってくると思います。それまでに国内リーグ含めて、国内が盛り上がるように尽力していきたい」と今後の決意を語りました。
サッカー元日本代表の福西さんは、「サッカーの得点者やアシスト者だけでなく起点になる大事なところをどう伝えるかの研究を行った」とし、「今後、サッカー界に尽力していきたい」と意気込みを語りました。
出典 TBSニュース
つづき
2023年03月26日
2023年03月25日
米国でのWBC
アメリカ政治が専門の前嶋和弘・上智大学教授が25日、WBCのアメリカでの反響について、「WBCより、メジャーリーグの開幕を待ってる」と説明、続けて「これだけ盛り上がってて面白くて、私自身も見ておりましたが、アメリカの中では誰も知らない。残念ながら」と現状を語った。
続けて、「見た方は650万人いた。これは大きいわけですが、例えばアメフトのスーパーボウルって1億世帯、つまり2億人ぐらい見てるわけです。それに比べるとやっぱり(少ない)」と数字を用いて説明。
さらに「アメリカって野球というのは、ボルチモアだったらオリオールズとか、ワシントンだったらナショナルズとか、その地元のチームの応援で、オールスターとワールドシリーズ以外は地元の話なんです」と野球文化の違いを指摘した。
その上で「もう一つ言えることは、それはもうわかっていたことなんです、それでもアメリカだって、これだけ日本も台湾も、いろんな国が見てて野球が世界に広がった。これが今回の重要なポイントなんですね。これは間違いなく大成功なんです。アメリカにとってみても」とその功績を評価した。
続けて、「見た方は650万人いた。これは大きいわけですが、例えばアメフトのスーパーボウルって1億世帯、つまり2億人ぐらい見てるわけです。それに比べるとやっぱり(少ない)」と数字を用いて説明。
さらに「アメリカって野球というのは、ボルチモアだったらオリオールズとか、ワシントンだったらナショナルズとか、その地元のチームの応援で、オールスターとワールドシリーズ以外は地元の話なんです」と野球文化の違いを指摘した。
その上で「もう一つ言えることは、それはもうわかっていたことなんです、それでもアメリカだって、これだけ日本も台湾も、いろんな国が見てて野球が世界に広がった。これが今回の重要なポイントなんですね。これは間違いなく大成功なんです。アメリカにとってみても」とその功績を評価した。
2023年03月24日
“美ベンチ”も話題「さすがJAPAN!」
野球日本代表「侍ジャパン」は、第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で世界一奪回を果たし、ドラマチックなゲーム展開に歓声と称賛の声が何度も沸いた。
侍ジャパン優勝メンバーの山田哲人内野手(ヤクルト)が24日、自身のインスタグラムを更新。日本代表としてともに優勝をつかんだダルビッシュ有投手(パドレス)、大谷翔平投手(エンゼルス)とのオフ3ショットを掲載し反響を呼んでいる。山田は「翔平とダルさんと」とコメントを添え、私服姿の3ショットを掲載。↓クリックで拡大、整然と並ぶ靴たちがスリーショット背景にチラ見えです。
ファンからは「夢の3ショット」「最高」という声や、「靴がきちんと並んでいて良いですね」「後ろの靴の数!」「靴が綺麗に並べてあり素敵です!」「お靴が素晴らしく綺麗に並んでいる 流石JAPAN」など、靴を綺麗に並べられた決起集会の様子に称賛の声が上がった。
海外メディアでも、WBC期間中にたびたび、日本の試合後のベンチが綺麗に掃除された“美ベンチ”の様子などが紹介され、称賛と驚きの声が上がっていた。あらゆることに「凄い!」を実現して、夢に向かって前進してきた、先輩・後輩なの哉である。
参照
山田哲人内野手のインスタグラム(@tetsuto.yamada_1)よりc スポーツ報知/報知新聞社
21日(日本時間22日)に米国代表との決勝を3-2で制した。試合後には三塁側のラインに沿って一列に並び、帽子を取って深々と一礼。興奮状態にありながらも最後まで“紳士”を貫いた。
この様子を見た、米スポーツビジネス起業家のジョー・ポンプリアーノ氏は自身のツイッターで「日本はどの世界大会でも非常に素晴らしい。彼ら選手たちは闘争心全開でプレーするが、常にリスペクトの気持ちを見せている」と絶賛した。さらに、ポンプリアーノ氏は熱狂的に応援した日本ファンにも「すごく情熱的で、球場に来た時よりも綺麗な状態で帰っていく。優勝おめでとう。なんて大会だ」と賛辞を送っていた。
(Full-Count編集部)つづき
侍ジャパン優勝メンバーの山田哲人内野手(ヤクルト)が24日、自身のインスタグラムを更新。日本代表としてともに優勝をつかんだダルビッシュ有投手(パドレス)、大谷翔平投手(エンゼルス)とのオフ3ショットを掲載し反響を呼んでいる。山田は「翔平とダルさんと」とコメントを添え、私服姿の3ショットを掲載。↓クリックで拡大、整然と並ぶ靴たちがスリーショット背景にチラ見えです。
ファンからは「夢の3ショット」「最高」という声や、「靴がきちんと並んでいて良いですね」「後ろの靴の数!」「靴が綺麗に並べてあり素敵です!」「お靴が素晴らしく綺麗に並んでいる 流石JAPAN」など、靴を綺麗に並べられた決起集会の様子に称賛の声が上がった。
海外メディアでも、WBC期間中にたびたび、日本の試合後のベンチが綺麗に掃除された“美ベンチ”の様子などが紹介され、称賛と驚きの声が上がっていた。あらゆることに「凄い!」を実現して、夢に向かって前進してきた、先輩・後輩なの哉である。
参照
山田哲人内野手のインスタグラム(@tetsuto.yamada_1)よりc スポーツ報知/報知新聞社
21日(日本時間22日)に米国代表との決勝を3-2で制した。試合後には三塁側のラインに沿って一列に並び、帽子を取って深々と一礼。興奮状態にありながらも最後まで“紳士”を貫いた。
この様子を見た、米スポーツビジネス起業家のジョー・ポンプリアーノ氏は自身のツイッターで「日本はどの世界大会でも非常に素晴らしい。彼ら選手たちは闘争心全開でプレーするが、常にリスペクトの気持ちを見せている」と絶賛した。さらに、ポンプリアーノ氏は熱狂的に応援した日本ファンにも「すごく情熱的で、球場に来た時よりも綺麗な状態で帰っていく。優勝おめでとう。なんて大会だ」と賛辞を送っていた。
(Full-Count編集部)つづき
2023年03月23日
韓国メディアも大谷発言に脱帽
大谷翔平選手はメキシコ戦を前に、WBCで日本が勝つことの意味について「日本のファンもそうですし、韓国も台湾も中国も、その他の国も、今回は残念ながら予選で負けてしまったと思うんですけど、僕らが勝っていって、優勝することによって、次は自分たちの番だって、そういう気持ちになるんじゃないかなと思いますし、勝つだけではなくて、中国もそうですし、日本もそうですけど、まだまだ可能性が、大きくなれる可能性を持っていると思いますし、そのためにも勝ちというのが一番大事かなと思います」と、思いを語っていた。
アメリカ・フロリダ州で現地時間3月21日に行われた決勝では、マイク・トラウト選手などMLBのスター選手を擁するアメリカに3-2で競り勝ち、14年ぶりのWBC優勝を手にした。
大谷選手は、大会のMVPに選ばれ、興奮冷めやらぬ試合後のインタビューで「最高の形になって良かった」と喜びを語った。
さらに、「日本の野球がますます注目されていくことになると思うが、この先に向けてどんな思いか」と聞かれて「日本だけじゃなくて、韓国もそうですし台湾も中国も、その他の国も、もっともっと野球を大好きになってもらえるように、その一歩として優勝できたことがよかったなと思いますし、そうなってくれることを願っています」と回答。アジアや世界の国々への思いや、深い野球愛を口にした。
2023年のWBCには、韓国や台湾、中国も参加したが、アジアの国で予選を突破して準々決勝に進むことができたのは日本だけだった。
大谷選手の言葉に、SNSには「スポーツマンの鑑」や「尊敬できる」のほか「台湾のことを考えてくれてありがとう」といったコメントも投稿されている。
韓国メディア・スポーツ韓国は、この話に目を止めて「インタビューまでも完璧な大谷翔平」と題する記事で「彼には本当に欠点がない」「インタビューの場でも他国を配慮する姿を見ると、彼を愛さずにはいられない」と伝えた。また、韓国の記事は「優勝の歓喜に沸く中で、日本以外の他のアジアの国にも頑張る気持ちになってほしいという考えが持てるなんて、大谷はどこまで完璧なのだろうか」と驚きを示し、「大谷の言葉は、アジアのチームで8強入りしたのが日本だけだったことを残念がるニュアンスだった」と伝えている。「単に個人の満足や日本の栄光を超えてアジアの野球のことまで考えている。野球を心から愛している」と、脱帽。「大谷はアジアの野球が世界の舞台で競争力を備える事を望んでいる」と、記した。
そして、この記事を見た韓国のネットユーザーからは「実力、人柄、容姿まで完璧」「器の大きさが違う」「すごい。本当にヒーローのような人」「これが実力者の余裕」「プロとは何か、ということを教えてくれた」「全てを兼ねそろえた大谷がうらやましい」「実力もマナーもインタビューも韓国の完敗。反論の余地もない」「韓国からは出てくるはずもない偉大な選手」「もうやめてくれ。自分がどんどん惨めになる」「ここまで完璧な人間が存在していいのか?頭の整理が追いつかない」など、感嘆の声が上がっている。
韓国のテレビ局「MBC」がイ・ジョンフへのインタビューの中でWBCの敗戦について「我々の実力通りの成績だと受け入れなければならない。あまりにも残念だが認めることは認めて、また立ち上がる良いきっかけにしたい」と語っている。また、日本代表の大谷の言動から学ぶことが多かったという。大谷が優勝後のインタビューで、「日本だけじゃなくて韓国や台湾も中国も、もっともっと野球を大好きになってもらえるように、その一歩として優勝できたことがよかった」と発言したことについて「そういう言葉を言ってくれたのはとてもすばらしかった。私たちもファンの方のために、もっといい結果を残さなければならないと思いました」と述べていた。
参照 Record China 3/22(翻訳・編集/堂本)
アメリカ・フロリダ州で現地時間3月21日に行われた決勝では、マイク・トラウト選手などMLBのスター選手を擁するアメリカに3-2で競り勝ち、14年ぶりのWBC優勝を手にした。
大谷選手は、大会のMVPに選ばれ、興奮冷めやらぬ試合後のインタビューで「最高の形になって良かった」と喜びを語った。
さらに、「日本の野球がますます注目されていくことになると思うが、この先に向けてどんな思いか」と聞かれて「日本だけじゃなくて、韓国もそうですし台湾も中国も、その他の国も、もっともっと野球を大好きになってもらえるように、その一歩として優勝できたことがよかったなと思いますし、そうなってくれることを願っています」と回答。アジアや世界の国々への思いや、深い野球愛を口にした。
2023年のWBCには、韓国や台湾、中国も参加したが、アジアの国で予選を突破して準々決勝に進むことができたのは日本だけだった。
大谷選手の言葉に、SNSには「スポーツマンの鑑」や「尊敬できる」のほか「台湾のことを考えてくれてありがとう」といったコメントも投稿されている。
韓国メディア・スポーツ韓国は、この話に目を止めて「インタビューまでも完璧な大谷翔平」と題する記事で「彼には本当に欠点がない」「インタビューの場でも他国を配慮する姿を見ると、彼を愛さずにはいられない」と伝えた。また、韓国の記事は「優勝の歓喜に沸く中で、日本以外の他のアジアの国にも頑張る気持ちになってほしいという考えが持てるなんて、大谷はどこまで完璧なのだろうか」と驚きを示し、「大谷の言葉は、アジアのチームで8強入りしたのが日本だけだったことを残念がるニュアンスだった」と伝えている。「単に個人の満足や日本の栄光を超えてアジアの野球のことまで考えている。野球を心から愛している」と、脱帽。「大谷はアジアの野球が世界の舞台で競争力を備える事を望んでいる」と、記した。
そして、この記事を見た韓国のネットユーザーからは「実力、人柄、容姿まで完璧」「器の大きさが違う」「すごい。本当にヒーローのような人」「これが実力者の余裕」「プロとは何か、ということを教えてくれた」「全てを兼ねそろえた大谷がうらやましい」「実力もマナーもインタビューも韓国の完敗。反論の余地もない」「韓国からは出てくるはずもない偉大な選手」「もうやめてくれ。自分がどんどん惨めになる」「ここまで完璧な人間が存在していいのか?頭の整理が追いつかない」など、感嘆の声が上がっている。
韓国のテレビ局「MBC」がイ・ジョンフへのインタビューの中でWBCの敗戦について「我々の実力通りの成績だと受け入れなければならない。あまりにも残念だが認めることは認めて、また立ち上がる良いきっかけにしたい」と語っている。また、日本代表の大谷の言動から学ぶことが多かったという。大谷が優勝後のインタビューで、「日本だけじゃなくて韓国や台湾も中国も、もっともっと野球を大好きになってもらえるように、その一歩として優勝できたことがよかった」と発言したことについて「そういう言葉を言ってくれたのはとてもすばらしかった。私たちもファンの方のために、もっといい結果を残さなければならないと思いました」と述べていた。
参照 Record China 3/22(翻訳・編集/堂本)
2023年03月22日
女性の作品は圧倒的に数が少ない
本年はピカソの没後50周年、ピカソ礼賛の特別展や評論の山となりそうだが、実は厳しい批判も浮上している。それはモデルとなった女性との同棲を繰り返し、時には複数の女性と同時に付き合っていたピカソについては、別れた後の女性たちが悲惨な運命をたどったことについての研究が進められて、女性の人権を著しく蹂躙した男でもあるとして歴史に刻もうという動きがあることだ。
2017年、ハリウッドの映画プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインが数十年に及ぶセクシャルハラスメントで、ニューヨーク・タイムズ紙が告発記事を掲載したことから #MeToo運動 は一気に世界的注目を集めた。セクハラ、性暴力への批判の矛先は今回、芸術界の巨匠にも及んだ。研究者は高名な芸術家ピカソの闇の部分を表に出そうとしている。
昨年12月、ドイツのBBCといわれるドイツ国際公共放送のウェブサイトにインド出身のジャーナリスト兼編集者のマナシ・ゴパラクリシュナン氏が寄稿した論文が掲載された。その内容は、ピカソの病的ともいえる野獣のような女性支配欲は無視できず、女性蔑視、女性を侮辱する態度を続けたことを「有毒な男らしさ」としての見直しが必要との主張だった。
◆ルーブル美術館では初の女性館長が誕生
2017年にはアメリカのメトロポリタン美術館に対して、展示されているフランス人画家バルテュスの「夢見るテレーズ」が下半身下着姿の少女を描いた作品だったために不適切と批判された。ニューヨーク在住の起業家ミア・メリルが展示を差し止めるよう、1万1000人の署名とともに嘆願書を出した。
嘆願書に対して世論は「魔女狩り」など批判的反応が多く、最終的に美術館は要求を拒否した一方、有益な問題提起だったと付け加えた。
フランスの美術界は今、明らかに意図的に女性に注目している。それも美の対象としてではなく、美のクリエーターとしての女性の活躍に光が当てられ、さらに美術館トップに女性が起用され、まさに時代の転換期を示し、芸術界の女性への熱い眼差しは過去にないレベルに高まっている。
2021年9月、世界最大規模のパリのルーブル美術館の館長にロランス・デカール氏が就任。彼女は、すでにパリのオランジュリー美術館、オルセー美術館の館長を務めたキャリアを持ち、文化遺産の国際協力担当相に就いたジャン=リュック・マルティネス館長の後任となった。大改装後のルーブルで若者にも魅力的な美術館づくりに取り組んでいる。
同じく2021年、フランス元老院(セナ)が所有するパリのリュクサンブール美術館では「女性画家、1780年―1830年」展が開催された。大革命前のアンシャンレジーム期の最後の十数年間、女性画家は前例のない注目と同時に男性王室画家らの抵抗の中にあった。その中心にいたのがマリー・アントワネットの肖像画家として知られるエリザベート=ルイーズ・ビジェ=ルブランで、同特別展の中心に据えられた。
同展のタイトルが「闘いの起源」とされていたのは、文字通り男性中心の美術界に女性が進出する闘いの起源を探る展覧会だったからだ。大革命を前後して数奇な運命をたどった女性画家たちは皆、苦労の連続だったし、男性と同格に扱われることもなかった。この展覧会がフランス美術界に転機を与えた。
2022年に入り、同じリュクサンブール美術館では、19世紀の終わりから20世紀初頭に活躍した女性画家たちの役割に焦点を当てた「パイオニア 狂騒の20年代のパリの芸術家」が開催された。フランスの芸術界が近年、いかに芸術と女性の関係を丁寧に再考しているかを物語るもので、フランスが解放感に酔いしれた狂騒の19世紀末から20世紀初頭が舞台だった。
時は世界中の才能あふれる芸術家たちがパリで制作にしのぎを削ったエコール・ド・パリの時代、活気に満ちていた芸術界にはシュザンヌ・ヴァラドン、タマラ・ド・レンピッカ、ソニア・ドローネー、タルシラ・ド・アマラルなどの先駆者たちが、パリの美術学校を通過し、芸術家として認められ、スタジオ、ギャラリー、出版社を所有した。
フランスで女性が自ら選ぶ権利を行使した最初の時代であり、美術学校の講座で裸体を表現したのは女性だった。同展の説明では彼らは自分たちに課せられたセクシュアリティによる伝統的義務を抜け出し、結婚するか否かを含め、体当たりで選択の自由を主張したフランスで最初の女性パイオニアだった。ただ、彼女たちは巨匠の仲間には入らなかった。エコール・ド・パリの主役には、せいぜいマリー・ローランサンが入ったぐらいだった。フランスで女性参政権が認められたのは1945年だったことを考えると、女性芸術家たちの登場が社会を変えるまでに40年はかかったことになる。
フランス人美術商のオードブラン氏は「女性の作品は紹介しないのではなく、そもそも圧倒的に数が少ない。一方で女性が美の対象として男性の権威に支配されてきた歴史は否定できない。これからは、未成年者を性の対象とする作品、男性による強制的支配をうける女性をテーマにした作品は批判の対象になるだろう」と述べている。
