国立感染症研究所は28日、変異した新型コロナウイルスのオミクロン株に感染し入院した122人の分析で、ワクチンの2回接種を終えた人が63%に上っていたとの結果を公表した。2回目接種からの時間経過やウイルスの変異で効果が弱まると報告されており、そうした影響が出た可能性がある。3回接種した人も2%おり、新型コロナの感染歴がある人もいた。未接種は33%だった。
日本の厚労省の専門家会議でもデンマークのデータをもとにした分析結果が示されました。デンマークの専門家も、「現時点でそれほど懸念する必要はないが、BA.2の感染力が強いことで、感染のピークが当初の予想よりずれ込んで、2月まで感染拡大が続く可能性がある」と指摘しています。
ヨーロッパの中でも「BA.2」が多く確認されているデンマークの新規感染者の推移をみてみると、去年の終わり頃からオミクロン株により急速に感染が拡大しました。今年に入って、横ばいとなってピークアウトするかと思いきや、再び急拡大しています。実は再び急拡大するタイミングで「BA.1」から「BA.2」への置き換わりが始まったとみられています。最新のデータでは、すでにデンマークの新規感染者数に占める「BA.2」の割合は65%に達しているとされています。
1人が何人に感染を広げるかを示す実効再生産数が、「BA.2」は「BA.1」と比べ18%高いです。つまり、それだけ感染力が強くなっている可能性があるということです。ただし、デンマークでもこれまでの所、入院に至る確率は「BA.2」と「BA.1」で大きな差はみられていないといいます。
日本でもオミクロン株は流行のピークが早く終わるともいわれていますが、京都大学大学院医学研究科の西浦博教授は「過剰に期待すると、BA.2への置き換わりで、もくろみが崩れてしまう可能性が十分にある」と警鐘を鳴らしています。
ウイルスがどれだけ変異したとしても、私たちが続けるべき基本的な感染対策は変わりません。過度に恐れることなく、ワクチンや治療薬を適切に使いながらやるべきことをしっかり続けていく姿勢が大切です。
出典:日テレNEWS 2022/01/28