国連の関連団体が発表した「世界幸福度ランキング」によると、日本はG7(主要7カ国)のうち最も幸福度が低いという結果でした。
特に日本では、「不幸な高齢者」の存在が目立ちます。内閣府が公開した『平成20年版国民生活白書』によると、日本人は年を取るほど幸福感が下がる傾向が確認できました。
ハーバード・メディカル・スクールの心理学者、ロバート・ウォールディンガーもまた、75年の追跡研究を経て人間関係の重要さを説き、彼の講演によると、良い人間関係を持つ人ほど長生きで、健康で、記憶力が良いのだとか。逆に、人間関係をおろそかにすると、早死し、不健康になり、記憶力が悪化するということです。幸福学の第一人者である、エリザベス・ダンらの調査によると、日本の高齢者が不幸であるもっとも大きな理由は、「人間関係の希薄さ」なのだと分かる。
京都大学こころの未来研究センターの内田由紀子氏らが公開した論文では、人間関係の作り方を2つのパターンに分けて幸福度との関係を研究していました。1つ目のパターンは、人間関係を広く求める「開放型」のスタイル。「開放型」のスタイルを持つ人は、人間関係の質以上に、良好な人間関係の「量」が幸福につながることが分かりました。2つ目のパターンは、既存の安定的な人間関係を求める「維持型」のスタイル。「維持型」のスタイルを持つ人は、付き合いの「質」が幸福につながることが分かりました。
ちなみに、日本人は村社会・島社会が強い文化です。よって、「開放型」より「維持型」の方が多いようです。