出典 東洋経済オンライン
2017年、ハリウッドの映画プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインが数十年に及ぶセクシャルハラスメントで、ニューヨーク・タイムズ紙が告発記事を掲載したことから #MeToo運動 は一気に世界的注目を集めた。セクハラ、性暴力への批判の矛先は今回、芸術界の巨匠にも及んだ。研究者は高名な芸術家ピカソの闇の部分を表に出そうとしている。
昨年12月、ドイツのBBCといわれるドイツ国際公共放送のウェブサイトにインド出身のジャーナリスト兼編集者のマナシ・ゴパラクリシュナン氏が寄稿した論文が掲載された。その内容は、ピカソの病的ともいえる野獣のような女性支配欲は無視できず、女性蔑視、女性を侮辱する態度を続けたことを「有毒な男らしさ」としての見直しが必要との主張だった。
◆ルーブル美術館では初の女性館長が誕生
2017年にはアメリカのメトロポリタン美術館に対して、展示されているフランス人画家バルテュスの「夢見るテレーズ」が下半身下着姿の少女を描いた作品だったために不適切と批判された。ニューヨーク在住の起業家ミア・メリルが展示を差し止めるよう、1万1000人の署名とともに嘆願書を出した。
嘆願書に対して世論は「魔女狩り」など批判的反応が多く、最終的に美術館は要求を拒否した一方、有益な問題提起だったと付け加えた。
フランスの美術界は今、明らかに意図的に女性に注目している。それも美の対象としてではなく、美のクリエーターとしての女性の活躍に光が当てられ、さらに美術館トップに女性が起用され、まさに時代の転換期を示し、芸術界の女性への熱い眼差しは過去にないレベルに高まっている。
2021年9月、世界最大規模のパリのルーブル美術館の館長にロランス・デカール氏が就任。彼女は、すでにパリのオランジュリー美術館、オルセー美術館の館長を務めたキャリアを持ち、文化遺産の国際協力担当相に就いたジャン=リュック・マルティネス館長の後任となった。大改装後のルーブルで若者にも魅力的な美術館づくりに取り組んでいる。
同じく2021年、フランス元老院(セナ)が所有するパリのリュクサンブール美術館では「女性画家、1780年―1830年」展が開催された。大革命前のアンシャンレジーム期の最後の十数年間、女性画家は前例のない注目と同時に男性王室画家らの抵抗の中にあった。その中心にいたのがマリー・アントワネットの肖像画家として知られるエリザベート=ルイーズ・ビジェ=ルブランで、同特別展の中心に据えられた。
同展のタイトルが「闘いの起源」とされていたのは、文字通り男性中心の美術界に女性が進出する闘いの起源を探る展覧会だったからだ。大革命を前後して数奇な運命をたどった女性画家たちは皆、苦労の連続だったし、男性と同格に扱われることもなかった。この展覧会がフランス美術界に転機を与えた。
2022年に入り、同じリュクサンブール美術館では、19世紀の終わりから20世紀初頭に活躍した女性画家たちの役割に焦点を当てた「パイオニア 狂騒の20年代のパリの芸術家」が開催された。フランスの芸術界が近年、いかに芸術と女性の関係を丁寧に再考しているかを物語るもので、フランスが解放感に酔いしれた狂騒の19世紀末から20世紀初頭が舞台だった。
時は世界中の才能あふれる芸術家たちがパリで制作にしのぎを削ったエコール・ド・パリの時代、活気に満ちていた芸術界にはシュザンヌ・ヴァラドン、タマラ・ド・レンピッカ、ソニア・ドローネー、タルシラ・ド・アマラルなどの先駆者たちが、パリの美術学校を通過し、芸術家として認められ、スタジオ、ギャラリー、出版社を所有した。
フランスで女性が自ら選ぶ権利を行使した最初の時代であり、美術学校の講座で裸体を表現したのは女性だった。同展の説明では彼らは自分たちに課せられたセクシュアリティによる伝統的義務を抜け出し、結婚するか否かを含め、体当たりで選択の自由を主張したフランスで最初の女性パイオニアだった。ただ、彼女たちは巨匠の仲間には入らなかった。エコール・ド・パリの主役には、せいぜいマリー・ローランサンが入ったぐらいだった。フランスで女性参政権が認められたのは1945年だったことを考えると、女性芸術家たちの登場が社会を変えるまでに40年はかかったことになる。
フランス人美術商のオードブラン氏は「女性の作品は紹介しないのではなく、そもそも圧倒的に数が少ない。一方で女性が美の対象として男性の権威に支配されてきた歴史は否定できない。これからは、未成年者を性の対象とする作品、男性による強制的支配をうける女性をテーマにした作品は批判の対象になるだろう」と述べている。
出典 東洋経済オンライン
2023年03月21日
子供の反戦の絵で父親逮捕、ロシア警察
ロシアの6年生の少女が、学校の美術の授業で「反戦」的な絵を描いたことにより、シングルファーザーである彼女の父親が当局に逮捕された。娘本人は孤児院に送られたという。家族に近い筋が明かした。
奉仕活動家のエレーナ・アガフォーノワという人物が独立系メディアの「Spektr」に語ったところによれば、警察に身柄を拘束されたのは、ロシア西部トゥーラ州で鳥の飼育業を営むアレクセイ・モスカレフだ。
モスカレフの娘マーシャは小学6年生だった昨年4月、美術の授業中に反戦をテーマにした絵を描き、これを見た教師が警察に通報した。ロシアの独立系ニュースサイト「メドゥーサ」によれば、教師が生徒たちに指示していたのは、ウクライナに軍事侵攻を行っているロシア軍を「支持する」絵を描くことだったという。
この問題について、ロシア連邦保安局(FSB)と児童保護局が調査を行い、モスカレフはソーシャルメディアへの投稿でロシア軍の「信用を失墜させた」罪で起訴された。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は2022年3月に刑法を改正し、これによりロシア軍の「信用を失墜させた」者には、最大5年の禁錮刑を科すことが可能になっている。
モスカレフは1月9日に警察に出頭するよう命じられていたが応じず、娘を(それまで暮らしていた)エフレーモフ市から隣接するウズロバヤ市に移したが、その後、当局に逮捕された。
過去にシングルファーザーのモスカレフとその家族を支援していたというアガフォーノワによれば、当局はモスカレフの家の家宅捜索を行い、彼の所持金を全て押収したという。ロシアの人権活動家で反体制派のマリーナ・リトビノビッチも、メッセージアプリ「テレグラム」への投稿で、アガフォーノワの主張を裏付けた。
アガフォーノワは、彼女がモスカレフを自宅にかくまっていると信じる人々が、身元を明かさずに近づいてくると語った。彼らはアガフォーノワに自宅の中を見せろと迫り、彼女がそれを断ると、彼女の自宅のドアを破ると脅したが、警察に通報すると言うと去っていったという。
モスカレフは逮捕された後、ロシア連邦捜査委員会に移送され、以降は独房に留置されている。アガフォーノワによれば、モスカレフの弁護士は、3月2日に捜査活動が行われる見通しだと説明したという。
娘のマーシャは、青少年委員会が保護し、エフレーモフの孤児院に送られた。父親の処遇が決まるまで、あるいは疎遠になっている母親が見つかるまでは、孤児院で暮らすことになると報じられている。アガフォーノワは、マーシャを預かる用意があると言っている。
トゥーラ州ではほかにも同じような事例があり、プーチンが新年を迎えるにあたって行った演説の最中に、クラブでウクライナ人が作曲した曲を流した地元在住のDJは、同州の裁判所によって罰金刑を下された。
出典
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2023/03/6-131.php
奉仕活動家のエレーナ・アガフォーノワという人物が独立系メディアの「Spektr」に語ったところによれば、警察に身柄を拘束されたのは、ロシア西部トゥーラ州で鳥の飼育業を営むアレクセイ・モスカレフだ。
モスカレフの娘マーシャは小学6年生だった昨年4月、美術の授業中に反戦をテーマにした絵を描き、これを見た教師が警察に通報した。ロシアの独立系ニュースサイト「メドゥーサ」によれば、教師が生徒たちに指示していたのは、ウクライナに軍事侵攻を行っているロシア軍を「支持する」絵を描くことだったという。
この問題について、ロシア連邦保安局(FSB)と児童保護局が調査を行い、モスカレフはソーシャルメディアへの投稿でロシア軍の「信用を失墜させた」罪で起訴された。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は2022年3月に刑法を改正し、これによりロシア軍の「信用を失墜させた」者には、最大5年の禁錮刑を科すことが可能になっている。
モスカレフは1月9日に警察に出頭するよう命じられていたが応じず、娘を(それまで暮らしていた)エフレーモフ市から隣接するウズロバヤ市に移したが、その後、当局に逮捕された。
過去にシングルファーザーのモスカレフとその家族を支援していたというアガフォーノワによれば、当局はモスカレフの家の家宅捜索を行い、彼の所持金を全て押収したという。ロシアの人権活動家で反体制派のマリーナ・リトビノビッチも、メッセージアプリ「テレグラム」への投稿で、アガフォーノワの主張を裏付けた。
アガフォーノワは、彼女がモスカレフを自宅にかくまっていると信じる人々が、身元を明かさずに近づいてくると語った。彼らはアガフォーノワに自宅の中を見せろと迫り、彼女がそれを断ると、彼女の自宅のドアを破ると脅したが、警察に通報すると言うと去っていったという。
モスカレフは逮捕された後、ロシア連邦捜査委員会に移送され、以降は独房に留置されている。アガフォーノワによれば、モスカレフの弁護士は、3月2日に捜査活動が行われる見通しだと説明したという。
娘のマーシャは、青少年委員会が保護し、エフレーモフの孤児院に送られた。父親の処遇が決まるまで、あるいは疎遠になっている母親が見つかるまでは、孤児院で暮らすことになると報じられている。アガフォーノワは、マーシャを預かる用意があると言っている。
トゥーラ州ではほかにも同じような事例があり、プーチンが新年を迎えるにあたって行った演説の最中に、クラブでウクライナ人が作曲した曲を流した地元在住のDJは、同州の裁判所によって罰金刑を下された。
出典
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2023/03/6-131.php
2023年03月20日
中国の人口減少、出生率低下への対策は?!
国連を始めとする各種人口統計を総合すると、2022年末に中国はインドに人口世界一の座を明け渡した。2022年末における中国人口は14億1175万人だったが、インドはそれを追い抜いて14億1700万人に達したものと思われる。人口構成で若年層が多いインドは今後も人口増加が続き、2050年には16億人を超えると予想されている。
一方、中国はすでに65歳以上の人口が総人口に占める割合が14パーセント以上となる「高齢化社会」に突入している。ちなみに、65歳以上の人口は、2021年末:2億56万人(総人口に占める割合:14.2パーセント)、2022年末:2億978万人(同14.9パーセント)であり、わずか1年で65歳以上人口は922万人も増加している。この数字は今後も継続して増大して行くはずであり、出生人口の減少との相乗効果で総人口の減少は不可避であり、生産年齢人口(15〜64歳)の減少とも相まって国力の減退は避けられないのである。
2022年に中国の人口総数は幾分下降したが、その要因は出生人口の減少にあった。第一の要因は出産可能女性の持続的な減少であった。2022年に中国における15〜49歳の出産可能女性は2021年に比べて400万人以上減少したが、その内の21〜35歳の出産最盛期にある出産可能女性は500万人近く減少した。第二の要因は出産レベルの継続的な下降であった。出産観念の変化、結婚・出産の先延ばしなど多方面の要素の影響を受けて、2022年における出産可能女性の出産レベルは継続的に下降した。
そこで、中国は法改正して、子供を出産した人は誰でもいかなる制約を受けることなく出生届の手続きすることが可能ということに改正する。四川省衛生健康委員会は「出生届」だけに言及していて、あえて「戸籍」とは言っていないが、「澎湃新聞」が述べているように、改正後は子供が生まれた人は既婚・未婚を問わず、子供の出生届を手続きしさえすれば、自動的に戸籍も与えられるということである。これまでは未婚で出産した者は犯罪者同様に扱われて出生届の受理は困難を極めたし、子供の戸籍を取得するには厳しい条件が課せられたから、無戸籍の子供が多数存在したのだった。
2016年には1組の夫婦に無条件で子供を2人まで容認する「両個孩子政策(二人っ子政策)」が開始された。この結果、2016年の出生率は2015年の11.99パーミルから1.58上昇して13.57パーミルになったが、同政策の効果は2016年だけに留まり、2017年以降の出生人口は年々さらに減少した。
深刻化する出生人口の減少傾向を抑制すべく打ち出されたのが、2021年7月に発表された「三個子女政策(三人っ子政策)」であった。同政策は1組の夫婦に子供を3人まで持つことを許容すると同時に子供3人の家庭に補助金を含めた各種優遇措置を講ずるというものであった。
中国政府は三人っ子政策が大きな効果を発揮するものと大いに期待を寄せていたのだが、それは肩透かしに終わったのだった。三人っ子政策の実施から1年後の2022年の出生人口は上述したように956万人となり、前年(2021年)の出生人口より106万人も減少したのだった。この結果として、2022年の人口自然増加率はマイナス0.60パーミルとなって、1960年のマイナス4.57パーミル以来62年振りにマイナスを記録したのだ。
新中国は1949年に成立した。その時代に未婚女性の妊娠は不道徳なことと考えられていた。一般の家庭は夫婦共稼ぎであり、子供たちはそのほとんどが「鍵っ子」であったから、色気づいた中学生や高校生が両親不在の昼間に好きな異性を自宅へ連れ込んだ挙句、いつの間にか男女関係に発展してしまうことがよくあった。
当時の社会は「性」がタブー視されていたから、中・高校生を含む多くの若者が性については無知で、性行為を行えば妊娠する可能性があることを知らなかったし、ましてや避妊の方法など知る由もなかった。この結果、中学・高校の女子学生が妊娠してしまい、堕胎を余儀なくされることが多々あった。
そんな場合に医院の医師や看護婦たちは堕胎する女子学生を不道徳者として見下し、堕胎手術を乱雑に行い、麻酔なしで掻把(そうは)をするなどして、後々に妊娠不能となるような傷跡を母体に残すことも多発したようだ。筆者の妻は1986〜1989年に帯同家族として北京市で駐在していたが、堕胎のために医院を訪れた女子学生が意地悪されているのを何度も目撃したと言う。
一つの例であるが、北京駐在中(1985〜1990年)に部下であった中国女性は入社早々の22歳で結婚したが、図らずもわずか数か月で妊娠した。それは彼ら夫婦にとって予想外の望まぬ妊娠だったので、すぐに堕胎して事なきを得た。彼らは避妊の知識は皆無で学校では性教育を受けることは全くなかった由であった。
今回、「未婚の出産による新生児の出産届を受理すると同時に戸籍も与える」という四川省を始めとする5省の試みは画期的な政策と言えるが、それでも減少を続ける中国の人口が未婚出産によって増加に転じるとは考えられない。
中国は長期にわたる一人っ子政策の実施の後に、二人っ子政策、さらには三人っ子政策を実施することで、出生人口の減少に歯止めをかけようと必死にあがき、遂には未婚出産を容認するまでの譲歩を余儀なくされたのだった。しかし、どんなに中国政府が出生人口の増大を図ろうとも、子供一人を育てるだけでも経済的余裕のない階層が大多数を占める中国国民が政府の思惑通りに子供の出産に励む可能性は極めて小さいと思わざるを得ない。
なお、中国の性別構成を見ると、男性人口は7億2206万人、女性人口は6億8969万人であり、男性人口は女性人口よりも3237万人少ない。総人口に占める性別比率は女性を100とすれば、男性は104.96であり、男女比率は男性51.15パーセントに対して女性48.85パーセントである。
そこで、中国の人口専門家である易富賢(いふけん。米国ウィスコンシン大学マディソン校の研究者)氏は、子供の出産届や戸籍といった出産権の確立だけでは不十分であり、成長させるための保障が必要だと述べている。氏によると、今後中国が出生率を上昇させることは困難であり、未婚出産の比率を高くすることはできないだろうと述べている。なぜなら、「中国は目下のところ出産環境が劣悪であり、人々は生活の拠り所が安定しない状態にある。現状では二人親の家庭でさえも子供2人を養うのが困難なので、片親家庭の母親は子供1人さえ養うことは無理なだろう。その背景は、中国国民の可処分所得はGDP(国内総生産)の44パーセントを占めているに過ぎないが、国際社会では国民の可処分所得はGDPの60〜80パーセントを占めている。そして、中国の不動産市場総額はGDPの4倍だが、米国は1.6倍、日本は2.1倍に過ぎないし、教育コストも中国は非常に高い。とても、一人親で子供を育てるなど、法が変わっても少子化歯止めにはならないだろう。」と述べている。
参照 現代ビジネス
一方、中国はすでに65歳以上の人口が総人口に占める割合が14パーセント以上となる「高齢化社会」に突入している。ちなみに、65歳以上の人口は、2021年末:2億56万人(総人口に占める割合:14.2パーセント)、2022年末:2億978万人(同14.9パーセント)であり、わずか1年で65歳以上人口は922万人も増加している。この数字は今後も継続して増大して行くはずであり、出生人口の減少との相乗効果で総人口の減少は不可避であり、生産年齢人口(15〜64歳)の減少とも相まって国力の減退は避けられないのである。
2022年に中国の人口総数は幾分下降したが、その要因は出生人口の減少にあった。第一の要因は出産可能女性の持続的な減少であった。2022年に中国における15〜49歳の出産可能女性は2021年に比べて400万人以上減少したが、その内の21〜35歳の出産最盛期にある出産可能女性は500万人近く減少した。第二の要因は出産レベルの継続的な下降であった。出産観念の変化、結婚・出産の先延ばしなど多方面の要素の影響を受けて、2022年における出産可能女性の出産レベルは継続的に下降した。
