テレビプロデューサーの角田陽一郎は『なぜ僕らは、こんなにも働くのだろうか?』(アスコム)で、「どうすれば、この商品がテレビに取り上げられるようになりますか?」といった質問を受けるが、そんなときは必ず「あなたが有名になったほうが早いですよ」と答えますと述べている。
「それを作っている人のユニークさ」とか、その人のキャラクターをネット上で発信したほうが、信頼性が高いからです。そして、SNSが浸透した今、有名になることは、以前よりも難しいことではなくなってきています。「あなたという人」がおもしろそうだから、あなたがやりたいことに協力しよう。SNSを使って記名で発信していれば、今後、そんな人たちも現れるのではないかと思います。
しかし、どんなにいいアイデアがあろうと、どんなに文章がうまくても、ユニークな生き方をしていようとも、それがひとつもアウトプットされていなければ、そのことを誰も知ることができない。
つまり、この世においてはそれは無かったことになってしまう。アウトプットという発信がいかに大事かということ。
個人がメディアを持つ時代、と言われるが、まさに一人一人が放送局であり、新聞社であり、出版社であるということだ。
すると、大事になってくるのは、それらの発信が、本人の署名入り記事であるのか、顔出し放送であるのかということが大事だ。
新聞の退潮が喧伝されるが、信用度という点において、ほとんどの記事に署名がないのも少なからぬ影響がある。
名前を隠したニックネームでの発信や、マスクをかぶって顔を隠してのYouTubeでは、信頼度が著しく落ちる。
自分の本名や顔出しでやるのだから、相当なリスクがある。
しかし逆に、本名や顔出しすることを前提とするなら、個人個人が細心の注意を払い、リスクマネジメント能力を自分が高めていくしかないことに気づく。それは、自分を「ブランド化」すると考えると分かりやすい。
自分を「ブランド化」するには、自分を磨き、己のレベルを上げていくということ。
その人のアウトプットとは…
「役に立つこと」「知らせたい情報」「感動したこと」…
「おもしろいこと」「ハッとしたこと」「うれしかったこと」「ありがたかったこと」「楽しかったこと」
それが、アーカイブとしてどんどんたまっていくと、いつかあるときそれは、「爆発する(岡本太郎風に)!」かもしれない。
つづき