香港の旧宗主国、英国は31日、昨年6月末に施行された香港国家安全維持法(国安法)への対抗措置として、香港市民の英国永住権取得に道を開く特別査証(ビザ)の申請の受け付けを開始した。香港で言論統制が強まる中、30万人前後の香港市民が5年以内に英国に移住する可能性がある。
特別ビザは、1997年の香港返還前に生まれた香港市民に英国政府が発行する「英国海外市民(BNO)旅券」の保有者とその扶養家族が申請できる。
これまではBNO旅券を持っていても英国の永住・市民権はなく、滞在期間は6カ月間に制限されていたが、特別ビザがあれば5年間の滞在が可能になる。また、5年間の滞在後に永住権を、その1年後には市民権を取得できる。
ラーブ英外相は1月29日の声明で、国安法は「(一国二制度を定めた)中英共同宣言への重大な違反だ」と非難。「香港の人々に対する歴史的な責任を果たす」と強調した。
BNO旅券の保有者は約35万人。BNO旅券の申請資格がある市民を合わせると、特別ビザの資格対象は500万人以上になると推定される。英政府は、実際には5年以内に26万〜32万人が英国に移り住む可能性があるとみている。
一方、中国側は、英国の措置に猛反発している。中国外務省と香港政府は1月29日、BNO旅券を31日から有効な旅券や身分証明書として認めないと発表した。
中国側の措置は、香港の旅券を持つ多くの市民には大きな影響はないとみられる。ただ、香港メディアは、BNO旅券の保有者らが英市民権を取得した場合、中国側が香港市民の身分を取り消すと予想。将来的に香港や中国本土に入る際に、問題が起きる可能性を指摘している。
出典:【ロンドン・北京 1/31】
【モスクワ共同】ロシアで31日、反体制派ナワリヌイ氏の釈放を求める第2弾の抗議デモが行われた。独立系メディアなどによると、各都市で数百人から数千人が参加。政権はプーチン大統領批判が強まることを警戒、治安部隊を動員してデモの阻止を図り、人権団体「OVDインフォ」によると、約80の都市で計2千人超が拘束された。ナワリヌイ氏の妻ユリアさんも拘束された。
首都モスクワでは中心部が閉鎖され厳戒態勢が敷かれたが、多くの市民が市内を行進。第2の都市サンクトペテルブルクでも多数が街頭に出た。具体的な規模は不明。
23日の抗議デモでは、全国で一時4千人以上が拘束された。
出典:共同1/31
2021年01月31日
2021年01月30日
免疫力アップ、発酵はすごい!
最近は、味噌の個人消費量だけを見ても減少する一方で、麹が食べられなくなってきています。
これは実は大変な事態です。なぜなら我々日本人は、自分たちでもまったく気づかぬ間に、麹の力の恩恵をずっと受けてきたからです。
麹は長い間、体作りの大事な素材のひとつであり、健康を支えてきた立役者です。
ずっと麹を研究している私ですら、麹のポテンシャルに驚かされる日々ですし、「なんて不思議な生き物だろう」と驚嘆しています。
昔は麹が体にどのような作用を及ぼすのか、ということを真剣に研究されていなかったし、調べる技術にも限界がありました。
麹には免疫力をアップする作用があります。農薬の成分や、放射能をデトックスする力も持っています。
人間の体に対してだけでなく、畜産業の動物に対しても、さらには土壌に対しても素晴らしい作用をもたらしてくれます。
東京電力福島第一原子力発電所事故があり、新型コロナウイルスなどの脅威にさらされている日本人には、必須の食べ物なのです。
地球の環境問題も、麹を利用していくことで解決できることがたくさんあります。
いちばん不思議な点は、「麹は主役じゃない」という点です。
麹は、「俺が全部変えてやるぜ!」と一人で活躍するのではなく、麹のことを好きな仲間をどんどん引き付けて、その仲間の活躍で、結果的に人間や動物、地球にもよい結果をもたらすのです。
「共生」の力を証明する存在、それが麹です。麹は人類に対してもたらされた最高のギフトなのです。
そんな存在が日本で生まれ、先人たちが麹を利用する技術を磨き、育て、伝えてきたことを誇りに思い、もっともっと麹の力を知ってもらい、利用していってもらいたい。
麹とは、麹菌という微生物のこと。蒸したお米に麹菌を生やしたものを「米麹」と呼びます。
麦に生やせば「麦麹」、豆に生やせば「豆麹」です。
『発酵はすごい!』(山元正博&山元文晴)ポプラ社
『日本の発酵食品には、麹をはじめ、日本酒・焼酎・甘酒などのお酒、味噌・みりん・醤油などの調味料、かつお節など、地域を限定せず食べられている、調理のベースとなる食品がいくつもあります。納豆菌が作る納豆、麹菌が作るべったら漬け、乳酸菌がつくるくさや、鮒ずしなどなど、日本中の各地域で受け継がれている発酵食品もたくさんありますね。味噌や漬物に至っては地域ごとにあると思いますから、日本には数え切れないくらい発酵食品があるわけです。
日本の発酵食品の大きな特徴は、納豆を除くほとんどの発酵食品が、麹を基礎に作られているという点です。
では世界でもたくさんあります。
ヨーロッパ方面にはワインやビールなどのアルコール、チーズやヨーグルトなどがありますね。
パンも広い意味では発酵食品です。こちらは主に、酵母か乳酸菌で造られているものが多めですね。』
『デンマークのコペンハーゲンにある「ノーマ」というレストランは、ミシュランガイドで9回も星を取り、2010年から「世界のベストレストラン50」というランキングで4度も1位になったレストランです。そこの料理は基本的には北欧料理ですが、大きな特徴は、発酵を調理の中のポイントとして取り入れている点です。レストランには「発酵ラボ」があり、常に発酵について研究をし、「ノーマの発酵ガイド」という本まで出しています。
その本の中では、酢・麹・味噌・醤油を取り上げて、レシピなども紹介されています。
しかも、「白麹というクエン酸を出す麹があり、これを抽出した麹水は白ワインを越える調味料になり、とても美味しい料理ができる」というようなことが紹介されています。欧米ではあまり詳しく知られていない麹を、そこまで詳しく研究し取り上げてくれたことは嬉しさもある反面、日本発祥の食文化である麹のことを世界的に広めたのがヨーロッパの人だというのは、悔しいことです。』
本書の中には、麹が体に及ぼす良い影響のことが多く書かれている。
その一番根本となるものが「腸内環境を改善すること」だという。
腸内環境が改善されると、免疫力がアップし、便秘を始めとして、様々な体の不調や、いくつかの病気の症状を軽減することもわかってきている。
それは、免疫細胞の約6〜7割が大腸で成長するからだ。大腸が元気であれば、免疫細胞もよく発達するし、消化と吸収も活性化するので、健康上の土台作りをするということ。他には、アレルギー疾患の軽減であるとか、高血圧抑制効果、妊活のサポート、育毛効果、さまざまな癌の症状、等々があり、また、麹を使えば理想的なリサイクルループが可能であると言われている。
これは実は大変な事態です。なぜなら我々日本人は、自分たちでもまったく気づかぬ間に、麹の力の恩恵をずっと受けてきたからです。
麹は長い間、体作りの大事な素材のひとつであり、健康を支えてきた立役者です。
ずっと麹を研究している私ですら、麹のポテンシャルに驚かされる日々ですし、「なんて不思議な生き物だろう」と驚嘆しています。
昔は麹が体にどのような作用を及ぼすのか、ということを真剣に研究されていなかったし、調べる技術にも限界がありました。
麹には免疫力をアップする作用があります。農薬の成分や、放射能をデトックスする力も持っています。
人間の体に対してだけでなく、畜産業の動物に対しても、さらには土壌に対しても素晴らしい作用をもたらしてくれます。
東京電力福島第一原子力発電所事故があり、新型コロナウイルスなどの脅威にさらされている日本人には、必須の食べ物なのです。
地球の環境問題も、麹を利用していくことで解決できることがたくさんあります。
いちばん不思議な点は、「麹は主役じゃない」という点です。
麹は、「俺が全部変えてやるぜ!」と一人で活躍するのではなく、麹のことを好きな仲間をどんどん引き付けて、その仲間の活躍で、結果的に人間や動物、地球にもよい結果をもたらすのです。
「共生」の力を証明する存在、それが麹です。麹は人類に対してもたらされた最高のギフトなのです。
そんな存在が日本で生まれ、先人たちが麹を利用する技術を磨き、育て、伝えてきたことを誇りに思い、もっともっと麹の力を知ってもらい、利用していってもらいたい。
麹とは、麹菌という微生物のこと。蒸したお米に麹菌を生やしたものを「米麹」と呼びます。
麦に生やせば「麦麹」、豆に生やせば「豆麹」です。
『発酵はすごい!』(山元正博&山元文晴)ポプラ社
『日本の発酵食品には、麹をはじめ、日本酒・焼酎・甘酒などのお酒、味噌・みりん・醤油などの調味料、かつお節など、地域を限定せず食べられている、調理のベースとなる食品がいくつもあります。納豆菌が作る納豆、麹菌が作るべったら漬け、乳酸菌がつくるくさや、鮒ずしなどなど、日本中の各地域で受け継がれている発酵食品もたくさんありますね。味噌や漬物に至っては地域ごとにあると思いますから、日本には数え切れないくらい発酵食品があるわけです。
日本の発酵食品の大きな特徴は、納豆を除くほとんどの発酵食品が、麹を基礎に作られているという点です。
では世界でもたくさんあります。
ヨーロッパ方面にはワインやビールなどのアルコール、チーズやヨーグルトなどがありますね。
パンも広い意味では発酵食品です。こちらは主に、酵母か乳酸菌で造られているものが多めですね。』
『デンマークのコペンハーゲンにある「ノーマ」というレストランは、ミシュランガイドで9回も星を取り、2010年から「世界のベストレストラン50」というランキングで4度も1位になったレストランです。そこの料理は基本的には北欧料理ですが、大きな特徴は、発酵を調理の中のポイントとして取り入れている点です。レストランには「発酵ラボ」があり、常に発酵について研究をし、「ノーマの発酵ガイド」という本まで出しています。
その本の中では、酢・麹・味噌・醤油を取り上げて、レシピなども紹介されています。
しかも、「白麹というクエン酸を出す麹があり、これを抽出した麹水は白ワインを越える調味料になり、とても美味しい料理ができる」というようなことが紹介されています。欧米ではあまり詳しく知られていない麹を、そこまで詳しく研究し取り上げてくれたことは嬉しさもある反面、日本発祥の食文化である麹のことを世界的に広めたのがヨーロッパの人だというのは、悔しいことです。』
本書の中には、麹が体に及ぼす良い影響のことが多く書かれている。
その一番根本となるものが「腸内環境を改善すること」だという。
腸内環境が改善されると、免疫力がアップし、便秘を始めとして、様々な体の不調や、いくつかの病気の症状を軽減することもわかってきている。
それは、免疫細胞の約6〜7割が大腸で成長するからだ。大腸が元気であれば、免疫細胞もよく発達するし、消化と吸収も活性化するので、健康上の土台作りをするということ。他には、アレルギー疾患の軽減であるとか、高血圧抑制効果、妊活のサポート、育毛効果、さまざまな癌の症状、等々があり、また、麹を使えば理想的なリサイクルループが可能であると言われている。
2021年01月29日
世界で一番精密な日本能
日本は自然が美しく、四季が楽しめ、温泉が全国にある。しかし、そうした点で恵まれた日本人はつねに自然災害にも襲われることが多い。
津波、地震、豪雨、水害、場所によっては、噴火、土石流にも、気をつけなくならないので、全国どこかで災害の報道が毎年される。
そうした不安になる状況が多いためか、脳に不安に反応する感性が高くなって、先を読んではその対応に常に意識している、脳に習慣性が組み込まれているようだと、認知神経科学者としてコメンテイターをされる中野信子氏が指摘している。
津波、地震、豪雨、水害、場所によっては、噴火、土石流にも、気をつけなくならないので、全国どこかで災害の報道が毎年される。
そうした不安になる状況が多いためか、脳に不安に反応する感性が高くなって、先を読んではその対応に常に意識している、脳に習慣性が組み込まれているようだと、認知神経科学者としてコメンテイターをされる中野信子氏が指摘している。
2021年01月28日
憲法に緊急事態条項がないからなのか 〜医療機関の相互協力がされない〜
新型コロナウイルス感染症(Covid-19)が「感染症2類相当」とされたため、患者に対処する病院が公的病院や非営利病院に限定され、現実にはざっくり言ってコロナに対処していない″民間病院が数多く存在する。
テレビのモーニングショーなどは混乱の現場を捉えて「日本はいま医療崩壊の状況にある」と報道してきた。そのため国民は「医療崩壊」を自分の死″と直結して受け止め、マスコミなどが恣意的に遮断して報道しない「その他」の状況には思いが至らなかった。
しかし、発症から1年が過ぎようとする頃から、良心的かつ勇気ある医師の間から疑問の声が聞かれるようになり、冷静さを取り戻して現実を眺めることができる状況になってきた。そこに見えるのは、感染症の分類だけでなく、政府や地方自治体に欠落した正しい情報の発信、病院内および病院間の想定外を含めた非常事態対応の不備などである。
2回目の緊急事態宣言が出されたにもかかわらず、コロナに対する慣れもあろうが、今回は国民の行動に前回ほどの抑制が見られないことが問題になっている。多くの人からは前回は恐怖心も手伝って異常な自粛も受け入れたが、今回は生活するうえでの最小限の行動であり、企業は経済活動をする必要があるとの声が聞こえる。
しかし、問題は本当に日本の医療が崩壊に直面しているか否かである。 日本医師会をはじめ、都道府県医師会には言葉より先に人命尊重の有効策を提示し、国民の安全と安心を叶えてもらいたい。法改正の審議を国会でやるのではなく、医療機関が本当に″全力で対処しているにもかかわらず感染拡大が止まらないというのかである。日本医師会をはじめ、都道府県医師会には言葉より先に人命尊重の有効策を提示し、国民の安全と安心を叶えてもらいたい。
欧米では感染者や死者が日本よりはるかに多く、医療崩壊の危機が叫ばれながら凌いできたのは公的病院などがフル回転しているからである。米仏独では非営利病院を含む公的病院が70%前後、英国では大半で、民間病院は30%前後(英国では一部)である。 一方、日本では前者が約20%で、約80%は民間病院(個人経営の病院・診療所等)である(大村大次郎「国民の命より開業医の利権。コロナで物言う日本医師会の正体とは」2021.1.19)。対する日本では20%前後でしかない公的病院が主として対応しているからにほかならないことが明らかになってきた。
であれば、内閣が「命令」し、事態が収束した段階で国会に事後承認を得ればよい。しかし、そうした動きは一向に見られない。やはり「お願い」と「自粛」で、命令や罰則については今後の国会で審議するという。なんとも悠長で緊迫感がない。病院の大部分を占める民間病院は自民党の支持母体で多額の政治献金をしている日本医師会(傘下に東京医師会など各都道府県医師会)所属の開業医による経営で、コロナ対処からは一歩引けた立場にある。そこから、感染防止や医療崩壊に全力投球すべき政府・地方自治体や医療機関が全集中していないのではないかという疑念がわいてくる。
★なぜ医師会は立ち上がらないのか
日本では医療資源が十分に活用されているとはいいがたい。政府の指導もあって、団塊世代が高齢者となる平常時対策に力点を置いてきたからである。今次のコロナという非常事態が念頭になかったことは確かであろう。しかし、コロナウイルスの蔓延が現実に起きたわけで、世界の悲惨な状況を見るにつけ、平時対策はともかくとして、一時的臨時的にも非常時対策をとるべきであった。
日本医師会が厚労省を動かして2類から5類への変更要求をすべきであろうし、また医師会内で民間病院の積極関与を打ち出すべきではなかったか。政治が簡単に動かなければ、綱領の精神を発揮してまずは日本医師会と都道府県医師会が自分たちの資源を有効適切に使用できるように提供や提言すべきではなかっただろうか。
新型コロナウイルス感染症を「感染症2類相当」*に分類しているため柔軟性が殺がれている状況については、「日本の『医療崩壊』は偽善の政治的産物? 強制・罰則より医療資源の十分な活用が先だ」(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/63737)で言及した。
*1=2類は結核やSARS。ちなみに1類はエボラ出血熱やペストで、インフルエンザは5類
ところが国家の非常事態に必要な「緊急事態」条項が憲法にないがために、国家のあらゆるレベルにおいて緊急事態を想定した法規類が未整備である。
他方、ベッド数やICUなど世界一の医療資源を有する日本でありながら、コロナ問題が起きた直後から1年を過ぎた今日に至るまで毎日のように「医療崩壊」が叫ばれ続け、社会・経済活動には大きな制約がかかっている。
欧米と異なるのは、非常事態対応がとり得たか否かである。国会では緊急事態条項が議論になるであろうが、神学論争に終わることなく、欠落がもたらしている現実に焦点を当てた論戦を期待したい。
1月13日の会見で、日本医師会会長・中川敏男氏は感染が全国に蔓延して手遅れになることがないよう、早め早めの対策を講じることが大切。全国的な緊急事態宣言も選択肢の一つだ」と述べた。現在の医療提供体制について「全国的に医療崩壊がすでに進行している」と述べ、必要な時に適切な医療を受けることができない事態が広がっていると指摘。「首都圏など宣言対象地域において、通常の患者受け入れを断るなど、すでに医療崩壊の状態になってきている。心筋梗塞や脳卒中で倒れた患者の受け入れ機関が見つからない、がんの手術が延期された、ということが現実化している」と訴えた。そのうえで、「さらに感染者数の増加が続くと、医療崩壊から医療壊滅につながる恐れがある」とした。
東京医師会会長の尾崎治夫氏も「助かるべき命が助からない状態になっている。・・・自分や自分の周りの人が、体調が急変したのに、どこの病院にも受け入れられずに亡くなっていく、そういうのは誰でも嫌いでしょう」(小川和久「NEWSを疑え!」2021.1.10)などと発言している。