そこで、中国は法改正して、子供を出産した人は誰でもいかなる制約を受けることなく出生届の手続きすることが可能ということに改正する。四川省衛生健康委員会は「出生届」だけに言及していて、あえて「戸籍」とは言っていないが、「澎湃新聞」が述べているように、改正後は子供が生まれた人は既婚・未婚を問わず、子供の出生届を手続きしさえすれば、自動的に戸籍も与えられるということである。これまでは未婚で出産した者は犯罪者同様に扱われて出生届の受理は困難を極めたし、子供の戸籍を取得するには厳しい条件が課せられたから、無戸籍の子供が多数存在したのだった。
2016年には1組の夫婦に無条件で子供を2人まで容認する「両個孩子政策(二人っ子政策)」が開始された。この結果、2016年の出生率は2015年の11.99パーミルから1.58上昇して13.57パーミルになったが、同政策の効果は2016年だけに留まり、2017年以降の出生人口は年々さらに減少した。
深刻化する出生人口の減少傾向を抑制すべく打ち出されたのが、2021年7月に発表された「三個子女政策(三人っ子政策)」であった。同政策は1組の夫婦に子供を3人まで持つことを許容すると同時に子供3人の家庭に補助金を含めた各種優遇措置を講ずるというものであった。
中国政府は三人っ子政策が大きな効果を発揮するものと大いに期待を寄せていたのだが、それは肩透かしに終わったのだった。三人っ子政策の実施から1年後の2022年の出生人口は上述したように956万人となり、前年(2021年)の出生人口より106万人も減少したのだった。この結果として、2022年の人口自然増加率はマイナス0.60パーミルとなって、1960年のマイナス4.57パーミル以来62年振りにマイナスを記録したのだ。
新中国は1949年に成立した。その時代に未婚女性の妊娠は不道徳なことと考えられていた。一般の家庭は夫婦共稼ぎであり、子供たちはそのほとんどが「鍵っ子」であったから、色気づいた中学生や高校生が両親不在の昼間に好きな異性を自宅へ連れ込んだ挙句、いつの間にか男女関係に発展してしまうことがよくあった。
当時の社会は「性」がタブー視されていたから、中・高校生を含む多くの若者が性については無知で、性行為を行えば妊娠する可能性があることを知らなかったし、ましてや避妊の方法など知る由もなかった。この結果、中学・高校の女子学生が妊娠してしまい、堕胎を余儀なくされることが多々あった。
そんな場合に医院の医師や看護婦たちは堕胎する女子学生を不道徳者として見下し、堕胎手術を乱雑に行い、麻酔なしで掻把(そうは)をするなどして、後々に妊娠不能となるような傷跡を母体に残すことも多発したようだ。筆者の妻は1986〜1989年に帯同家族として北京市で駐在していたが、堕胎のために医院を訪れた女子学生が意地悪されているのを何度も目撃したと言う。
一つの例であるが、北京駐在中(1985〜1990年)に部下であった中国女性は入社早々の22歳で結婚したが、図らずもわずか数か月で妊娠した。それは彼ら夫婦にとって予想外の望まぬ妊娠だったので、すぐに堕胎して事なきを得た。彼らは避妊の知識は皆無で学校では性教育を受けることは全くなかった由であった。
今回、「未婚の出産による新生児の出産届を受理すると同時に戸籍も与える」という四川省を始めとする5省の試みは画期的な政策と言えるが、それでも減少を続ける中国の人口が未婚出産によって増加に転じるとは考えられない。
中国は長期にわたる一人っ子政策の実施の後に、二人っ子政策、さらには三人っ子政策を実施することで、出生人口の減少に歯止めをかけようと必死にあがき、遂には未婚出産を容認するまでの譲歩を余儀なくされたのだった。しかし、どんなに中国政府が出生人口の増大を図ろうとも、子供一人を育てるだけでも経済的余裕のない階層が大多数を占める中国国民が政府の思惑通りに子供の出産に励む可能性は極めて小さいと思わざるを得ない。
なお、中国の性別構成を見ると、男性人口は7億2206万人、女性人口は6億8969万人であり、男性人口は女性人口よりも3237万人少ない。総人口に占める性別比率は女性を100とすれば、男性は104.96であり、男女比率は男性51.15パーセントに対して女性48.85パーセントである。
そこで、中国の人口専門家である易富賢(いふけん。米国ウィスコンシン大学マディソン校の研究者)氏は、子供の出産届や戸籍といった出産権の確立だけでは不十分であり、成長させるための保障が必要だと述べている。氏によると、今後中国が出生率を上昇させることは困難であり、未婚出産の比率を高くすることはできないだろうと述べている。なぜなら、「中国は目下のところ出産環境が劣悪であり、人々は生活の拠り所が安定しない状態にある。現状では二人親の家庭でさえも子供2人を養うのが困難なので、片親家庭の母親は子供1人さえ養うことは無理なだろう。その背景は、中国国民の可処分所得はGDP(国内総生産)の44パーセントを占めているに過ぎないが、国際社会では国民の可処分所得はGDPの60〜80パーセントを占めている。そして、中国の不動産市場総額はGDPの4倍だが、米国は1.6倍、日本は2.1倍に過ぎないし、教育コストも中国は非常に高い。とても、一人親で子供を育てるなど、法が変わっても少子化歯止めにはならないだろう。」と述べている。
参照 現代ビジネス
2023年03月19日
WBC、侍ジャパン、準決勝、決勝のマイアミへ
メッツのジャスティン・バーランダー投手(40)を兄に持ち、全米一の大谷翔平投手(28)=エンゼルス=マニアを自負するFOXスポーツのアナリスト、ベン・バーランダー氏(31)が取材に応じ、侍ジャパンの印象を語った。
大会前から佐々木朗や山本の名前は知っていたけど、じっくり彼らの投球を見たのは初めて。期待以上だ。
3月11日には、期しくも、2011年の東日本大震災で父と祖父母を亡くした佐々木朗が先発したことは、運命に導かれたようで言葉を失った。3回3分の2で8三振を奪ったね。なんてことだ!≠ニ思ったよ。相手がチェコだからという人がいるかもしれないけど、100マイル(約161キロ)を超える直球と鋭く落ちるフォークボールは、誰が相手でも同じような結果になると思うね。
山本も素晴らしい。決勝で米国とあたっても十分に通用する。大リーグに挑戦するなら間違いなく争奪戦になる。
打者では近藤と吉田が印象に残った。近藤は正直、あまり知らなかったけどコンタクトがうまくて長打もある。大会前は1番がヌートバー、2番を翔平が打つべきだと考えていたけど、近藤の2番起用は素晴らしい。吉田の活躍にはレッドソックスのコーラ監督が喜んでいるんじゃないかな。
ヌートバーは日本でスーパースターになっている。守備で魅せるし、勝負強い。ペッパーミル・パフォーマンスは日本に定着し、彼は今季、カージナルスでも大きく飛躍するかもしれない。日本の打線は翔平を中心にいろいろなタイプの選手がいて、どこからでも点が取れる。投手陣の評価はもともと高かったけど、打線も悪くない。
日本は強い。改めて、そう思ったよ。
出典 サンケイスポーツ
日本の野球、選手だけでなく日本全体が世界の称賛の的になっているようです。負けて戻ったあとバッシングに耐える韓国の野球陣とは状況と大違いです。大谷の3ランホームランを手にした女子学生がそのボールの喜を分かち合うように外野席に回した処、ボールはグルット回って元の女子学生の処へ戻ってきたとのことです。それをみたアメリカの記者が驚いたそうです。アメリカでは考えられないとのこと。
こんなことを先日、野球好きのT氏は布佐中学の生徒さんへ話したところ、生徒も、先生も、興味をもって聞いてそうです。
つづき
大会前から佐々木朗や山本の名前は知っていたけど、じっくり彼らの投球を見たのは初めて。期待以上だ。
3月11日には、期しくも、2011年の東日本大震災で父と祖父母を亡くした佐々木朗が先発したことは、運命に導かれたようで言葉を失った。3回3分の2で8三振を奪ったね。なんてことだ!≠ニ思ったよ。相手がチェコだからという人がいるかもしれないけど、100マイル(約161キロ)を超える直球と鋭く落ちるフォークボールは、誰が相手でも同じような結果になると思うね。
山本も素晴らしい。決勝で米国とあたっても十分に通用する。大リーグに挑戦するなら間違いなく争奪戦になる。
打者では近藤と吉田が印象に残った。近藤は正直、あまり知らなかったけどコンタクトがうまくて長打もある。大会前は1番がヌートバー、2番を翔平が打つべきだと考えていたけど、近藤の2番起用は素晴らしい。吉田の活躍にはレッドソックスのコーラ監督が喜んでいるんじゃないかな。
ヌートバーは日本でスーパースターになっている。守備で魅せるし、勝負強い。ペッパーミル・パフォーマンスは日本に定着し、彼は今季、カージナルスでも大きく飛躍するかもしれない。日本の打線は翔平を中心にいろいろなタイプの選手がいて、どこからでも点が取れる。投手陣の評価はもともと高かったけど、打線も悪くない。
日本は強い。改めて、そう思ったよ。
出典 サンケイスポーツ
日本の野球、選手だけでなく日本全体が世界の称賛の的になっているようです。負けて戻ったあとバッシングに耐える韓国の野球陣とは状況と大違いです。大谷の3ランホームランを手にした女子学生がそのボールの喜を分かち合うように外野席に回した処、ボールはグルット回って元の女子学生の処へ戻ってきたとのことです。それをみたアメリカの記者が驚いたそうです。アメリカでは考えられないとのこと。
こんなことを先日、野球好きのT氏は布佐中学の生徒さんへ話したところ、生徒も、先生も、興味をもって聞いてそうです。
つづき
2023年03月18日
小顔、笑顔、天子(Angele)!、侍ジャパン!!
韓国でもWBC日本代表の大谷翔平投手(28=エンゼルス)の粋な計らい≠ェ話題だ。準決勝以降の戦いに向けて17日に米マイアミ入りした際、同じ1次ラウンドB組で戦ったチェコ代表の帽子をかぶっていたことを韓国メディアも速報で伝えた。
画像とともに報じた日刊(イルガン)スポーツ(電子版)は「大谷はチェコの浪漫野球≠ノ深い感銘を受けた」とし、チェコ代表の大半が電気技術者や消防士などの本職を持っていたことなどを詳報。大谷が自身のSNSに「Respect」(リスペクト=尊敬)とつづってチェコの選手の写真をアップしたり、チェコの選手たちにサインボールやバットをプレゼントしたこと、取材時に「実力と関係なくチェコの選手たちが野球が大好きなのを感じた。尊敬すべき点だ。立派な選手たちだ」などとコメントしていたことを紹介した。
また、チェコ野球協会が公式ツイッターを通じて「さりげなくチェコの帽子をかぶって米国に到着した。本当に光栄だ」と即座に反応していたことも伝えた。
韓国メディアは、5大会連続で4強に進出した侍ジャパンの強さを熱心に分析している。大谷を中心に投打がかみ合って破竹の5連勝。3年連続1次リーグ敗退の韓国とはあまりに対照的だが、現地メディアOSENはそんな日本を「圧倒的な競技力、国民的な野球愛と熱気で野球強国の威容を見せている」と評している。
その強さの秘密を「日本は2008年の北京五輪で韓国に負けて学んだ」とも分析。北京五輪で韓国は金メダルを獲得し、日本はメダルを逃した。「日本の黒歴史で残っている。韓国に2度も敗れ、ノーメダルの屈辱を受けた。北京惨事はアジア最高を誇っていた日本野球に大きな影響を与えた」と同メディアはこれを「北京惨事」と名づけ分岐点になったと見ている。「監督や選手を批判するのではなく、韓国の団結力を学ぶべきだ、として侍ジャパンの名称が誕生した。」敗北から学んだことで2009年のWBC優勝、東京五輪の金メダル獲得と現在の隆盛につながっているとした。
韓国メディアは「15年前に韓国を学ばなければならなかった日本のように、韓国も今回の失敗を境にして飛躍しなければならない。監督や選手を非難して大罪人を作って終わるのではなく、野球発展のために現実的な対策を講じなければならない」と今度は韓国が学ぶ番と結論づけた。
出典 東スポつづき
画像とともに報じた日刊(イルガン)スポーツ(電子版)は「大谷はチェコの浪漫野球≠ノ深い感銘を受けた」とし、チェコ代表の大半が電気技術者や消防士などの本職を持っていたことなどを詳報。大谷が自身のSNSに「Respect」(リスペクト=尊敬)とつづってチェコの選手の写真をアップしたり、チェコの選手たちにサインボールやバットをプレゼントしたこと、取材時に「実力と関係なくチェコの選手たちが野球が大好きなのを感じた。尊敬すべき点だ。立派な選手たちだ」などとコメントしていたことを紹介した。
また、チェコ野球協会が公式ツイッターを通じて「さりげなくチェコの帽子をかぶって米国に到着した。本当に光栄だ」と即座に反応していたことも伝えた。
韓国メディアは、5大会連続で4強に進出した侍ジャパンの強さを熱心に分析している。大谷を中心に投打がかみ合って破竹の5連勝。3年連続1次リーグ敗退の韓国とはあまりに対照的だが、現地メディアOSENはそんな日本を「圧倒的な競技力、国民的な野球愛と熱気で野球強国の威容を見せている」と評している。
その強さの秘密を「日本は2008年の北京五輪で韓国に負けて学んだ」とも分析。北京五輪で韓国は金メダルを獲得し、日本はメダルを逃した。「日本の黒歴史で残っている。韓国に2度も敗れ、ノーメダルの屈辱を受けた。北京惨事はアジア最高を誇っていた日本野球に大きな影響を与えた」と同メディアはこれを「北京惨事」と名づけ分岐点になったと見ている。「監督や選手を批判するのではなく、韓国の団結力を学ぶべきだ、として侍ジャパンの名称が誕生した。」敗北から学んだことで2009年のWBC優勝、東京五輪の金メダル獲得と現在の隆盛につながっているとした。
韓国メディアは「15年前に韓国を学ばなければならなかった日本のように、韓国も今回の失敗を境にして飛躍しなければならない。監督や選手を非難して大罪人を作って終わるのではなく、野球発展のために現実的な対策を講じなければならない」と今度は韓国が学ぶ番と結論づけた。
出典 東スポつづき
2023年03月17日
常識を覆すのは、年齢ではない
第72期ALSOK杯王将戦は12日、5冠王の藤井聡太王将(20)が2連覇を決めて幕を下ろし、羽生善治九段(52)のタイトル獲得通算100期への挑戦は実らなかった。しかし、藤井王将に持ち前の戦法の幅広さで対抗して2勝を挙げ、後手番でも互角の戦いを繰り広げ、このところの若手トップ棋士以上の善戦ぶりを見せた。藤井王将は昨年戦った五つのタイトル戦で、先手番では11勝1敗と圧倒し、2敗を喫したのは10〜12月の竜王戦だけだ。
羽生九段は、日本将棋連盟発行「将棋年鑑」のアンケートに一番怖いものを「常識」と答えた。AIの“常識”に追従せず、多彩な戦法で王者・藤井王将を追い詰め、今もトップの実力があることを印象付けたと言える。
藤井王将の先手番では中盤までに優勢を築いて寄り切る横綱相撲も多く、いまやトップ棋士でも先手番を打ち破るのは難しい。そのため、七番勝負前は藤井王将の圧勝を予想する棋士が多かったわけだが、蓋を開けてみると、羽生九段がオールラウンドプレーヤーぶりを発揮した。後手番となった第1局では、最近は指す棋士が少なくなった「一手損角換わり」の戦型を選んで居合わせた棋士の度肝を抜き、終盤の入り口まで互角にわたり合った。
第2局以降も「相掛かり」「雁木(がんぎ)」「角換わり」と戦法を変え、2勝2敗の五分。第5局で選んだのは王将戦リーグ全勝優勝の原動力になった横歩取り。一時は優勢に立って藤井王将の先手番を崩すかとみられた。しかし、勢いは続かず終盤の読み合いで競り負けた。第6局の立会を務めた深浦康市九段の目には「工夫と戦型で藤井王将を打ち負かす、という気迫が表れている」と映った。
トップ同士の戦いでは、AI(人工知能)評価の高い「角換わり」が指されることが多い。評価の落ちる他の戦法を選ぶのは勇気がいったはずが、羽生九段は「まだ可能性がある」(第1局)、「未解決の部分がある」(第3局)と果敢に将棋の可能性を掘り下げ、妙技をみせ流石の場面をいくつも作ってみせたのだった。
羽生九段は、日本将棋連盟発行「将棋年鑑」のアンケートに一番怖いものを「常識」と答えた。AIの“常識”に追従せず、多彩な戦法で王者・藤井王将を追い詰め、今もトップの実力があることを印象付けたと言える。
藤井王将の先手番では中盤までに優勢を築いて寄り切る横綱相撲も多く、いまやトップ棋士でも先手番を打ち破るのは難しい。そのため、七番勝負前は藤井王将の圧勝を予想する棋士が多かったわけだが、蓋を開けてみると、羽生九段がオールラウンドプレーヤーぶりを発揮した。後手番となった第1局では、最近は指す棋士が少なくなった「一手損角換わり」の戦型を選んで居合わせた棋士の度肝を抜き、終盤の入り口まで互角にわたり合った。
第2局以降も「相掛かり」「雁木(がんぎ)」「角換わり」と戦法を変え、2勝2敗の五分。第5局で選んだのは王将戦リーグ全勝優勝の原動力になった横歩取り。一時は優勢に立って藤井王将の先手番を崩すかとみられた。しかし、勢いは続かず終盤の読み合いで競り負けた。第6局の立会を務めた深浦康市九段の目には「工夫と戦型で藤井王将を打ち負かす、という気迫が表れている」と映った。
トップ同士の戦いでは、AI(人工知能)評価の高い「角換わり」が指されることが多い。評価の落ちる他の戦法を選ぶのは勇気がいったはずが、羽生九段は「まだ可能性がある」(第1局)、「未解決の部分がある」(第3局)と果敢に将棋の可能性を掘り下げ、妙技をみせ流石の場面をいくつも作ってみせたのだった。
2023年03月16日
足立区:フレイル予防を呼びかけ
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、65歳以上の人が1日に必要なたんぱく質の推奨量は男性で60グラム、女性で50グラムとされている。
一方、足立区が21年度に行った調査では、65歳以上の区民でたんぱく質を含む食事を1日3食食べている割合は19%ほどだった。そこで、「ぱく増し」でフレイル予防に必要な体重と筋肉を維持することを呼びかけ始めた。
「65歳からのたんぱく増し生活〜肉も魚も食べよう〜」というキャッチフレーズと、ロゴマークを作製。「1日60グラム以上」「毎食20グラム以上」を目安にした食事を周知している。
主な食事のたんぱく質の量や「ぱく増し簡単レシピ4選」などを掲載したリーフレットを3万部作り、区ホームページでも公開中だ。
