新型コロナ下でのマスク着用について、千葉県の熊谷俊人知事は5月19日の定例記者会見で「保育所等では屋外で『マスクなし活動』を検討してほしい」と述べ、行動指針となる“千葉県独自ルール”を提案した。続いて、文科省は5月24日に未就学児、児童、生徒のマスク緩和のリーフレットを作成して関係各所に通達したが、学校現場の実態は今まで通りになっているケースが多いとの不安の声もでている。
千葉県では、園児の健やかな成長、発達を促すのが最大の狙いで、併せて保護者や地域住民向けに「園児らが屋外でマスクなしで活動することに理解を」と呼びかけ。一般県民向けにも具体的な実践例を示した。保育所等約2千カ所へ近く通知。
熊谷知事は、着用で懸念される発育への影響や熱中症等を念頭に「感染対策により別のリスクが顕在化する恐れがある。全体のバランスをみて、『マスクをしない』と積極的に選択できる場面がある」と強調。これまでに政府が示したマスク外しの検討状況に沿った形で提案した。
県独自ルールを適用する対象は(1)保育園児ら(2)散歩など一人で行動する県民ら(3)熱中症などのリスクがある屋外活動する作業員ら。
保育所等では、園庭や公園などで屋外活動する際には「保護者の理解を得るよう努めながら」と前置きして、マスクなしでの活動を検討するよう提示した。対象の約2千カ所に対して県や市町村が近く通知する。
また、一般県民向けには一人で行動する散歩や徒歩・自転車での移動についてはマスク不要と例示。熱中症リスク等のある場面には「運動」「農作業」「工事現場での作業」を挙げた。
保育所等での県独自ルールの根拠については、4〜5月に県内の保育所等を調査し、着用の有無と感染状況に明確な因果関係が確認されなかったためと説明。熱中症や落ち着きつつある感染状況なども考慮した。会話する時や人が密集している時、屋内では引き続き着用するよう求めていく。
県独自ルールの意義について熊谷知事は、園児が保育所の園庭でマスクを外しながら、外の公園で着用する事例に触れ「社会の目を気にせず外せるよう県としてメッセージを整理した。具体的な実践例も示すことで今後の行動の目安になれば」と強調。一方、「(着脱について)県ごとに考えが違うのは良いことではない。政府に統一的な見解を示してほしい」と求めた。