世界で初めて首相として産休・育休を取得したニュージーランドのアーダーン首相が、有働由美子キャスターのインタビューに応じました。
2017年、首相就任の直後に妊娠を公表したことについて「正直に言ってとても心配だった。ニュージーランドで前例がないことだった」と述べ、葛藤があったこと心中を覗かせました。現職の首相として初めて6週間の産休を取ることになり、一部で否定的な意見もあったものの、多くは肯定的だったいう。2018年はアーダーン首相や女性閣僚が相次いで産休を取得し、復職後は仕事と子育てを両立させていて、女性の社会進出をさらに後押しするものと受け入れられた。首相は復職後、国連総会に子連れで出席するなど、仕事と子育てを両立させている姿をみせて、社会進出を目指す女性のロールモデルとして益々注目されています。
一方、ニュージーランドは人口の4分の1以上が海外で生まれている、移民国家としても知られています。2018年には1年間で、およそ4万8300人の移民を受け入れていて、ヨーロッパ系の人たちを中心に先住民のマオリの人たちや、アジアからの移民、中東からの難民などが互いの文化や宗教を尊重しながら社会を形成してきました。
こうした多様な社会を形成しているニュージーランドは、女性の政治参加や地位の向上に積極的に取り組んでいて、1893年に世界で初めて女性が国政選挙権を獲得した国としても知られています。1933年に初めて女性議員が誕生して以降、子育てとの両立を目指す議員が増えてきたことから、1990年代には議会の敷地内に保育所が設けられたほか、議場での授乳も可能になりました。赤ちゃんを連れて登院した議員の赤ちゃんを議長みずから議場であやす姿もみられ、政界を中心に子育てしながら働くことへの理解が進んでいます。
アーダーン首相は子育て環境の充実を図るためには「働きながらの子育てなど、自分で選択することができ、その選択が批判されないようにするべきだ」と述べ、男女が最善の選択ができるような環境作りが必要だと指摘しました。アーダーン首相は「母親たちに選択肢を与えるような政策を作りたい」などと、“理想のシナリオ”を語りました。
参照:5月31日放送『news zero』つづき