10月1日からは段階的(地方は全面的)に飲食店などの営業制限が解除されることとなった。これからは、感染リスクの高い行動は慎みつつも、「人の流れに身を置くこと」を恐れてはいけない。
『運とつきあう』(日経BP)に次のような事が書いてある。
ニューヨークの経営コンサルタントで管理職のヘッドハンティングも手がけるエリック・ワクテルは、キャリアの階段を駆け登ろうとする人たちを数え切れないほど見てきた。
彼の観察によると、行き詰まってしまうのは自らを孤立させてしまう人だという。
「何も“名物男”になれと言っているわけではありません」と彼は言う。
「誰もがパーティーの主役になれるわけではないのです。無口でおとなしい性格の人もいますからね。れでも、親しみやすい態度や積極性を示すことはできるでしょう。最悪なのは、仕事で知り合った人や 家族の友人などとのつきあいを嫌がって引きこもってしまうことです。人とのつながりを拒絶すると、人生に刺激を与える人がいなくなってしまいます」
映画だけでなくビジネスの世界でも、思いがけない幸運は人と人のつながりからもたらされる。といっても親密なつきあいが必要というわけではなく、ただ知り合うだけで何かが変わるものだ。運命のエンジンは、まったく関係がないような出来事をきっかけに動き出す。運の良い人 は、金持ちも貧乏人も、有名人も無名な人物も、社交的な人も孤独な人も、怒りっぽくてとっつきにくい人だって、分け隔てなく知り合いになろうとする。運は重大で予想もつかない変化を突然もたらす。
そのような変化が、カーク・ダグラスが知り合ったばかりの女優の卵にも訪れたのだ。瞬く間に彼女はハリウッドへと羽ばたいていった。それは同時に、知人のためにも映画業界への扉を開いてくれることになった。1940年代後半、カーク・ダグラスはバコールの後を追うようにスターダムを駆け登っていった。バコールの幸運はダグラスの幸運へと結びついた。二人と知人たちとの一連の出会いは、ともに「人の流れ」に飛び込むという方法を実践した結果である。
本書の中に「人の流れに身を置くこと」についてこう書いてある。『「人の流れ」に身を
置くとは、要するに、多くの人と出会い、つながりをもつということだ。「人の流れ」をただ傍観していてはいけない。飛び込むのだ。
あなたの目標とすることで幸運をつかみたいなら、外でも知られる存在になるよう努力すべきだ。退屈な会議でもできるだけ出席しよう。仕事帰りに同僚と親睦を深めるのも悪くない。デスクを並べている部署の仲間だけでなく、ほかの部署のスタッフが関わる業務にも率先して参加しよう。何より重要なのは、自分がどんなキャリアを目指しているかをみんなに知ってもらうことだ。プライベートでもいつも人に会い、集まりに参加するように心がけよう。
何も「人気者になれ」と言っているのではない。無理をして陽気に振る舞うこともない。
自分を偽ってむなしい 努力を重ねてもすぐに見透かされてしまう。もともと口数が少ないタイプなら寡黙なまま通せばいい。必要なのは多くの人と会い、自分が何者であるかを伝えることなのだ。
グループ活動はとても好ましい。グリークラブでも政党の支持団体でも、興味がある分野なら何でもいい。切手蒐集のように一人で楽しむのが性に合っているという人も、同好会やイベントに顔を出すことくらいはできるだろう。パーティーがあったらできるだけ参加しよう。自分で開催するのもいい。集会やデモ行進にも率先して出かけるのだ。
健康のためにスポーツやエクササイズをするのもいいが、一人じゃダメだ。誰かと一緒になって楽しもう。運の良い人はいつも「人の流れ」の中にいる。世間から遠ざかって引きこもっていたら、運はめぐってこない。』
コロナ禍が続き、多くの人は「人が集まるところには出かけない習慣」ができてしまった。そもそも、パーティや、懇親会や飲み会がなくなってしまった。会合や会議もリモートになり、リアルに顔を合せる機会もめっきり減った。しかし、それはある面でいうと、「運やチャンス」から遠ざかる方法になる。なぜなら、運やチャンスは人が運んでくるからだ。今までの自粛生活から、頭を切りかえ、行動パターンを変えた人だけが、「運やチャンス」をゲットできる。「世間から遠ざかって引きこもっていたら、運はめぐってこない」運やチャンスを手に入れることができる人でありたい。