◎昔は“薬”として位置づけられていたあずきの歴史
あずきが日本に伝わったのは3世紀頃。食べ物ではなく薬という位置づけでした。 日本最古の歴史書である古事記や日本書紀にもあずきの記載があることから、8世紀頃には、日本でも栽培されていたと考えられています。小正月(1月15日前後三日間)にあずきを入れた「あずき粥」を食べる習慣は平安時代に始まり、ハレの日に米にあずきを入れて炊く「赤飯」を食べる習慣は江戸時代に広まったといわれています。 漢方では、あずきを赤小豆(せきしょうず)と呼び、解毒・排膿(はいのう)・利尿作用があるとしています。
中国最古の薬物書「神農本草経」にあるように、食べ物というよりも薬効のある食材(薬)として珍重されていた。 現在では、抗がん作用、血圧を下げる、血糖値を下げる、悪玉コレステロールを減らす、老化防止、発毛効果、更年期障害・骨祖しょう症予防、美肌効果、ダイエット効果、便秘解消、解毒作用、尿酸値を下げる、血液サラサラ、むくみ、疲れ目、冷え性、貧血などの症状に効果があることが明らかになってきています。
「煮あずき」を作るには、鍋で一度にたっぷり作って冷凍保存しておくのもひとつの手。その場合は、煮たあずきを半分に分けて、薄い塩味と砂糖味のふたつの味つけをして保存しておくと料理に使うときにアレンジしやすく便利です。
◎スーパーフード“あずき”の健康効果とは?
現代人は特に肉・卵・牛乳の摂取量が多い傾向にあります。肉を消化するためには、たくさんの消化液が必要です。その消化液のひとつが胆汁酸です。胆汁酸は腸内細菌によって二次胆汁酸に変化します。この二次胆汁酸には発がん性があるので、便秘で長時間、腸に留めてしまうと大腸がんの原因になるといわれています。体内の老廃物の7割は便で捨てられます。抱え込んだ老廃物を血液が吸収し皮膚から出そうとするため、湿疹や肌荒れ、ニキビができるのです。老廃物は、なるべく早く出すことがとても大切です。
あずきの煮汁が胃がんのアポトーシス(自滅)を導いたという論文がいくつも発表されているほど、あずきが持つパワーは、今、世界中で注目されています。がんに効く理由のひとつに、あずきの色素アントシアニンや、苦み成分のサポニンの持つ強い抗酸化作用があります。これらが、体内の活性酸素を抑制してがんを予防。さらに、食物繊維が豊富に含まれていることから腸内の善玉菌の繁殖を活性化、便の量を増やし腸内環境を整えることで、がんを予防します。
◎あずきに豊富に含まれるサポニンの優れた効果
大豆やあずきを煮たときに、相当量の泡が出ますが、その泡に含まれる化学成分がサポニンです。多くの植物に含まれていますが、特に大豆とあずきには豊富に含まれています。サポニンの効果・効能は幅広く、抗酸化作用が強いのが特徴。細胞を傷つけ老化やさまざまな病気の原因になる活性酸素を除去します。生活習慣病の予防、改善にも効果的で、毛細血管を広げて血流をよくする働きもあり、冷え性の改善、高血圧、血栓症の予防にも二重丸です。さらにサポニンにはインスリンと同様に、血糖値をコントロールする働きもあります。
また、サポニンは、水に混ぜて振ると泡立つ天然界面活性剤の性質があり、脂ともなじみます。また、小豆に含まれるサポニンの界面活性作用は、大腸で便を適度な軟らかさにしてお通じをスムーズにしてくれる効果もあります。
石鹸の泡が油脂を浮かせて水で洗い流すように(界面活性作用)、サポニンは血液中の余分な脂質を洗い流す働きがあるので、脂肪の蓄積による肥満がセーブされるのです。昔から、その界面活性作用は知られていて、石鹸や洗剤としても利用されてきました。殺菌・抗菌作用にも優れているので、カビなどを抑えるほか、椿油などもサポニンが多く含まれ、害虫の駆除にも使われています。すい臓から分泌される脂肪分解酵素のリパーゼにも働きかけて、小腸での脂肪吸収率を抑制する作用もあります。

参照:https://www.imuraya.co.jp/azuki/familiar/challenge/