英王室は14日、5月6日に行われるチャールズ国王の戴冠式でカミラ王妃が着ける王冠について、インドで返還を求める声があるダイヤモンド「コイヌール」を使用しないことを明らかにした。所有権に関する議論が再燃し、外交問題に発展することを避けたとみられる。
コイヌールは19世紀に英国がインド征服を進める中で、ビクトリア女王に「寄贈」されたとされる。英メディアによれば、1937年のジョージ6世の戴冠式では、昨年死去したエリザベス女王の母であるエリザベス王妃の王冠に装着された。このため、カミラ王妃の王冠に飾られるかどうかが注目されていた。
出典【ロンドン時事 2/15】
さらに、調べてみれば:
ロンドン塔を管理する慈善団体ヒストリック・ロイヤル・パレシズによると、宝珠と王笏はチャールズ2世の戴冠式が行われた1661年に作られ、その後に即位したすべての君主の戴冠式で使われてきたそう。また、王笏には1910年にエリザベス女王の祖父によって、1905年に南アフリカで発見された530.2カラットの「カリナン」が取りつけられている。十字架が飾りつけられた金の宝珠は、「神から与えられた君主の権威を象徴するもの」とされている。「大英帝国王冠は、1937年に戴冠したエリザベス女王の父ジョージ6世のために製作されたもの。金で作られ、ダイヤモンド2868個、サファイア17個、エメラルド11個、真珠273個、▽ルビー5個の宝石で飾られていて、王冠の中央でひときわ輝く317カラットのダイヤモンドは世界で最も価値あるダイヤモンドの原石「カリナン」から切り出されたもの。」という。ただ、重さが1キロあまりあり、戴冠式の後、退場するときに君主が実際にかぶるのは、1661年に作られた聖エドワード王冠だという。
また女王が気に入っていたとされる140カラットの「黒太子のルビー」は600年以上の歴史があると伝えられています。
経済人類学者のジェイソン・ヒッケルによれば、「イギリスがインドを支配したのは博愛からではなく、略奪のためであり、イギリスの産業発展は、学校の教科書にあるような蒸気機関や強力な制度から独自に生まれたのではなく、他の土地や他の民族からの激しい盗みに依存していたことを認識しなければならない」のだそうだ。『世界史をつくった海賊』(竹田いさみ、2011)にも、略奪で富み、貿易で栄えた大英帝国の躍進の立役者は海賊だったとあると書いていたし、デズニーに出てくるフック船長もピーターパンの夢物語とはいえ、海賊の一派だったということだ、ゴッドファーザーならぬヤクザな英王室の御用商人だった!?つまりは、エリザベス1世女王の取り巻き達が海賊で、海賊が国家の重要な資金源、無敵艦隊を破ったのも海賊。東インド会社の中心メンバーも海賊達。人の船と積み荷を奪い(主にスペインから)、奪った船で更に海賊行為を拡大して貯めた金で、会社を興す。どっちみち、武器を積み込んで大砲が遠くまで飛ぶほうが勝者、負ければ従属させられる弱肉強食を一見まっとうなような西欧の法で世界を席巻していった。
英国から逃れ出た、ピルグリムファーザー、清教徒たちに続いて、アメリカ大陸に渡った者はインデアンから土地を巻き上げ、彼らの生態系重視の暮らしぶりを破壊し、民族を離散させた・・・・。
インドでは、かつて英国の植民地となっていったムガール帝国創始者所有とされる「コイヌール」がツイッターのトレンド入りした。英国に返還を求める署名運動もインターネット上で起きている。
さらに、象徴的なのが大英博物館で、その入り口から入っていきなりあるのが、(Room 4)の「ロゼッタストーン」だ。 こちらは大英博物館の目玉盗品展示物のひとつだが、エジプトからの返還要求をずっと無視している事情です。どういう経緯か、ナポレオンが見つけて、ナポレオン戦争中にフランスからイギリスへと移ったと見なされているが、所有権に関しては、2003年からはエジプトが返還を求めている。七つの海を支配して、もってきちゃったと言う意識か、奴隷貿易について言えば、返還できない不明な数の命、自由のはく奪までも、東西・南北の格差の結構によって生じた闇の歴史が研究手つかずの分野である。
つづき