ひとえに憲法に緊急事態条項がないばかりに、その意識が共有されず、施策が思うように進まない現実からの発言ではないだろうか。
◆放置された病院間・自治体間の共助
旭川(北海道)や大阪では自衛隊に災害派遣要請が出され、自衛隊が派遣された。
日本医師会に登録している医師数で、大阪は東京に次いで2番目で、愛知・神奈川・福岡・兵庫に次いで北海道は7番目、北海道は先ほど見たように日本医師会加盟の医者数においても上位にあり、また人口当たり病床数も非常に高い医療施設が充実している地域である。ところが、コロナ患者を受け入れている病院では、医師も看護師も患者に対して従来なかった対処が必要となり、心身の疲労が蓄積し、この現場だけを見ればパニック状態で「医療崩壊」に近いと見なされてもおかしくなかったであろう。
旭川の事例を見れば、違った一面が見えてくる。
「中でも旭川は病床の多い地区で、500床クラスの大病院が3つ、300床クラスの病院が2つ存在している。こうした医療資源の豊富な地区において、医療崩壊が問題になるということは通常では考えにくい」(森田洋之「医療資源世界一 日本だけなぜ医療崩壊が起きる」、『文藝春秋』2021.2所収)。
12月16日時点の北海道で重症者向けに確保した病床は182、実際に入院していた重傷者は34人で、使用率は19%でしかなかった。
旭川市は入院重傷者を公表しなかったが札幌市が19人であったところからは15人程度とみられる。
当時、秋田県は確保病床222床に対し入院患者3人、重症患者用に確保するICUは24床であったが患者はゼロであった。
旭川や北海道で対応できなければ、秋田県のような近隣からの支援も可能ではなかっただろうか。
大阪も同様で、これらの事例からも分かることは、「病床が不足しているのは、大部分の病院が協力しないからです」と語るのは「食の安全・安心財団」の理事長で東京大学の唐木英明名誉教授である(「死神の正体見たり」、「週刊新潮」2021.1.28所収)。
日常的な患者の「たらいまわし」
今次のコロナ感染症も含めて、医療資源が世界一と言われながら、頻繁に起きる救急を要する患者のたらいまわしで死に至る状況もしばしば報道されるからである。また、無医村や僻地医療がいつも問題になる日本である。感染症患者に死力を尽くしている医師・看護師らを除く医師たちの心構えにも問題があるのではないだろうか。憲法に緊急事態条項がなくても非常事態の備えは必要不可欠のことではないだろうか。
民間病院の院長を含めて開業医の平均年収が約3000万円と言われ、外車も数台もあるのに、片や無給医がしばしば問題になる。無医村や僻地医療などもしかりである。日本の僻地とはいえ、開発途上国に比すれば衛生状況や民度は格段に良好で雲泥の差がある。僻地という名の通り都市部から離れた土地で人口も少ないであろうが、文明の利器は手にできる。
欧米諸国が新型コロナウイルスによる感染者や死者を日本の何十倍も何百倍も出しながら医療崩壊に至っていないのは、非常事態を見据えた体・態勢を整備していたからだとされる。日本は憲法の緊急事態条項云々もあろうが、現実に即した医療態勢の構築がなされていないからである。
今回のコロナに即していえば、病院内および病院間の有機的運用、診療科間や病院間の相互連携、さらには自治体間の協力、すなわち菅義偉首相がいうところの「自助」「共助」がほとんど機能せず、一気に政府と自治体の関係という「公助」に解決策を見出そうとした感が強い。医療崩壊の一因は、豊富にある医療資源、中でも病院の大半を占める民間病院が十分に活用されていないということに尽きる。
世界一の医療資源が肝心の時に生かされない医療態勢とは速やかに決別し、一人でも助かる命を助けるのが「生きた医療」ではないだろうか。
参照:JB Press https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/63737?page=5
つづき
テレビのモーニングショーなどは混乱の現場を捉えて「日本はいま医療崩壊の状況にある」と報道してきた。そのため国民は「医療崩壊」を自分の死″と直結して受け止め、マスコミなどが恣意的に遮断して報道しない「その他」の状況には思いが至らなかった。
しかし、発症から1年が過ぎようとする頃から、良心的かつ勇気ある医師の間から疑問の声が聞かれるようになり、冷静さを取り戻して現実を眺めることができる状況になってきた。そこに見えるのは、感染症の分類だけでなく、政府や地方自治体に欠落した正しい情報の発信、病院内および病院間の想定外を含めた非常事態対応の不備などである。
2回目の緊急事態宣言が出されたにもかかわらず、コロナに対する慣れもあろうが、今回は国民の行動に前回ほどの抑制が見られないことが問題になっている。多くの人からは前回は恐怖心も手伝って異常な自粛も受け入れたが、今回は生活するうえでの最小限の行動であり、企業は経済活動をする必要があるとの声が聞こえる。
しかし、問題は本当に日本の医療が崩壊に直面しているか否かである。 日本医師会をはじめ、都道府県医師会には言葉より先に人命尊重の有効策を提示し、国民の安全と安心を叶えてもらいたい。法改正の審議を国会でやるのではなく、医療機関が本当に″全力で対処しているにもかかわらず感染拡大が止まらないというのかである。日本医師会をはじめ、都道府県医師会には言葉より先に人命尊重の有効策を提示し、国民の安全と安心を叶えてもらいたい。
欧米では感染者や死者が日本よりはるかに多く、医療崩壊の危機が叫ばれながら凌いできたのは公的病院などがフル回転しているからである。米仏独では非営利病院を含む公的病院が70%前後、英国では大半で、民間病院は30%前後(英国では一部)である。 一方、日本では前者が約20%で、約80%は民間病院(個人経営の病院・診療所等)である(大村大次郎「国民の命より開業医の利権。コロナで物言う日本医師会の正体とは」2021.1.19)。対する日本では20%前後でしかない公的病院が主として対応しているからにほかならないことが明らかになってきた。
であれば、内閣が「命令」し、事態が収束した段階で国会に事後承認を得ればよい。しかし、そうした動きは一向に見られない。やはり「お願い」と「自粛」で、命令や罰則については今後の国会で審議するという。なんとも悠長で緊迫感がない。病院の大部分を占める民間病院は自民党の支持母体で多額の政治献金をしている日本医師会(傘下に東京医師会など各都道府県医師会)所属の開業医による経営で、コロナ対処からは一歩引けた立場にある。そこから、感染防止や医療崩壊に全力投球すべき政府・地方自治体や医療機関が全集中していないのではないかという疑念がわいてくる。
★なぜ医師会は立ち上がらないのか
日本では医療資源が十分に活用されているとはいいがたい。政府の指導もあって、団塊世代が高齢者となる平常時対策に力点を置いてきたからである。今次のコロナという非常事態が念頭になかったことは確かであろう。しかし、コロナウイルスの蔓延が現実に起きたわけで、世界の悲惨な状況を見るにつけ、平時対策はともかくとして、一時的臨時的にも非常時対策をとるべきであった。
日本医師会が厚労省を動かして2類から5類への変更要求をすべきであろうし、また医師会内で民間病院の積極関与を打ち出すべきではなかったか。政治が簡単に動かなければ、綱領の精神を発揮してまずは日本医師会と都道府県医師会が自分たちの資源を有効適切に使用できるように提供や提言すべきではなかっただろうか。
新型コロナウイルス感染症を「感染症2類相当」*に分類しているため柔軟性が殺がれている状況については、「日本の『医療崩壊』は偽善の政治的産物? 強制・罰則より医療資源の十分な活用が先だ」(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/63737)で言及した。
*1=2類は結核やSARS。ちなみに1類はエボラ出血熱やペストで、インフルエンザは5類
ところが国家の非常事態に必要な「緊急事態」条項が憲法にないがために、国家のあらゆるレベルにおいて緊急事態を想定した法規類が未整備である。
他方、ベッド数やICUなど世界一の医療資源を有する日本でありながら、コロナ問題が起きた直後から1年を過ぎた今日に至るまで毎日のように「医療崩壊」が叫ばれ続け、社会・経済活動には大きな制約がかかっている。
欧米と異なるのは、非常事態対応がとり得たか否かである。国会では緊急事態条項が議論になるであろうが、神学論争に終わることなく、欠落がもたらしている現実に焦点を当てた論戦を期待したい。
1月13日の会見で、日本医師会会長・中川敏男氏は感染が全国に蔓延して手遅れになることがないよう、早め早めの対策を講じることが大切。全国的な緊急事態宣言も選択肢の一つだ」と述べた。現在の医療提供体制について「全国的に医療崩壊がすでに進行している」と述べ、必要な時に適切な医療を受けることができない事態が広がっていると指摘。「首都圏など宣言対象地域において、通常の患者受け入れを断るなど、すでに医療崩壊の状態になってきている。心筋梗塞や脳卒中で倒れた患者の受け入れ機関が見つからない、がんの手術が延期された、ということが現実化している」と訴えた。そのうえで、「さらに感染者数の増加が続くと、医療崩壊から医療壊滅につながる恐れがある」とした。
東京医師会会長の尾崎治夫氏も「助かるべき命が助からない状態になっている。・・・自分や自分の周りの人が、体調が急変したのに、どこの病院にも受け入れられずに亡くなっていく、そういうのは誰でも嫌いでしょう」(小川和久「NEWSを疑え!」2021.1.10)などと発言している。
ひとえに憲法に緊急事態条項がないばかりに、その意識が共有されず、施策が思うように進まない現実からの発言ではないだろうか。
◆放置された病院間・自治体間の共助
旭川(北海道)や大阪では自衛隊に災害派遣要請が出され、自衛隊が派遣された。
日本医師会に登録している医師数で、大阪は東京に次いで2番目で、愛知・神奈川・福岡・兵庫に次いで北海道は7番目、北海道は先ほど見たように日本医師会加盟の医者数においても上位にあり、また人口当たり病床数も非常に高い医療施設が充実している地域である。ところが、コロナ患者を受け入れている病院では、医師も看護師も患者に対して従来なかった対処が必要となり、心身の疲労が蓄積し、この現場だけを見ればパニック状態で「医療崩壊」に近いと見なされてもおかしくなかったであろう。
旭川の事例を見れば、違った一面が見えてくる。
「中でも旭川は病床の多い地区で、500床クラスの大病院が3つ、300床クラスの病院が2つ存在している。こうした医療資源の豊富な地区において、医療崩壊が問題になるということは通常では考えにくい」(森田洋之「医療資源世界一 日本だけなぜ医療崩壊が起きる」、『文藝春秋』2021.2所収)。
12月16日時点の北海道で重症者向けに確保した病床は182、実際に入院していた重傷者は34人で、使用率は19%でしかなかった。
旭川市は入院重傷者を公表しなかったが札幌市が19人であったところからは15人程度とみられる。
当時、秋田県は確保病床222床に対し入院患者3人、重症患者用に確保するICUは24床であったが患者はゼロであった。
旭川や北海道で対応できなければ、秋田県のような近隣からの支援も可能ではなかっただろうか。
大阪も同様で、これらの事例からも分かることは、「病床が不足しているのは、大部分の病院が協力しないからです」と語るのは「食の安全・安心財団」の理事長で東京大学の唐木英明名誉教授である(「死神の正体見たり」、「週刊新潮」2021.1.28所収)。
日常的な患者の「たらいまわし」
今次のコロナ感染症も含めて、医療資源が世界一と言われながら、頻繁に起きる救急を要する患者のたらいまわしで死に至る状況もしばしば報道されるからである。また、無医村や僻地医療がいつも問題になる日本である。感染症患者に死力を尽くしている医師・看護師らを除く医師たちの心構えにも問題があるのではないだろうか。憲法に緊急事態条項がなくても非常事態の備えは必要不可欠のことではないだろうか。
民間病院の院長を含めて開業医の平均年収が約3000万円と言われ、外車も数台もあるのに、片や無給医がしばしば問題になる。無医村や僻地医療などもしかりである。日本の僻地とはいえ、開発途上国に比すれば衛生状況や民度は格段に良好で雲泥の差がある。僻地という名の通り都市部から離れた土地で人口も少ないであろうが、文明の利器は手にできる。
欧米諸国が新型コロナウイルスによる感染者や死者を日本の何十倍も何百倍も出しながら医療崩壊に至っていないのは、非常事態を見据えた体・態勢を整備していたからだとされる。日本は憲法の緊急事態条項云々もあろうが、現実に即した医療態勢の構築がなされていないからである。
今回のコロナに即していえば、病院内および病院間の有機的運用、診療科間や病院間の相互連携、さらには自治体間の協力、すなわち菅義偉首相がいうところの「自助」「共助」がほとんど機能せず、一気に政府と自治体の関係という「公助」に解決策を見出そうとした感が強い。医療崩壊の一因は、豊富にある医療資源、中でも病院の大半を占める民間病院が十分に活用されていないということに尽きる。
世界一の医療資源が肝心の時に生かされない医療態勢とは速やかに決別し、一人でも助かる命を助けるのが「生きた医療」ではないだろうか。
参照:JB Press https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/63737?page=5
つづき
2021年01月27日
女性はか弱い
国立長寿医療研究センターの発表によれば、コロナ禍で高齢者の運動量は約3割も減少した。それにより、要介護高齢者の増加が懸念されるという。
井尻整形外科の井尻慎一郎院長は、長い自粛生活の影響をこう語る。「自宅にこもりきりの生活が続くと、心身にかかわるあらゆる機能が低下します。特に高齢者が注意すべきは、歩行能力が落ちて転びやすくなり、転んだら骨折しやすくなることです。認知能力が衰えるといった症状も見られます。女性は男性に比べて関節が弱く、変形しやすい。にもかかわらず、細かな家事をすることが多く、年を経るごとに影響が出やすいと考えられます。なかでも手指の第一関節は変形しやすい。高齢になればなるほど、指の変形も増えるので、高齢女性は関節変形と工夫して長くつきあう必要があります。」
井尻整形外科の井尻慎一郎院長は、長い自粛生活の影響をこう語る。「自宅にこもりきりの生活が続くと、心身にかかわるあらゆる機能が低下します。特に高齢者が注意すべきは、歩行能力が落ちて転びやすくなり、転んだら骨折しやすくなることです。認知能力が衰えるといった症状も見られます。女性は男性に比べて関節が弱く、変形しやすい。にもかかわらず、細かな家事をすることが多く、年を経るごとに影響が出やすいと考えられます。なかでも手指の第一関節は変形しやすい。高齢になればなるほど、指の変形も増えるので、高齢女性は関節変形と工夫して長くつきあう必要があります。」
2021年01月26日
ロシア選手団を主要国際大会から2年間除外 東京五輪
ロシア反ドーピング機関(RUSADA)は25日、ロシア選手団を主要国際大会から2年間除外するとしたスポーツ仲裁裁判所(CAS)の昨年12月の裁定について、スイスの最高裁に上訴しないと発表した。ロシアが国として東京五輪・パラリンピックに出場できないことが確定した。
ドーピングと無関係と判断されたロシア選手については、個人資格での参加に道が残されている。RUSADAは裁定に関し、「強い異論がある」としつつも、「ロシア選手の利益」を考慮して上訴しないことを決断したと説明した。
出典;モスクワ時事
ドーピングと無関係と判断されたロシア選手については、個人資格での参加に道が残されている。RUSADAは裁定に関し、「強い異論がある」としつつも、「ロシア選手の利益」を考慮して上訴しないことを決断したと説明した。
出典;モスクワ時事
2021年01月25日
ピンチからチャンスを掴む
しまむらの店舗は全国に1430店(2020年11月時点)と、ファーストリテイリングの国内ユニクロ事業店舗数である813店(20年8月時点)よりも断然多い。「ネット通販」という選択は必然だったが、若年層取り込みの軌道修正に加え、今後はネットと店舗をいかに組み合わせて、これまでのようにニーズを拾っていくかが課題といっていい。
この先は若年層の取り戻しと広がった店舗をいかに活用し、ネット通販と組み合わせるかがしまむらのメインテーマになりそうで、中期的にEC事業売上高を全社売上高の5%程度まで成長させる考えだ。
すでに作業着チェーンのワークマンプラスは、インフルエンサーマーケティングを展開、インフルエンサーに着てもらって着用感をネット上で公開するなどしてファン作りを進めている。
しまむらも、やはり「しまラー」を核にネット、店舗での購買につなげるマーケティング戦略が必要ではないだろうか。
かつてしまむらは「生活道路に面したサンダル履きで来店できるような店」(首脳)を目指してきており、小商圏を対象にしているから店舗数が増えていった格好だが、そうした経緯もあって、すでに店舗自体は飽和状態も指摘されている。
しまむらの商品は、ユニクロのようにSPA(製造小売業)的なベーシックな商品中心の品ぞろえと違い、多くがアパレル問屋からの仕入れ商品。このため、機動的に売り場にファッション性を打ち出せるのがメリットである。仕入れ先と協業し、いち早くファッション性を追える体制を築くことにしたというわけだ。
なぜ、もっと早くやらなかったのか思うが、この売れ筋商品の短期生産の導入で売り場に変化を持たせ、なるべく需要と供給のタイムラグが生じないようにし、ファッション性を重視する若年層の支持を取り戻したということが、既存店売上高の伸びを生み出しているといえる。11月17日付の日本経済新聞によれば、「しまむら、発注から納品まで大幅短縮」という見出しの記事が掲載されている。需要に応じて売れ筋商品を投入できる短期生産の導入で若年層の向けの商品を30%まで拡大したと報じている。