出典 朝日新聞(3/10)
一方、足立区が21年度に行った調査では、65歳以上の区民でたんぱく質を含む食事を1日3食食べている割合は19%ほどだった。そこで、「ぱく増し」でフレイル予防に必要な体重と筋肉を維持することを呼びかけ始めた。
「65歳からのたんぱく増し生活〜肉も魚も食べよう〜」というキャッチフレーズと、ロゴマークを作製。「1日60グラム以上」「毎食20グラム以上」を目安にした食事を周知している。
主な食事のたんぱく質の量や「ぱく増し簡単レシピ4選」などを掲載したリーフレットを3万部作り、区ホームページでも公開中だ。
出典 朝日新聞(3/10)
2023年03月15日
米でリーマン・ショック以来最大の銀行破綻
米連邦預金保険公社(FDIC)は10日、米SVBファイナンシャル・グループ傘下のシリコンバレー銀行(カリフォルニア州)が経営破綻したと発表した。米メディアによれば、資産規模は全米16位で、2008年のリーマン・ショック以降で最大の米銀破綻となる。
同行はテック企業が集積するシリコンバレーなどのスタートアップ(新興企業)を主な貸出先とし、22年末の総資産は2090億ドル(約28兆円)。日本の大手地銀グループに匹敵する規模だ。FDICが同行の管財人となり預金を保護する。加盟銀行が破綻した場合、1人当たり原則25万ドル(約3400万円)までの預金が保護される。
米連邦準備制度理事会(FRB)の急速な利上げによって取引先の新興企業の資金繰りが悪化し、預金引き出しが加速したことで預金額が減少した。保有する有価証券の含み損も発生し、市場からの信用不安を招いた。
米政府がSVB救済に動くかを問われたイエレン氏は、08年の金融危機では、米政府は信用不安の連鎖を断ち、金融システムを守る名目で、大手金融機関などに公的資金を次々に注入した。ただ、巨額の公金による銀行救済は大きな批判も招いた。イエレン氏はこの日、「米国の金融システムは安全で資本も十分あり、強靱(きょうじん)性を有している」と述べ、政府による大規模な介入は必要ないとの認識を示した。
イエレン米財務長官は10日、シリコンバレー銀を巡りFDICやFRBの幹部らと会談した。イエレン氏は声明で「銀行規制当局が適切な対応を取ることに全幅の信頼を寄せている。銀行システムは依然として弾力的だ」と強調した。
ただ、市場では「今後もFRBが利上げを続ければ、同規模の他の金融機関でも破綻が起きる可能性がある」(在米の金融機関関係者)との指摘も出ている。
イエレン米財務長官は12日、米政府が救済する考えはないことを明言した。他の金融機関などによるSVBの買収を含む「幅広い選択肢」が検討されていることも明らかにした。米CBSに出演して語った。
出典 読売新聞(3/11) 朝日新聞(3/13)
同行はテック企業が集積するシリコンバレーなどのスタートアップ(新興企業)を主な貸出先とし、22年末の総資産は2090億ドル(約28兆円)。日本の大手地銀グループに匹敵する規模だ。FDICが同行の管財人となり預金を保護する。加盟銀行が破綻した場合、1人当たり原則25万ドル(約3400万円)までの預金が保護される。
米連邦準備制度理事会(FRB)の急速な利上げによって取引先の新興企業の資金繰りが悪化し、預金引き出しが加速したことで預金額が減少した。保有する有価証券の含み損も発生し、市場からの信用不安を招いた。
米政府がSVB救済に動くかを問われたイエレン氏は、08年の金融危機では、米政府は信用不安の連鎖を断ち、金融システムを守る名目で、大手金融機関などに公的資金を次々に注入した。ただ、巨額の公金による銀行救済は大きな批判も招いた。イエレン氏はこの日、「米国の金融システムは安全で資本も十分あり、強靱(きょうじん)性を有している」と述べ、政府による大規模な介入は必要ないとの認識を示した。
イエレン米財務長官は10日、シリコンバレー銀を巡りFDICやFRBの幹部らと会談した。イエレン氏は声明で「銀行規制当局が適切な対応を取ることに全幅の信頼を寄せている。銀行システムは依然として弾力的だ」と強調した。
ただ、市場では「今後もFRBが利上げを続ければ、同規模の他の金融機関でも破綻が起きる可能性がある」(在米の金融機関関係者)との指摘も出ている。
イエレン米財務長官は12日、米政府が救済する考えはないことを明言した。他の金融機関などによるSVBの買収を含む「幅広い選択肢」が検討されていることも明らかにした。米CBSに出演して語った。
出典 読売新聞(3/11) 朝日新聞(3/13)
2023年03月14日
コロナワクチン接種での死亡初認定
厚生労働省は10日の副反応検討部会で、新型コロナウイルスワクチンの接種後、昨年11月5日に死亡した女性(当時42歳)について、ワクチンの副反応を検討する厚生労働省の専門家部会で、初めて「接種との因果関係は否定できない」と認められました。
新型コロナウイルスのワクチンを接種した後に亡くなったと医療機関などから国に報告された人のうち、新型コロナワクチン接種の安全性を監視するため、副反応が疑われる場合は医療機関などが国に報告し、医薬品の審査を行うPMDA=医薬品医療機器総合機構が因果関係を評価しています。
10日はワクチンの副反応を検討する厚生労働省の専門家部会で、去年11月5日に「BA.5」対応のファイザーのワクチンで4回目の接種をしたあとに死亡した42歳の女性について因果関係が否定できないと評価されたと報告され、妥当だと認められました。
女性は高血圧や糖尿病などの基礎疾患がありましたが、画像検査などで死因となりうる異常が見当たらなかったということです。
厚生労働省は女性の居住地などについて明らかにしていませんが、関係者によりますと、愛知県愛西市の集団接種会場で4回目の接種を受けたあとに亡くなった女性だということです。
これまでワクチン接種後の死亡で国に報告されたのはおよそ2000件ですが、ほとんどが情報不足などで評価不能とされていて、因果関係が否定できないとされたのは初めてです。
ただ、専門家部会はこの事例も含め、現時点では新型コロナワクチン接種に影響を与える重大な懸念は認められないとしています。
出典 NHKニュース3/10
新型コロナウイルスのワクチンを接種した後に亡くなったと医療機関などから国に報告された人のうち、新型コロナワクチン接種の安全性を監視するため、副反応が疑われる場合は医療機関などが国に報告し、医薬品の審査を行うPMDA=医薬品医療機器総合機構が因果関係を評価しています。
10日はワクチンの副反応を検討する厚生労働省の専門家部会で、去年11月5日に「BA.5」対応のファイザーのワクチンで4回目の接種をしたあとに死亡した42歳の女性について因果関係が否定できないと評価されたと報告され、妥当だと認められました。
女性は高血圧や糖尿病などの基礎疾患がありましたが、画像検査などで死因となりうる異常が見当たらなかったということです。
厚生労働省は女性の居住地などについて明らかにしていませんが、関係者によりますと、愛知県愛西市の集団接種会場で4回目の接種を受けたあとに亡くなった女性だということです。
これまでワクチン接種後の死亡で国に報告されたのはおよそ2000件ですが、ほとんどが情報不足などで評価不能とされていて、因果関係が否定できないとされたのは初めてです。
ただ、専門家部会はこの事例も含め、現時点では新型コロナワクチン接種に影響を与える重大な懸念は認められないとしています。
出典 NHKニュース3/10
2023年03月13日
マスクなしが個人の判断に
新型コロナウイルス対策としてのマスク着用が13日から屋内外を問わず「個人の判断」に委ねられたことを受け、国会でもマスクなしの審議が再開された。13日は午前9時から参院予算委員会が始まって、質問者、答弁者の面前に設置されていたアクリル板が撤去され、出席した岸田文雄首相や鈴木俊一財務相ら閣僚は全員、マスクを外していた。
最初に質問に立った自民党の衛藤晟一氏はマスクをしたまま少子化対策などについてただしたが、他の予算委メンバーや官僚らのマスク姿はちらほら見られる程度だった。
約3年ぶりにコロナ禍前の審議に戻ったが、参院事務局によると、水差しとコップで提供されていた飲料水は、引き続きペットボトルで配布されるという。
我孫子市議会での予算審議も本日初日。議員の半数はマスクなしだが、執行部(市長、職員)は全員がマスク着用だった。
参照 朝日新聞 2023年3月13日午前9時
最初に質問に立った自民党の衛藤晟一氏はマスクをしたまま少子化対策などについてただしたが、他の予算委メンバーや官僚らのマスク姿はちらほら見られる程度だった。
約3年ぶりにコロナ禍前の審議に戻ったが、参院事務局によると、水差しとコップで提供されていた飲料水は、引き続きペットボトルで配布されるという。
我孫子市議会での予算審議も本日初日。議員の半数はマスクなしだが、執行部(市長、職員)は全員がマスク着用だった。
参照 朝日新聞 2023年3月13日午前9時
2023年03月12日
ずっと、変わらずの想い
羽生結弦さん(28)が12日、宮城・セキスイハイムスーパーアリーナで「羽生結弦 notte stellata」千秋楽公演を行った。そして、次のように被災地・宮城で話したことが取材されていた。
◇ ◇ ◇
こうやって実際に12年と1日という月日が過ぎて、だんだんだんだん僕も毎年、ほぼ毎日のように3月11日という日を思い返していますけど、だんだん記憶は薄れていってしまうものですね。傷も、つらさも、悲しみも、なくなってしまったものの多さも、少なさも。全てがだんだんなくなっていってしまって。なんか穏やかな日々にだんだんなんか慣れていってしまって、そんなことに罪悪感を覚えるような日々もあります。
でも、そんなことあるんですよ、本当に。なんか羽生結弦っていう存在として、今まで生きてきて、僕はスケートをやることによって世界を救えると思わないですし、スケートで何か世界が変わるなんて、そんな大それたことはないと思います。ただ、僕がこうやってこの12年間を生きて、この一番つらかったであろうこの場所にリンクを張って、こうやって皆さんに希望を届けることができて、幸せであると同時に、これからも、こんなちっちゃな体ですけど、いろんなことを背負って毎日毎日、スケートのためだけに日々を過ごしたいと思っています。
でも、今日っていう日が終わってしまったら、ノッテ・ステラータは、とりあえず2023年のノッテ・ステラータはもうなくなってしまって、明日はいつもと変わらない、穏やかでくだらない日々が続くと思います。でも、その中でも僕はスケートをめちゃくちゃ頑張って、また、なんか羽生結弦のスケートを見たくなったな、とか。こうやってノッテ・ステラータの配信があったり、いろんな中でまた見たいな、あのスケートに希望をもらったな、とか、そういうことを思っていただけるように。そういうことを思っていただけた時に、またスケートを見ていただけるように。精いっぱい自分の幸せを削ってでも、ずっとずっと羽生結弦として全て背負って進んでいくんで、どうか応援してください。
僕はなんか、本当にこうやって皆さんに自分のスケートを見ていただいて、言葉じゃなくて、自分のスケートの中から何かを感じ取ってくださって、国境を超えて何かに希望を与えたり、悲しさを与えたり、慈しみだったり。そういったものを与えられる存在であれば、それだけで十分幸せです。だからこれからも、スケートのための選択をずっと続けていきます。どうか信じてください。これからも頑張っていきます。応援よろしくお願いします。ありがとうございました。
◇ ◇ ◇
こうやって実際に12年と1日という月日が過ぎて、だんだんだんだん僕も毎年、ほぼ毎日のように3月11日という日を思い返していますけど、だんだん記憶は薄れていってしまうものですね。傷も、つらさも、悲しみも、なくなってしまったものの多さも、少なさも。全てがだんだんなくなっていってしまって。なんか穏やかな日々にだんだんなんか慣れていってしまって、そんなことに罪悪感を覚えるような日々もあります。
でも、そんなことあるんですよ、本当に。なんか羽生結弦っていう存在として、今まで生きてきて、僕はスケートをやることによって世界を救えると思わないですし、スケートで何か世界が変わるなんて、そんな大それたことはないと思います。ただ、僕がこうやってこの12年間を生きて、この一番つらかったであろうこの場所にリンクを張って、こうやって皆さんに希望を届けることができて、幸せであると同時に、これからも、こんなちっちゃな体ですけど、いろんなことを背負って毎日毎日、スケートのためだけに日々を過ごしたいと思っています。
でも、今日っていう日が終わってしまったら、ノッテ・ステラータは、とりあえず2023年のノッテ・ステラータはもうなくなってしまって、明日はいつもと変わらない、穏やかでくだらない日々が続くと思います。でも、その中でも僕はスケートをめちゃくちゃ頑張って、また、なんか羽生結弦のスケートを見たくなったな、とか。こうやってノッテ・ステラータの配信があったり、いろんな中でまた見たいな、あのスケートに希望をもらったな、とか、そういうことを思っていただけるように。そういうことを思っていただけた時に、またスケートを見ていただけるように。精いっぱい自分の幸せを削ってでも、ずっとずっと羽生結弦として全て背負って進んでいくんで、どうか応援してください。
僕はなんか、本当にこうやって皆さんに自分のスケートを見ていただいて、言葉じゃなくて、自分のスケートの中から何かを感じ取ってくださって、国境を超えて何かに希望を与えたり、悲しさを与えたり、慈しみだったり。そういったものを与えられる存在であれば、それだけで十分幸せです。だからこれからも、スケートのための選択をずっと続けていきます。どうか信じてください。これからも頑張っていきます。応援よろしくお願いします。ありがとうございました。
2023年03月11日
「おらほの朗希」
ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で戦う日本代表「侍ジャパン」。東日本大震災から12年となったこの日、チェコ戦を前に被災者への黙とうをささげた。エンゼルス・大谷、パドレス・ダルビッシュらナインと監督、コーチら首脳陣、チームスタッフが一塁側ファウルゾーンに集合。全員が帽子を取り、約30秒間の黙とうが行われた。
東日本大震災の発生から12年となった11日のチェコ戦は、岩手県陸前高田市出身の佐々木朗希(21)が先発する。3・11は、津波に父や祖父母らを奪われた「特別な日」。支えられる立場から夢や希望を与える立場となった令和の怪物≠ヘ、生まれ育った三陸の港町への思いを胸に世界の舞台に立つ。
≪高田から世界へ!≫《ファイト!!岩手の希望です!》−。陸前高田市のショッピングモールの一角に置かれた応援旗は、佐々木への寄せ書きで埋め尽くされていた。応援旗は隣の大船渡市でも用意され、両市で11日に予定されているWBCのパブリックビューイングの会場に掲げられるという。
小学3年の時、高田野球スポーツ少年団に入団から1年もたたず、当たり前の日常を奪い去ったのが、東日本大震災だった。
津波に自宅が流され、父、功太さん=当時(37)=と祖父母を失った。子煩悩で温厚だった父。「朗希はプロになる」。そう周囲に話していた。野球を楽しんだグラウンド、父とキャッチボールをした公園、通っていた小学校…。思い出が詰まった景色も様変わりした。
被災後間もなく、母方の親族が暮らす大船渡市に移り住み、がれきが残る空き地で白球を追った。進学した中学の校庭にも仮設住宅が建ち、その隣で練習に打ち込んだ。私立の強豪校からの誘いもあった中、選んだのは地元の県立大船渡高。佐々木には「地元の仲間と甲子園に行きたい」という夢があった。被災した故郷で苦楽をともにし、切磋琢磨した仲間と離れたくなかった。佐々木の呼びかけで入学した球児も少なくなかった。当時を知る人たちは「仲間内では親分肌。監督のような存在だった」と話す。
高校3年の春、高校野球史上最速の球速163キロをマークし、一躍脚光を浴びた。最後の夏は県大会決勝まで進み、念願の甲子園まであと1勝。だが、連投が続いた佐々木は試合に出ることなく、悔し涙をのんだ。それでも、「朗希が夢を見させてくれた」と故郷の人は温かかった。
プロ入り後、佐々木は折に触れ、震災への、故郷への思いを語るようになった。記憶を風化させてはいけない、そんな気持ちが口をついて出る。「3月11日は毎年、特別な日。試合でたくさん投げて勇気や希望を届けることができるように頑張りたい」。震災から10年がたった令和3年3月11日には、こう誓いを立てた。
1年後にも、胸の内を吐露した。「11年たったが、その時のつらさや悲しみはなかなか消えない。こうして野球に打ち込めているのはたくさんの支えがあったから。支えてもらった人には感謝しかない」
オフシーズンには帰郷し、高校時代の仲間とトレーニングで汗を流す。遠目で見守る人たちは「あんなすごい選手になっても帰ってきてくれる。その心意気がうれしい」と口をそろえる。一方の佐々木も、家族に「地元の応援がうれしい」と語っているという。
「おらほ(私たち)の朗希」が世界に挑むWBC。
父とも親交があり、佐々木が今も訪れる陸前高田市の中華料理店店主、長田正広さん(57)が言う。
「震災から12年。復興に向かう被災地にあって、3・11に朗希が投げることは、みんなの希望になる」
出典 産経新聞(3/11)
東日本大震災の発生から12年となった11日のチェコ戦は、岩手県陸前高田市出身の佐々木朗希(21)が先発する。3・11は、津波に父や祖父母らを奪われた「特別な日」。支えられる立場から夢や希望を与える立場となった令和の怪物≠ヘ、生まれ育った三陸の港町への思いを胸に世界の舞台に立つ。
≪高田から世界へ!≫《ファイト!!岩手の希望です!》−。陸前高田市のショッピングモールの一角に置かれた応援旗は、佐々木への寄せ書きで埋め尽くされていた。応援旗は隣の大船渡市でも用意され、両市で11日に予定されているWBCのパブリックビューイングの会場に掲げられるという。
小学3年の時、高田野球スポーツ少年団に入団から1年もたたず、当たり前の日常を奪い去ったのが、東日本大震災だった。
津波に自宅が流され、父、功太さん=当時(37)=と祖父母を失った。子煩悩で温厚だった父。「朗希はプロになる」。そう周囲に話していた。野球を楽しんだグラウンド、父とキャッチボールをした公園、通っていた小学校…。思い出が詰まった景色も様変わりした。
