「木と鉄では鉄の方が強いに決まっている」と思うかもしれません。たしかに同じ太さ・長さの柱を比べたら鉄の方が強度はあるでしょう。しかし、建物の耐震性は全体のバランスで決まります。木には素材自体が軽いというメリットがありますし、計算によって適所に金具などを用いれば、木造も鉄骨も耐震性能に差は生じないのです。
また、断熱性に関しては断熱材の質・量によって決まるものなので、構造材の違いはあまり関係ありません。ただし、遮音性に関しては、隙間なく鉄筋コンクリートで囲まれているRC造が有利です。
建物性能は、建築基準法などの法令によって一定以上のレベルにするよう定められており、その基準は構造によって区別されているわけではないのです。
それなのに鉄骨が木造よりも家賃を高めに設定されるのはなぜか。それは建築費が高いから。つまり「木造と同等にはしたくない!」というオーナーの気持ちが家賃に乗っているだけなのです。
木造と鉄骨を同条件で比べたら、入居者は鉄骨を選ぶ傾向はあるでしょう。しかしそのような人は、どうせ高い家賃を払うなら、とRC造に流れていきます。鉄骨は中途半端なのです。
強いて鉄骨を選ぶ理由を探すなら、木造では法律上の問題などで実現が難しい4階建て以上の建物の場合、建築費がRC造よりも安価になることくらいです。
出典HP:https://gentosha-go.com/articles/-/4859
全国には9万〜10万程度の管理組合が存在すると見られているが、マンション政策を担う国土交通省が2014年に発表した調査結果では、回答した約2300のうち37%が管理費や修繕積立金を3カ月以上滞納する住戸を抱えていた。この調査は5年置きに実施され、直近は2019年春に最新のデータが公表される予定だが、37%という数字が悪化していてもおかしくはない。戸建ても含む空き家率は今後、急激に高まると予測されているからだ。2013年時点で13%台だったが、野村総合研究所は今年17%に迫り、10年後の2028年には25%台になると見込んでいる。
15年程度で実施される大規模修繕工事の費用は、須藤社長によると100戸規模のマンションで1億円程度が大まかな目安。ところがそうと知らない管理組合が、工事会社の2億円の見積もりに易々と応じるケースが後を絶たないという。
管理委託には事務管理や総合設備点検などの「総合管理業務」と、日常清掃やエレベーター保守点検、植栽管理などの「専門業務」がある。そうした管理は、新築分譲時、デベロッパーの関連会社が請け負う設定になっているのが一般的で、そこに疑問を抱く人はいないだろう。
実際はその後、管理組合で適正な手続きを踏めば管理会社を変えられるのだが、現状は管理会社自らが管理委託費を半ば自由に決められる余地が生まれている。須藤社長によれば、管理組合が動いて管理会社を変えたことがあるケースはせいぜい2〜3割程度。「管理会社は経営が安定する業態で、倒産しない」とまで言われるゆえんだ。
あるマンションでは総合管理業務の委託費を年間730万円支払っていたが、シーアイピーが競合他社も含めて相見積もりを取ったところ、事態は一変。これまで年間730万円を請求してきた総合管理会社は390万円という驚異の値下げを提示してきたという。
マンション住民の打つ手はゼロではないのだ。後者であれば相見積もりで競争原理を働かせれば、不要な支出は抑えやすい。
先述のケースでは、管理組合サイドからの条件として管理会社に頼む作業量を以前よりも1〜2割増やしたにも関わらず、総合管理業務・専門業務のトータルコストを約1700万円から約1000万円に圧縮できたという。
「滞納する人はそのまま払わないことが多い」と須藤社長は指摘する。 管理費や修繕積立金の滞納で今後増えると想定されているのは、亡くなった親が住んでいたマンションの一室を子どもが相続したものの、「毎月の管理費、修繕積立金を負担するのは難しい」と放置するケースだ。売ろうにも「最寄り駅至近」という現代ニーズを満たさない物件は、販売価格を下げてもそう簡単には買い手はつかない。管理費・修繕積立金には弁済を優先的に受ける「先取特権」という権利があり、滞納者に対しては、ハードルは高いが法律による回収手段の仕組みが用意されている。そうした場合、管理組合はその部屋を最終的には競売にかけることが法的に可能だ。しかしそこまで至ることは少なく、結果的に泣き寝入りになる場合が多い。コストや手間、精神的負担を嫌がる管理組合がなかなか動かないからだ。
https://business.nikkei.com/atcl/opinion/15/221102/121300633/?P=1
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