しまむらには先述したように、「しまラー」と呼ばれる定期的に店舗を巡回するような根強いファンがいる。こうした「しまラー」たちは、商品をチェックして「売り場、商品が変わった」という情報を拡散しており、こうした情報が援護射撃となって、既存店の「復活」につながっているというのも一因にはあるだろう。
意外かもしれないが、しまむらは定期的に社員らがパリやロンドンのファッションショーや市場を視察して欧州の先端のトレンドを押さえ、それを仕入れや企画に反映させている。
しまむらは10〜20代の若い女性に支持されていた。ファッションモデルの益若つばささんもしまむらの服を愛用していることで話題を呼んだことがあるが、若者が離れていたと思っていたら、店頭では意外と若者が戻ってきているように感じられた。
しまむらの「若者離れ」が生じたのは、商品の絞り込みが原因といわれてきた。さかのぼること4年前。2016年には陳列商品を売れ筋商品中心に絞り込み、商品アイテムを「3割削減する」という方針を打ち出したのだ。
もちろん、当時の経営陣の判断ではさらに商品数を絞り込み、在庫量を削減したり店舗での作業を減らしたりということが狙いにあったとみられる。効率経営を長く続けてきた、しまむららしい業務改革ではあった。
しかしこの結果、売り場でなんとなく、「バラエティー感」や「宝探し感」も薄れてしまった。そんな状態が長く続いたため、客離れを起こしてしまったのだろうと推察できる。
今は「コロナ禍による『巣ごもり消費』もあるのだから、仕方ないだろう」と思っていたら、6月から月次の売上高の状況が一変しているではないか。
今年3〜5月は2ケタ減だったが、6月の既存店売上高はなんと前年同月比27.0%増。8月は同4.5%減と落ち込んだが、9月からは再び増加基調に入り9月は同11.1%増、10月同20.7%増、11月同11.3%増と2ケタの伸び率を示しているのだ。
8月を除けば6月以降、大きく伸びV字回復をしている。もちろん、前年同月の実績が悪かったので、大きく伸びているようにも見えるのかもしれないが、商品や価格、売り場が変わっていなければ、これほどの回復はないだろう。
出典:ダイヤモンドオンライン(12/2)
この先は若年層の取り戻しと広がった店舗をいかに活用し、ネット通販と組み合わせるかがしまむらのメインテーマになりそうで、中期的にEC事業売上高を全社売上高の5%程度まで成長させる考えだ。
すでに作業着チェーンのワークマンプラスは、インフルエンサーマーケティングを展開、インフルエンサーに着てもらって着用感をネット上で公開するなどしてファン作りを進めている。
しまむらも、やはり「しまラー」を核にネット、店舗での購買につなげるマーケティング戦略が必要ではないだろうか。
かつてしまむらは「生活道路に面したサンダル履きで来店できるような店」(首脳)を目指してきており、小商圏を対象にしているから店舗数が増えていった格好だが、そうした経緯もあって、すでに店舗自体は飽和状態も指摘されている。
しまむらの商品は、ユニクロのようにSPA(製造小売業)的なベーシックな商品中心の品ぞろえと違い、多くがアパレル問屋からの仕入れ商品。このため、機動的に売り場にファッション性を打ち出せるのがメリットである。仕入れ先と協業し、いち早くファッション性を追える体制を築くことにしたというわけだ。
なぜ、もっと早くやらなかったのか思うが、この売れ筋商品の短期生産の導入で売り場に変化を持たせ、なるべく需要と供給のタイムラグが生じないようにし、ファッション性を重視する若年層の支持を取り戻したということが、既存店売上高の伸びを生み出しているといえる。11月17日付の日本経済新聞によれば、「しまむら、発注から納品まで大幅短縮」という見出しの記事が掲載されている。需要に応じて売れ筋商品を投入できる短期生産の導入で若年層の向けの商品を30%まで拡大したと報じている。
しまむらには先述したように、「しまラー」と呼ばれる定期的に店舗を巡回するような根強いファンがいる。こうした「しまラー」たちは、商品をチェックして「売り場、商品が変わった」という情報を拡散しており、こうした情報が援護射撃となって、既存店の「復活」につながっているというのも一因にはあるだろう。
意外かもしれないが、しまむらは定期的に社員らがパリやロンドンのファッションショーや市場を視察して欧州の先端のトレンドを押さえ、それを仕入れや企画に反映させている。
しまむらは10〜20代の若い女性に支持されていた。ファッションモデルの益若つばささんもしまむらの服を愛用していることで話題を呼んだことがあるが、若者が離れていたと思っていたら、店頭では意外と若者が戻ってきているように感じられた。
しまむらの「若者離れ」が生じたのは、商品の絞り込みが原因といわれてきた。さかのぼること4年前。2016年には陳列商品を売れ筋商品中心に絞り込み、商品アイテムを「3割削減する」という方針を打ち出したのだ。
もちろん、当時の経営陣の判断ではさらに商品数を絞り込み、在庫量を削減したり店舗での作業を減らしたりということが狙いにあったとみられる。効率経営を長く続けてきた、しまむららしい業務改革ではあった。
しかしこの結果、売り場でなんとなく、「バラエティー感」や「宝探し感」も薄れてしまった。そんな状態が長く続いたため、客離れを起こしてしまったのだろうと推察できる。
今は「コロナ禍による『巣ごもり消費』もあるのだから、仕方ないだろう」と思っていたら、6月から月次の売上高の状況が一変しているではないか。
今年3〜5月は2ケタ減だったが、6月の既存店売上高はなんと前年同月比27.0%増。8月は同4.5%減と落ち込んだが、9月からは再び増加基調に入り9月は同11.1%増、10月同20.7%増、11月同11.3%増と2ケタの伸び率を示しているのだ。
8月を除けば6月以降、大きく伸びV字回復をしている。もちろん、前年同月の実績が悪かったので、大きく伸びているようにも見えるのかもしれないが、商品や価格、売り場が変わっていなければ、これほどの回復はないだろう。
出典:ダイヤモンドオンライン(12/2)
2021年01月24日
バッハ会長:東京オリンピック、パラリンピック開催へ揺るぎなく
国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長は東京五輪・パラリンピック開幕まで半年となるのに合わせてビデオメッセージを公開し、予定通りの開催に向けた決意を表明した。バッハ氏は英タイムズ紙の報道には直接言及せず、五輪が予定通り開催されることを確信していると表明。「開会まで6カ月となり五輪運動全体が7月23日の開会式を心待ちにしている」と述べた。「きょう206カ国・地域の国内オリンピック委員会と意見交換したが、全ての委員会が五輪を心待ちにし開催に向けて取り組んでいる。日本政府からも全面的なサポートを得ている」と語った。
「きのうもIOCの委員全員と協議したが、全員が五輪をトンネルの終わりの明かりにすると決意している」とし「全ての見通しは良好で、われわれは懸命に取り組んでいる。最優先すべきは大会を安全に開催し参加者全員の安全を確保することだ」と強調した。バッハ氏は五輪の開催を「大事業」としながらも、新型コロナワクチンの予防接種が普及していない中でも既に世界各地で大規模なスポーツイベントが行われていると指摘した。
英タイムズ紙は22日、日本政府が新型コロナウイルス感染症流行のため東京五輪を中止せざるを得ないと非公式に結論付けたと報じたが、これに対し日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長は、報道について、間違っておりコメントするのもばかげていると一蹴した。
大会の主催者は「あらゆるシナリオ」を検討しており、感染状況に応じて実施可能な多岐にわたる対応策を有していると発言。「出入国管理や隔離のルール、選手村でのソーシャルディスタンス、迅速な検査、ワクチン接種、観客をどうするかなどが含まれる」と説明した。
その上で「誰にとっても安全な大会にするための対策を検討する上でタブーはない」と語った。
出典:23日 ロイター
「きのうもIOCの委員全員と協議したが、全員が五輪をトンネルの終わりの明かりにすると決意している」とし「全ての見通しは良好で、われわれは懸命に取り組んでいる。最優先すべきは大会を安全に開催し参加者全員の安全を確保することだ」と強調した。バッハ氏は五輪の開催を「大事業」としながらも、新型コロナワクチンの予防接種が普及していない中でも既に世界各地で大規模なスポーツイベントが行われていると指摘した。
英タイムズ紙は22日、日本政府が新型コロナウイルス感染症流行のため東京五輪を中止せざるを得ないと非公式に結論付けたと報じたが、これに対し日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長は、報道について、間違っておりコメントするのもばかげていると一蹴した。
大会の主催者は「あらゆるシナリオ」を検討しており、感染状況に応じて実施可能な多岐にわたる対応策を有していると発言。「出入国管理や隔離のルール、選手村でのソーシャルディスタンス、迅速な検査、ワクチン接種、観客をどうするかなどが含まれる」と説明した。
その上で「誰にとっても安全な大会にするための対策を検討する上でタブーはない」と語った。
出典:23日 ロイター
2021年01月23日
2021年01月22日
復興五輪のゆくえ
オーストラリアと米国の五輪委員会は22日、予定通り五輪の準備を進めていると表明した。
米オリンピック・パラリンピック委員会は「2020年東京オリンピック・パラリンピックに関する公式発表は、国際オリンピック委員会(IOC)、東京五輪組織委員会、日本政府が行う」とツイッターに投稿。「五輪が予定通りに実施されないとの情報は受け取っていない」と述べた。
オーストラリア五輪委員会は「オーストラリアの選手団が東京に入り、競技を行い、新型コロナに感染せず安全に帰国できるよう、計画の策定を継続している」との声明を発表した。
出典:ロイター(1/22)
米オリンピック・パラリンピック委員会は「2020年東京オリンピック・パラリンピックに関する公式発表は、国際オリンピック委員会(IOC)、東京五輪組織委員会、日本政府が行う」とツイッターに投稿。「五輪が予定通りに実施されないとの情報は受け取っていない」と述べた。
オーストラリア五輪委員会は「オーストラリアの選手団が東京に入り、競技を行い、新型コロナに感染せず安全に帰国できるよう、計画の策定を継続している」との声明を発表した。
出典:ロイター(1/22)
2021年01月21日
日本文化の豊かさ
ある若い友人がニューヨークから、こんなWeb記事を美輪明宏氏の話を教えてくれた。難局にあっても、心豊かに穏やかに過ごす術を知っている人(美輪氏は、長崎で被爆、今でいうLGBT告白の先駆者、脳梗塞を患う御年85歳)は、日本の文化、芸術によるところが大きいとこれまでも言ってこられたが、最近にも変わらずに発言を求められ、語られることにますます実感が湧いてきたので、ご紹介しておきたい(全文は婦人公論JPをご覧ください)
家に閉じこもらざるをえないのなら、この時期に本や映像などで日本のアナログ文化をもう一度学び直し、そのなかから何かしら自分にできるものを見つけてみてはいかがでしょう。
平安時代の貴族の女性たちは、出かけることもほとんどなく、家にこもって暮らしていました。そうした日々のなかから、和歌や日記文学といった文化が生まれました。日本のすばらしい手工芸も、家にこもって作るものがほとんどです。機織りや染色、刺繍なども、気が遠くなるくらい手間暇をかけて作ります。
江戸時代には町人、職人がさまざまな文化を生みました。たとえば浮世絵。歌川広重や葛飾北斎、喜多川歌麿などが名を馳せた浮世絵は、やがて世界的画家であるゴッホやゴーギャンにまで影響を与えます。
明治・大正、昭和初期には、日本画が見事に完成されていった。これら世界に自慢できる文化です。
なんでも日本の色は、3000色もあるそうです。それは、朱鷺(とき)、水浅葱(みずあさぎ) 、萌黄(もえぎ)色など、お納戸(なんど)色、素敵な名前がついています。歌曲の例でいえば、「城ヶ島の雨」で北原白秋が書いた一節に「利休鼠の雨がふる」とは、緑色を帯びた灰色のことで、本来は「りきゅうねず」と言うのが正しく、茶人好みの緑色がかった品のある灰色で江戸時代の流行色でした。
昔、ピエール・カルダンというフランスのデザイナーが来日した時、お会いする機会がありました。私(美輪明宏)が「日本の美術工芸をご覧になってどうでしたか」と尋ねたところ、フランスが世界一だと思っていたけれど日本のものには敵わないとおっしゃった。日本は、デジタルとは対極のアナログの宝をたくさん持っているのです。
最近は若い方のなかにも、たとえばフィギュアスケートの羽生結弦さん、将棋の藤井聡太さんなど、お手本にしたい方がいらっしゃるので嬉しい限りです。それぞれの分野ですばらしい成績をあげているけれど、闘争心はむき出しにせず、さりげなく。そして立ち居振る舞いが美しく、まわりの人への気遣いもすばらしい。まさに大和心を体現しておられる。そういう風に育ててきた周囲に応えて才能ある若い方々が何人もいるのを見ていると、日本もまんざら捨てたもんじゃないと愉しみに思います。
こういう時こそ、目の前のことに一喜一憂するのではなく、理性と理知を働かせて、自分を磨き上げる。そして、こういう時だからこそ、日本の歴史や文化の本質を見直してみる。2021年、皆さんがそういう豊かな時間をお過ごしくださるよう、心から願います。
家に閉じこもらざるをえないのなら、この時期に本や映像などで日本のアナログ文化をもう一度学び直し、そのなかから何かしら自分にできるものを見つけてみてはいかがでしょう。
平安時代の貴族の女性たちは、出かけることもほとんどなく、家にこもって暮らしていました。そうした日々のなかから、和歌や日記文学といった文化が生まれました。日本のすばらしい手工芸も、家にこもって作るものがほとんどです。機織りや染色、刺繍なども、気が遠くなるくらい手間暇をかけて作ります。
江戸時代には町人、職人がさまざまな文化を生みました。たとえば浮世絵。歌川広重や葛飾北斎、喜多川歌麿などが名を馳せた浮世絵は、やがて世界的画家であるゴッホやゴーギャンにまで影響を与えます。
明治・大正、昭和初期には、日本画が見事に完成されていった。これら世界に自慢できる文化です。
なんでも日本の色は、3000色もあるそうです。それは、朱鷺(とき)、水浅葱(みずあさぎ) 、萌黄(もえぎ)色など、お納戸(なんど)色、素敵な名前がついています。歌曲の例でいえば、「城ヶ島の雨」で北原白秋が書いた一節に「利休鼠の雨がふる」とは、緑色を帯びた灰色のことで、本来は「りきゅうねず」と言うのが正しく、茶人好みの緑色がかった品のある灰色で江戸時代の流行色でした。
昔、ピエール・カルダンというフランスのデザイナーが来日した時、お会いする機会がありました。私(美輪明宏)が「日本の美術工芸をご覧になってどうでしたか」と尋ねたところ、フランスが世界一だと思っていたけれど日本のものには敵わないとおっしゃった。日本は、デジタルとは対極のアナログの宝をたくさん持っているのです。
最近は若い方のなかにも、たとえばフィギュアスケートの羽生結弦さん、将棋の藤井聡太さんなど、お手本にしたい方がいらっしゃるので嬉しい限りです。それぞれの分野ですばらしい成績をあげているけれど、闘争心はむき出しにせず、さりげなく。そして立ち居振る舞いが美しく、まわりの人への気遣いもすばらしい。まさに大和心を体現しておられる。そういう風に育ててきた周囲に応えて才能ある若い方々が何人もいるのを見ていると、日本もまんざら捨てたもんじゃないと愉しみに思います。
こういう時こそ、目の前のことに一喜一憂するのではなく、理性と理知を働かせて、自分を磨き上げる。そして、こういう時だからこそ、日本の歴史や文化の本質を見直してみる。2021年、皆さんがそういう豊かな時間をお過ごしくださるよう、心から願います。
2021年01月20日
時代を超える日本の芸能
「能楽」は能と狂言を含む総称で、そもそもは散楽という芸能が奈良時代に中国から伝わり能面のルーツになったとされる。明治時代以降は、能および式三番とあわせて能楽と総称する。重要無形文化財に指定され、ユネスコ無形文化遺産に登録されている。
能楽の謡(節づけされた台詞やナレーション)を初めて聞くと、聞いたことのない独特な声の響きとそのゆったりとした速度に驚くものですが、能楽の謡は、一説によると人間の体に最も心地の良い音とリズムで構成されているのだそう。日常生活の中に入ってきてしまう耳障りな音がないので、眠たくなるという効果があるほど、ストレスを感じる音がないのだと言われる。
能楽の歴史は、まずは平安時代に「散楽」が、「猿楽(さるがく)」と名前を変え、各地に広がり、室町時代に世阿弥という天才が出てきたことで大衆芸だった猿楽が芸術性の高い芸能に発展。江戸幕府の儀式芸能となっていた猿楽は、明治維新後は他の多くの芸能と同様廃絶の危機に瀕した。幸いに、皇族、貴族の支持者が増え、名称を「能楽」と言い換え猿楽継承の危機を乗り越えた。狂言は、猿楽から発展した日本の伝統芸能で、猿楽の滑稽味を洗練させた笑劇。
「式三番」は能楽(猿楽)が成立する以前の翁猿楽(老人の面を付けた神が踊り語って祝福を与えるという芸能)の様式を留める芸能である。各地の郷土芸能・神事としても保存されており、極めて大きな広がりを持つ芸能である。なお、能楽の演目としては「翁」とするのが一般的である。
世界遺産として認定された日本の芸能に触れることは縁遠くなってきているので、コロナ禍ではネットで舞台の様子を配信しているものもあるので、鑑賞してみるといいかもしれない。日本人のDNAに沁み込んでいる奥の深さ、を味わうことができるかもしれない。
歌舞伎「将門」
文楽
「浄瑠璃」とは、室町中期から琵琶や扇拍子の伴奏で座頭が語っていた牛若丸と浄瑠璃姫の恋物語に始まるとされる。のちに伴奏に三味線を伴奏楽器として使うようになり、太夫が詞章(ししょう)を語る音曲・劇場音楽となったのである。詞章が、劇中人物のセリフやその仕草、演技の描写をも含み、語り口が叙事的な力強さを持つ。このため浄瑠璃を口演することは「歌う」ではなく「語る」と言い、浄瑠璃系統の音曲をまとめて語り物(かたりもの)と呼ぶ。後に、河東・一中・宮薗(みやぞの)・常磐津(ときわず)・富本・清元・新内節などの各流派が派生した。清元とは江戸浄瑠璃清元節をさし、数ある浄瑠璃節の中では、一番新しくできたものである。