被災後間もなく、母方の親族が暮らす大船渡市に移り住み、がれきが残る空き地で白球を追った。進学した中学の校庭にも仮設住宅が建ち、その隣で練習に打ち込んだ。私立の強豪校からの誘いもあった中、選んだのは地元の県立大船渡高。佐々木には「地元の仲間と甲子園に行きたい」という夢があった。被災した故郷で苦楽をともにし、切磋琢磨した仲間と離れたくなかった。佐々木の呼びかけで入学した球児も少なくなかった。当時を知る人たちは「仲間内では親分肌。監督のような存在だった」と話す。
高校3年の春、高校野球史上最速の球速163キロをマークし、一躍脚光を浴びた。最後の夏は県大会決勝まで進み、念願の甲子園まであと1勝。だが、連投が続いた佐々木は試合に出ることなく、悔し涙をのんだ。それでも、「朗希が夢を見させてくれた」と故郷の人は温かかった。
プロ入り後、佐々木は折に触れ、震災への、故郷への思いを語るようになった。記憶を風化させてはいけない、そんな気持ちが口をついて出る。「3月11日は毎年、特別な日。試合でたくさん投げて勇気や希望を届けることができるように頑張りたい」。震災から10年がたった令和3年3月11日には、こう誓いを立てた。
1年後にも、胸の内を吐露した。「11年たったが、その時のつらさや悲しみはなかなか消えない。こうして野球に打ち込めているのはたくさんの支えがあったから。支えてもらった人には感謝しかない」
オフシーズンには帰郷し、高校時代の仲間とトレーニングで汗を流す。遠目で見守る人たちは「あんなすごい選手になっても帰ってきてくれる。その心意気がうれしい」と口をそろえる。一方の佐々木も、家族に「地元の応援がうれしい」と語っているという。
「おらほ(私たち)の朗希」が世界に挑むWBC。
父とも親交があり、佐々木が今も訪れる陸前高田市の中華料理店店主、長田正広さん(57)が言う。
「震災から12年。復興に向かう被災地にあって、3・11に朗希が投げることは、みんなの希望になる」
出典 産経新聞(3/11)
2023年03月10日
観光立国タイの経済成長戦略が凄まじい
タイの観光産業は国内総生産(GDP)の12%を占め、波及効果はそれ以上とされる。タイのホテル・リゾート企業も、観光客の流入により業績が改善したことを受け続々と投資を再開させている。野村ホールディングスのASEANチーフエコノミスト、ユーベン・パラクエレス氏はタイのGDP成長率を4%と予想し、「観光業復興に対するより肯定的な見方を反映した」と説明している。
中国が海外旅行を再開した際、タイ政府は旅行観光産業に多額の予算を投入し、中国の大都市で広報イベントを開催するなどいち早く中国人観光客の誘致に乗り出した。日本に対してもセンタラ・ホテルズ&リゾーツは7月にセンタラ グランドホテル大阪を開業し、タイ国内にも5つのホテルを新しくオープンさせる勢いという。
エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)は「商品輸出が鈍化する2023年は観光がタイの経済成長をけん引するだろう」とし、「2024年まで旅行産業の成長と関連インフラ・支援施設への拡張投資がGDP成長を後押しする」と分析したという。
この記事を見た韓国のネットユーザーからは「韓国は観光業で成り立っている国ではない。だから来てもらわなくて大丈夫」「尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が『中国は必要ない』と言った代償を韓国国民が払わされている」「他の国の観光客を誘致すればいい。中国に頼って生きるのはもうやめよう」「中国をさんざんたたいておいて、『お金を使いに来てください』は虫が良すぎる」「観光産業も重要な産業。政治的感情をビジネスに持ち込むのは良くない。政治は政治家に任せ、民間では収益を創出するべき。中国人をターゲットにした観光活性化も模索しなければならない」などさまざまな声が寄せられている。
出典 Record China(翻訳・編集/堂本 3/10)つづき
中国が海外旅行を再開した際、タイ政府は旅行観光産業に多額の予算を投入し、中国の大都市で広報イベントを開催するなどいち早く中国人観光客の誘致に乗り出した。日本に対してもセンタラ・ホテルズ&リゾーツは7月にセンタラ グランドホテル大阪を開業し、タイ国内にも5つのホテルを新しくオープンさせる勢いという。
エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)は「商品輸出が鈍化する2023年は観光がタイの経済成長をけん引するだろう」とし、「2024年まで旅行産業の成長と関連インフラ・支援施設への拡張投資がGDP成長を後押しする」と分析したという。
この記事を見た韓国のネットユーザーからは「韓国は観光業で成り立っている国ではない。だから来てもらわなくて大丈夫」「尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が『中国は必要ない』と言った代償を韓国国民が払わされている」「他の国の観光客を誘致すればいい。中国に頼って生きるのはもうやめよう」「中国をさんざんたたいておいて、『お金を使いに来てください』は虫が良すぎる」「観光産業も重要な産業。政治的感情をビジネスに持ち込むのは良くない。政治は政治家に任せ、民間では収益を創出するべき。中国人をターゲットにした観光活性化も模索しなければならない」などさまざまな声が寄せられている。
出典 Record China(翻訳・編集/堂本 3/10)つづき
2023年03月09日
チャイルドロック!? 女性の不利益が見え隠れ
資産運用会社のフィデリティ投信(東京都港区)は、3月8日の国際女性デーに合わせ、約1000人の女性を対象に調査した女性のお金事情に関する調査結果を発表した。
多くが職場や家庭でジェンダー格差を感じている実態が明らかとなった。出産前後で「チャイルドロック」がかかり、思うように表にでられない現状が浮かぶ。
女性たちに年金や貯蓄などで必要な老後資金を賄えると思うかとの質問には、56%が老後資金不足を懸念し、家事負担を軽減できれば「もっと働きたい」女性は29%――。
ジェンダーにより賃金や昇進で「不利益を受けたと感じたことがある」と答えた女性は全体の24%。
「育児や家事の負担が少なければ、今よりも賃金が高く、昇進していたと思う」とする女性も18%いた。
「老後資金を増やすためにやろうと考えていること」(複数回答)を聞くと、支出を減らす(44%)▽長く仕事を続ける(37%)――との回答が目立った。一方で、老後資金の確保に向け、退職まで投資を続ける(10%)、老後も投資を続ける(11%)など「資産運用」を選ぶ女性は少数にとどまり、同社は「男性より平均余命が長く、老後資金も多く必要な女性こそ、金融リテラシーの向上が必要だ」と分析している。
出典 毎日新聞(3/8)
多くが職場や家庭でジェンダー格差を感じている実態が明らかとなった。出産前後で「チャイルドロック」がかかり、思うように表にでられない現状が浮かぶ。
女性たちに年金や貯蓄などで必要な老後資金を賄えると思うかとの質問には、56%が老後資金不足を懸念し、家事負担を軽減できれば「もっと働きたい」女性は29%――。
ジェンダーにより賃金や昇進で「不利益を受けたと感じたことがある」と答えた女性は全体の24%。
「育児や家事の負担が少なければ、今よりも賃金が高く、昇進していたと思う」とする女性も18%いた。
「老後資金を増やすためにやろうと考えていること」(複数回答)を聞くと、支出を減らす(44%)▽長く仕事を続ける(37%)――との回答が目立った。一方で、老後資金の確保に向け、退職まで投資を続ける(10%)、老後も投資を続ける(11%)など「資産運用」を選ぶ女性は少数にとどまり、同社は「男性より平均余命が長く、老後資金も多く必要な女性こそ、金融リテラシーの向上が必要だ」と分析している。
出典 毎日新聞(3/8)
2023年03月08日
田舎の変化、お墓の話
戦後、家制度が1947年に廃止され、都市への一極集中が進んだために、田舎に放置された無縁墓が増えるようになりました。
お彼岸、お盆に墓守りに帰省しない人も増えたからです。ポータルサイト「いいお墓」が毎年行っている「お墓の消費者全国実態調査」によると、2022年に新たにお墓を購入した人が樹木葬を選んだ割合は、51.8%と過半数を超えたという。屋内のロッカーに遺骨を納める継承者不要の『納骨堂』というお墓の購入者も増えており、2022年の調査では一般墓の購入者数を納骨堂が上回りました。
管理・承継する人がいなくなったお墓は無縁墓とされます。
たとえ縁故者がいたとしても管理費の滞納や支払いの拒否などによって無縁墓となるケースもあります。家族や供養のあり方の変化から無縁墓の数は年々増加し、撤去費用などが大きな社会問題となっています。
近年は、終活がブームとなって将来無縁墓になってしまう事態を避けるため、または子孫の負担を軽減するために、お墓の整理を行う家族も増えてきました。いわゆる「墓じまい」や永代供養墓への改葬など、先祖供養の方法も多様化してきています。
永代供養は、寺院や霊園に一定期間の遺骨の安置をお願いする供養の方法です。事前に、期間が決められているうえ、撤去などにかかる費用も事前に支払っておきます。永代供養は無縁墓と同じように、お墓の管理を行う承継者がいませんが、承継者の代わりに寺院や霊園が管理を行ってくれます。
多くの霊園では、「13年」「17年」など決まった期間(年忌法要の期間に合わせることが多いようです)、骨壺に入れて埋葬し、合同墓などに合祀された後に遺骨を土に還すという方法がとられています。永代使用料が含まれている場合がほとんどですが、その埋葬方法には霊園によってさまざまです。
一般墓の価格は、2022年の調査で1基平均152.4万円かかるのに対し、樹木葬は1基平均69.6万円。ほかの人の遺骨と一緒に埋葬する『合祀墓タイプ』の樹木葬なら、5万〜20万円ほどです。
家族は墓参りをする際に、掃除をしながら墓守をします。しかし近年、実家に男子継承者がいないため、両親の夫々の墓守りがいないなどのケースが出てきています。そんな樹木葬が定義されたのは1999年。岩手県一関市にある「祥雲寺」という寺院が、樹木葬墓地として区画を分譲したのがはじまりだという。「祥雲寺の樹木葬は、山をそのまま利用し、遺骨を埋めた場所に木を植える里山タイプの墓地だったと言われています。それから20年以上かけて、樹木葬が全国に浸透した背景には、お墓の“継承問題”が深く関わっています」
樹木葬には、個別埋葬型と集合埋葬型、庭園型と里山タイプ
個別埋葬型の場合は個人のスペースを設けたり、一本の木を独占してシンボルとしたり、合祀型に比べて割高になります。相場は70万円ほどですが、高いところでは100万円ほどになる場合もあり格安とは言い難いです。夫婦・家族だけでなく個人(一人)でも入ることが可能です。納骨後、一定年数経過後はご住職により集合墓地(合祀)に移動され、永代供養されることがほとんどです。
草木や樹木を植えて墓石プレートを設置する『庭園タイプ』と、山の土に遺骨を埋葬し、墓標代わりにシンボルツリーを植える『里山タイプ』の2種類。広いスペースが確保できない都市部の霊園は庭園タイプ、郊外は里山タイプが多い。
「樹木葬の注意点は季節のギャップだけではありません。実際に納骨する際は、遺骨を砕いてパウダー状にしてから、土に還る素材の骨袋や骨壷に入れて土の中に埋葬するケースもあります。樹木葬を希望するご本人のお子さんに埋葬方法を説明すると『両親の遺骨が粉末になるのは見たくない』と、抵抗感を抱いて、反対される可能性もあるのです。また、契約内容によっては、13回忌を過ぎると共同墓に移され、不特定多数の故人と一緒に祀(まつ)られる合祀プランもあります。その情報がご遺族に共有されていないと、気づかないうちにお墓がなくなり、ショックを受けてしまうリスクもゼロではありません」
手元供養
遺骨を手元で供養するも一般的になっており、中には個人の遺骨からダイヤモンドを生成する「ダイヤモンド葬」などがあります。
自宅で災害に見舞われた場合、紛失してしまう可能性があるのと、子孫、親族に場所が分からなくなることが起きるのが難点です。
納骨堂
施設内に遺骨を納める納骨堂は天候に左右されることもなくお参りでき、自分たちで掃除する必要もありません。また、比較的アクセスのよい場所にも施設があるのでお参りがしやすく、お墓の管理が難しいという方におすすめです。かつてはお墓が決まるまでの一時的な施設として利用されてきたが、永代供養を兼ねた施設もできている。
散骨
海や山など、自然の中に遺骨を散骨するケースも増えてきています。散骨と手元供養と併用することで「散骨によって身近に手を合わす場所がなくなる」といった不安を回避できることも増えている理由のようです。
石材の代わりに耐久性の高いガラスを使った『ガラス墓』、『宇宙葬』も登場したりと、お墓の種類はさらに増えています。従来のお墓の形にとらわれず、ご本人の希望を細部までかなえられる時代になって、人の数だけ人生が存在するように、供養の形も人それぞれ墓の可能性が広がっているようだ。
参照 ダイヤモンド・オンライン
お彼岸、お盆に墓守りに帰省しない人も増えたからです。ポータルサイト「いいお墓」が毎年行っている「お墓の消費者全国実態調査」によると、2022年に新たにお墓を購入した人が樹木葬を選んだ割合は、51.8%と過半数を超えたという。屋内のロッカーに遺骨を納める継承者不要の『納骨堂』というお墓の購入者も増えており、2022年の調査では一般墓の購入者数を納骨堂が上回りました。
管理・承継する人がいなくなったお墓は無縁墓とされます。
たとえ縁故者がいたとしても管理費の滞納や支払いの拒否などによって無縁墓となるケースもあります。家族や供養のあり方の変化から無縁墓の数は年々増加し、撤去費用などが大きな社会問題となっています。
近年は、終活がブームとなって将来無縁墓になってしまう事態を避けるため、または子孫の負担を軽減するために、お墓の整理を行う家族も増えてきました。いわゆる「墓じまい」や永代供養墓への改葬など、先祖供養の方法も多様化してきています。
永代供養は、寺院や霊園に一定期間の遺骨の安置をお願いする供養の方法です。事前に、期間が決められているうえ、撤去などにかかる費用も事前に支払っておきます。永代供養は無縁墓と同じように、お墓の管理を行う承継者がいませんが、承継者の代わりに寺院や霊園が管理を行ってくれます。
多くの霊園では、「13年」「17年」など決まった期間(年忌法要の期間に合わせることが多いようです)、骨壺に入れて埋葬し、合同墓などに合祀された後に遺骨を土に還すという方法がとられています。永代使用料が含まれている場合がほとんどですが、その埋葬方法には霊園によってさまざまです。
一般墓の価格は、2022年の調査で1基平均152.4万円かかるのに対し、樹木葬は1基平均69.6万円。ほかの人の遺骨と一緒に埋葬する『合祀墓タイプ』の樹木葬なら、5万〜20万円ほどです。
家族は墓参りをする際に、掃除をしながら墓守をします。しかし近年、実家に男子継承者がいないため、両親の夫々の墓守りがいないなどのケースが出てきています。そんな樹木葬が定義されたのは1999年。岩手県一関市にある「祥雲寺」という寺院が、樹木葬墓地として区画を分譲したのがはじまりだという。「祥雲寺の樹木葬は、山をそのまま利用し、遺骨を埋めた場所に木を植える里山タイプの墓地だったと言われています。それから20年以上かけて、樹木葬が全国に浸透した背景には、お墓の“継承問題”が深く関わっています」
樹木葬には、個別埋葬型と集合埋葬型、庭園型と里山タイプ
個別埋葬型の場合は個人のスペースを設けたり、一本の木を独占してシンボルとしたり、合祀型に比べて割高になります。相場は70万円ほどですが、高いところでは100万円ほどになる場合もあり格安とは言い難いです。夫婦・家族だけでなく個人(一人)でも入ることが可能です。納骨後、一定年数経過後はご住職により集合墓地(合祀)に移動され、永代供養されることがほとんどです。
草木や樹木を植えて墓石プレートを設置する『庭園タイプ』と、山の土に遺骨を埋葬し、墓標代わりにシンボルツリーを植える『里山タイプ』の2種類。広いスペースが確保できない都市部の霊園は庭園タイプ、郊外は里山タイプが多い。
「樹木葬の注意点は季節のギャップだけではありません。実際に納骨する際は、遺骨を砕いてパウダー状にしてから、土に還る素材の骨袋や骨壷に入れて土の中に埋葬するケースもあります。樹木葬を希望するご本人のお子さんに埋葬方法を説明すると『両親の遺骨が粉末になるのは見たくない』と、抵抗感を抱いて、反対される可能性もあるのです。また、契約内容によっては、13回忌を過ぎると共同墓に移され、不特定多数の故人と一緒に祀(まつ)られる合祀プランもあります。その情報がご遺族に共有されていないと、気づかないうちにお墓がなくなり、ショックを受けてしまうリスクもゼロではありません」
手元供養
遺骨を手元で供養するも一般的になっており、中には個人の遺骨からダイヤモンドを生成する「ダイヤモンド葬」などがあります。
自宅で災害に見舞われた場合、紛失してしまう可能性があるのと、子孫、親族に場所が分からなくなることが起きるのが難点です。
納骨堂
施設内に遺骨を納める納骨堂は天候に左右されることもなくお参りでき、自分たちで掃除する必要もありません。また、比較的アクセスのよい場所にも施設があるのでお参りがしやすく、お墓の管理が難しいという方におすすめです。かつてはお墓が決まるまでの一時的な施設として利用されてきたが、永代供養を兼ねた施設もできている。
散骨
海や山など、自然の中に遺骨を散骨するケースも増えてきています。散骨と手元供養と併用することで「散骨によって身近に手を合わす場所がなくなる」といった不安を回避できることも増えている理由のようです。
石材の代わりに耐久性の高いガラスを使った『ガラス墓』、『宇宙葬』も登場したりと、お墓の種類はさらに増えています。従来のお墓の形にとらわれず、ご本人の希望を細部までかなえられる時代になって、人の数だけ人生が存在するように、供養の形も人それぞれ墓の可能性が広がっているようだ。
参照 ダイヤモンド・オンライン
2023年03月07日
引きこもり予備軍
