2020年4月16日、韓国メディア・時事ジャーナルが真の防疫模範国・地域は台湾・香港・ベトナムだと主張が注目を集めていた。
時事ジャーナルは「世界的に増え続ける新型コロナウイルスの感染者・死亡者の大部分が中国・米国・欧州の国民だが、中国と国境を接する台湾・香港・ベトナムでは感染者が1000人以下、死亡者も5人以下だ」と説明し、「韓国で1万人以上の感染者、200人以上の死亡者が出ていることと比較すると驚異の数字だ」と指摘している。
台湾については「15年にわたって補強してきた感染病行動指針による落ち着いた対応をみせた」と評価。台湾は346人の感染者と37人の死者を出した2003年のSARS(重症急性呼吸器症候群)を教訓に、2005年に感染病の段階別の124の行動指針を策定した。指針には旅行禁止、防疫、監視レベル、社会的距離の確保などが含まれているという。また、国民健康保険と患者の海外旅行情報を統合。これにより病院側は感染者の早期発見と隔離が可能になったという。
台湾は今回、この指針を基に感染発生後すぐに入境禁止を発表。1月に中国・湖北省からの入境者に対して2週間の隔離措置を取り、2月6日には中国からの入境を全面禁止したという。
香港については「迅速な都市封鎖と厳しい移動制限の施行」を評価。香港政府は2月4日に初の死亡者が発生するとすぐに中国からの入境者に対し2週間の隔離措置を取り、違反者には懲役と罰金を科した。3月25日からは外国人の入国を禁止し、地域社会における感染拡大を阻止するべく厳しい移動制限を実施。不特定多数の人が利用する施設には2週間の休業を命じ、4人以上の集会も禁止した。一般飲食店にはテーブルの間隔を1.5メートル以上空けるなどの制約を課した。4月2日には全ての居酒屋とクラブに2週間の休業命令を出し、違反時には懲役と罰金を科した。2月から続く幼稚園、小中高への休校命令は現在も続いているという。
ベトナムについては「航空・陸上・海上を封鎖し、国自体を隔離したことで感染者は200人台にとどまり、死亡者は出ていない」と評価。ベトナム政府は1月23日に初の感染者が発生した後、すぐに中国人の入国を禁止した。2月2日には非常事態宣言を出し、中国・香港・マカオへの航空便の運航を中止。中国との陸上国境も閉鎖し、隣接するカンボジア・ラオスとの国境も閉鎖した。中国に続いて大規模な集団感染が発生した韓国に対しても、観光客を強制的に病院に隔離するなど厳しい措置を行った。さらに、3月には入国者に対する全数調査を行うなど自国民の入国も制限。4月1日から2週間は全ての旅客機・船舶の入国を禁止し、公共交通機関もストップ。外出自粛や自宅勤務を呼びかけ、公共の場での2人以上の集まりを禁止したという。