日本オリンピック委員会(JOC)と全日本柔道連盟の会長を兼任する山下泰裕氏(64)は11日、個人ホームページにロシアのウクライナ侵攻に対し「ウクライナの人々、そして世界中の柔道を愛する方々へ」と題した声明をした。
民間人への被害が拡大していることを受け、「これらの行為は柔道の精神、目的に完全に反するものです。まったく容認することはできません」と記し、ロシアのプーチン大統領を批判した。「ロシアのジェノサイド(大量虐殺)、非人間的な行動の数々を報道で見て、侵攻を止める効果はなくても、個人としてメッセージを出すべきだと考えた」と説明した。
山下会長は2000年に来日したプーチン氏が講道館を訪れた時を振り返り、「多くの人が心を打たれる振る舞いだった。今のプーチン氏は別人のようだ」と語った。
「連日報道されるウクライナにおける非人道的な行いの数々、柔道家であるプーチン大統領によるロシア軍の侵攻のニュースを聞くにつけ、心を痛めてきました」と記した。
そしてそれらが、講道館柔道の創始者である嘉納治五郎師範が唱えた「精力善用、自他共栄」(最大限の心身の力を善いことのために用いること、人々や社会と融和し協調すること)の精神を踏みにじる行為であることを強調した。
声明はウクライナの人々への思いをはせた上で、「愚かな行為が一日も早くやむことを願います」と結ばれた。同様の内容の英文も併記された。
国際オリンピック委員会(IOC)委員でもある山下氏は3月1日に報道陣の取材に対し、ロシアやベラルーシの選手らを国際大会から除外するよう勧告したIOCの決定などを支持する考えを明らかにしていた。
出典:ANNニュース(4/11)
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