常磐津は「常磐津節」の略で江戸浄瑠璃(語り物音楽)のひとつで、長唄の三味線などとは異なり、あくまでもストーリーに忠実な音楽を奏でるのが基本で、演目に「将門」などがある。
単独で素浄瑠璃として演じられるほか、流派によっては人形劇である人形浄瑠璃として(文楽など)、歌舞伎音楽として、日本舞踊の伴奏として演じられる。
三味線には、太棹、細竿があり、長唄、小唄、端唄の伴奏は細竿を使う。
1曲の長さが、長唄は25分前後、小唄は4〜5分、端唄は2〜3分、です。
能楽の謡(節づけされた台詞やナレーション)を初めて聞くと、聞いたことのない独特な声の響きとそのゆったりとした速度に驚くものですが、能楽の謡は、一説によると人間の体に最も心地の良い音とリズムで構成されているのだそう。日常生活の中に入ってきてしまう耳障りな音がないので、眠たくなるという効果があるほど、ストレスを感じる音がないのだと言われる。
能楽の歴史は、まずは平安時代に「散楽」が、「猿楽(さるがく)」と名前を変え、各地に広がり、室町時代に世阿弥という天才が出てきたことで大衆芸だった猿楽が芸術性の高い芸能に発展。江戸幕府の儀式芸能となっていた猿楽は、明治維新後は他の多くの芸能と同様廃絶の危機に瀕した。幸いに、皇族、貴族の支持者が増え、名称を「能楽」と言い換え猿楽継承の危機を乗り越えた。狂言は、猿楽から発展した日本の伝統芸能で、猿楽の滑稽味を洗練させた笑劇。
「式三番」は能楽(猿楽)が成立する以前の翁猿楽(老人の面を付けた神が踊り語って祝福を与えるという芸能)の様式を留める芸能である。各地の郷土芸能・神事としても保存されており、極めて大きな広がりを持つ芸能である。なお、能楽の演目としては「翁」とするのが一般的である。
世界遺産として認定された日本の芸能に触れることは縁遠くなってきているので、コロナ禍ではネットで舞台の様子を配信しているものもあるので、鑑賞してみるといいかもしれない。日本人のDNAに沁み込んでいる奥の深さ、を味わうことができるかもしれない。
歌舞伎「将門」
文楽
「浄瑠璃」とは、室町中期から琵琶や扇拍子の伴奏で座頭が語っていた牛若丸と浄瑠璃姫の恋物語に始まるとされる。のちに伴奏に三味線を伴奏楽器として使うようになり、太夫が詞章(ししょう)を語る音曲・劇場音楽となったのである。詞章が、劇中人物のセリフやその仕草、演技の描写をも含み、語り口が叙事的な力強さを持つ。このため浄瑠璃を口演することは「歌う」ではなく「語る」と言い、浄瑠璃系統の音曲をまとめて語り物(かたりもの)と呼ぶ。後に、河東・一中・宮薗(みやぞの)・常磐津(ときわず)・富本・清元・新内節などの各流派が派生した。清元とは江戸浄瑠璃清元節をさし、数ある浄瑠璃節の中では、一番新しくできたものである。
常磐津は「常磐津節」の略で江戸浄瑠璃(語り物音楽)のひとつで、長唄の三味線などとは異なり、あくまでもストーリーに忠実な音楽を奏でるのが基本で、演目に「将門」などがある。
単独で素浄瑠璃として演じられるほか、流派によっては人形劇である人形浄瑠璃として(文楽など)、歌舞伎音楽として、日本舞踊の伴奏として演じられる。
三味線には、太棹、細竿があり、長唄、小唄、端唄の伴奏は細竿を使う。
1曲の長さが、長唄は25分前後、小唄は4〜5分、端唄は2〜3分、です。
2021年01月19日
電車の中でクラスターが起きない訳
最近は電車内でも多くの乗客がマスクを着用し、換気されていることも影響していると思われます。反対に、クラスターが発生しているケースの多くは、合唱している、カラオケをしているとなど大声を出しているところです。屋外で近距離で他人に接することがない場合、屋内でも自分以外に誰もいない場合にマスクを着用する意味はありません。マスクは感染リスクに応じてメリハリをつけて使用することが望ましいと言えるでしょう。また、基礎疾患として心不全、呼吸不全があり、マスクを着用すると酸素飽和度が保てないケースや正しい着用ができない小児などは敢えてマスクを着用しなくてもよいかとは思います。
第2波の重症者の報告は第1波と比べてかなり減少し、医療機関にかかる負担も当時ほどではありませんでした。ところが今回の第3波は1日当たりの感染者数が第2波よりも多く、しかも若年世代の感染者の割合が多かった第2波当初と比べ、感染者に占める高齢者、つまり重症化リスクが高い感染者の割合が多くなった第2波後期の状態のまま、全国での感染者が増加しています。
第2波の重症者の報告は第1波と比べてかなり減少し、医療機関にかかる負担も当時ほどではありませんでした。
ところが今回の第3波は1日当たりの感染者数が第2波よりも多く、しかも若年世代の感染者の割合が多かった第2波当初と比べ、感染者に占める高齢者、つまり重症化リスクが高い感染者の割合が多くなった第2波後期の状態のまま、全国での感染者が増加しています。
いずれも感染確定者の発症前、あるいは発症から5日目までに接触した人で、発症から1週間以上経った人と接触した人では感染は確認されていません。
これまでの研究結果からも二次感染が起こるレベルの感染性は概ね発症3日前から発症5日後ぐらいまで、重症患者の5%程度からは発症から約15日後まで、最大で約20日後で、それ以上経た感染者から感染すること基本的にほぼないと言えます。20日以降でも感染者に対するPCR検査で陽性が続く事例は数多くありますが、この場合は感染性があるわけではありません。
いずれにせよ症状がない感染者も会話で飛沫を飛ばし、感染を広げていることが明らかであるため、症状が無くとも屋内で他人と接触する際は全員がマスクを着用しようという「ユニバーサルマスク」という考えが提唱されています。
第2波の重症者の報告は第1波と比べてかなり減少し、医療機関にかかる負担も当時ほどではありませんでした。ところが今回の第3波は1日当たりの感染者数が第2波よりも多く、しかも若年世代の感染者の割合が多かった第2波当初と比べ、感染者に占める高齢者、つまり重症化リスクが高い感染者の割合が多くなった第2波後期の状態のまま、全国での感染者が増加しています。
第2波の重症者の報告は第1波と比べてかなり減少し、医療機関にかかる負担も当時ほどではありませんでした。
ところが今回の第3波は1日当たりの感染者数が第2波よりも多く、しかも若年世代の感染者の割合が多かった第2波当初と比べ、感染者に占める高齢者、つまり重症化リスクが高い感染者の割合が多くなった第2波後期の状態のまま、全国での感染者が増加しています。
いずれも感染確定者の発症前、あるいは発症から5日目までに接触した人で、発症から1週間以上経った人と接触した人では感染は確認されていません。
これまでの研究結果からも二次感染が起こるレベルの感染性は概ね発症3日前から発症5日後ぐらいまで、重症患者の5%程度からは発症から約15日後まで、最大で約20日後で、それ以上経た感染者から感染すること基本的にほぼないと言えます。20日以降でも感染者に対するPCR検査で陽性が続く事例は数多くありますが、この場合は感染性があるわけではありません。
いずれにせよ症状がない感染者も会話で飛沫を飛ばし、感染を広げていることが明らかであるため、症状が無くとも屋内で他人と接触する際は全員がマスクを着用しようという「ユニバーサルマスク」という考えが提唱されています。
2021年01月18日
米国、銃社会容認団体の不正と未臨界核実験
ニューヨーク州は2020年8月、米国屈指の影響力を持つロビー団体・全米ライフル協会(NRA)の幹部が資金を不正に流用しているとして、NRAの解散を求め提訴していた。NRAは1 月15日、財務状況は健全だと主張しつつ、「ニューヨーク州の腐敗した政治的な規制環境から離れ、テキサス州の非営利団体として再建する」と説明した。
米メディアによると、ニューヨーク州では通常、捜査中の非営利団体は移転できないという。そこで銃所有の権利を訴えるNRAは15日、非営利団体として登録しているニューヨーク州から「脱出」し、テキサス州で再建を目指すと発表した。この計画に伴い、連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用をテキサス州の裁判所に申請した。これに対し、ニューヨーク州のジェームズ司法長官は声明で「NRAが責任を逃れることは許さない」と述べた。
出典:【ニューヨーク時事 1/16】
トランプ米政権下では3回目とみられる臨界前核実験を行ったことが15日までに米研究所の文書で明らかになった。
昨年11月、核爆発を伴わない試験が西部ネバダ州の核実験場で行われていたとみられる。
出典【ワシントン共同 1/16】
米メディアによると、ニューヨーク州では通常、捜査中の非営利団体は移転できないという。そこで銃所有の権利を訴えるNRAは15日、非営利団体として登録しているニューヨーク州から「脱出」し、テキサス州で再建を目指すと発表した。この計画に伴い、連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用をテキサス州の裁判所に申請した。これに対し、ニューヨーク州のジェームズ司法長官は声明で「NRAが責任を逃れることは許さない」と述べた。
出典:【ニューヨーク時事 1/16】
トランプ米政権下では3回目とみられる臨界前核実験を行ったことが15日までに米研究所の文書で明らかになった。
昨年11月、核爆発を伴わない試験が西部ネバダ州の核実験場で行われていたとみられる。
出典【ワシントン共同 1/16】
2021年01月17日
コロナ感染への局面整理
風邪のシーズン、ウイルスは気温が下がる冬の季節に、猛威を振るう恐れがあるとみられる。
そんな中で、17日は阪神淡路大震災から26年である、3月11日には東日本大震災から10年である。
新潟、福岡、広島、熊本、他の地域でも、大きな自然災害に見舞われてきた日本では、実際は仮設住宅での生活を継続しているご家庭もまだまだ多い。自然災害は時を選ばずに起きるため、日本人のDNAには常に不安と同居するのと他との協力、その為に他を思いやり、自重することがあるいみで染みついてきたのだと思う。
このところのコロナ感染者急増した要因について、押谷仁教授は、年末に羽田雄一郎参院幹事長(53歳)がコロナ感染で死亡したことを受け、忘年会、新年会などの集まりに呼ばれる時期でもあるので、今までPCR検査を受けなかった人たちが検査を受け始めたことが、感染者の数を押し上げる要因の一つになったのではとの見方を示した。
街中には感染者はいるのだと何度も報道されると恐怖をあおる面があり、必要以上に外出を減らして体力をおとしている人を増やしてしまう面がある。極端な予防行動を取る人は、大量のマスクを買い込んだり、あらゆる外出や他人との接触をひかえたり、さらに行き過ぎると治療が終わった感染者や医療従事者らを差別したりになる恐れもある。他方、自分だけは大丈夫と思い込む人も依然としている、二極化が見られる。自分は大丈夫と思い込んだり、または情報によって必要以上に恐怖を感じる機会を増やすことなく冷静に判断できるよう、普段から入ってくる情報を調整する心構えが必要のようだ。
米国では、マスクを付けずに行動する人もいたので、「対策を取らなければ最大で220万人死ぬ」「指針に従っても10万〜24万人の死亡者は出る」といったシビアに踏み込んだ数字を発表している。日本では総ての人が安心できる策を見出すまで発表を控えると考えている以上は、なかなか具体的な提言が出せないでいるのだ。また、感染相談のコールセンターを作ってはいるものの、そこでは発熱外来に相談するようにとオウム返しなだけで、ただうろたえる人のひと手間を増やしただけというのが実情だ。それでは、相談の解決にはなっていない。本来、医療関係機関の調整をして、クリニックでの受診を維持し、感染外来が対応できるクリニックに助成できるような積極策を働きかけることもできていないのも、地域医療の調整役をする人材を派遣していないのだ。一例をあげると長野県松本市の医療体制は、その病床数の不足を招かぬように、市立、国立病院でコロナ専門病棟を作るとの調整をした。市内の医療関係者が一堂に集まって誰が体制を整えるか議論するのでなくては、いつまでも埒があかす、別途数がひっ迫するのだ。
昨年9月にブラジルのアマゾンにあるマナウス地域で新型コロナに感染した人が66%に達し、集団免疫に至り流行が下火になったとの論文(査読前に発表※)が出た。しかし、それまでに1000人に一人の死亡率はあまりに代償が高い(米国で1000人に0.6人程度、日本では0.01人ほど)
※注/論文名“COVID-19 herd immunity in the Brazilian Amazon”
日本では2月末から、ワクチン接種が無料で行われることになって、ワクチン冷却保存の体制を整える冷蔵ボックスの配置数も伝達されたという。医療関係者から接種を始め、次に75歳以上の高齢者の希望者、それ以下の年齢という順序で接種する。6割に集団免疫ができると終息するとの話だ。
ただ、新型コロナではワクチン接種するだけでは、解決できないこともわかってきている。感染して抗体ができても、数か月経つと減ってしまうというのだ。抗体が減ってしまえば、再感染する可能性が出てくる。実際に、新型コロナの患者か一旦回復した後、再感染した事例が各国で複数報じられている。ウイルスの特徴は免疫細胞に記憶されるため、抗体が減っても再感染時に免疫が働くとの見解が出されている。また、感染を重ねると、免疫が強化されて症状が軽くなるといった見方もある。
日本は、欧米諸国でのワクチン治験とは比べ物にならないくらいに薬品使用の許可までに時間をかけ、副作用の判断に10年内外の時間をかけてきた経緯がある(薬剤師談)。感染率が低いのであれば、罹患した患者への治療薬に保険適用を明言すれば、国内の病床数確保や外出自粛などによる経済への影響が低減できる方針になるとの声もある。
ひとつ決まっていることは、1年延期された2020東京オリンピックの本年開催である。
その選手団の入国が7月の予定である。そのさいに感染させない、感染しないための方針を明確にすることが、必要だ。7月までに感染がピタリと止まるという事はできない。
幸いにワクチンがこれまでにないほどに迅速に開発できたことで、主軸が決まったのだ。進化した医療も絶対ではないが、科学への信頼を寄せて高齢者が接種をすることで、総人口に占める割合は28%近くの接種がされる。60%のワクチン接種を6月までに終えるように国民へ協力を求める。となると上皇・上皇后、65歳以上の政治家も接種がされていく。総務省の昨年のデータでは65歳以上の高齢者数は3588万人。国勢調査の予測から、間もなく5割が50歳以上になるとのデータであるから、45歳代までの方々が接種すれば、感染者が減少もしくは横ばいとなり、死亡者も激減していく。
ハッキリ言って、誰しも災害はご免こうむりたいが、常に幸不幸のせめぎ合いで、助かる人亡くなる人が出てしまう。災害や病魔への対策をして、救える人を多くしていく真摯な祈りをしながら、泰然と日々を過ごすことで、心身を処していくことになるのだろう。
体と心を鍛えぬいた若人のスポーツの祭典の開催に漕ぎつける努力し、復興五輪を開催することで日本の姿を示すのが日本の21世紀の発展につなげる2021年になるのだ。
そんな中で、17日は阪神淡路大震災から26年である、3月11日には東日本大震災から10年である。
新潟、福岡、広島、熊本、他の地域でも、大きな自然災害に見舞われてきた日本では、実際は仮設住宅での生活を継続しているご家庭もまだまだ多い。自然災害は時を選ばずに起きるため、日本人のDNAには常に不安と同居するのと他との協力、その為に他を思いやり、自重することがあるいみで染みついてきたのだと思う。
このところのコロナ感染者急増した要因について、押谷仁教授は、年末に羽田雄一郎参院幹事長(53歳)がコロナ感染で死亡したことを受け、忘年会、新年会などの集まりに呼ばれる時期でもあるので、今までPCR検査を受けなかった人たちが検査を受け始めたことが、感染者の数を押し上げる要因の一つになったのではとの見方を示した。
街中には感染者はいるのだと何度も報道されると恐怖をあおる面があり、必要以上に外出を減らして体力をおとしている人を増やしてしまう面がある。極端な予防行動を取る人は、大量のマスクを買い込んだり、あらゆる外出や他人との接触をひかえたり、さらに行き過ぎると治療が終わった感染者や医療従事者らを差別したりになる恐れもある。他方、自分だけは大丈夫と思い込む人も依然としている、二極化が見られる。自分は大丈夫と思い込んだり、または情報によって必要以上に恐怖を感じる機会を増やすことなく冷静に判断できるよう、普段から入ってくる情報を調整する心構えが必要のようだ。
米国では、マスクを付けずに行動する人もいたので、「対策を取らなければ最大で220万人死ぬ」「指針に従っても10万〜24万人の死亡者は出る」といったシビアに踏み込んだ数字を発表している。日本では総ての人が安心できる策を見出すまで発表を控えると考えている以上は、なかなか具体的な提言が出せないでいるのだ。また、感染相談のコールセンターを作ってはいるものの、そこでは発熱外来に相談するようにとオウム返しなだけで、ただうろたえる人のひと手間を増やしただけというのが実情だ。それでは、相談の解決にはなっていない。本来、医療関係機関の調整をして、クリニックでの受診を維持し、感染外来が対応できるクリニックに助成できるような積極策を働きかけることもできていないのも、地域医療の調整役をする人材を派遣していないのだ。一例をあげると長野県松本市の医療体制は、その病床数の不足を招かぬように、市立、国立病院でコロナ専門病棟を作るとの調整をした。市内の医療関係者が一堂に集まって誰が体制を整えるか議論するのでなくては、いつまでも埒があかす、別途数がひっ迫するのだ。