内閣府によると、半年以上、家族以外とほとんど交流せず、趣味の用事やコンビニなどにだけ外出する人は「広義のひきこもり」とされる。厚生労働省の担当者は、男性の生活状況について「広義のひきこもりにあたる可能性がある」と言う。引きこもりとなるきっかけは不登校や受験での失敗、病気、就職難、人間関係のトラブルなど、さまざま。一人きりで支援を求めることができず、困窮したり、自暴自棄になったりすることもある。
両親がいなくなった後、男性は次第に「自分ではい上がるしかない」と思うようになった。思い切って市役所に相談に行き、生活保護の受給手続きをした。向精神薬の服用を断ち、仕事探しも始めた。現在は生活保護を受けず、派遣社員として働きながら、洋服や食料品の輸入販売にも携わっている。
結果的に、両親と離れたことが自立のきっかけになったが、両親の真意は分からないままだった。ある日、自宅を掃除していると、ノートに挟まったメモ紙が出てきた。そこには複雑な親心が記されていた。
≪行動を起こしてほしいと思っても、言えば暴れて手のつけようがなくなる。一番つらいのは本人かもしれませんが、家族はもっとストレスがいっぱいです≫
《40歳、50歳代の人は親も亡くなり、1人になってしまいます。兄弟も自分の生活でいっぱいですし、家族全員の心は、いつもひっかかっています》
《当人も家族も限界に来ている人が多い。だから本人も自暴自棄になり、事件を起こしたりする人も多いのではないでしょうか》
老いや病気に直面し、息子を養う将来への不安。そんな事態を受け止めてくれない政治行政への不満−。相談窓口に寄せる文書の下書きだろうか、チラシ3枚の裏面にびっしり殴り書きしていた。複数の関係者によると、両親は行方不明になる前、市役所に相談に行っていた形跡がある。
男性は自らを残して去った両親に対し、恨めしさとともに「もう迷惑をかけなくてもいい」と、ほっとした気持ちもあった。メモの内容を踏まえ、今では「両親は自分を突き放し、自立させようとした」と考えるようにもなったという。
両親の行き先は知らないままだが、自宅には数カ月に1度、差出人不明の封筒が届く。中には数千円の現金と便箋が入っている。
《1人になって1年になりますね。だいぶん細くなっているでしょうね。1年間、1人で暮らせたら大丈夫ですね》
手紙は既に10通以上。しっかりした筆跡から、男性は「きっと、どこかで元気で暮らしている」と推し量る。覚悟して家を出た両親を捜す気はない。いつか戻ってくれば、今度は自分が両親を支えるつもりだ。
親と本人を一定程度、物理的に引き離す−。こうした手法は、一部の支援団体が試みている。NPO法人・ニュースタート(千葉県)の場合、1人暮らしや寮生活を体験させることを自立への第一歩としているという。
「親子が同居したままだと、親は子を手放さず、子は親の目を気にして主体的に動けなくなる。共依存の関係が引きこもりの長期化を招く」と、支援に当たるスタッフは話す。
もちろん、大分の男性のように、親が離れることによって必ず良い方向に向かうとは限らない。
専門家や支援者の指摘に共通するのは、頭ごなしに怒ることの危険性だ。
精神科医の斎藤環・筑波大教授によると、元農林水産事務次官が息子を殺害した疑いが持たれている事件などを受け、心配した家族が引きこもりの子を怒ってしまうと、子も不安になり、反発するという。斎藤教授は「インターネット上では、元次官について『よくやった』といった心ない言葉が飛び交う。それを引きこもりの人が見れば、非常に痛い言葉だと感じる。感情が暴発すれば、親子間の新たな事件につながりかねない」と警鐘を鳴らす。
引きこもり当事者の家族でつくる「福岡楠の会」事務局の吉村文恵さん(79)は、「働け」と強く迫ると家庭内暴力につながると懸念する。「本人も働かないといけないのは分かっているが、力がなく、動きだせない状態に陥っている。第三者が介入すれば、本人の攻撃性も緩む。まずは相談機関を訪ねてほしい」
それぞれのケースに応じ、手探りで支援を考えるしかない。大分の男性は言う。「かつて周囲の人々は腫れものに触るように私と接していた。偏見の目で見るのではなく、しっかり話を聞いてほしい、きちんと耳を傾けてほしい。そう思っている人は少なくないのではないか」
出典 西日本新聞(2019/6/13)
両親がいなくなった後、男性は次第に「自分ではい上がるしかない」と思うようになった。思い切って市役所に相談に行き、生活保護の受給手続きをした。向精神薬の服用を断ち、仕事探しも始めた。現在は生活保護を受けず、派遣社員として働きながら、洋服や食料品の輸入販売にも携わっている。
結果的に、両親と離れたことが自立のきっかけになったが、両親の真意は分からないままだった。ある日、自宅を掃除していると、ノートに挟まったメモ紙が出てきた。そこには複雑な親心が記されていた。
≪行動を起こしてほしいと思っても、言えば暴れて手のつけようがなくなる。一番つらいのは本人かもしれませんが、家族はもっとストレスがいっぱいです≫
《40歳、50歳代の人は親も亡くなり、1人になってしまいます。兄弟も自分の生活でいっぱいですし、家族全員の心は、いつもひっかかっています》
《当人も家族も限界に来ている人が多い。だから本人も自暴自棄になり、事件を起こしたりする人も多いのではないでしょうか》
老いや病気に直面し、息子を養う将来への不安。そんな事態を受け止めてくれない政治行政への不満−。相談窓口に寄せる文書の下書きだろうか、チラシ3枚の裏面にびっしり殴り書きしていた。複数の関係者によると、両親は行方不明になる前、市役所に相談に行っていた形跡がある。
男性は自らを残して去った両親に対し、恨めしさとともに「もう迷惑をかけなくてもいい」と、ほっとした気持ちもあった。メモの内容を踏まえ、今では「両親は自分を突き放し、自立させようとした」と考えるようにもなったという。
両親の行き先は知らないままだが、自宅には数カ月に1度、差出人不明の封筒が届く。中には数千円の現金と便箋が入っている。
《1人になって1年になりますね。だいぶん細くなっているでしょうね。1年間、1人で暮らせたら大丈夫ですね》
手紙は既に10通以上。しっかりした筆跡から、男性は「きっと、どこかで元気で暮らしている」と推し量る。覚悟して家を出た両親を捜す気はない。いつか戻ってくれば、今度は自分が両親を支えるつもりだ。
親と本人を一定程度、物理的に引き離す−。こうした手法は、一部の支援団体が試みている。NPO法人・ニュースタート(千葉県)の場合、1人暮らしや寮生活を体験させることを自立への第一歩としているという。
「親子が同居したままだと、親は子を手放さず、子は親の目を気にして主体的に動けなくなる。共依存の関係が引きこもりの長期化を招く」と、支援に当たるスタッフは話す。
もちろん、大分の男性のように、親が離れることによって必ず良い方向に向かうとは限らない。
専門家や支援者の指摘に共通するのは、頭ごなしに怒ることの危険性だ。
精神科医の斎藤環・筑波大教授によると、元農林水産事務次官が息子を殺害した疑いが持たれている事件などを受け、心配した家族が引きこもりの子を怒ってしまうと、子も不安になり、反発するという。斎藤教授は「インターネット上では、元次官について『よくやった』といった心ない言葉が飛び交う。それを引きこもりの人が見れば、非常に痛い言葉だと感じる。感情が暴発すれば、親子間の新たな事件につながりかねない」と警鐘を鳴らす。
引きこもり当事者の家族でつくる「福岡楠の会」事務局の吉村文恵さん(79)は、「働け」と強く迫ると家庭内暴力につながると懸念する。「本人も働かないといけないのは分かっているが、力がなく、動きだせない状態に陥っている。第三者が介入すれば、本人の攻撃性も緩む。まずは相談機関を訪ねてほしい」
それぞれのケースに応じ、手探りで支援を考えるしかない。大分の男性は言う。「かつて周囲の人々は腫れものに触るように私と接していた。偏見の目で見るのではなく、しっかり話を聞いてほしい、きちんと耳を傾けてほしい。そう思っている人は少なくないのではないか」
出典 西日本新聞(2019/6/13)
2023年03月06日
「さよなら日本、海外暮らし3人に2人は女性!」。
22年10月時点で日本から海外に生活拠点を移した「永住者」は過去最高の55万7千人に上ります。そして、そのうち62%を女性が占めているのです。
1990年時点では女性比は54%でしたが、日本を離れる女性がじわじわ増えていたのです。バブル崩壊以降、デフレモードになり、欧米韓と比較して日本の賃金水準低いというのに、女性の職場条件は相変わらずチャンスに差がある。医学部の入学に男女差がつけられていたなんて、当然のように起きていた日本。一事が万事、女性にはつまらない状況が落とし穴のようにめぐらされてフェアでないと感じさせる。海外はジョブ型雇用なので、基本的に性別や年齢で差別を受けることはありません。その国でニーズの高いスキルや資格、一定の語学力を身に付ければ生活ができるかもしれない、さらに子育て環境も良いとなれば、日本の女性たちが海外に目を向けても不思議ではないでしょう。
英語が堪能なグローバル人材ほど、海外に移住する人が増えるので、語学に強い女性が多く海外脱出する傾向に頷けます。
ダイバーシティの浸透の遅れに敏感な女性たちが「適材適所と言いながら、相変わらず女は二軍扱い、男は産休とらずに働く一軍」という男性を優遇、つまり男性に昇進のチャンスをもたらす阿吽の区別=見えない壁を巡らしている、古い価値観を捨てきれない職場環境に嫌気がさすのです。職場のセクハラ、性的タッチや言葉でのハラスメントだけでなく、育児は女性の役割という意識が残っていて、女性だけに働く足枷をはめているのを当たり前に見過ごすのに、腹立ちを持つのです。待って出会いに期待するよりもジェンダーギャップ解消できる場所で、気持ちよく働きたいと、国境を気にせずに出て行ってしまう女性が増えているのです。出産、育児をするだけじゃなく、自分らしく暮らせるならばと、目を海外に向けてしまうと、意外と気楽。早急に進めないと、日本の少子化問題も深まるばかりですね。
参照:NIKKEI Style
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO09769890R21C16A1000000?dicbo=v2-y2dz0ht&page=3
1990年時点では女性比は54%でしたが、日本を離れる女性がじわじわ増えていたのです。バブル崩壊以降、デフレモードになり、欧米韓と比較して日本の賃金水準低いというのに、女性の職場条件は相変わらずチャンスに差がある。医学部の入学に男女差がつけられていたなんて、当然のように起きていた日本。一事が万事、女性にはつまらない状況が落とし穴のようにめぐらされてフェアでないと感じさせる。海外はジョブ型雇用なので、基本的に性別や年齢で差別を受けることはありません。その国でニーズの高いスキルや資格、一定の語学力を身に付ければ生活ができるかもしれない、さらに子育て環境も良いとなれば、日本の女性たちが海外に目を向けても不思議ではないでしょう。
英語が堪能なグローバル人材ほど、海外に移住する人が増えるので、語学に強い女性が多く海外脱出する傾向に頷けます。
ダイバーシティの浸透の遅れに敏感な女性たちが「適材適所と言いながら、相変わらず女は二軍扱い、男は産休とらずに働く一軍」という男性を優遇、つまり男性に昇進のチャンスをもたらす阿吽の区別=見えない壁を巡らしている、古い価値観を捨てきれない職場環境に嫌気がさすのです。職場のセクハラ、性的タッチや言葉でのハラスメントだけでなく、育児は女性の役割という意識が残っていて、女性だけに働く足枷をはめているのを当たり前に見過ごすのに、腹立ちを持つのです。待って出会いに期待するよりもジェンダーギャップ解消できる場所で、気持ちよく働きたいと、国境を気にせずに出て行ってしまう女性が増えているのです。出産、育児をするだけじゃなく、自分らしく暮らせるならばと、目を海外に向けてしまうと、意外と気楽。早急に進めないと、日本の少子化問題も深まるばかりですね。
参照:NIKKEI Style
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO09769890R21C16A1000000?dicbo=v2-y2dz0ht&page=3
2023年03月05日
変化の著しい韓国
慰安婦団体の寄付金使徒不明疑惑の件を経てから、韓国内において、元徴用工問題をめぐっても支持団体や弁護団の主張が正しいのかと疑い出している人が増えている。これまで、そういった団体に振り回されることに本気で嫌気がさしている結果が、「他に言われようが気にしない」となって韓国人の訪日旅行が爆発的に起こっている。
「慰安婦合意」の時も同じ思いだったが、長いことかかって覆された。それでも、「あの時」と「今」では韓国の国民感情が随分と変わってきているのは間違いない。
そうした中で、日本政府が元徴用工問題が解決する場合には「お詫び」を用意しているという話が浮上してきたが、とんでもない。「お詫び」をすれば、また韓国国内の“反日世論”を高める材料に使われ、せっかくの日韓関係改善が遠のくことになるのは間違いない。今までと同じことを繰り替えないためにただ謝罪をというのではといけない。そのような蒸し返しではなくて、協調する路線を見出して欲しい。
参照 現代ビジネス
日本では今、円安に加え、大半の人々は安い賃金のまま、物価はじわじわ上昇する。高齢化が進み、経済成長も見込めない。日常生活すら余裕がなくなると、まして以前より高額な海外旅行へ行ける人は必然的に少なくなる。仕事の休みが日ごろから取りづらい、会社で海外旅行解禁と言われてもしばらく様子見する人も多いだろう。もっとも、半島の半分を北朝鮮と接する韓国で国土の広がりに大きな違いがみられる。幸いに平和で、日本国内の旅行での楽しみが多いのである。美しい自然や温泉、郷土料理などが豊富にあり、「わざわざ海外へ行かなくても」と、国内旅行の魅力をコロナ禍で改めて実感した人も多い。見栄をはって馴れない外国語で旅をしなくても、国内旅行でゆったり楽しむので負組も勝ち組もなくなってしまった。コロナ自粛であったから、お土産を渡すなどしないと義理を欠くという慣習もご和算になってきた。
片や韓国人では、ひところとは所得は上がって日韓格差が減少した。もちろん、物価も上昇しており、韓国の国民が皆、豊かになったかというと一概には言えない。それでもコロナ禍で行けなかった分、若者は「借金をしてでも海外旅行へ行く」という多い。海外旅行をする若い人が増えると、若い人たちは周りの目など気にする必要はない。
お陰で韓国系LCCの就航ラッシュも、海外旅行へ拍車をかけている。運賃が安いLCC、しかも競合が増えると旅費が安くなる。かつて日本人旅行客が多かったグアムやサイパン、セブ島などに、韓国系LCCが軒並み就航している。グアムでは、ホテルオークラは現在ロッテホテル、空港の免税店もロッテ免税店に変わってしまった。
バンコク・スワンナプーム空港の到着口で、出迎えのタイ人が手にする名前を書いたプレートが軒並み「ハングル」なのだ。しかも、発着便をよく見ると、ANAやJALが中型機の「787」なのに対し、大韓航空やアシアナ航空は超大型機の「A380」である。LCC(格安航空会社)のチェジュ航空、ジンエアー、エアプサンなどの便も次々飛来。日系は、昨年末に就航したPeach(ピーチ・アビエーション)のみだった。需要と供給が段違いなのを、飛行機の機材と便数でも差がついていた。
参照 Fridayデジタルつづき
「慰安婦合意」の時も同じ思いだったが、長いことかかって覆された。それでも、「あの時」と「今」では韓国の国民感情が随分と変わってきているのは間違いない。
そうした中で、日本政府が元徴用工問題が解決する場合には「お詫び」を用意しているという話が浮上してきたが、とんでもない。「お詫び」をすれば、また韓国国内の“反日世論”を高める材料に使われ、せっかくの日韓関係改善が遠のくことになるのは間違いない。今までと同じことを繰り替えないためにただ謝罪をというのではといけない。そのような蒸し返しではなくて、協調する路線を見出して欲しい。
参照 現代ビジネス
日本では今、円安に加え、大半の人々は安い賃金のまま、物価はじわじわ上昇する。高齢化が進み、経済成長も見込めない。日常生活すら余裕がなくなると、まして以前より高額な海外旅行へ行ける人は必然的に少なくなる。仕事の休みが日ごろから取りづらい、会社で海外旅行解禁と言われてもしばらく様子見する人も多いだろう。もっとも、半島の半分を北朝鮮と接する韓国で国土の広がりに大きな違いがみられる。幸いに平和で、日本国内の旅行での楽しみが多いのである。美しい自然や温泉、郷土料理などが豊富にあり、「わざわざ海外へ行かなくても」と、国内旅行の魅力をコロナ禍で改めて実感した人も多い。見栄をはって馴れない外国語で旅をしなくても、国内旅行でゆったり楽しむので負組も勝ち組もなくなってしまった。コロナ自粛であったから、お土産を渡すなどしないと義理を欠くという慣習もご和算になってきた。
片や韓国人では、ひところとは所得は上がって日韓格差が減少した。もちろん、物価も上昇しており、韓国の国民が皆、豊かになったかというと一概には言えない。それでもコロナ禍で行けなかった分、若者は「借金をしてでも海外旅行へ行く」という多い。海外旅行をする若い人が増えると、若い人たちは周りの目など気にする必要はない。
お陰で韓国系LCCの就航ラッシュも、海外旅行へ拍車をかけている。運賃が安いLCC、しかも競合が増えると旅費が安くなる。かつて日本人旅行客が多かったグアムやサイパン、セブ島などに、韓国系LCCが軒並み就航している。グアムでは、ホテルオークラは現在ロッテホテル、空港の免税店もロッテ免税店に変わってしまった。
バンコク・スワンナプーム空港の到着口で、出迎えのタイ人が手にする名前を書いたプレートが軒並み「ハングル」なのだ。しかも、発着便をよく見ると、ANAやJALが中型機の「787」なのに対し、大韓航空やアシアナ航空は超大型機の「A380」である。LCC(格安航空会社)のチェジュ航空、ジンエアー、エアプサンなどの便も次々飛来。日系は、昨年末に就航したPeach(ピーチ・アビエーション)のみだった。需要と供給が段違いなのを、飛行機の機材と便数でも差がついていた。
参照 Fridayデジタルつづき
2023年03月04日
牧場の朝で「今でしょ?」
allowfullscreen>
驚き、「牧場の朝」の楽曲はこんなに取り上げられている曲だったとは!
