市民団体「クオータ制を推進する会」の代表代理、大倉多美子さんは、「人口の半分は女性なのに、国をリードする国会には1割もいない。こんな状況で女性たちの声など届くわけがない。この異常事態を是正する努力を政党はもっとするべきだ」と訴える。厚生労働省が発表した2020年の平均寿命は、女性が87.74歳、男性が81.64歳。
コロナ禍の影響で、失職したり収入が減ったりする女性が増え、女性不況という言葉も生まれた。どんな人も取り残さない社会を作るためにも、各党の公約や女性候補の擁立状況などを見ながら、有権者は投票により自分の意思を示してほしい。
衆院議員に占める女性割合は、世界的に見ても低い。各国議会で作る列国議会同盟によると、衆院(下院など)に占める女性の割合は9月現在、9.9%で、世界193か国中165位。国は、男女の候補者数ができるだけ均等になるよう、第5次男女共同参画基本計画で、衆院選の候補者に占める女性比率を25年までに35%にする目標を掲げる。
そこで、2018年に「政治分野における男女共同参画推進法」が施行され初となる衆院選となった。女性議員増に向け、各政党はどんな取り組みをしてきたかのかといえば、そのための目標を設定していない党が5党と半数を超えた。
同法では、政党などに男女それぞれの候補者数の目標設定などに自主的に取り組むよう求めている。読売新聞は9月下旬から、主要9政党に、今回の衆院選で女性候補者の人数や全候補者に占める比率の目標を設定したかや、実際の擁立の状況などについて、アンケートを実施した。
自民党は、2017年の前回衆院選での候補者の比率は7.5%だった。今回、目標設定はしていないが、「積極的擁立を地方組織にも働きかけている」とする。全立候補予定者に占める女性の比率は11日現在、8.8%。公明党も目標の設定はなく、同日現在、7.5%だ。
立憲民主党は、女性比率の目標を30年までに30%超としている。5日現在、17.1%。男女均等の50%を目指す共産党、社民党はいずれも、前回衆院選に比べ、女性の比率を大きく伸ばしている。
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