昨年9月にブラジルのアマゾンにあるマナウス地域で新型コロナに感染した人が66%に達し、集団免疫に至り流行が下火になったとの論文(査読前に発表※)が出た。しかし、それまでに1000人に一人の死亡率はあまりに代償が高い(米国で1000人に0.6人程度、日本では0.01人ほど)
※注/論文名“COVID-19 herd immunity in the Brazilian Amazon”
日本では2月末から、ワクチン接種が無料で行われることになって、ワクチン冷却保存の体制を整える冷蔵ボックスの配置数も伝達されたという。医療関係者から接種を始め、次に75歳以上の高齢者の希望者、それ以下の年齢という順序で接種する。6割に集団免疫ができると終息するとの話だ。
ただ、新型コロナではワクチン接種するだけでは、解決できないこともわかってきている。感染して抗体ができても、数か月経つと減ってしまうというのだ。抗体が減ってしまえば、再感染する可能性が出てくる。実際に、新型コロナの患者か一旦回復した後、再感染した事例が各国で複数報じられている。ウイルスの特徴は免疫細胞に記憶されるため、抗体が減っても再感染時に免疫が働くとの見解が出されている。また、感染を重ねると、免疫が強化されて症状が軽くなるといった見方もある。
日本は、欧米諸国でのワクチン治験とは比べ物にならないくらいに薬品使用の許可までに時間をかけ、副作用の判断に10年内外の時間をかけてきた経緯がある(薬剤師談)。感染率が低いのであれば、罹患した患者への治療薬に保険適用を明言すれば、国内の病床数確保や外出自粛などによる経済への影響が低減できる方針になるとの声もある。
ひとつ決まっていることは、1年延期された2020東京オリンピックの本年開催である。
その選手団の入国が7月の予定である。そのさいに感染させない、感染しないための方針を明確にすることが、必要だ。7月までに感染がピタリと止まるという事はできない。
幸いにワクチンがこれまでにないほどに迅速に開発できたことで、主軸が決まったのだ。進化した医療も絶対ではないが、科学への信頼を寄せて高齢者が接種をすることで、総人口に占める割合は28%近くの接種がされる。60%のワクチン接種を6月までに終えるように国民へ協力を求める。となると上皇・上皇后、65歳以上の政治家も接種がされていく。総務省の昨年のデータでは65歳以上の高齢者数は3588万人。国勢調査の予測から、間もなく5割が50歳以上になるとのデータであるから、45歳代までの方々が接種すれば、感染者が減少もしくは横ばいとなり、死亡者も激減していく。
ハッキリ言って、誰しも災害はご免こうむりたいが、常に幸不幸のせめぎ合いで、助かる人亡くなる人が出てしまう。災害や病魔への対策をして、救える人を多くしていく真摯な祈りをしながら、泰然と日々を過ごすことで、心身を処していくことになるのだろう。
体と心を鍛えぬいた若人のスポーツの祭典の開催に漕ぎつける努力し、復興五輪を開催することで日本の姿を示すのが日本の21世紀の発展につなげる2021年になるのだ。
2021年01月16日
和菓子がトレンディ
このところスイーツの一つとして和菓子が見直されているようだ。
そこで、和菓子をテーマにした漫画「私たちはどうかしている」という老舗和菓子店の物語がヒットすると、TVドラマ化されると、美男美女の人気俳優が演じる男女のみならず、親子の愛憎劇が繰り広げられる”わたどう”と略称されてネットで話題になったほか、玉木宏の主演ドラマで 極主夫道に取り組むうちに、まちづくりの為に一肌脱ぎ、店をオープンする話でも和菓子にまつわるもので、美しい形の和菓子が登場したのだった。
ちいきづくりに勤しむという奇想天外なストーリーの中で愛らしい和菓子が紹介されていくので、素材、作り手の技術、季節を織り込んだ小さな菓子に目が吸い寄せられた。洋菓子と違って、むしろヘルシーな素材でこしらえてあると知ると、改めていいなと思う。
そこで、町中の和菓子店を探すが、店じまいしてしまっているところが増えた。
今、和菓子店で餡から作れるお店は、我孫子市近隣では湖北の福一さんだけになってしまった。
![wagashi.jpg](https://kaizublog.up.seesaa.net/image/wagashi.jpg)
店主の池田さんは、職人技が際立っていて、各地のコンテストで受賞、千葉県の名工として表彰された方である。下記の写真は、あんこで作られた祝い菓子。誕生ケーキならぬ、誕生祝菓子もオーダーできるとのこと、我孫子に住んでいるので良かった〜♪
もちろん、ネットで注文もできるし、検索すると電話番号も分かります。湖北駅至近、店舗脇に駐車場あり(お店でサービスコイン)。
そこで、和菓子をテーマにした漫画「私たちはどうかしている」という老舗和菓子店の物語がヒットすると、TVドラマ化されると、美男美女の人気俳優が演じる男女のみならず、親子の愛憎劇が繰り広げられる”わたどう”と略称されてネットで話題になったほか、玉木宏の主演ドラマで 極主夫道に取り組むうちに、まちづくりの為に一肌脱ぎ、店をオープンする話でも和菓子にまつわるもので、美しい形の和菓子が登場したのだった。
ちいきづくりに勤しむという奇想天外なストーリーの中で愛らしい和菓子が紹介されていくので、素材、作り手の技術、季節を織り込んだ小さな菓子に目が吸い寄せられた。洋菓子と違って、むしろヘルシーな素材でこしらえてあると知ると、改めていいなと思う。
そこで、町中の和菓子店を探すが、店じまいしてしまっているところが増えた。
今、和菓子店で餡から作れるお店は、我孫子市近隣では湖北の福一さんだけになってしまった。
![wagashi.jpg](https://kaizublog.up.seesaa.net/image/wagashi.jpg)
店主の池田さんは、職人技が際立っていて、各地のコンテストで受賞、千葉県の名工として表彰された方である。下記の写真は、あんこで作られた祝い菓子。誕生ケーキならぬ、誕生祝菓子もオーダーできるとのこと、我孫子に住んでいるので良かった〜♪
もちろん、ネットで注文もできるし、検索すると電話番号も分かります。湖北駅至近、店舗脇に駐車場あり(お店でサービスコイン)。
![wagashi_ichi002.jpg](https://kaizublog.up.seesaa.net/image/wagashi_ichi002.jpg)
2021年01月15日
批判と理解
哲学者・中島義道は『表現者を批判する場合の九割が、じつはただ「不快だ」と言いたいのである。
そして、そのうちのさらに九割が、さまざまなかたちの(誤解を含めた)羨望や嫉妬に基づいている。』と述べていた。
人間は、まわりの評価や評判が気になる。人に認めてもらいたくて仕方のない生き物だ。
そこで、一部の人は、人を批判し、中にはこきおろすことで、自分の自己充実感を満たしている場合もある。
「おまえなんか嫌いだよ」「オレのが上だ」という了見の狭い思考になっている。
とくに匿名性の高いSNSではそれが顕著になる。といってその相手に、いくら自分の本当の考えや思いを分かってもらおうと、千万遍説明したところで分かってはくれない。
あのコペルニクスの地動説が正しかったのにも関わらず、認められたのは、およそ100年たってからだった。
それまでは、いくら事実をつきつけても時の権威や古い世代はそれを認めようとしなかった。
なぜ、100年たって地動説が認められたのか。それは宗教者、科学者の「世代交代」だ。
そのことを、トーマス・クーンは「パラダイムシフト」と言う言葉で現象をとらえた。
岡本太郎は次のように言っている。
人はだれしも成功したいと思っているけれど、99パーセントの人間は成功できない。
それができないからガックリきて疲労困憊する。
みんな人間の活動やエネルギーを算術みたいに考えているんだよ。
ある分量の蓄積があって、それを使ってしまえばだんだん減ってゼロになるっていうようにね。
そうじゃない。挑むからエネルギーが湧き出るんだ。疲れていようといまいと、それが生きるってことだ。
無条件に闘うことを前提として、自分をつらぬいていくことが大切なんだよ。
理解されないかもしれない。でも、自分が理解されないのは相手が理解できないんだ、しようとしなかったからだと思えばいい。
人はさまざまな誤解のなかに生きている。純粋に生きようとすればするほど、とんでもない誤解を受ける。
ほんとうの理解なんてあり得ないんじゃないかと思うくらいにね。
だれだって誤解されるのはイヤだ。
だがそれより、誤解されることを恐れて、自分が思ったことをストレートに表現しなくなることのほうがもっとよくない。
誤解されないようにと他人の目や思惑を気にして行動すると、やることがむなしくなってしまう。
それじゃほんとうに生きる、なまなましい、いのちの感動なんてひらくはずがない。
誤解するなら、してみろ!誤解こそ運命の飾りだと思って、己をつらぬいて生きてみればいい。
無条件に己れをぶつけて挑んでいけば、限界なんてないんだよ。
すべての人に分かってもらうことはできないし、すべての人から好かれることもできない。
「誤解するなら、してみろ!」と自分を生きていけば、理解する人もみつかるものだ。
そして、そのうちのさらに九割が、さまざまなかたちの(誤解を含めた)羨望や嫉妬に基づいている。』と述べていた。
人間は、まわりの評価や評判が気になる。人に認めてもらいたくて仕方のない生き物だ。
そこで、一部の人は、人を批判し、中にはこきおろすことで、自分の自己充実感を満たしている場合もある。
「おまえなんか嫌いだよ」「オレのが上だ」という了見の狭い思考になっている。
とくに匿名性の高いSNSではそれが顕著になる。といってその相手に、いくら自分の本当の考えや思いを分かってもらおうと、千万遍説明したところで分かってはくれない。
あのコペルニクスの地動説が正しかったのにも関わらず、認められたのは、およそ100年たってからだった。
それまでは、いくら事実をつきつけても時の権威や古い世代はそれを認めようとしなかった。
なぜ、100年たって地動説が認められたのか。それは宗教者、科学者の「世代交代」だ。
そのことを、トーマス・クーンは「パラダイムシフト」と言う言葉で現象をとらえた。
岡本太郎は次のように言っている。
人はだれしも成功したいと思っているけれど、99パーセントの人間は成功できない。
それができないからガックリきて疲労困憊する。
みんな人間の活動やエネルギーを算術みたいに考えているんだよ。
ある分量の蓄積があって、それを使ってしまえばだんだん減ってゼロになるっていうようにね。
そうじゃない。挑むからエネルギーが湧き出るんだ。疲れていようといまいと、それが生きるってことだ。
無条件に闘うことを前提として、自分をつらぬいていくことが大切なんだよ。
理解されないかもしれない。でも、自分が理解されないのは相手が理解できないんだ、しようとしなかったからだと思えばいい。
人はさまざまな誤解のなかに生きている。純粋に生きようとすればするほど、とんでもない誤解を受ける。
ほんとうの理解なんてあり得ないんじゃないかと思うくらいにね。
だれだって誤解されるのはイヤだ。
だがそれより、誤解されることを恐れて、自分が思ったことをストレートに表現しなくなることのほうがもっとよくない。
誤解されないようにと他人の目や思惑を気にして行動すると、やることがむなしくなってしまう。
それじゃほんとうに生きる、なまなましい、いのちの感動なんてひらくはずがない。
誤解するなら、してみろ!誤解こそ運命の飾りだと思って、己をつらぬいて生きてみればいい。
無条件に己れをぶつけて挑んでいけば、限界なんてないんだよ。
すべての人に分かってもらうことはできないし、すべての人から好かれることもできない。
「誤解するなら、してみろ!」と自分を生きていけば、理解する人もみつかるものだ。
2021年01月14日
亜鉛、風邪の予防と脳の健康
人間に感染する風邪のウイルスは、220種類以上あると推定されています。人の最もかかりやすい感染症が風邪です。風邪を治せなかったとしても、亜鉛の摂取などで感染を予防する方法はあります。British Journal of Clinical Pharmacologyで公開された2016年の研究では、“風邪にかかった患者は、その治療のために亜鉛トローチを推奨される場合がある”と報告されました。亜鉛値は慢性的に低下します、加齢により、亜鉛などの大切なミネラルは低下する場合があります。亜鉛を含む食べ物の摂取量が減ったりアルコールを定期に飲むことで、また亜鉛は、その量が血液内よりも10倍多いとされる脳に健康をもたらすための重要な役割を果たします。
脳の健康において、亜鉛はとても大切な役割を果たします。亜鉛が不足すると、思い出すことが難しくなる場合があります。ただし亜鉛は、考慮すべき重要な要素の一つ(もう一方は銅)とされています。亜鉛と銅の比率を理解することは、大切になる場合があります。両方のミネラルは共に、簡単な血液検査でテストできます。Journal of Alzheimer’s Diseaseで公開された研究によりますと、亜鉛の血中濃度の低下や銅の銅の摂りすぎは、認知症にかかる危険性を高めます。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の研究者であるデール・ブレザン博士によりますと、亜鉛と銅の最適な比率は0.8:1.2です。亜鉛の最適な血中濃度は90〜110mcg/dlです。
亜鉛は、私達の生命維持に欠かせない「必須ミネラル」です。髪の毛の約99%はタンパク質なので、亜鉛の吸収をいかに効率よくするかで動物性タンパク質・ビタミンC・クエン酸が必要いなってきます。サプリメントなどで摂取したとしても、その場合、最大男女30mg程度までにしておいたほうが良いです。これ以上毎日摂取し続けると、嘔吐、腹痛、めまい、発熱、下痢、貧血、ガン細胞発生、抜け毛が増える、肌荒れなどの症状が出ることがあります。
★亜鉛の吸収を助ける食べ物と一緒に摂ると吸収を助けてくれます。
1.動物性タンパク質
カツオ、マグロ、サバなどの魚類や豚ヒレ肉、鶏ささみなどの肉類、ヨーグルトやチーズなどの乳製品に含まれます。
2.ビタミンC
柑橘類、キウイ、イチゴ、アセロラ、トマト、カボチャ、ピーマンなどの野菜に含まれます。
3.クエン酸
キウイ、レモン、イチゴ、ミカン、梨、梅干し、酢などに含まれます。
☆亜鉛の吸収を妨げてしまう食べ物
1.アルコール
アルコールを摂取することで、アルコールを分解するのに大量の亜鉛が消費されやすくなります。
2.インスタント食品や加工食品
食品を加工する段階で、食材の亜鉛が多く失われます。また、これらの食品に含まれる添加物が、亜鉛の吸収を妨げてしまいます。
3.ホウレンソウなどの緑黄色野菜
ホウレンソウなどの緑黄色野菜と一緒に摂ることで、亜鉛の吸収を妨げてしまいます。
4.フィチン酸を含む食べ物
食物繊維、豆類、種実類などに含まれているフィチン酸は、亜鉛の吸収を妨げてしまいます。
脳の健康において、亜鉛はとても大切な役割を果たします。亜鉛が不足すると、思い出すことが難しくなる場合があります。ただし亜鉛は、考慮すべき重要な要素の一つ(もう一方は銅)とされています。亜鉛と銅の比率を理解することは、大切になる場合があります。両方のミネラルは共に、簡単な血液検査でテストできます。Journal of Alzheimer’s Diseaseで公開された研究によりますと、亜鉛の血中濃度の低下や銅の銅の摂りすぎは、認知症にかかる危険性を高めます。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の研究者であるデール・ブレザン博士によりますと、亜鉛と銅の最適な比率は0.8:1.2です。亜鉛の最適な血中濃度は90〜110mcg/dlです。
亜鉛は、私達の生命維持に欠かせない「必須ミネラル」です。髪の毛の約99%はタンパク質なので、亜鉛の吸収をいかに効率よくするかで動物性タンパク質・ビタミンC・クエン酸が必要いなってきます。サプリメントなどで摂取したとしても、その場合、最大男女30mg程度までにしておいたほうが良いです。これ以上毎日摂取し続けると、嘔吐、腹痛、めまい、発熱、下痢、貧血、ガン細胞発生、抜け毛が増える、肌荒れなどの症状が出ることがあります。
★亜鉛の吸収を助ける食べ物と一緒に摂ると吸収を助けてくれます。
1.動物性タンパク質
カツオ、マグロ、サバなどの魚類や豚ヒレ肉、鶏ささみなどの肉類、ヨーグルトやチーズなどの乳製品に含まれます。
2.ビタミンC
柑橘類、キウイ、イチゴ、アセロラ、トマト、カボチャ、ピーマンなどの野菜に含まれます。
3.クエン酸
キウイ、レモン、イチゴ、ミカン、梨、梅干し、酢などに含まれます。
☆亜鉛の吸収を妨げてしまう食べ物
1.アルコール
アルコールを摂取することで、アルコールを分解するのに大量の亜鉛が消費されやすくなります。
2.インスタント食品や加工食品
食品を加工する段階で、食材の亜鉛が多く失われます。また、これらの食品に含まれる添加物が、亜鉛の吸収を妨げてしまいます。
3.ホウレンソウなどの緑黄色野菜
ホウレンソウなどの緑黄色野菜と一緒に摂ることで、亜鉛の吸収を妨げてしまいます。
4.フィチン酸を含む食べ物
食物繊維、豆類、種実類などに含まれているフィチン酸は、亜鉛の吸収を妨げてしまいます。
2021年01月13日
スーパーウーマンの母親業
マーガレット・サッチャーが国会議員に初めて立候補したのは1950年だが、初当選したのは1959年のこと。その後の彼女が英国初の首相になるまでの話はドラマティックであり、並みならぬ思いで家庭にも目配りしようとした。しかし、彼女が目指していた完璧とまではいかないとしても、やはり我々から見たらスーパーウーマンだ。近年のイクメン政治家でもそこまではやらないだろう。
1951年、25歳のマーガレット・ロバーツはオックスフォード大学で化学の学位をとったにもかかわらず、国会議員の地位を見据えていた。離婚歴のある第二次大戦の兵役経験者で実業家のデニス・サッチャーと結婚した。マーガレットは結婚から2年後、妊娠中に法律の学位を取る勉強を始めた。『The Telegraph』紙の取材によると、将来は法律家として働くことを目指して休むことなく勉強し、双子のマークとキャロルを出産後、病院から司法試験の願書を送った逸話がある。
