菅首相の後継を選ぶ自民党総裁選(29日投開票)は17日告示される。野田聖子幹事長代行(61)が16日、立候補を表明し、岸田文雄・前政調会長(64)、高市早苗・前総務相(60)、河野太郎行政・規制改革相(58)の4氏による争いが固まった。
野田聖子氏は16日、党本部で記者団に対し、出馬に必要な推薦人20人を確保したと述べた上で、「女性、子ども、高齢者、障害者が、しっかりと社会の中で生きていける保守の政治を作り上げていきたい」と総裁選への意欲を語った。女性が複数立候補するのは初めてとなる。
野田氏は、衆院岐阜1区選出で当選9回。37歳で郵政相に起用され、総務相や党総務会長を歴任した。過去3回の総裁選は、推薦人が足りずに出馬を断念した。具体的な政策は17日以降に発表するという。
一方、支持動向調査は6日から実施し、衆参両院の議長を除く同党国会議員383人のうち、95%にあたる363人の意向を聞き取りなどにより確認した。16日現在、岸田氏と河野氏が約2割、高市氏は約15%の支持を得た。16日に出馬を表明した野田氏は約10人の支持を集めている。
政治評論家・田崎史郎氏によれば、野田氏出馬は河野氏、高市氏、岸田氏の順に影響…本命・岸田氏、対抗・河野氏の構図変わらず、29日に1回目の投票で過半数を得た候補がいなかった場合は、その直後に上位2人で決選投票を行うことになる。
17日の告示日は午前中に立候補の受け付けを行ったあと午後に候補者による立会演説会を党本部で行う。また、20日に青年局と女性局が主催する討論会が予定され、新型コロナウイルス対策のためオンライン形式で実施。全国各地での街頭演説会は去年の総裁選挙と同様に実施を見送る一方、23日から4日間、新型コロナ対策や外交・安全保障、憲法改正などテーマ別に、候補者が国民から直接質問を受けて討論するオンライン形式の政策討論会を初めて開催する。抽せんで選ばれた人が当日、オンラインで参加する形式をとる。
安倍前総理大臣の健康問題で突然の辞任が表され、去年9月の選挙では期間が取れないため実施されなかった党員投票が3年ぶりに行われる。「国会議員票」と「党員票」は同数で、国会議員1人1票の「国会議員票」383票と、全国の党員・党友による投票で配分が決まる「党員票」383票の、合わせて766票で争われる見通しだ。
投票は来月28日に締め切られ「党員票」は、各都道府県連が集計した得票数を党本部でまとめ、いわゆるドント方式で候補者に配分されます。そして「国会議員票」と「党員票」を合わせて、有効票の過半数を得た候補者の当選が29日に総裁がきまると、10月4日に臨時国会が開かれ、首相指名選挙によって新首相が決まる見込みだ。