欧州で再び新型コロナが拡大する中、ニュージーランドでも感染対策の強化は全土で行われ、マスク着用が強化されるほか、バーやレストランなどの屋内飲食や結婚式などのイベントは100人が上限とした。会場がワクチンパスを導入していない場合、上限は25人に引き下げられる。アーダーン首相は、23日、このような取り組みでロックダウンは行わない考えを強調した。
海外の感染状況を見ると、日本は感染者数を抑えられていることで注目されている。この状況にNTT東日本関東病院の発熱外来を担当する医師であるニコラス・レニック氏は「(R数値)」に言及。
「確かに、日本はマスクやワクチンなどの対策は他国と比べてよくできている。だが、なぜ他国と比べて100倍もの差が開いているのか。R数値の動きが他国と違うからだ。R数値(実効再生産数)がどういうものか。R数値は、要するに1人のコロナ患者が、どれくらいほかの人を感染させるかを調べた数字。R数値がずっと『1』であれば『1』のままだが、『2』の国では4、8、16、32……と感染者は増えていき、『1』と『2』の差が膨大な数になる。『1』を超えるかどうか、これには天と地の差がある。R数値が少しでも『1』を下回っていることが大事だ」
G7(フランス、アメリカ、イギリス、ドイツ、日本、イタリア、カナダ)の括りで見ると、実際に人口に対するワクチン接種(※2回)済みの割合を見てみると、1位の日本が76.54%、2位にカナダ(75.88%)と続いている。レニック氏は「100万人あたりの新型コロナによる死亡率を見ても、日本は極端に少なくなっている。感染者数は検査の数にも左右されるが、日本は死亡率の低さが成果としてしっかり数字が出ている。ワクチンの開始時期は遅かったが、日本はデルタ株が出たタイミングで大規模にワクチンを打ったこともあり、抗体レベルがまだ高いと言える。タイミング的にも良かったのではないか。その上に、たとえ1日の新規感染者数が5人であっても、周りを見るとほぼみんながマスクをしている。感染者が少なくなったからと言って『もうコロナ収束だ、イエーイ』と騒ぐような国民性ではない。そうした国民性に加えて、ワクチンの相乗効果があった」といい、これらは死亡率にも反映されているという。
レニック氏は「接種から6カ月ほど経つと、ある程度抗体レベルが下がり、R数値が少しずつ上がっていく傾向があるので、やはりブースター接種は必要だと思う」とコメント。
出典:『ABEMAヒルズ』2021/11/26)