下院議員に当選してから1年後、彼女は初めての大演説を行い、その翌日には初のTVインタビューを受けた。そのインタビューは自宅で行われ、マーガレット:サッチャーは6歳になった双子と一緒に並んで座ったのだった。双子たちにとっても世間に注目されるデビューとなった日でもあった。
政治的にもっと目立つ役割を目指すかと質問されると、「最初は後ろの方の席に座っていようと思います」とマーガレットは答えている。「もちろん、この子たちがもう少し大きくなるまでは政治的に今より大きな責任のある立場につくことはできません。子育ての責任だけでかなり手一杯です」。実際、彼女がエドワード・ヒース首相政権下で教育大臣になったのは10年後のことで、首相に選ばれたのは、そのさらに10年後だった。
国会議員としてマーガレットと一緒に働いたマイケル・スパイサー卿によると、1995年に彼女は「もう一度やり直せたら政界には入らない。家族に影響を与えるから」と言ったという。実際には、彼女は人前ではこの問題についてもっと割り切った態度をとっていたようで、『The Telegraph』紙によると、「すべてを手に入れることはできません。自分の国の首相であるのはもっとも恵まれたことです。ええ、子どもたちともっと会えればいいのにと思います。日曜のランチを一緒に食べる時間はありません。スキー旅行にももう行けません。しかし、後悔はできません。それに私は子どもを失ったわけではないのです。子どもたちには子どもたちの人生がある。私は異なる人生を選んだのです」と『Saga』誌に語っている。
マーガレットが国会議員になってから比較的すぐに双子は学校に入った(マークは8歳で寄宿制学校に、キャロルはその1年後にプレップスクールに)。それでも、キャロルは回想録で、マーガレットは家庭のことに関わり、ピクニック用のランチを作る話をシェアしたり、自分で子ども部屋の壁紙を張り替えたり、娘に運転を教えたりしたと書いている。
娘のキャロルから聞いたことで、彼女は著名人である母親とは複雑な関係だったと主張している。「私が子どもの頃の母の記憶は全てスーパーウーマンだった母の姿で、そういう言葉が発明される前から母はスーパーウーマンでした。常に全力を尽くしていて決してリラックスすることがなく、国会の対応や演説作りに戻るために家事を猛烈なスピードでこなしていました」とキャロルはBBCのインタビューで語っている。
『黄昏のロンドンから』と題した本が日本でも話題になったほどのイギリスの斜陽をサッチャー政権の一時期、経済を立て直す手腕は、驚くべきものであったが、どれほど私生活、特に子育てを犠牲にしたかは、男性政治家の比ではないことは明白だ。なぜなら、女性政治家には妻がいないからだ。
1951年、25歳のマーガレット・ロバーツはオックスフォード大学で化学の学位をとったにもかかわらず、国会議員の地位を見据えていた。離婚歴のある第二次大戦の兵役経験者で実業家のデニス・サッチャーと結婚した。マーガレットは結婚から2年後、妊娠中に法律の学位を取る勉強を始めた。『The Telegraph』紙の取材によると、将来は法律家として働くことを目指して休むことなく勉強し、双子のマークとキャロルを出産後、病院から司法試験の願書を送った逸話がある。
下院議員に当選してから1年後、彼女は初めての大演説を行い、その翌日には初のTVインタビューを受けた。そのインタビューは自宅で行われ、マーガレット:サッチャーは6歳になった双子と一緒に並んで座ったのだった。双子たちにとっても世間に注目されるデビューとなった日でもあった。
政治的にもっと目立つ役割を目指すかと質問されると、「最初は後ろの方の席に座っていようと思います」とマーガレットは答えている。「もちろん、この子たちがもう少し大きくなるまでは政治的に今より大きな責任のある立場につくことはできません。子育ての責任だけでかなり手一杯です」。実際、彼女がエドワード・ヒース首相政権下で教育大臣になったのは10年後のことで、首相に選ばれたのは、そのさらに10年後だった。
国会議員としてマーガレットと一緒に働いたマイケル・スパイサー卿によると、1995年に彼女は「もう一度やり直せたら政界には入らない。家族に影響を与えるから」と言ったという。実際には、彼女は人前ではこの問題についてもっと割り切った態度をとっていたようで、『The Telegraph』紙によると、「すべてを手に入れることはできません。自分の国の首相であるのはもっとも恵まれたことです。ええ、子どもたちともっと会えればいいのにと思います。日曜のランチを一緒に食べる時間はありません。スキー旅行にももう行けません。しかし、後悔はできません。それに私は子どもを失ったわけではないのです。子どもたちには子どもたちの人生がある。私は異なる人生を選んだのです」と『Saga』誌に語っている。
マーガレットが国会議員になってから比較的すぐに双子は学校に入った(マークは8歳で寄宿制学校に、キャロルはその1年後にプレップスクールに)。それでも、キャロルは回想録で、マーガレットは家庭のことに関わり、ピクニック用のランチを作る話をシェアしたり、自分で子ども部屋の壁紙を張り替えたり、娘に運転を教えたりしたと書いている。
娘のキャロルから聞いたことで、彼女は著名人である母親とは複雑な関係だったと主張している。「私が子どもの頃の母の記憶は全てスーパーウーマンだった母の姿で、そういう言葉が発明される前から母はスーパーウーマンでした。常に全力を尽くしていて決してリラックスすることがなく、国会の対応や演説作りに戻るために家事を猛烈なスピードでこなしていました」とキャロルはBBCのインタビューで語っている。
『黄昏のロンドンから』と題した本が日本でも話題になったほどのイギリスの斜陽をサッチャー政権の一時期、経済を立て直す手腕は、驚くべきものであったが、どれほど私生活、特に子育てを犠牲にしたかは、男性政治家の比ではないことは明白だ。なぜなら、女性政治家には妻がいないからだ。
2021年01月12日
30分以上座りっぱなし、日本人は要注意
昨年の緊急事態宣言解除後、在宅ワークによる運動不足を解消しようと思って、学校が長期休校なので子供も連れてと出かけると、公園は使用禁止 <`〜´>。季節は梅雨、そして猛暑へと変わって、外で運動するのには適さないシーズンが続いていた。涼しくなったら、と思っているうちに運動不足が慢性化してしまった人も多いはず。以前から、2012年に豪シドニー大学などが 現代人は1日の約60%を座って過ごすとされ、1日11時間以上座る人は4時間未満の人と比べ、死亡リスクが40%アップするとのデータを発表した。しかも、日本人が座っている時間は世界トップクラスだと知ったものの、コロナで家に籠る生活になった。早稲田大学スポーツ科学学術院の岡浩一朗教授は、「通勤もなく、家という決まったスペースの中でしか移動がないので、意識しなければ座位時間は長くなり、歩数や運動量も以前に比べると確実に減っている」と言う。
明治安田厚生事業団体力医学研究所の調査(平成30年)によると、1日9時間以上座っている成人は、7時間未満と比べて糖尿病をわずらう可能性が2・5倍高くなるとの結果が出た。さらに、同研究所の甲斐裕子主任研究員(人間環境学)は「座りすぎのライフスタイルは筋肉の代謝や血流の悪化を招く」と指摘する。甲斐主任研究員は「人間の体で一番大きい『大腿四頭筋(太ももの前側部分)などの下半身の筋肉は、座っている状態だとほとんど稼働せず、筋肉への刺激が少ない」と説明、「この状態が続くとブドウ糖の吸収を促すインスリンの効きが悪くなる『インスリン抵抗性』が起こり、血糖値が上昇するため、糖尿病となるリスクがある」と話す。また、「一日のうち座っている時間が4時間未満の人と11時間以上座っている人を比べると、死亡リスクは40%も高まります。座位による身体への影響は大きく、血流や代謝機能が低下し、心筋梗塞、脳血管疾患、肥満、糖尿病、がん、認知症などの疾患のリスクも考えられます。メンタルヘルスにも影響するといい、1日12時間以上座っている人は、6時間未満の人と比べて、抑鬱や心理的ストレスなどを抱える人が3倍近く多い」という。
近年の日本人は座りがちな生活をしていた上にコロナ禍で、以前よりも座位によって健康へのリスクが高まっている。大人が動かないことで、子どもも家にいることが増えて、成長期に股関節の動きに影響が出ると併存症がみられる。人は30分以上座っていると代謝が落ちてくるため、定期的に筋肉に刺激を与えることが重要だと意識する事だ。在宅ワークが増えている方は、せめてもそれなりに75分間くらいは動くことを目指す。例えば、立った状態でも仕事ができる高さを変えられる昇降式デスクの導入などで座っている時間を短くすることが効果的。それでは立ったままがいいのかと思われる方がいるかもしれないが、同じ姿勢を長時間続けないことが、まずは大切。生活の中でクセにできる動きを少しずつ足していくことが重要。こういったリスクを回避するためには、ウォーキングやジョギング、テニスなど、ある程度の負荷がかかる運動を毎日60〜75分行うのがいいという研究結果が出ている。ただ、イヌの散歩するとか、高いスポーツジムの会員になっているというのでもないと続けられないので、一日のトータルで30分程度は少し強度を上げて階段の上がり下りなどの時間を作るよう心がけてはどうだろうか。
例えば、スマートスピーカーに呼び掛けてもらい、30分おきにアラームを設定する、まずは、30分に一度は立って簡単なストレッチをひとつする、ウエットモップで拭き掃除、次の30分でトイレ、洗面所、風呂場の掃除、他には、テレビのリモコンも手元に置かず、チャンネルを替えるたびに立ち上がる癖をつける。ともかく立つクセ、動くクセ、骨盤・股関節周りを動かす事を生活の中に加えていくといいでしょう。また、活動量計など腕時計のように身に着けて始終使えるものもあり、自分がどれだけ動いたか、睡眠時間をとったかを見える化できるのでおすすめ。
この緊急事態宣言で、思考、体を動かさないのは、大損することになるので、一定時間ごとに仕事を中断し、椅子から立ち上がり、数分でも歩いたり体を動かしたりすることも有効とのこと。とにかく、こまめに立つことです。
明治安田厚生事業団体力医学研究所の調査(平成30年)によると、1日9時間以上座っている成人は、7時間未満と比べて糖尿病をわずらう可能性が2・5倍高くなるとの結果が出た。さらに、同研究所の甲斐裕子主任研究員(人間環境学)は「座りすぎのライフスタイルは筋肉の代謝や血流の悪化を招く」と指摘する。甲斐主任研究員は「人間の体で一番大きい『大腿四頭筋(太ももの前側部分)などの下半身の筋肉は、座っている状態だとほとんど稼働せず、筋肉への刺激が少ない」と説明、「この状態が続くとブドウ糖の吸収を促すインスリンの効きが悪くなる『インスリン抵抗性』が起こり、血糖値が上昇するため、糖尿病となるリスクがある」と話す。また、「一日のうち座っている時間が4時間未満の人と11時間以上座っている人を比べると、死亡リスクは40%も高まります。座位による身体への影響は大きく、血流や代謝機能が低下し、心筋梗塞、脳血管疾患、肥満、糖尿病、がん、認知症などの疾患のリスクも考えられます。メンタルヘルスにも影響するといい、1日12時間以上座っている人は、6時間未満の人と比べて、抑鬱や心理的ストレスなどを抱える人が3倍近く多い」という。
近年の日本人は座りがちな生活をしていた上にコロナ禍で、以前よりも座位によって健康へのリスクが高まっている。大人が動かないことで、子どもも家にいることが増えて、成長期に股関節の動きに影響が出ると併存症がみられる。人は30分以上座っていると代謝が落ちてくるため、定期的に筋肉に刺激を与えることが重要だと意識する事だ。在宅ワークが増えている方は、せめてもそれなりに75分間くらいは動くことを目指す。例えば、立った状態でも仕事ができる高さを変えられる昇降式デスクの導入などで座っている時間を短くすることが効果的。それでは立ったままがいいのかと思われる方がいるかもしれないが、同じ姿勢を長時間続けないことが、まずは大切。生活の中でクセにできる動きを少しずつ足していくことが重要。こういったリスクを回避するためには、ウォーキングやジョギング、テニスなど、ある程度の負荷がかかる運動を毎日60〜75分行うのがいいという研究結果が出ている。ただ、イヌの散歩するとか、高いスポーツジムの会員になっているというのでもないと続けられないので、一日のトータルで30分程度は少し強度を上げて階段の上がり下りなどの時間を作るよう心がけてはどうだろうか。
例えば、スマートスピーカーに呼び掛けてもらい、30分おきにアラームを設定する、まずは、30分に一度は立って簡単なストレッチをひとつする、ウエットモップで拭き掃除、次の30分でトイレ、洗面所、風呂場の掃除、他には、テレビのリモコンも手元に置かず、チャンネルを替えるたびに立ち上がる癖をつける。ともかく立つクセ、動くクセ、骨盤・股関節周りを動かす事を生活の中に加えていくといいでしょう。また、活動量計など腕時計のように身に着けて始終使えるものもあり、自分がどれだけ動いたか、睡眠時間をとったかを見える化できるのでおすすめ。
この緊急事態宣言で、思考、体を動かさないのは、大損することになるので、一定時間ごとに仕事を中断し、椅子から立ち上がり、数分でも歩いたり体を動かしたりすることも有効とのこと。とにかく、こまめに立つことです。
2021年01月11日
成人式@我孫子市
124万人の新成人が誕生した。ところが、全国を見回すと成人式が急遽中止としたところや、延期が多かった。
東葛近隣市で柏市、松戸市、流山市、印西市、白井市、鎌ヶ谷市、野田市では、今年の成人式の集合開催は中止、映像などでライブ中継を行うオンライン配信をしたところ、まったく中止としたところ、浦安市は3月に延期等であった。なお、お隣りの取手市は11日に開催。
つまり、蓋をあけてみたら、我孫子市は近隣では唯一の開催となった。会場周辺の賑わいは静かに抑えて、晴れ着の成人、着物のお嬢さんを送迎したのであろうご家族の姿がちらほら見えた。
![InkedInkedseijinn 2021_LI.jpg](https://kaizublog.up.seesaa.net/image/InkedInkedseijinn202021_LI.jpg)
イトーヨーカ堂南口店からの光景(1月10日)
ご両親様、ご本人様、新成人 本当におめでとうございます。
我孫子市は、年末に同会場のホールで市制50周年の記念式典を参加人数を絞り開催しており、成人式開催へのリハーサルにもなっていた。担当課は、10日の午前、午後と時間帯を4つに分けて工夫した。今年の成人概算数から、例年よりも多くの参加になるだろうと予測し、議員らの来賓参列は自粛や保護者も送迎だけとした。消毒、体温測定もマメに配置して人々の安全対策、施設周辺の警備も配置し、新成人の安全を守りつつ、開催の手順を決めてきた。
記念撮影の場で立ち止まり、集まらないようにと注意を促すものの、その代わり、次のような配慮をした。
静かなスペースが広い市内2か所の庭園に祝成人のパネルを用意して撮影場所にしている。
緑:杉村楚人冠記念館 成人式の案内状や身分証などを窓口提示で、9日から31日(日曜)までの間、入館無料。
布佐:井上家住宅
◎『あびこ広報』2月1日号では成人式の写真を1面に掲載
今年は新型コロナウイルス感染症感染拡大防止のため、皆さんが各自で撮影した写真とメッセージを募集。
例年は成人を迎えた記念に、会場で撮影した皆さんの写真を任意に撮影して、新成人としての誓いや我孫子への思い、将来の夢、家族や友達への感謝の気持ちなどを広報紙に紹介した。しかし、今年は夫々が撮影した写真などを紹介することに!!
募集する写真の〆切は、令和3年1月13日(水曜日)までに
写真に添えて、新成人の氏名・出身中学校を明記、
コメント(20字程度⇒新成人としての誓いや我孫子への思い、将来の夢、家族や友達への感謝の気持ちなど)を添える。
宛先:我孫子市秘書広報課広報室へメールで:
photo@city.abiko.chiba.jp
東葛近隣市で柏市、松戸市、流山市、印西市、白井市、鎌ヶ谷市、野田市では、今年の成人式の集合開催は中止、映像などでライブ中継を行うオンライン配信をしたところ、まったく中止としたところ、浦安市は3月に延期等であった。なお、お隣りの取手市は11日に開催。
つまり、蓋をあけてみたら、我孫子市は近隣では唯一の開催となった。会場周辺の賑わいは静かに抑えて、晴れ着の成人、着物のお嬢さんを送迎したのであろうご家族の姿がちらほら見えた。
![InkedInkedseijinn 2021_LI.jpg](https://kaizublog.up.seesaa.net/image/InkedInkedseijinn202021_LI.jpg)
イトーヨーカ堂南口店からの光景(1月10日)
ご両親様、ご本人様、新成人 本当におめでとうございます。
我孫子市は、年末に同会場のホールで市制50周年の記念式典を参加人数を絞り開催しており、成人式開催へのリハーサルにもなっていた。担当課は、10日の午前、午後と時間帯を4つに分けて工夫した。今年の成人概算数から、例年よりも多くの参加になるだろうと予測し、議員らの来賓参列は自粛や保護者も送迎だけとした。消毒、体温測定もマメに配置して人々の安全対策、施設周辺の警備も配置し、新成人の安全を守りつつ、開催の手順を決めてきた。
記念撮影の場で立ち止まり、集まらないようにと注意を促すものの、その代わり、次のような配慮をした。
静かなスペースが広い市内2か所の庭園に祝成人のパネルを用意して撮影場所にしている。
緑:杉村楚人冠記念館 成人式の案内状や身分証などを窓口提示で、9日から31日(日曜)までの間、入館無料。
布佐:井上家住宅
◎『あびこ広報』2月1日号では成人式の写真を1面に掲載
今年は新型コロナウイルス感染症感染拡大防止のため、皆さんが各自で撮影した写真とメッセージを募集。
例年は成人を迎えた記念に、会場で撮影した皆さんの写真を任意に撮影して、新成人としての誓いや我孫子への思い、将来の夢、家族や友達への感謝の気持ちなどを広報紙に紹介した。しかし、今年は夫々が撮影した写真などを紹介することに!!