しかも、作詞者は杉村楚人冠となってしる小学唱歌!?
永楽電気がこの曲をアレンジしたメロディを(JR東日本)の駅向けに発車メロディとして提供している。現在では久喜駅、箱根ケ崎駅で使用されている。以前は赤羽駅、浦和駅や黒磯駅、北小金駅でも使われていた。
驚き、「牧場の朝」の楽曲はこんなに取り上げられている曲だったとは!
しかも、作詞者は杉村楚人冠となってしる小学唱歌!?
永楽電気がこの曲をアレンジしたメロディを(JR東日本)の駅向けに発車メロディとして提供している。現在では久喜駅、箱根ケ崎駅で使用されている。以前は赤羽駅、浦和駅や黒磯駅、北小金駅でも使われていた。
2023年03月03日
「反日」の偏見を捨てた韓国のMZ世代
現代ビジネスに元・駐韓国特命全権大使の武藤 正敏氏が、「結婚しない」、「南北統一は望まない」…、韓国の若者が文在寅の「反日」に付き合えなくなった決定的なワケを解説する論文が紹介された。
韓国の20代、30代の若者の意識の変化は劇的だ。出生率は右肩下がり、出生数は10年前の半分まで減った。高騰を続けるマンションに子供の教育費への多額の負担…。厳しすぎる社会環境が、若者の「南北統一」や「反日」から遠ざけている。
ソウル大学統一平和研究院が7月に行った調査では、「南北統一は必要」という回答が46.0%と過去2番目の低さとなり、「統一は不可能」とする回答は31.6%と過去最高となった。
同研究院の金範洙(キム・ハンス)教授によると、若年層を中心とする統一の必要性に対する否定的認識がここ数年一貫して現れている由であり、それは統一に関する無関心と現在の分断体制の維持を望む認識につながっている、という。
すでに韓国社会の中で過酷な受験戦争、大企業の平均給与が中小企業の2倍を越えるという就職争奪戦を闘っており、韓国の若者には、経済が崩壊した北朝鮮の住民の生活の面倒まで見るのはごめんだとの意識である。
しかも、最近の調査では、北朝鮮の核放棄は不可能とする回答が92.5%と2007年の調査開始後最も高く、北朝鮮が武力挑発を行う可能性があるとの回答も60.9%であった。韓国では、北朝鮮の核は韓国に向けたのではないと主張する左派に同調し、北朝鮮に対する警戒心が希薄であったが、北朝鮮の現実に直面し、若者から北朝鮮に向けた視線が変わってきているのが実感させられる。
もはや北朝鮮を同胞と見るよりも敵と見る見方が支配的になっているのではないか。
当初は革新系の文在寅氏に期待し、北朝鮮とも緊密な関係を演出しようとしたが思惑通りにはいかず、さらに相次ぐ政策の失敗、政権や与党幹部の不祥事に失望した。そして不動産価格の高騰が失望に拍車をかけた。
出典 現代ビジネス
続く
現政権の尹錫悦大統領は、民主労総など過激な労組の不正や北朝鮮との関係を暴いているが、MZ世代と呼ばれる若者は、巨大労組とは袂を分かち、MZ労組という若者世代を中心として労組を結成する動きを示している。この「新たに見直す労働者協議会」で、これに参加する労組は、ソウル交通公社の「正しい労組」、LG電子の「人中心事務職労組」など8か所である。
MZ労組の動きが注目されるのは、イデオロギーの偏りを避け、組合員の権益向上など労組本来の機能に集中していることである。MZ労組は、外部勢力と連携した政治ストライキなどの過激な闘争に反対し、労働者の実利を得る方向に進化している。MZ労組の組合員数は全体でも5000人程度で、巨大労組の1%にも満たないが、政治的な偏向のない新しい労組の形を追求している。
尹錫悦政権は既存の労働組合改革の一環として、これまで支援してきた労組への国庫補助金を大幅に減額し、MZ労組などの新しい労働団体に回す方針を示している。今後政治的に偏向しない労組の動きが広がってくるかも知れない。
最近の日本への韓国動向は、アニメ「The First Slum Dunk」 の興行成績が好調である反面、不振なのが反日映画なのが特徴である。伊藤博文朝鮮総監を暗殺した安重根は韓国で義士・英雄と敬われており、その安重根の最期の1年を描いた映画「英雄」=原題=でさえ、公開されてから2か月近くになっても損益分岐点を未だに越えられずにいるという。
今の韓国の人々は日本製品に親しみ、訪日を楽しんでいる。文在寅政権時代にそれを無理やり抑えられ、生活の自由を抑えられた不便さを感じてきたのであろう。特に若者世代は、反日教育を叩きこまれた50代の親世代の人々のように、韓国人であれば日本に好感を持たないと答えるべきと考える世代とは明らかに違う。現代の韓国の若者は、自分の考えを偏見にとらわれず率直に表現できる世代である。
これまで若者世代の認識の変化について述べてきた。ただ、若者世代は既存の世代と比べ人口が少なく、その考えかたがいつ社会の主流に躍り上がるかは今後の課題だということである。
しかし、若者世代の人々が韓国社会を客観的に見つめることで、既存世代の固定観念が取り払われえ、認識の変化に結び付いてくれれば、韓国人のものの見方が変わるきっかけとなるであろう。
つづき
韓国の20代、30代の若者の意識の変化は劇的だ。出生率は右肩下がり、出生数は10年前の半分まで減った。高騰を続けるマンションに子供の教育費への多額の負担…。厳しすぎる社会環境が、若者の「南北統一」や「反日」から遠ざけている。
ソウル大学統一平和研究院が7月に行った調査では、「南北統一は必要」という回答が46.0%と過去2番目の低さとなり、「統一は不可能」とする回答は31.6%と過去最高となった。
同研究院の金範洙(キム・ハンス)教授によると、若年層を中心とする統一の必要性に対する否定的認識がここ数年一貫して現れている由であり、それは統一に関する無関心と現在の分断体制の維持を望む認識につながっている、という。
すでに韓国社会の中で過酷な受験戦争、大企業の平均給与が中小企業の2倍を越えるという就職争奪戦を闘っており、韓国の若者には、経済が崩壊した北朝鮮の住民の生活の面倒まで見るのはごめんだとの意識である。
しかも、最近の調査では、北朝鮮の核放棄は不可能とする回答が92.5%と2007年の調査開始後最も高く、北朝鮮が武力挑発を行う可能性があるとの回答も60.9%であった。韓国では、北朝鮮の核は韓国に向けたのではないと主張する左派に同調し、北朝鮮に対する警戒心が希薄であったが、北朝鮮の現実に直面し、若者から北朝鮮に向けた視線が変わってきているのが実感させられる。
もはや北朝鮮を同胞と見るよりも敵と見る見方が支配的になっているのではないか。
当初は革新系の文在寅氏に期待し、北朝鮮とも緊密な関係を演出しようとしたが思惑通りにはいかず、さらに相次ぐ政策の失敗、政権や与党幹部の不祥事に失望した。そして不動産価格の高騰が失望に拍車をかけた。
出典 現代ビジネス
続く
現政権の尹錫悦大統領は、民主労総など過激な労組の不正や北朝鮮との関係を暴いているが、MZ世代と呼ばれる若者は、巨大労組とは袂を分かち、MZ労組という若者世代を中心として労組を結成する動きを示している。この「新たに見直す労働者協議会」で、これに参加する労組は、ソウル交通公社の「正しい労組」、LG電子の「人中心事務職労組」など8か所である。
MZ労組の動きが注目されるのは、イデオロギーの偏りを避け、組合員の権益向上など労組本来の機能に集中していることである。MZ労組は、外部勢力と連携した政治ストライキなどの過激な闘争に反対し、労働者の実利を得る方向に進化している。MZ労組の組合員数は全体でも5000人程度で、巨大労組の1%にも満たないが、政治的な偏向のない新しい労組の形を追求している。
尹錫悦政権は既存の労働組合改革の一環として、これまで支援してきた労組への国庫補助金を大幅に減額し、MZ労組などの新しい労働団体に回す方針を示している。今後政治的に偏向しない労組の動きが広がってくるかも知れない。
最近の日本への韓国動向は、アニメ「The First Slum Dunk」 の興行成績が好調である反面、不振なのが反日映画なのが特徴である。伊藤博文朝鮮総監を暗殺した安重根は韓国で義士・英雄と敬われており、その安重根の最期の1年を描いた映画「英雄」=原題=でさえ、公開されてから2か月近くになっても損益分岐点を未だに越えられずにいるという。
今の韓国の人々は日本製品に親しみ、訪日を楽しんでいる。文在寅政権時代にそれを無理やり抑えられ、生活の自由を抑えられた不便さを感じてきたのであろう。特に若者世代は、反日教育を叩きこまれた50代の親世代の人々のように、韓国人であれば日本に好感を持たないと答えるべきと考える世代とは明らかに違う。現代の韓国の若者は、自分の考えを偏見にとらわれず率直に表現できる世代である。
これまで若者世代の認識の変化について述べてきた。ただ、若者世代は既存の世代と比べ人口が少なく、その考えかたがいつ社会の主流に躍り上がるかは今後の課題だということである。
しかし、若者世代の人々が韓国社会を客観的に見つめることで、既存世代の固定観念が取り払われえ、認識の変化に結び付いてくれれば、韓国人のものの見方が変わるきっかけとなるであろう。
つづき
2023年03月02日
日本人は、医療により13歳以上長寿化 (要介護期間平均9.4年)
日本人は半世紀の間に13〜14歳ほど寿命が延びた、1965年時点の全国平均は男性67.74歳、女性72.92歳であったのが、2020年の全国平均は男性81.49歳、女性87.60歳となった。
地域別の変化をみると、1965年には、東京が男女ともトップだったのに、現在は男性が14位、女性が17位に落ち込んでいる。急速にランクを落としたのは、バブル経済で東京一極集中が進んだ時期で、1995年には、男性20位、女性33位まで落ちた。東京通勤圏のうち、埼玉はほぼ横ばいだが、茨城、神奈川、千葉も順位をかなり低下させている。これは、首都圏の急激な人口増加に医療体制の整備が追い付かず、寿命が伸び悩んだ可能性が強い。
2020年の男女総合トップ5は、滋賀、長野、京都、奈良、岡山で、大阪が低迷しているのと対照的に、長野を除いては関西圏が並んでいる。
このうち、滋賀県と奈良県は、大阪や京都のベッドタウンとしてだけでなく、職場や大学が急速に移転し、人口も増えたし、所得や税収も上がった。京都や大阪に依存していた総合病院も充実し、戦時中にできた軍医養成のための医専が発展して奈良県立医大となり、滋賀県には滋賀医科大が創立された。
平均寿命は両県ともほぼ一貫して順位を上げているが、とくに滋賀県は、1965年には、男性27位、女性31位だったのが、2020年には男性1位、女性2位、男女総合でも全国トップとなった。
県が作成した資料「滋賀県の長寿のヒミツはこれだった⁉」によると、たばこを吸う人や多量飲酒をする人が少ない(男性1位と4位)という。これは大事な理由だ。
スポーツをする人が多い(男性2位、女性6位)、学習・自己啓発をする人が多い(男性5位、女性6位)、ボランティアをする人が多い(男性2位、女性4位)などは、都会からの転入者が、恵まれた環境を活用した生活スタイルを楽しみ、それに地元民も触発されたように思う。
また、失業者が少ない(2位)、県民所得が高い(4位)、所得格差が小さい(ジニ係数2位)などは経済開発成功の成果だ。
★短命県の共通点は「アルコール消費が多い」
平均寿命ランキングで下位の県について考察すると、1965年と2020年いずれも東北勢が目立つ。雪国が良くないのかといえば、男性の平均寿命では石川が6位、福井が7位だから関係なさそうだ。男女総合で下位4県である青森、福島、秋田、岩手は1965年にも男女とも最下位グループにあった。所得の低さに問題があるのかといえば、青森、福島、秋田、岩手、茨城の一人当たり県民所得(2019年度)は、全国43位、28位、39位、35位、10位であまり相関性は高くない。一方、「家計調査」(2020〜2022年平均)で見ると、酒類の消費額は青森が1位、福島が7位、秋田が5位、岩手が6位で、過度の飲酒が健康に悪いことを如実に表している。
また、魚介類の消費額は青森2位、福島19位、秋田4位、岩手17位、納豆では青森が9位、福島が1位、秋田が6位、岩手が2位である。牛肉では青森が41位、福島が48位、秋田が42位、岩手が52位だ。魚介類や納豆をよく食べ、牛肉は控えめな県が平均寿命では下位にあるのは、健康食志向の人にとっては都合の悪い事実である。
大阪は1965年には男性12位、女性13位だったが、1985年に男性46位、女性47位と最低水準に落ち込んだ。その後も大きくは回復できず、現在は男性41位、女性36位だ。橋下知事の登場は2008年であるから、医療問題を含めた維新の改革がゆえに低下したということではありえず、むしろ、可能性としては革新府政の時代の責任を挙げるべきだろう。
◆「食事の洋食化」と長寿の意外な相関性
食生活について言えば、消費額ベースで肉類2位、牛肉3位、卵5位、コーヒー1位、パン4位、マーガリン7位など、かなり徹底的に洋風化された食生活である(*2)。この傾向は、同じく平均寿命で男女総合4位の京都と5位の奈良も共通で、食事の洋風化が長寿の決め手といってもおかしくないほど相関性がある。
和食が健康的だとか発酵食品や大豆製品を摂ると長寿になると言われるのは、西洋人が現状よりそちらに傾いたほうがいいということであって、日本人はむしろ逆なのではないか。こんなところで、国粋主義のような考え方をもちだすのはよろしくない。
滋賀県が長寿であるもうひとつの要因は、医療体制だ。京都の大学出身の医師にとって、近隣なので医局からの派遣先として歓迎される傾向があるほか、1974年の武村正義県政誕生時に医系技官トップの鎌田昭二郎ら京都大学医学部系の勢力が擁立の中心にあったことから、彼らの県政への発言力が強く、それが医療体制の充実に有利に働いたとも言える。
◆「塩分摂り過ぎ」改善を進める長野県
長野県も、地域医療体制に成功したと言われる県だ。もともと、全国有数の塩分摂取量が多い地域で、冬の寒さも厳しく、脳卒中による死者が多かった。そこへ現在のJA長野厚生連・佐久総合病院にやってきたのが、若月俊一医師(故人)である。治安維持法で逮捕・拘禁されたりして東京を離れ、1945年3月に長野へ赴任したのだという。そして、診察だけでなく、農民の生活に入り込んで管理をしなければならないと考えたのである。
無医村への出張診療、「予防は治療に勝る」と自ら脚本を書いた演劇などによる啓発、衛生活動の推進、健康診断のモデルとなった八千穂村での全村一斉健診などを行い、アジア全体での農村医療のモデルとなったとして「アジアのノーベル賞」と呼ばれるマグサイサイ賞を受賞した。
また、1959年には、同じく佐久市の国保浅間総合病院に吉澤國雄院長が赴任し、「脳卒中になる理由は塩分の摂り過ぎである」と啓蒙活動を行った。それが1980年からは、県全体の「県民減塩運動」となり、1日の塩分摂取量が15.9gだったのが、1983年には11gにまで減ったという。
◆岡山県の長寿を支える、名知事の遺産
岡山県の長寿は、名知事として知られた三木行治(1951〜64年在任)の遺産と言うことができる。三木は旧制六高から岡山医科大学(現岡山大学医学部)を卒業して医者になった。岡山医大は旧帝国大学と同列に扱われていた名門である。そののち、簡易保険健康相談所で働く一方、九州帝国大学法文学部で学び、さらに、医学博士号もとった。この異才の名声は東京の厚生省にまで届き、1939年には医系技官となり、厚生省公衆保健局長、ついで公衆衛生局長に就任し、海外の視察にも出かけた。
知事になった三木は、「行政の科学化」を標榜し、「産業と教育と衛生の岡山県」をスローガンに掲げた。経済開発では倉敷市の水島に理想的なコンビナートを造成し、国体を梃子(てこ)にインフラ整備にも成功したが、癌実態調査、アイバンクの設立、精神障害児施設の開設など医療福祉面で最先進県との評価を得て、これもマグサイサイ賞を受賞した。
◆沖縄県が長寿トップクラスから急落したワケ
一方、半世紀の間に平均寿命の順位が急落したところのひとつが沖縄で、1975年には男性が10位、女性が1位だったのに、2020年はそれぞれ43位と16位である。その原因として、食事の変化をいう人が多いが、もともと沖縄は米軍の影響でランチョンミートを大量消費するなどしてきたし、外食も多かった。野菜類は本土との交流が深まる中で豊富になっている。本土の人たちの感覚で指摘されることのほとんどは、「変化」の説明になっていない。
