追加接種(ブースター)に向けてワクチンを使う臨床試験(治験)について、国産のmRNAワクチンを開発している第一三共が来年1月の開始をめざすと表明した。
一方、熊本市にある製薬会社のKMバイオロジクスは25日、開発中の新型コロナワクチンについて、3回目の追加接種に使うための治験を年内にも始める方針を明らかにした。同社は最も早くて来年秋の実用化を見込む。国内ではすでに2回のワクチン接種を終えた人が6割を超えているため、3回目以降の定期接種への供給を視野に開発を進める。
化血研時代の2016年に発生した熊本地震の影響で製造施設が被災。一時全商品の製造出荷が止まる事態となった。2017年(平成29年)12月 - 化血研および明治グループは、化血研の製薬事業を明治グループに譲渡することを決定。2019年2月現在もB型肝炎ワクチンの製造供給に震災の影響が出ている。2021年、熊本から海外へ進出していくことを見据え、“熊本”と、”明治グループ”に由来する「KM」を冠し、同社が保有する技術や施設を活用し、国立感染症研究所(感染研)や東京大学医科学研究所、医薬基盤・健康・栄養研究所と共同で、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対して、不活化ワクチンの開発に乗り出した。
同社が開発しているのは、インフルエンザ用などと同じ「不活化ワクチン」。これまでの治験によると、米ファイザーやモデルナ社のメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンに比べて副反応が生じにくいと同社は分析している。永里敏秋社長は「mRNAの副反応が怖いという人にも使ってもらえるのではないか」と記者会見で述べた。
生後6カ月から18歳未満に投与する「小児用」の治験も、来春にも始めたいとしている。
参照;朝日新聞デジタル(10/25)
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