永岡桂子文部科学相は2日、衆院予算委員会での答弁で、今春の学校の卒業式は、家庭の判断によって新型コロナウイルス対策のマスクを着けずに出席できるとの認識を示した。だが、同日夕の報道陣の取材には一転して、「卒業式のマスクの取り扱いを決めた事実はない」と打ち消した。
永岡氏は、午前中の予算委で「マスクをしなければ出席したくないというお子さんはマスクをし、外していきますと家庭で決めた方はマスクを外しての参加になろうかと思っている」と答弁。これを受け「卒業式マスクなし可能」などと報じられたため、「誤解がある」として、急きょ、報道陣への説明の場を設けた。
政府は5月8日から新型コロナの感染症法上の位置づけを「5類」に引き下げ、マスク着用については行政が一律にルールを定めず、屋内外を問わず個人の判断に委ねる方針を決めた。
永岡氏は、報道陣の取材に対して、国会答弁はこの政府方針から「一歩も脱していない」と釈明。学校での新たなマスク着用の在り方は「卒業式を含め、どう対応するか、なるべく早く検討したい」と語った。
政府内では、3月の卒業式シーズンを考慮し、5類への引き下げに先駆けて、学校ではマスク着用を緩和する案が浮上している。ただ、個人の判断に委ねた場合、感染防止策の考え方の違いなどを巡って、生徒同士や保護者間の対立を生みかねないとの懸念もある。
毎日新聞【2/2】