農林水産省は10日、英国が東京電力福島第1原発事故後続けてきた日本産食品の輸入規制を撤廃する方向で手続きに入ったと明らかにした。英国食品基準庁が、日本産食品について「輸入規制を撤廃しても、英国の消費者が受ける線量や関連リスクの増加は無視できるものである」とするリスク評価報告書を公表した。この結果を基に、輸入規制の撤廃を「最も望ましい選択肢」とし、すでに撤廃案について関係者の意見を聞くパブリックコメントも開始した。
英国では規制を見直すに当たり、イングランド、ウェールズ、スコットランドのそれぞれの議会で改正手続きを行う必要があるため、最終的な決定は来年春ごろになる見込みだ。農水省によると、英国は本県産のキノコ類や水産物、山菜類の一部などの品目について、放射性物質検査証明書を添付するなどの措置を求めている。北アイルランドを除く地域では、欧州連合(EU)が一部規制を緩和した10月以前の規則に準拠して規制を続けているが、規制の緩和ではなく「撤廃」の方向で手続きを進めることになる。
これまで、韓国の輸入規制が幾度もマスコミで取り上げられてきたのは、まるで、福島原発の放射能事故後でも世界から日本の食品の輸入には規制していないのに、韓国はいつまでもクレームしているとの話なのかと思っていたら、そうではなく欧州も食品輸入に規制をしていた。日本産食品の輸入規制は原発事故後に55カ国・地域が導入し、現在も英国を含む14カ国・地域で続いている。英国で規制が撤廃されれば、風評被害に苦しむ本県にとって大きな前進となる。食品事業者などにとっても、事前の放射性物質検査などに伴う費用負担の軽減につながる。
福島県によると、英国への昨年度の県産品輸出額は495万円で、県全体(9億500万円)の約0.6%。清酒やコメなどの輸出が多いという。
出典:福島県友(12/11)