皐幟(さつきのぼり)、鯉の吹き流しとも言われますが、「日本鯉のぼり協会」の統一見解として、屋外に飾るものを「鯉のぼり」、屋内に飾るものを「飾り鯉」としているそうです。
その歴史を紐解くと、江戸時代に5節句が「吉祥の日」として幕府公式の祝日とされ、中国の古い暦によって決まっていた十二支のうち、午の月は5月、午の月の最初の午の日は、5と5が重なる日が端午の節句となったのだそうです。武家の家では、しまってある鎧兜を縁側などに飾り、虫干しする節目の節句となっていました。鯉のぼりに飾る吹流しは、さらに歴史が古いと言われています。吹流しは戦国時代には既に飾られていた様です。戦の後に「もうこれ以上災いが訪れない様に」という願いを込め、目立つ場所に掲げられていたという説が有力です。
武家で始まった端午の節句は男児の健やかな成長を願って家庭の庭先に飾る鯉の形に模して作った幟で、かつては紙で作られ、次第に布などに鯉の絵柄を描き、風を受けてたなびくようにしていたのでしたが、新政府の明治5年からは祝日ではなくなりました。
その幟棹に飾られるのが、上から順に;
◎籠玉(かごだま)、天にいる神様がおりてくる時の目印になると考えられていました。
◎矢車は、邪気を打ち破り、矢のようにすばやく幸福を射止める、そんな願いがこめられています。
◎吹き流しは、五行説によって五色をもちいたものが一般的でした。四神・霊獣をあしらったもの、最近では人気のアニメを入れたりしたものもあります。四神とは東西南北の四方を守る守護神のことで、東は青龍、西は白虎、南は朱雀、北は玄武となります。「方位の四神」とも呼ばれます。
◎鯉のぼり、「元気に、激流にも遡って育っていくように見護ります。