北京市の衛生当局は1日、市内の新型コロナウイルス新規感染者が11月30日に過去最多の5006人に上ったと発表した。北京市の人口(約2200万人)で見れば、全体の感染者数は比較的少ないが、同市は3年近くにわたりコロナ感染をほぼ抑え込んできた経緯もあり、パニックを生じさせるには十分だ。コロナ感染だけでなく、濃厚接触者として特定され、劣悪な環境の政府隔離施設へ移送されることも北京市民は恐れている。
共産党指導部にとっては、首都での感染拡大が起きた影響は、北京が中国の政治・文化の中心地であるため、急拡大する感染の抑え込みに苦慮している。政府のゼロコロナ政策には、「白紙」抗議デモも起きている。今後、コロナ拡大を幾分容認するのか、経済を犠牲にしてでも厳格な「ゼロコロナ」政策を踏襲するのか判断が注視されている。
出典:ブルームバーグ(12/1)