年を振り返ると、悲喜こもごも。亡くなった日とも多くいるが、別れた芸能人たちについてもいつも報道がされてきた。彼らの生きざまは興味をもたれ、メディアが取材する価値があるからで、しかし、失敗もするがそこから多くを学び、またその轍を踏まぬようにとのメッセージも伝えられてきた。世間から注目を浴びる名声とは、けして家族で平穏、無事に暮らせていることでもなく、失敗も多くして、そこからまた、立ち上がろうと取り組んでいく逞しさがあると思う。しじゅう円満で過ごせる家族は、それこそ幸せであるが、賢いマネージメント術を心得ている存在があるのに違いない。成功から学ぶよりも、私たちは失敗から学ぶことが多いのではないだろうか。つまり、そのほうが身近で、軌道修正をする参考になるからだ。
本年末、米芸能情報サイトTMZが報じたところによると、カリフォルニア州知事も二期務めたシュワルツェネッガーだったが、12月28日、破局から10年半の時を経てようやく正式に離婚したことが明らかになった。米ロサンゼルス郡上級裁判所が両者の離婚をこの日承認したという。1986年に結婚して4人の子どもいたのだが、元家政婦との間に隠し子をもうけていたことが発覚したことから、2011年に妻・シュライバーさんが離婚を申請、25年の結婚生活は終止符を打った。2人は婚前契約を交わしていなかったが、離婚申請当時未成年だった2人の子どもの親権は共同で持ち、4億ドルとされる資産は半分に分割することで合意していたという。
離婚協議が長期化した背景には不動産に関する分与交渉に時間を要したことが挙げられているが、最終合意に達したという。今回の調停について、シュワルツェネッガーの弁護士からは正式なコメントは出されていない。シュワルツェネッガーとシュライバーさんは破局後も良好な関係を続けており、4人の子どもたちも含めてたびたび一緒に過ごす様子が目撃されていた。
2017年5月、日刊スポーツの記事にハリウッドの有名俳優夫妻の離婚劇が綴られていた。ブラッド・ピット(53)がついに、アンジェリーナ・ジョリー(41)との離婚劇後に、ピットは米誌「GQ Style」夏号のに、12年間パートナーだったジョリーとの離婚や子供たちに対する思い、過去半年間、悩み苦しんだことなどを赤裸々に告白。 ジョリーとの破局以来、自分がどのように変化したかについて語ったピットは、「酒を飲み過ぎて、そのことが問題になっていた。しかし、それも今や半年前のことであり、現在はようやく生活に落ち着きを取り戻し、彫刻のアートセラピーで心を癒やす日々というピットは、この半年間で、家族を第一にすることが大事であることを学んだという。
「離婚で、まるで顔を殴られたみたいだった。子供たちのためにもっとオープンになり、彼らのために存在する必要がある。当時はその辺が、うまくできていなかった。苦い経験だったが、再び以前の健康を取り戻せた」と振り返った。どうやって飲酒をやめたのか?との問いには、「これ以上、あんな風に生きたくなかった」と答えた。
長男への虐待疑惑で児童家庭サービス局の調査が入った時のことについても触れ、「当時は打ちのめされたが、その後、皆で一緒に解決に向けてベストを尽くした」と語った。さらに、「家族が突然、バラバラになることは、子供たちにとって大きなショックだった」と語り、ジョリーと法廷で争うことに時間を費やすのはばかげていると悟ったことも明かした。
さらに米国俳優の家族たちの顛末を振り返れば、史上最年少でアカデミー助演女優賞を得たティータム・オニールは、9歳で父親と共に映画『ペーパー・ムーン』に出演して世に知られた。つづく、1976年の『がんばれ!ベアーズ』で演技の評価は高まり、当時は最も稼ぐ子役スターとして引っ張り凧だった。1986年にテニス選手のジョン・マッケンローと結婚して一時引退。3人の子供に恵まれるが1992年に別居、1994年に離婚して復帰。離婚後にテータムがヘロイン中毒だったので、1998年以降、3人の子供の養育権は父親に移った。 一番上の息子のケヴィンは自身も薬物で逮捕された後、自身と母親の苦悩をより深く理解するために彼にとっての祖母にあたるジョアンナ・ムーアに関する小説を執筆し、評価を得ている。
2004年に刊行した自伝において、両親からの虐待、父親にドラッグを売っていた売人からの性的虐待、子役としての全盛期に何度も繰り返した自殺未遂を語っている。また、マッケンローとの不幸な結婚生活、マッケンローとの離婚後のトラブル、アルベール王子やマイケル・ジャクソンや父親のパートナーだったファラ・フォーセットとの交流などを赤裸々に告白した。この自伝はベストセラーとなった。しかし、その後もニューヨーク市内でコカインを購入しようとした疑いで逮捕、有罪となって2日間の薬物治療の講習会受講と罰金95ドルを科せられていた。こうしたことを追って制作されたリアリティ番組『Ryan and Tatum: The O'Neals』(2011)では父ライアンも出演して、放映され、話題となったが、元夫のマッケンローと3人の子供は協力を拒否した。番組と連動して、二作目の自伝を刊行していた。
人生は、100年とも言われるようになっている。それは、肉体的に問題の少ない、しなやかに輝いている青春時代よりも、後半の人生のほうが長いということを意味している。ハリウッドの有名人たちは、その優れた素質を比較的早くに認められてスターダムに上るが、そのことで注目されていても常に成功劇を演じられるわけではない。結婚、離婚を報道され、赤裸々に打ち明けて、解決しようとする様を見せるのも彼らの逞しさであり、注目度が高いからインタビューを受けるのでもあろう。
それを見守る一般の人たちは、人生の憂慮すべきことをどのように乗り越えようとするか参考にできる。つまり、演技者としての成功があっても、彼らが家族とも上手くいっているとは限らない。家族との葛藤を乗り越えて、自分自身の納得、心の平和を得るよう努めるのだろう。
人には百八つもの迷いや苦悩があるという。108回、鐘を撞くごとに煩悩が一つ消えて、安寧に過ごす年になるようにという願いが、除夜の鐘には込められているのだそう。どうぞ、皆様にはコロナの感染力に負けないで、新たな年を迎え、多くの楽しい出会いが叶えられますようお祈りしています。 合掌