「新戦略兵器削減条約(新START)」は米国・ロシア両国の間に残る唯一の核軍縮条約で、2026年2月に期限を迎える。両国の戦略核弾頭などの数を制限するほか、相互の現地査察やデータ交換などを定めているが、プーチン大統領は21日、ウクライナ侵攻1年を前に上下両院に対する年次教書演説を行い、米国が履行の義務を果たしていないなどとして、米ロ間の新STARTの履行停止を表明した。
プーチン氏は「施設の査察を要請しても回答がない」などと米国を批判。「我が国の安全を確保するため決断した」などと侵攻を正当化する従来の主張を繰り返し、停戦への道筋は見えない状況だ。米国が「ロシアの戦略的な敗北」を目的にしているとして、米国の査察は受け入れられないと強調。「米国が(核)実験をすれば、我々もする」とも述べ、核軍拡に発展させる可能性を示唆して米欧を牽制した。
出典 朝日新聞(2/21)