松山英樹は、早くから世界の名だたるゴルファーにいずれはトップに踊り出ると目されていた、しかし、それだけの逸材でありながら、メジャー優勝となるのに10年もの歳月がかかった。苦しい歳月を謙虚に、確実に技を磨いて成るべくして王者の座についたので、これからがいよいよ楽しみだ。
中島輝『自己肯定感の教科書』(SB Creative)によると、アメリカで行われた心理学の研究によると、私たちは1日に6万回の思考をおこなっているそうだ。これは起きている時間、1秒に1回、何らかの思考をしながら生きている計算になる。
しかも、その6万回のうち80パーセント、約4万5000回は、身を守るためのネガティブな思考になりがちであるということもわかってきた。
1日24時間、睡眠を8時間とっているとして、身を守る本能が働くために3秒に2回はネガティブな考えがよぎっているということになる。
しかし、自己肯定感が低くなってしまうと、私たちの心はちょっとした出来事でも揺れ動き、気分が沈みやすくなり、行動は消極的になる。言わば、自分に自らが「NO」と言っているような状態になる。逆に自己肯定感が高い状態にあると、物事を前向きに解釈することができ、気持ちが積極的になり、行動に出やすくなれる。
内閣府の行った調査(日本を含めた7ヵ国の満13〜29歳の若者を対象・平成25年度)によると、日本人は諸外国の人に比べて、自尊感情が低いことが明らかになっていた。「自分自身に満足している」と答えた若者は7.5パーセントで、なんと10人に1人です。また、どちらかと言えば満足している」と回答した人は38.3パーセント。「満足している」と合わせて45.8パーセントという結果だった。これはアメリカ、ドイツ、フランス、韓国など、同様の調査を行った国では70〜80パーセントを超えていて、各国の中では最下位だった。
日本人は、謙譲の美徳、謙遜、謙虚であることに良識があるとみられる社会であるため、そのぶん自尊感情が育ちにくい構造を抱えているといえそうだ。自尊感情とは「自己肯定感」の根っこの部分に当たる重要な感情で、自尊感情が安定しているとき、自分を尊ぶことができ、物事を肯定的に捉えることができる。
自己肯定感の高めるいくつかの方法があるが、「じわじわと高める方法」か、ともかく、「パッと一瞬で高める方法」がある。つまり、自分への暗示をかけるのが手っ取り早い、そこで幼い頃に母親に抱きしめられ安心したように、ちょっと自信がないなと思ったら、セルフハグをしながら、「大丈夫、大丈夫。」と言ってみましょう。少し嫌なことがあったら、「今日はツイてる。ツイてる。」と自分に言いきかせましょう。
考えがうまくまとまらないときは、部屋を掃除しながら、「キレイにできる。できる。」と言い、キレイになったのを実感して自分の行為に納得してみましょう。
このように日々の生活のなかで、体を動かしつつ、脳に指令すると意外なことに自己肯定感を高められるので、テクニックとして実践してみてください、即効性があり、です。
それでも、他人の晴れ晴れしい様子を見て、落ち込んでしまうというような事があったなら
これに対処するには、身近な人に喜んでもらうような「何かを与えること」をすることです。
すると、まわりから感謝の言葉が増えてきて、自己肯定感が高まります。
それが高まってくると、根拠のない自信が湧いてくる。
アメリカの思想家ラルフ・ウォルドー・エマソンは「根拠のない自信こそが絶対的な自信である」と言う言葉を残している。
根拠のない自信を持てるのでもいい、感謝され、感謝して自己肯定感を高める日本人で世界に認められるようでありたい。