ロシアのプーチン大統領は16日、ウズベキスタン・サマルカンドでインドのモディ首相と会談し、ロシアによるウクライナ侵攻について「(インドの)懸念は理解する」と伝えた上で、「早期の停戦に努める」と述べた。侵攻開始から半年以上が経過し、今月も北東部ハリコフ州でロシア軍が撤退を余儀なくされるといった戦況が続く。プーチン氏が特別軍事作戦と呼ぶこの戦争の「出口」を示唆した背景には、欧米の兵器支援で勢いを増すウクライナ側に停戦を求める声がトーンダウンしていることへのいら立ちがありそうだ。
プーチン氏が停戦に触れるのは異例だが、上海協力機構(SCO)首脳会議閉幕に際した直後の記者会見で「ウクライナ軍が反転攻勢を試みる中、東部ドンバス地方の作戦は終わらない」と警告しており、停戦の実現には疑問も残る。
友好国インドの首脳から公の場で、「今は戦争の時ではない」と侵攻を批判され停戦を求められる事態となった。来年のSCO首脳会議の議長国でもあり、米国と関係を深める民主主義陣営の立場から、モディ首相が苦言を呈したとみられる。しかし、プーチン氏は「私たちは全てをできるだけ早く終わらせたいと思っているが、ウクライナが停戦交渉を拒否し、目的を軍事的に達成しようとしている」として、自ら侵攻して長期化してきた責任をウクライナの応戦に転嫁した。
出典 時事通信9/17つづき