2021年の世界の都市総合力ランキングが24日に発表され、東京がロンドン、ニューヨークに次いで6年連続の3位となったと、森ビルのシンクタンクである森記念財団都市戦略研究所が発表した。
東京は就業環境の改善や五輪・パラリンピック開催により、総合スコアでプラスに転じた。また、早退や在宅勤務のしやすさを居住者に調査した「働き方の柔軟性」が前回41位から2位まで飛躍的に順位を伸ばした。新型コロナウイルス禍が世界主要都市に及ぼした影響は都市によってさまざまで、世界の主要48都市を対象に経済、研究・開発、文化・交流、居住、環境、交通・アクセスの6分野70指標で評価。東京は環境以外の5部門でトップ10入りした。経済は上位3都市に大きく水をあけられており、北京に次ぐ4位で、香港に僅差で迫られている。
今年は国際人流などコロナ禍によって特に影響を受けた指標群をまとめた。東京は五輪開催による国際人流が上昇したのに対し、ロンドンや香港では世界的な人流抑制が他の都市と比較してマイナスが極めて大きかった。ニューヨークも完全失業率の高さが尾を引き総合でマイナスだった。
4位はパリ、5位はシンガポールで例年と同じ顔ぶれに。日本の都市では大阪が36位、福岡が42位だった。
同財団理事で明治大の市川宏雄名誉教授は24日の記者会見でコロナ禍の影響について、「女性の社会進出の低さや観光地の充実度など東京の弱点は残ったまま。コロナ後は一気に経済活動が再開され、都市力向上のためには弱点をどうするのか早急に考える時期だ」と述べた。
出典:産経新聞(11/24)