ひとついわれるのは、高齢者層でなく若年層の死亡が多いという指摘だ。確かに、県によると、アルコール性肝疾患の死亡率は男女とも全国より高く、男性は全国平均の約2倍という。沖縄特有の飲酒文化で、極端な飲酒を夜通しするといった人が多いことの反映だろう。
また、かつて沖縄の郷土料理は薄味だったが、だいぶ、味付けが濃くなったように思う。このあたりも影響しているのかもしれない。さらに、新型コロナ禍で露呈した沖縄の医療行政の劣悪さも、間違いなく短命化の原因の一つであろう。
◎長寿県の自己分析が正しいとは限らない
結語としていくつかの点を指摘すれば、長寿県といわれるところの県当局や地元関係者の要因分析は、他の都道府県や自身の過去とフェアな比較がされているとは限らない。食生活では、和食や粗食が良いということはなく、むしろ、肉などの消費量が多く洋風化が進んでいるところのほうが長寿である傾向すらある。とくに、欧米人は肉の消費量が多すぎるから減らしたほうが良いとしても、それが日本人に当てはまるわけでない。
生活習慣全般でも、食生活でも、過度の飲酒や栄養バランスに欠ける食事、無精な生活態度は、とくに男性において良い結果をもたらさない。
一方で、滋賀や長野、岡山のケースで見たように、医療体制の改善や生活指導は、確実に成果を上げ、しかもそれは長続きするということだろう。
出典 プレジデントオンライン
但し、上記は健康寿命が延びているという報告ではないのだとの調査もされてきたので、その点をさぐってみました。
WHOが発表した2022年版の世界保健統計(World Health Statistics)によると、健康寿命が70歳を超えている国は32カ国。 アジア太平洋地域のほか、ヨーロッパの国が多い。
その中で、男女平均の健康寿命が最も長い国は日本で74.1歳だった。 2位がシンガポールで73.6歳、3位が韓国で73.1歳となっており、トップ3はアジアの国が占めている。男女別でも日本が1位で、男性が72.6歳、女性が75.5歳となっている。
世界の健康寿命の比較だけを見ると、日本は世界の中でも生涯、健康で過ごせる人が多い国ですが、平均寿命と健康寿命の差も合わせて見てみましょう。
平均寿命と健康寿命の差
世界183か国のデータ中(同一の値は同じ順位として1〜47位中)、健康寿命が長い国トップ5の国々の平均寿命と健康寿命の差は、シンガポールが5位に入っている以外は30位以下で、下位にランキングする結果となっています(表2)。
どうしても平均寿命が長いと健康寿命以上に長いため、平均寿命と健康寿命との差も大きくなり、健康が損なわれて介護が必要となる期間も長くなるのです。
■世界の平均寿命と健康寿命の差 2016年
健康寿命の順位 国名 健康寿命(年) 平均寿命(年) 平均寿命と健康寿命の差(年) 平均寿命と健康寿命の差の順位
1位 シンガポール 76.2 82.9 6.7 5位
2位 日本 74.8 84.2 9.4 31位
3位 スペイン 73.8 83.1 9.3 30位
4位 スイス 73.5 82.9 9.8 35位
5位 フランス 73.4 83.3 9.5 32位
上記の高齢化率の高い国は、シンガポールを除き健康が損なわれてから寿命まで、介護を必要とする期間が9年以上と長いことも目だっています。高齢者や医療に費用がかかっている分、健康寿命、および平均寿命が長くなっていると推測されます。つまり、高齢者や医療の保障の割合が大きい分、健康が損なわれてからの支援も手厚いことが影響していると考えられます。
一方、シンガポールについては、国の少子高齢化が進んだことを受けて2014年に社会保障・医療保障制度が改正されました。2016年のデータでは、シンガポールは健康寿命も平均寿命も長いうえ、二つの寿命の差も少なく、生涯健康で過ごせる期間が長い国です。国民の給与の一部が強制的に老後の資金や医療費用の口座に貯蓄され、その口座から年金や医療費など、国が認める用途にだけ貯蓄したお金が使用されます。自分の収入から自分の老後の資金や医療費を支払う必要があるため、自分の老後や健康に対しての意識を高めて、将来の健康を計画的に管理するようになることを期待するという仕組みです。
■平均寿命が長い国上位4か国の1人当たりの社会保障額2015
国名 1人当たりの社会保障額(千米ドル)
OECD加盟国全体 7.0
スペイン 7.8
日本 8.2
スイス 8.6
フランス 11.8
つづき
地域別の変化をみると、1965年には、東京が男女ともトップだったのに、現在は男性が14位、女性が17位に落ち込んでいる。急速にランクを落としたのは、バブル経済で東京一極集中が進んだ時期で、1995年には、男性20位、女性33位まで落ちた。東京通勤圏のうち、埼玉はほぼ横ばいだが、茨城、神奈川、千葉も順位をかなり低下させている。これは、首都圏の急激な人口増加に医療体制の整備が追い付かず、寿命が伸び悩んだ可能性が強い。
2020年の男女総合トップ5は、滋賀、長野、京都、奈良、岡山で、大阪が低迷しているのと対照的に、長野を除いては関西圏が並んでいる。
このうち、滋賀県と奈良県は、大阪や京都のベッドタウンとしてだけでなく、職場や大学が急速に移転し、人口も増えたし、所得や税収も上がった。京都や大阪に依存していた総合病院も充実し、戦時中にできた軍医養成のための医専が発展して奈良県立医大となり、滋賀県には滋賀医科大が創立された。
平均寿命は両県ともほぼ一貫して順位を上げているが、とくに滋賀県は、1965年には、男性27位、女性31位だったのが、2020年には男性1位、女性2位、男女総合でも全国トップとなった。
県が作成した資料「滋賀県の長寿のヒミツはこれだった⁉」によると、たばこを吸う人や多量飲酒をする人が少ない(男性1位と4位)という。これは大事な理由だ。
スポーツをする人が多い(男性2位、女性6位)、学習・自己啓発をする人が多い(男性5位、女性6位)、ボランティアをする人が多い(男性2位、女性4位)などは、都会からの転入者が、恵まれた環境を活用した生活スタイルを楽しみ、それに地元民も触発されたように思う。
また、失業者が少ない(2位)、県民所得が高い(4位)、所得格差が小さい(ジニ係数2位)などは経済開発成功の成果だ。
★短命県の共通点は「アルコール消費が多い」
平均寿命ランキングで下位の県について考察すると、1965年と2020年いずれも東北勢が目立つ。雪国が良くないのかといえば、男性の平均寿命では石川が6位、福井が7位だから関係なさそうだ。男女総合で下位4県である青森、福島、秋田、岩手は1965年にも男女とも最下位グループにあった。所得の低さに問題があるのかといえば、青森、福島、秋田、岩手、茨城の一人当たり県民所得(2019年度)は、全国43位、28位、39位、35位、10位であまり相関性は高くない。一方、「家計調査」(2020〜2022年平均)で見ると、酒類の消費額は青森が1位、福島が7位、秋田が5位、岩手が6位で、過度の飲酒が健康に悪いことを如実に表している。
また、魚介類の消費額は青森2位、福島19位、秋田4位、岩手17位、納豆では青森が9位、福島が1位、秋田が6位、岩手が2位である。牛肉では青森が41位、福島が48位、秋田が42位、岩手が52位だ。魚介類や納豆をよく食べ、牛肉は控えめな県が平均寿命では下位にあるのは、健康食志向の人にとっては都合の悪い事実である。
大阪は1965年には男性12位、女性13位だったが、1985年に男性46位、女性47位と最低水準に落ち込んだ。その後も大きくは回復できず、現在は男性41位、女性36位だ。橋下知事の登場は2008年であるから、医療問題を含めた維新の改革がゆえに低下したということではありえず、むしろ、可能性としては革新府政の時代の責任を挙げるべきだろう。
◆「食事の洋食化」と長寿の意外な相関性
食生活について言えば、消費額ベースで肉類2位、牛肉3位、卵5位、コーヒー1位、パン4位、マーガリン7位など、かなり徹底的に洋風化された食生活である(*2)。この傾向は、同じく平均寿命で男女総合4位の京都と5位の奈良も共通で、食事の洋風化が長寿の決め手といってもおかしくないほど相関性がある。
和食が健康的だとか発酵食品や大豆製品を摂ると長寿になると言われるのは、西洋人が現状よりそちらに傾いたほうがいいということであって、日本人はむしろ逆なのではないか。こんなところで、国粋主義のような考え方をもちだすのはよろしくない。
滋賀県が長寿であるもうひとつの要因は、医療体制だ。京都の大学出身の医師にとって、近隣なので医局からの派遣先として歓迎される傾向があるほか、1974年の武村正義県政誕生時に医系技官トップの鎌田昭二郎ら京都大学医学部系の勢力が擁立の中心にあったことから、彼らの県政への発言力が強く、それが医療体制の充実に有利に働いたとも言える。
◆「塩分摂り過ぎ」改善を進める長野県
長野県も、地域医療体制に成功したと言われる県だ。もともと、全国有数の塩分摂取量が多い地域で、冬の寒さも厳しく、脳卒中による死者が多かった。そこへ現在のJA長野厚生連・佐久総合病院にやってきたのが、若月俊一医師(故人)である。治安維持法で逮捕・拘禁されたりして東京を離れ、1945年3月に長野へ赴任したのだという。そして、診察だけでなく、農民の生活に入り込んで管理をしなければならないと考えたのである。
無医村への出張診療、「予防は治療に勝る」と自ら脚本を書いた演劇などによる啓発、衛生活動の推進、健康診断のモデルとなった八千穂村での全村一斉健診などを行い、アジア全体での農村医療のモデルとなったとして「アジアのノーベル賞」と呼ばれるマグサイサイ賞を受賞した。
また、1959年には、同じく佐久市の国保浅間総合病院に吉澤國雄院長が赴任し、「脳卒中になる理由は塩分の摂り過ぎである」と啓蒙活動を行った。それが1980年からは、県全体の「県民減塩運動」となり、1日の塩分摂取量が15.9gだったのが、1983年には11gにまで減ったという。
◆岡山県の長寿を支える、名知事の遺産
岡山県の長寿は、名知事として知られた三木行治(1951〜64年在任)の遺産と言うことができる。三木は旧制六高から岡山医科大学(現岡山大学医学部)を卒業して医者になった。岡山医大は旧帝国大学と同列に扱われていた名門である。そののち、簡易保険健康相談所で働く一方、九州帝国大学法文学部で学び、さらに、医学博士号もとった。この異才の名声は東京の厚生省にまで届き、1939年には医系技官となり、厚生省公衆保健局長、ついで公衆衛生局長に就任し、海外の視察にも出かけた。
知事になった三木は、「行政の科学化」を標榜し、「産業と教育と衛生の岡山県」をスローガンに掲げた。経済開発では倉敷市の水島に理想的なコンビナートを造成し、国体を梃子(てこ)にインフラ整備にも成功したが、癌実態調査、アイバンクの設立、精神障害児施設の開設など医療福祉面で最先進県との評価を得て、これもマグサイサイ賞を受賞した。
◆沖縄県が長寿トップクラスから急落したワケ
一方、半世紀の間に平均寿命の順位が急落したところのひとつが沖縄で、1975年には男性が10位、女性が1位だったのに、2020年はそれぞれ43位と16位である。その原因として、食事の変化をいう人が多いが、もともと沖縄は米軍の影響でランチョンミートを大量消費するなどしてきたし、外食も多かった。野菜類は本土との交流が深まる中で豊富になっている。本土の人たちの感覚で指摘されることのほとんどは、「変化」の説明になっていない。
ひとついわれるのは、高齢者層でなく若年層の死亡が多いという指摘だ。確かに、県によると、アルコール性肝疾患の死亡率は男女とも全国より高く、男性は全国平均の約2倍という。沖縄特有の飲酒文化で、極端な飲酒を夜通しするといった人が多いことの反映だろう。
また、かつて沖縄の郷土料理は薄味だったが、だいぶ、味付けが濃くなったように思う。このあたりも影響しているのかもしれない。さらに、新型コロナ禍で露呈した沖縄の医療行政の劣悪さも、間違いなく短命化の原因の一つであろう。
◎長寿県の自己分析が正しいとは限らない
結語としていくつかの点を指摘すれば、長寿県といわれるところの県当局や地元関係者の要因分析は、他の都道府県や自身の過去とフェアな比較がされているとは限らない。食生活では、和食や粗食が良いということはなく、むしろ、肉などの消費量が多く洋風化が進んでいるところのほうが長寿である傾向すらある。とくに、欧米人は肉の消費量が多すぎるから減らしたほうが良いとしても、それが日本人に当てはまるわけでない。
生活習慣全般でも、食生活でも、過度の飲酒や栄養バランスに欠ける食事、無精な生活態度は、とくに男性において良い結果をもたらさない。
一方で、滋賀や長野、岡山のケースで見たように、医療体制の改善や生活指導は、確実に成果を上げ、しかもそれは長続きするということだろう。
出典 プレジデントオンライン
但し、上記は健康寿命が延びているという報告ではないのだとの調査もされてきたので、その点をさぐってみました。
WHOが発表した2022年版の世界保健統計(World Health Statistics)によると、健康寿命が70歳を超えている国は32カ国。 アジア太平洋地域のほか、ヨーロッパの国が多い。
その中で、男女平均の健康寿命が最も長い国は日本で74.1歳だった。 2位がシンガポールで73.6歳、3位が韓国で73.1歳となっており、トップ3はアジアの国が占めている。男女別でも日本が1位で、男性が72.6歳、女性が75.5歳となっている。
世界の健康寿命の比較だけを見ると、日本は世界の中でも生涯、健康で過ごせる人が多い国ですが、平均寿命と健康寿命の差も合わせて見てみましょう。
平均寿命と健康寿命の差
世界183か国のデータ中(同一の値は同じ順位として1〜47位中)、健康寿命が長い国トップ5の国々の平均寿命と健康寿命の差は、シンガポールが5位に入っている以外は30位以下で、下位にランキングする結果となっています(表2)。
どうしても平均寿命が長いと健康寿命以上に長いため、平均寿命と健康寿命との差も大きくなり、健康が損なわれて介護が必要となる期間も長くなるのです。
■世界の平均寿命と健康寿命の差 2016年
健康寿命の順位 国名 健康寿命(年) 平均寿命(年) 平均寿命と健康寿命の差(年) 平均寿命と健康寿命の差の順位
1位 シンガポール 76.2 82.9 6.7 5位
2位 日本 74.8 84.2 9.4 31位
3位 スペイン 73.8 83.1 9.3 30位
4位 スイス 73.5 82.9 9.8 35位
5位 フランス 73.4 83.3 9.5 32位
上記の高齢化率の高い国は、シンガポールを除き健康が損なわれてから寿命まで、介護を必要とする期間が9年以上と長いことも目だっています。高齢者や医療に費用がかかっている分、健康寿命、および平均寿命が長くなっていると推測されます。つまり、高齢者や医療の保障の割合が大きい分、健康が損なわれてからの支援も手厚いことが影響していると考えられます。
一方、シンガポールについては、国の少子高齢化が進んだことを受けて2014年に社会保障・医療保障制度が改正されました。2016年のデータでは、シンガポールは健康寿命も平均寿命も長いうえ、二つの寿命の差も少なく、生涯健康で過ごせる期間が長い国です。国民の給与の一部が強制的に老後の資金や医療費用の口座に貯蓄され、その口座から年金や医療費など、国が認める用途にだけ貯蓄したお金が使用されます。自分の収入から自分の老後の資金や医療費を支払う必要があるため、自分の老後や健康に対しての意識を高めて、将来の健康を計画的に管理するようになることを期待するという仕組みです。
■平均寿命が長い国上位4か国の1人当たりの社会保障額2015
国名 1人当たりの社会保障額(千米ドル)
OECD加盟国全体 7.0
スペイン 7.8
日本 8.2
スイス 8.6
フランス 11.8
つづき