募集する写真の〆切は、令和3年1月13日(水曜日)までに
写真に添えて、新成人の氏名・出身中学校を明記、
コメント(20字程度⇒新成人としての誓いや我孫子への思い、将来の夢、家族や友達への感謝の気持ちなど)を添える。
宛先:我孫子市秘書広報課広報室へメールで:
photo@city.abiko.chiba.jp
2021年01月10日
新年、新成人に
◆やりたいことが見つかってからやるのではなく、見つけるためにまずは何かやってみる。自分で試して体験してみないと、それが自分に合っているか合っていないか、やりたいかやりたくないかもわからない。だからとにかく新しいことを試してみなさい。そうすると本当に自分がやりたいことが見つかる。 (物理学者 小柴昌俊)
◆行動は恐怖を消してくれる。
行動に移ろう。待っていてはいけない。
100%準備ができているなんてことなんてないのだから。 (作家 ドミニク・グロシュー)
◆進み続けなさい。
あなたが 期待していたことが、偶然につかめるでしょう。
座ったままで、偶然にチャンスを見つけたという話は これまで私は聞いたことがない。 (発明家 チャールズ・F・ケタリング)
◆神様から「お前もなんかせい」と言われて人は生まれてきてるんやと思う。だから、自分を信じるべきやと僕は思ってます。
焦らんでいいんです。種もまいて、花が咲くのを待つ。でも、大事なことは 上を目指そうという気持ちを常に持ち続けること。
いつも向上しようとしている人は、誰から見ても素敵なものなんです。 (テレビタレント 笑福亭鶴瓶)
◆行動は恐怖を消してくれる。
行動に移ろう。待っていてはいけない。
100%準備ができているなんてことなんてないのだから。 (作家 ドミニク・グロシュー)
◆進み続けなさい。
あなたが 期待していたことが、偶然につかめるでしょう。
座ったままで、偶然にチャンスを見つけたという話は これまで私は聞いたことがない。 (発明家 チャールズ・F・ケタリング)
◆神様から「お前もなんかせい」と言われて人は生まれてきてるんやと思う。だから、自分を信じるべきやと僕は思ってます。
焦らんでいいんです。種もまいて、花が咲くのを待つ。でも、大事なことは 上を目指そうという気持ちを常に持ち続けること。
いつも向上しようとしている人は、誰から見ても素敵なものなんです。 (テレビタレント 笑福亭鶴瓶)
「マチネの終わりに」
夫が買いもに出かけたので、TVを占有して映画を見た。レンタル屋さんに行かなくても、映画館に行かなくても映画が見られる時代、密も換気も関係ない。ネット配信できる便利な時代。テレビも昔昔に比べると大きな画面になったので、映画鑑賞に堪えられる。
ということで「マチネの終わりに」をアマゾン・ライム会員の特権で看放題。
ストーリーのエンディングをどう締めくくるのか推理すながら、俳優さんたちがどのように役回りをこなして、表情をつくるか。
それに、映画は舞台となっている景色を楽しめる。舞台は、パリ、東京、ニューヨーク、マドリード。
さらに、この映画に関しては、優美なギターの音色が響いている。
エンディングのマンハッタンのセントラルパークでの場面がどのように終わるか見てみたかった。
2021年01月09日
銅像による民族意識、設置と撤去
米国では2020年に、植民地主義や奴隷制度容認の象徴だとして、探検家クリストファー・コロンブスや南北戦争時の南軍司令官像などが撤去された。米東部マサチューセッツ州ボストン市は年末29日、市内の広場にあるリンカーン大統領と元奴隷の黒人男性をあしらった像を撤去した。首都ワシントンにある像の複製で、黒人男性がリンカーンの前に半裸でひざまずいている構図で、黒人差別反対運動を受け、撤去を求める声が強まった。銅像の作者がボストン出身のため、1879年に同市内に設置された。市は公聴会を2回開いた上で年内の撤去を決めていた。
他方、2011年に韓国の日本大使館前に設置のを皮切りに、大韓民国内に多数設置されている従軍慰安婦像は、米国では韓国系コミュニティが民族的なアイデンティティを結集するシンボルとして、カリフォルニア州 グレンデール市とサンフランシスコ市およびフラートン市、ミシガン州 デトロイト市、ジョージア州 ブルックヘブン市、ニューヨーク州 ニューヨーク市マンハッタン、ワシントンD.C.(未設置)→バージニア州アナンデール、コネチカット州ニューヘイブン。
オーストラリアでは、シドニー大都市圏ストラスフィールド(中止)、シドニー大都市圏インナー・ウエスト・カウンシル。
カナダでは、バーナビー市(保留)、トロント市。
ドイツでは、フライブルク市(撤回)、ヴィーゼント市、フランクフルト・アム・マイン、ベルリン市ミッテ区、
フィリピンでは、マニラ市(撤去)、サンペドロ市(撤去)、 パナイ島カティクラン。
という状況がある。
他方、2011年に韓国の日本大使館前に設置のを皮切りに、大韓民国内に多数設置されている従軍慰安婦像は、米国では韓国系コミュニティが民族的なアイデンティティを結集するシンボルとして、カリフォルニア州 グレンデール市とサンフランシスコ市およびフラートン市、ミシガン州 デトロイト市、ジョージア州 ブルックヘブン市、ニューヨーク州 ニューヨーク市マンハッタン、ワシントンD.C.(未設置)→バージニア州アナンデール、コネチカット州ニューヘイブン。
オーストラリアでは、シドニー大都市圏ストラスフィールド(中止)、シドニー大都市圏インナー・ウエスト・カウンシル。
カナダでは、バーナビー市(保留)、トロント市。
ドイツでは、フライブルク市(撤回)、ヴィーゼント市、フランクフルト・アム・マイン、ベルリン市ミッテ区、
フィリピンでは、マニラ市(撤去)、サンペドロ市(撤去)、 パナイ島カティクラン。
という状況がある。
2021年01月08日
慰安婦判決で、日本政府がICJに提訴か
韓国のソウル中央地裁が元慰安婦らの訴えを認め日本側に損害賠償の支払いを命じた8日、野党各党も同日、国会内で記者団の取材に対し、判決への批判と懸念を相次ぎ表明した。
立憲民主党の泉健太政調会長は「全く受け入れられない」と強調。平成27年の日韓合意により慰安婦問題は「最終的かつ不可逆的な解決」と確認した事をあげ、「日韓両政府が努力をしてたどり着いた合意の原則を崩し、日韓関係の悪化につながる判断(判決)は承服しかねる」と語った。
日本維新の会の浅田均政調会長は「(昭和40年の)日韓請求権協定で決着済み。(元慰安婦らが)訴えるべき相手は韓国政府だ」と一蹴した。国民民主党の舟山康江政調会長も「受け入れられない。過去の合意に反し、良好な二国間関係をつくる上でも非常にマイナス」と批判した。
一方、共産党の田村智子政策委員長は「国際法上、個人の賠償(請求)権まで規制されない」と判決に一定の理解を示した。「戦争被害者の救済が本当になされたのかどうかに最大の主眼を置いた日本政府の対応や、韓国政府との話し合いを求めたい」と語った。
同日、日本政府は、このことを受け、国際司法裁判所(ICJ)への提訴を検討していると政府関係者が明らかにした。韓国の裁判権に服するのを避けるため控訴はしない一方、国際司法の場で韓国の不当性を明らかにする考えだ。
今回と同種の裁判では、イタリア最高裁が第二次大戦中にドイツで強制労働させられたイタリア人の訴えを認め、ドイツ政府に賠償を命じた例がある。その後、ドイツ政府は他国の裁判権に国家は服さないという「主権免除」に関する国際法違反としてICJに提訴し、2012年に勝訴した。
日本政府内にはICJへの提訴について「相手の土俵に乗ることにつながりかねない」との懸念もある。政府は判決内容の精査や韓国政府の対応を見極めつつ、ICJへの提訴を検討する方針だ。
ICJは領土問題など国家間の紛争を国際法に基づいて解決するための国連機関。裁判の実施は紛争当事国間の合意を原則とするため、日本が訴えても韓国側が拒否する可能性もある。
出典:産経新聞(1/8)
立憲民主党の泉健太政調会長は「全く受け入れられない」と強調。平成27年の日韓合意により慰安婦問題は「最終的かつ不可逆的な解決」と確認した事をあげ、「日韓両政府が努力をしてたどり着いた合意の原則を崩し、日韓関係の悪化につながる判断(判決)は承服しかねる」と語った。
日本維新の会の浅田均政調会長は「(昭和40年の)日韓請求権協定で決着済み。(元慰安婦らが)訴えるべき相手は韓国政府だ」と一蹴した。国民民主党の舟山康江政調会長も「受け入れられない。過去の合意に反し、良好な二国間関係をつくる上でも非常にマイナス」と批判した。
一方、共産党の田村智子政策委員長は「国際法上、個人の賠償(請求)権まで規制されない」と判決に一定の理解を示した。「戦争被害者の救済が本当になされたのかどうかに最大の主眼を置いた日本政府の対応や、韓国政府との話し合いを求めたい」と語った。
同日、日本政府は、このことを受け、国際司法裁判所(ICJ)への提訴を検討していると政府関係者が明らかにした。韓国の裁判権に服するのを避けるため控訴はしない一方、国際司法の場で韓国の不当性を明らかにする考えだ。
今回と同種の裁判では、イタリア最高裁が第二次大戦中にドイツで強制労働させられたイタリア人の訴えを認め、ドイツ政府に賠償を命じた例がある。その後、ドイツ政府は他国の裁判権に国家は服さないという「主権免除」に関する国際法違反としてICJに提訴し、2012年に勝訴した。
日本政府内にはICJへの提訴について「相手の土俵に乗ることにつながりかねない」との懸念もある。政府は判決内容の精査や韓国政府の対応を見極めつつ、ICJへの提訴を検討する方針だ。
ICJは領土問題など国家間の紛争を国際法に基づいて解決するための国連機関。裁判の実施は紛争当事国間の合意を原則とするため、日本が訴えても韓国側が拒否する可能性もある。
出典:産経新聞(1/8)
2021年01月07日
手の平にバリア機能
花王(株)の研究により、手の汗の成分にウイルスや菌から体を守るバリア機能が見つけたとの報道がされました。
感染症に「かかりやすい人」と「かかりにくい人」の手に大腸菌を付着させ、3分後に比較したところ、かかりにくい人の手に付いた大腸菌はほとんど消えていました。手の汗に含まれる乳酸が菌を不活化させたということです。このバリア機能は個人差が大きく、簡単に測定できる機械を開発中です。さらに、乳酸を含んだクリームなど手洗いや消毒をした清潔な手に塗ることで、日常生活でのバリア機能を強化する商品につなげたい考えです。
手近なところでも、下記がヤクルト販売所を通して手に入ります。
ポッシュママ薬用ハンドクリーム 550円
保湿成分:乳酸菌はっ酵エキス(ミルク)、高分子ヒアルロン酸、オキナワモズクエキス
弱酸性、無香料、無着色
感染症に「かかりやすい人」と「かかりにくい人」の手に大腸菌を付着させ、3分後に比較したところ、かかりにくい人の手に付いた大腸菌はほとんど消えていました。手の汗に含まれる乳酸が菌を不活化させたということです。このバリア機能は個人差が大きく、簡単に測定できる機械を開発中です。さらに、乳酸を含んだクリームなど手洗いや消毒をした清潔な手に塗ることで、日常生活でのバリア機能を強化する商品につなげたい考えです。
手近なところでも、下記がヤクルト販売所を通して手に入ります。
ポッシュママ薬用ハンドクリーム 550円
保湿成分:乳酸菌はっ酵エキス(ミルク)、高分子ヒアルロン酸、オキナワモズクエキス
弱酸性、無香料、無着色
2021年01月06日
女性の自殺者急増
日本の自殺率は長年、先進7カ国(G7)で最も高くなっている。警察庁のデータによれば、昨年10月と11月の自殺者は、それぞれ約2200人、1800人。1月〜11月の自殺者は、1万9000人以上だ。10月の自殺者は、前年同月比で男性が約22%増。一方、女性は約83%増となった。新型コロナウイルスが日本においては、これまで以上に多くの人を自殺という選択に追い込んでいるようだ。これは、新型コロナウイルスによって日本経済が予期せず受けた影響で、失業者が増加、その7割近くが女性だ。これは、小売業やその他のサービス業で働く労働者に占める女性の割合が高く、「非正規雇用」の女性の比率が高いことを反映したものでもある。こうした働き方での仕事は、基本的にはパートタイムで、給料も手当も少なく、雇用の保障もほとんどない。現在の日本が抱える最も深刻な“持病”のひとつだ。
そして、日本政府が8年前、男女平等の実現を真剣に受け止めていると主張して以来、ほとんど何も達成できていないことを示すものでもある。安倍晋三首相(当時)は2012年の就任時、「女性が輝ける」場所に変える“ウーマノミクス”改革を約束した。2020年までに指導的地位に就く人に占める女性の割合を30%以上にするとの目標を打ち出し、企業経営者らに対し、より多くの女性を幹部に登用し、取締役会に加わる女性を増やすよう呼びかけた。残念ながら、新たに就任した菅義偉首相は、女性たちが受ける経済的逆風について、ほとんど何も語っていない。そして、彼が組織した内閣は、安倍前首相にみられたトークニズム(形だけの平等主義)を踏襲している。新たに閣僚に選んだ女性は、わずか2人。どちらも最重要ポストには就いていない。
世界経済フォーラム(WEF)は安倍前首相の在任中、(各国の男女平等の程度を指数化した)「ジェンダー・ギャップ指数」のランキングで、日本の評価を(2015年の)101位から20ランク下げ、(2019年には)121位とした。G7の1国である日本は、ベナン、アラブ首長国連邦に次ぐ順位となった。中国の台頭でアジアでも第2の経済国となって、金融の中心地としての地位の回復を目指す望むはずが、経済的に追い詰められて自殺者が増えているようでは、経済の回復などはとてもいえない。
政府は女性の就労率を約70%にまで引き上げたが、女性たちの大多数が、「非正規」フルタイム以外の形で働いている女性の割合、約66%の鏡像だ。社会学者たちは日本女性、特にシングルマザーたちの貧困率を憂慮していた。非正規雇用の従業員は、パンデミックが起きるなど経済的に困難な状況に陥れば、簡単に人員削減の対象にされる。
一方、エコノミストたちは、WEFのもうひとつの調査結果を重視している。それは、日本が女性たちに平等な競争の場を与えれば、それだけでも国内総生産(GDP)が約5000億ドル(約52兆円)増えるというものだ。さらに、米金融大手ゴールドマン・サックスの推計によれば、それはGDPを約15%押し上げる可能性がある。
ガラパゴスと揶揄される日本は、デフレだけでなく治癒が困難な家父長制と日本の既往症が染みつている。結局、閣僚になるような女性政治家も、家父長制を維持する旧来の性向であるのだから、デフレという日本の既往症の以前に根強い男女格差があある。今後、そうしたいかに予測不可能かつ危険な形で、新型コロナウイルスがもたらした混乱と融合しつつあるかについて、菅新首相が、女性の自殺者の急増に目を向けてくれることを願いたい、いかに予測不可能かつ危険な形で、新型コロナウイルスがもたらした混乱と融合しつつあるかについても新政権は考えて頂きたい。
出典:Forbs(https://forbesjapan.com/articles/detail/38829 政治経済 2020/12/17 掲載)
そして、日本政府が8年前、男女平等の実現を真剣に受け止めていると主張して以来、ほとんど何も達成できていないことを示すものでもある。安倍晋三首相(当時)は2012年の就任時、「女性が輝ける」場所に変える“ウーマノミクス”改革を約束した。2020年までに指導的地位に就く人に占める女性の割合を30%以上にするとの目標を打ち出し、企業経営者らに対し、より多くの女性を幹部に登用し、取締役会に加わる女性を増やすよう呼びかけた。残念ながら、新たに就任した菅義偉首相は、女性たちが受ける経済的逆風について、ほとんど何も語っていない。そして、彼が組織した内閣は、安倍前首相にみられたトークニズム(形だけの平等主義)を踏襲している。新たに閣僚に選んだ女性は、わずか2人。どちらも最重要ポストには就いていない。
世界経済フォーラム(WEF)は安倍前首相の在任中、(各国の男女平等の程度を指数化した)「ジェンダー・ギャップ指数」のランキングで、日本の評価を(2015年の)101位から20ランク下げ、(2019年には)121位とした。G7の1国である日本は、ベナン、アラブ首長国連邦に次ぐ順位となった。中国の台頭でアジアでも第2の経済国となって、金融の中心地としての地位の回復を目指す望むはずが、経済的に追い詰められて自殺者が増えているようでは、経済の回復などはとてもいえない。
政府は女性の就労率を約70%にまで引き上げたが、女性たちの大多数が、「非正規」フルタイム以外の形で働いている女性の割合、約66%の鏡像だ。社会学者たちは日本女性、特にシングルマザーたちの貧困率を憂慮していた。非正規雇用の従業員は、パンデミックが起きるなど経済的に困難な状況に陥れば、簡単に人員削減の対象にされる。
一方、エコノミストたちは、WEFのもうひとつの調査結果を重視している。それは、日本が女性たちに平等な競争の場を与えれば、それだけでも国内総生産(GDP)が約5000億ドル(約52兆円)増えるというものだ。さらに、米金融大手ゴールドマン・サックスの推計によれば、それはGDPを約15%押し上げる可能性がある。
ガラパゴスと揶揄される日本は、デフレだけでなく治癒が困難な家父長制と日本の既往症が染みつている。結局、閣僚になるような女性政治家も、家父長制を維持する旧来の性向であるのだから、デフレという日本の既往症の以前に根強い男女格差があある。今後、そうしたいかに予測不可能かつ危険な形で、新型コロナウイルスがもたらした混乱と融合しつつあるかについて、菅新首相が、女性の自殺者の急増に目を向けてくれることを願いたい、いかに予測不可能かつ危険な形で、新型コロナウイルスがもたらした混乱と融合しつつあるかについても新政権は考えて頂きたい。
出典:Forbs(https://forbesjapan.com/articles/detail/38829 政治経済 2020/12/17 掲載)
効果のあるなし
自分を変える絶好のタイミングがやってきた
本田直之
世界は一変させられてしまった、新型コロナウィルスの影響は、そのくらい大きなものでした。
それこそ日本の終戦後まもなく、まだ焼け野原があちこちに残っているような時期に匹敵する。
コロナが変えたのは、感染対策を意識した生活様式だったり、リモートワーク導入をはじめとした働き方の変化だったり、伸びた業界と苦況に陥った業界の明暗だったり、といったものが象徴的ですが、実はそれにとどまりません。
コロナは、人の意識を大きく変えたのです。その最たるものは、これぞチャンスと新しいことに踏み出していった人。
そして、元の世界に戻ってくれるのを、じっと待ち続けている人。
強制的にいろいろなものがリセットされていく中、多くの気づきを得た人も多かった。
はっきり理解しておかなければならないことは、もう元の世界には戻れない、ということです。
待ち続けても、戻らない。戻ったとしても、そこには元の社会はありません。
すでに、パラダイムはシフトしたのです。
それこそ、仮に今回のコロナが落ち着いたとしても、また同じことが起こるかもしれない。
第2のコロナ、第3のコロナがやってこない保証はどこにもありません。
やらなければいけないのは、アフターコロナへの対応です。
既存の仕組みを立て直そうとしている場合ではありません。
完全にシフトしないといけないのです。では、新しい時代に向けて、どうすればいいのか。
アフターコロナは、どんなキーワードが重要になるのか。
1つ確実に言えることは、まだ正解がない、ということです。
こうすれば確実、というものがない。
こういうときには何をしなければいけないのかというと、どんどん動いていくことです。
何かアクションを起こす。手数を増やしてみる。
最も危険なのは、じっとしていること。待っていることです。
じっとしていても、何も起きないから。
何も得られないし、何も成長できないから。
人生は実験だと思って、簡単にいくはずがないのです。
『パーソナル・トランスフォーメーション』KADOKAWA
本書の中で「実験」についてこう書いてある。
『いろいろなものに踏み出してみる。
実験してみる。失敗もあるかもしれませんが、そこから得られるものがあります。
だから、前に進める。成長できるし、進化できる。
そうやって、世界を旅しながら仕事をするノマドライフや、ハワイと東京でのデュアルライフなど、誰もやってこないようなライフスタイルを約15年前から実践しています。これからまさに求められてくるのは、こうした新しい実験だと思っています。
どんどん実験を繰り出す。何かやってみる。
そこから何かを得て、次のステップに進む。
そうやって、自分なりの正解を模索していくしかないのです。
誰かが作った正解を追いかけることが、本当に人生の醍醐味につながるのか。
それで楽しいのか。せっかくなら壮大な実験をして、自分だけの正解を見つけてみるべきだと思うのです。
コロナは、そのチャンスを与えてくれたと私は思っています。
そして、大事なことは、これからの1年、2年が、この先の人生に大きな影響を与えることは間違いない、ということです。
そこに気づいていたので、私はすぐにさまざまなアクションを起こしたのでした。
16年借りていたオフィスを解約しました。
ずっと避けていたYouTubeやインスタライブなど映像関係を、自ら配信するようになりました。
これもまた避けていたオンラインサロンもスタートさせました。
以前なら、絶対にありえなかったコワーキングスペース入居も決めました。
noteを書き始め、Voicyを始め、東大生たちによるベンチャー企業とのコラボレーションも始めました。
スマートフォンが登場したのは、わずか15年ほど前でした。
15年の間に、社会は一変してしまいました。
今じっと立ち止まって何もしないことがいかに危ういか、想像できるはずです。
今こそ、自分自身を変革していかないといけないのです。
そしてそれは、あらゆる領域に求められます。
働き方も、会社選びも、学び方も、生活スタイルも、幸せ感も。
今こそ、自分自身のあり方すべてを見直すことが、求められているのです。
ここに早く気づけるかどうかが、この先の人生を大きく左右する。
私はそう確信しています。危機的な時代、変化の時代は、誰もが苦しいものです。
しかし、振り返ってみると、厳しい時代にスタートさせたもののほうが、私はいつもうまくいっています。
その意味で、これだけの変化のタイミングはまさに絶好のチャンスだと思っていますし、そう思わないといけないと感じています。
大事なことは、すぐにでも走れるようにしておくことです。
そのための、自己改革、パーソナル・トランスフォーメーションを、スタートさせておくことです。』
トランスフォーメーションとは、変化のこと。
DXは、「デジタルトランスフォーメーション」のことで、ITの普及が、人々の生活をあらゆる面で良い方向に変化させるということ。
また、「ビジネストランスフォーメーション」は、「事業の構造改革」のことで、抜本的な改革のことを指す。
このコロナ禍で、今までとは違ったことを何も始めなかった、という人がいたら、おそらく、今後も何も始めない人だろう。
国家においても、企業においても、個人においても、このコロナ禍が間違いなくここ何十年のうちで、一番の大きな変化だということは確かだ。
そして、この大きな変化においてさえも、変わろうとしなかった人は、「進歩」とか「新しい」とか「チャレンジ」あるいは、「現状打破」、という言葉とは程遠いところにいる人、つまり、現状を維持しようとする人、ということになる。
アフターコロナのビジネスにおいても、生き方においても、その正解はない。
だからこそ、小さな実験を繰り返し、自分で正解を探ってみるしかない。
本田直之
世界は一変させられてしまった、新型コロナウィルスの影響は、そのくらい大きなものでした。
それこそ日本の終戦後まもなく、まだ焼け野原があちこちに残っているような時期に匹敵する。
コロナが変えたのは、感染対策を意識した生活様式だったり、リモートワーク導入をはじめとした働き方の変化だったり、伸びた業界と苦況に陥った業界の明暗だったり、といったものが象徴的ですが、実はそれにとどまりません。
コロナは、人の意識を大きく変えたのです。その最たるものは、これぞチャンスと新しいことに踏み出していった人。
そして、元の世界に戻ってくれるのを、じっと待ち続けている人。
強制的にいろいろなものがリセットされていく中、多くの気づきを得た人も多かった。
はっきり理解しておかなければならないことは、もう元の世界には戻れない、ということです。
待ち続けても、戻らない。戻ったとしても、そこには元の社会はありません。
すでに、パラダイムはシフトしたのです。
それこそ、仮に今回のコロナが落ち着いたとしても、また同じことが起こるかもしれない。
第2のコロナ、第3のコロナがやってこない保証はどこにもありません。
やらなければいけないのは、アフターコロナへの対応です。
既存の仕組みを立て直そうとしている場合ではありません。
完全にシフトしないといけないのです。では、新しい時代に向けて、どうすればいいのか。
アフターコロナは、どんなキーワードが重要になるのか。
1つ確実に言えることは、まだ正解がない、ということです。
こうすれば確実、というものがない。
こういうときには何をしなければいけないのかというと、どんどん動いていくことです。
何かアクションを起こす。手数を増やしてみる。
最も危険なのは、じっとしていること。待っていることです。
じっとしていても、何も起きないから。
何も得られないし、何も成長できないから。
人生は実験だと思って、簡単にいくはずがないのです。
『パーソナル・トランスフォーメーション』KADOKAWA
本書の中で「実験」についてこう書いてある。
『いろいろなものに踏み出してみる。
実験してみる。失敗もあるかもしれませんが、そこから得られるものがあります。
だから、前に進める。成長できるし、進化できる。
そうやって、世界を旅しながら仕事をするノマドライフや、ハワイと東京でのデュアルライフなど、誰もやってこないようなライフスタイルを約15年前から実践しています。これからまさに求められてくるのは、こうした新しい実験だと思っています。
どんどん実験を繰り出す。何かやってみる。
そこから何かを得て、次のステップに進む。
そうやって、自分なりの正解を模索していくしかないのです。
誰かが作った正解を追いかけることが、本当に人生の醍醐味につながるのか。
それで楽しいのか。せっかくなら壮大な実験をして、自分だけの正解を見つけてみるべきだと思うのです。
コロナは、そのチャンスを与えてくれたと私は思っています。
そして、大事なことは、これからの1年、2年が、この先の人生に大きな影響を与えることは間違いない、ということです。
そこに気づいていたので、私はすぐにさまざまなアクションを起こしたのでした。
16年借りていたオフィスを解約しました。
ずっと避けていたYouTubeやインスタライブなど映像関係を、自ら配信するようになりました。
これもまた避けていたオンラインサロンもスタートさせました。
以前なら、絶対にありえなかったコワーキングスペース入居も決めました。
noteを書き始め、Voicyを始め、東大生たちによるベンチャー企業とのコラボレーションも始めました。
スマートフォンが登場したのは、わずか15年ほど前でした。
15年の間に、社会は一変してしまいました。
今じっと立ち止まって何もしないことがいかに危ういか、想像できるはずです。
今こそ、自分自身を変革していかないといけないのです。
そしてそれは、あらゆる領域に求められます。
働き方も、会社選びも、学び方も、生活スタイルも、幸せ感も。
今こそ、自分自身のあり方すべてを見直すことが、求められているのです。
ここに早く気づけるかどうかが、この先の人生を大きく左右する。
私はそう確信しています。危機的な時代、変化の時代は、誰もが苦しいものです。
しかし、振り返ってみると、厳しい時代にスタートさせたもののほうが、私はいつもうまくいっています。
その意味で、これだけの変化のタイミングはまさに絶好のチャンスだと思っていますし、そう思わないといけないと感じています。
大事なことは、すぐにでも走れるようにしておくことです。
そのための、自己改革、パーソナル・トランスフォーメーションを、スタートさせておくことです。』
トランスフォーメーションとは、変化のこと。
DXは、「デジタルトランスフォーメーション」のことで、ITの普及が、人々の生活をあらゆる面で良い方向に変化させるということ。
また、「ビジネストランスフォーメーション」は、「事業の構造改革」のことで、抜本的な改革のことを指す。
このコロナ禍で、今までとは違ったことを何も始めなかった、という人がいたら、おそらく、今後も何も始めない人だろう。
国家においても、企業においても、個人においても、このコロナ禍が間違いなくここ何十年のうちで、一番の大きな変化だということは確かだ。
そして、この大きな変化においてさえも、変わろうとしなかった人は、「進歩」とか「新しい」とか「チャレンジ」あるいは、「現状打破」、という言葉とは程遠いところにいる人、つまり、現状を維持しようとする人、ということになる。
アフターコロナのビジネスにおいても、生き方においても、その正解はない。
だからこそ、小さな実験を繰り返し、自分で正解を探ってみるしかない。
2021年01月05日
緊急事態宣言の再発令へ
菅首相が「緊急事態宣言の再発令」を決断した。政府は、18日に召集予定の通常国会で、緊急事態宣言などを定めた新型コロナ特措法を改正する方針だが、菅首相は周辺に対し、「それまで待ってはいられない」と話している。
菅首相は週内にも、専門家らの諮問委員会を開いたうえで決定する方針。
首相周辺は、宣言の発令期間は、9日午前0時から1カ月程度を検討しているとしている。
他方、東京都は、時短要請を行う方向で調整に入ったが、政府高官が「先月、小池知事が時短要請に応じていたら、こんなことになっていなかった」と不満を吐露するなど、政府と東京都の連携不足が感じられる。
ただ、前回の緊急事態宣言が経済に深刻な影響を与えたことから、政府は、要請する対象を絞ることも検討している。
出典:FNNプライムオンライン(1/4)
菅首相は週内にも、専門家らの諮問委員会を開いたうえで決定する方針。
首相周辺は、宣言の発令期間は、9日午前0時から1カ月程度を検討しているとしている。
他方、東京都は、時短要請を行う方向で調整に入ったが、政府高官が「先月、小池知事が時短要請に応じていたら、こんなことになっていなかった」と不満を吐露するなど、政府と東京都の連携不足が感じられる。
ただ、前回の緊急事態宣言が経済に深刻な影響を与えたことから、政府は、要請する対象を絞ることも検討している。
出典:FNNプライムオンライン(1/4)
2021年01月04日
全盲聾唖者、希望の光
福島智(東京大学教授)さんは、兵庫県神戸市出身。生後5ヶ月で眼病を患い治療するも3歳で右目、失明.翌年,眼球摘出.9歳で左目を失明、全盲となった。視力を失っても音の世界がある、耳を使えば外の世界と繋がることができると考え、実際、音楽やスポーツや落語に夢中になっていた、という。
だが、さらなる過酷な試練が全盲の少年を襲う。14歳の頃から右耳が聞こえなくなり、18歳、高校2年の時に残された左耳も聞こえなくなってしまったのである。18歳までの音の記憶が残っており、自分の声を聴くことはできないが、よどみなく口で発話する事ができる。実際、講義や講演会でも発声して話している。神戸出身のため日常生活では関西弁を話す。また、ピアノの演奏も行う。
そんなある日。母親の令子さんが福島さんの指を点字タイプライターのキーに見立てて「さとしわかるか」と打った。
「ああ、わかるで」と福島さんは答えた。母親のこの指点字は壮大な転機となった。
母の考案した指点字を使い会話とコミュニケーションをはかる。指点字は全国の盲ろう者に広く知られ、盲ろう者のコミュニケーション手段の新たな選択肢となる。盲ろう者として日本で初めて大学へ入学(東京都立大学 (1949-2011)、同級生たちが、指点字を覚えてくれた。その後、福島さんは指点字を使える人々を自分で養成しながら自分自身の道を切り開いて前進していった。金沢大学教育学部助教授、東京大学先端科学技術研究センター准教授を経て現職。1995年に手話通訳士の光成沢美と結婚。福島さんが、自分の人生の2割は物を探すのに浪費されていると嘆くが、妻もまた仕事を辞めて夫の指通訳をする日常で、生活・通勤・講義とすべてを担って、懸命にがんばる夫の姿に、自分を鼓舞して頑張り続けてきたけれど、それもとっくに限界点を超えていて、うつ状態に。
2005年、適応障害と診断される。以後、再発を繰り返している。2008年に出演したNHK「課外授業 ようこそ先輩」『みんな生きていればいい』の回は日本賞グランプリおよび「コンテンツ部門 青少年向けカテゴリー 外務大臣賞」を受賞。現在は、東京大学でバリアフリー論、障害学(Disability Studies)の研究と教育に従事する一方、盲ろう者を含めた障害者の福祉増進を目指す社会的活動に取り組む。2015年に本間一夫文化賞を受賞、20歳以上年下の指点字通訳者と再婚している。
福島さんは真っ暗な宇宙空間から、指点字によって人間の世界に戻ってきたと、感動を福島さんは詩に綴っている。
【指先の宇宙】
ぼくが光と音を失ったとき
そこにはことばがなかった
そして世界がなかった
ぼくは闇と静寂の中でただ一人
ことばをなくして座っていた
ぼくの指にきみの指が触れたとき
そこにことばが生まれた
ことばは光を放ちメロディーを呼び戻した
ぼくが指先を通してきみとコミュニケートするとき
そこに新たな宇宙が生まれ
ぼくは再び世界を発見した
コミュニケーションはぼくの命
ぼくの命はいつもことばとともにある
指先の宇宙で紡(つむ)ぎだされたことばとともに
この詩の意味するものは大きい。
福島さんだけではない。すべての人の命は言葉とともにある。
言葉のないところに人間の命はない。
福島さんは身をもって、そのことを私たちに示してくれている。
同時にもう一つ大事なこと、絶望の淵から人間を救うのは言葉である、ということ。
どのような人生の難関も言葉という通行証をてにすることで、乗り越えることができる、ということ。
そのことをこの詩は私たちに教えている。
福島さんには4つの特質がある、1つは非常に明るいこと。2つはユーモアがある。3つは常に人に何をか与えようとしている。そして4つは、自分が主語の人生を生きている、ということ。
この4つの資質こそ、福島さんをして、普通の人なら絶望してしまいかねない人生の難関を越えさせた秘訣ではなかろうか。
『二度とない人生をどう生きるか』致知出版社
指点字.pdf
つづき
だが、さらなる過酷な試練が全盲の少年を襲う。14歳の頃から右耳が聞こえなくなり、18歳、高校2年の時に残された左耳も聞こえなくなってしまったのである。18歳までの音の記憶が残っており、自分の声を聴くことはできないが、よどみなく口で発話する事ができる。実際、講義や講演会でも発声して話している。神戸出身のため日常生活では関西弁を話す。また、ピアノの演奏も行う。
そんなある日。母親の令子さんが福島さんの指を点字タイプライターのキーに見立てて「さとしわかるか」と打った。
「ああ、わかるで」と福島さんは答えた。母親のこの指点字は壮大な転機となった。
母の考案した指点字を使い会話とコミュニケーションをはかる。指点字は全国の盲ろう者に広く知られ、盲ろう者のコミュニケーション手段の新たな選択肢となる。盲ろう者として日本で初めて大学へ入学(東京都立大学 (1949-2011)、同級生たちが、指点字を覚えてくれた。その後、福島さんは指点字を使える人々を自分で養成しながら自分自身の道を切り開いて前進していった。金沢大学教育学部助教授、東京大学先端科学技術研究センター准教授を経て現職。1995年に手話通訳士の光成沢美と結婚。福島さんが、自分の人生の2割は物を探すのに浪費されていると嘆くが、妻もまた仕事を辞めて夫の指通訳をする日常で、生活・通勤・講義とすべてを担って、懸命にがんばる夫の姿に、自分を鼓舞して頑張り続けてきたけれど、それもとっくに限界点を超えていて、うつ状態に。
2005年、適応障害と診断される。以後、再発を繰り返している。2008年に出演したNHK「課外授業 ようこそ先輩」『みんな生きていればいい』の回は日本賞グランプリおよび「コンテンツ部門 青少年向けカテゴリー 外務大臣賞」を受賞。現在は、東京大学でバリアフリー論、障害学(Disability Studies)の研究と教育に従事する一方、盲ろう者を含めた障害者の福祉増進を目指す社会的活動に取り組む。2015年に本間一夫文化賞を受賞、20歳以上年下の指点字通訳者と再婚している。
福島さんは真っ暗な宇宙空間から、指点字によって人間の世界に戻ってきたと、感動を福島さんは詩に綴っている。
【指先の宇宙】
ぼくが光と音を失ったとき
そこにはことばがなかった
そして世界がなかった
ぼくは闇と静寂の中でただ一人
ことばをなくして座っていた
ぼくの指にきみの指が触れたとき
そこにことばが生まれた
ことばは光を放ちメロディーを呼び戻した
ぼくが指先を通してきみとコミュニケートするとき
そこに新たな宇宙が生まれ
ぼくは再び世界を発見した
コミュニケーションはぼくの命
ぼくの命はいつもことばとともにある
指先の宇宙で紡(つむ)ぎだされたことばとともに
この詩の意味するものは大きい。
福島さんだけではない。すべての人の命は言葉とともにある。
言葉のないところに人間の命はない。
福島さんは身をもって、そのことを私たちに示してくれている。
同時にもう一つ大事なこと、絶望の淵から人間を救うのは言葉である、ということ。
どのような人生の難関も言葉という通行証をてにすることで、乗り越えることができる、ということ。
そのことをこの詩は私たちに教えている。
福島さんには4つの特質がある、1つは非常に明るいこと。2つはユーモアがある。3つは常に人に何をか与えようとしている。そして4つは、自分が主語の人生を生きている、ということ。
この4つの資質こそ、福島さんをして、普通の人なら絶望してしまいかねない人生の難関を越えさせた秘訣ではなかろうか。
『二度とない人生をどう生きるか』致知出版社
指点字.pdf
つづき
2021年01月03日
大河ドラマは変則的に
大河ドラマ「麒麟がくる」は主演の長谷川博己が明智光秀を演じているが、コロナの影響でスタジオ録画が進まず、史上初の年を越えて正月3日に物語が継続しています。次のドラマ「青天を衝け」は主演・吉沢亮で渋沢栄一を主題に放送が予定。そして、2022年の大河は、鎌倉幕府の第2代執権・北条義時を主人公とした「鎌倉殿の13人」に決まっており、主演は俳優の小栗旬、脚本はヒットメーカーの三谷幸喜氏ということです。
2021年01月02日
生涯学習
立命館アジア太平洋大学学長、出口治明『出口版学問のすすめ』(小学館)で、この本のタイトルはもともと「死ぬまで勉強」でした。
出口教授は、人間は死ぬまで勉強をしたほうがいい、と思っています。それは、そのほうが楽しいからですと、述べている。
いま、世界ではコロナウイルスと人類が熾烈な戦いを繰り広げています。
人類の武器はグローバルな信頼と連帯です。
コロナウイルスの情報を交換・共有し、新兵器(ワクチンや薬)を共同で開発する、ここにこそ勝機があります。
そのためにも、謙虚に人・本・旅で学ぶ必要があるのです。
アメリカの大学は、基本的に定年という考え方がありません。
80歳を過ぎても教授でいるのは可能です。
「日本でそんなことをしたら、全員が教授になってしまう、若い人が採用できない」と思われるかもしれませんが、競争原理が働いているので、そんなことにはなりません。どういうことかというと、授業のたびに学生に採点されて、スコアが悪いとどんどん降格されたり、クビになったりするのです。
魅力的な先生は80歳を超えても教授でいられますが、30〜40歳の働き盛りの先生でも、学生に支持されなかったら授業を受け持つことができなくなるのです。だから、定年がなくても、「教授40、助教30、准教30」などという適正割合がきちんと保たれるわけです。
サボったら落ちていく、がんばったら上がるという基本的な仕組みがなかったら、社会は衰退していきます。
それと同じ原理、原則を、企業や大学をはじめ、日本中に導入すべきだと思います。
そうすれば、沈滞している日本を活気づけることができるだろうし、さまざまなものに対する好奇心もわいてくるでしょう。
人間が勉強するもう一つの意味は、次世代を育てるためです。
どんなに原始的な生物でも、次世代に命をつなぐために存在しています。
人間の場合は加えて大きな脳を持っているので、次世代のために、より良き未来を残すことが可能なのです。
そんな中で、われわれ大人はもう少しがんばって、この衰退の流れをどこかで反転させる必要があります。
ただ単に次世代にバトンをつなくだけなら、それほど無責任なことはありません。
まず大人ががんばって、そのがんばる姿を若者や子どもたちに見せる必要があるのです。
だから、大人も人・本・旅で学び続け、子どもと、さまざまなことを議論する環境が必要です。
専門的な小難しいことを話す必要はないし、場合によっては子どもに教えてもらってもいい。
とにかく学ぶことをやめなければ、未来に光は差してくると思います。
昨年は、コロナ禍により、世界は大きく変わった。
そしてその結果、人は大きく二分された。
一つは、勉強し、新たなことにチャレンジしている人たち。
会議や授業がリモートになり、商売の仕方も、働き方も、生活や会社に対する価値観も、大きく変わった。
このコロナ禍により、変化が一挙に加速した。その元にはデジタルがある。
デジタルの進化により、日々、多くのものが変化した。
しかし、このコロナ禍により、世界は今、リセットされた。
ここから、世界の国々が一斉にスタートラインに立ったということだ。
これが、日本復活の最後のチャンスかもしれない。
だからこそ、歳を重ねれば重ねるほど「新しい」ことを学ぶ必要がある。
「一年の計は元旦にあり」という。
老いも若きも、この2021年を失われた日本を取り戻すべく努力を重ねて、ニューノーマルの道を開いてきたい。
出口教授は、人間は死ぬまで勉強をしたほうがいい、と思っています。それは、そのほうが楽しいからですと、述べている。
いま、世界ではコロナウイルスと人類が熾烈な戦いを繰り広げています。
人類の武器はグローバルな信頼と連帯です。
コロナウイルスの情報を交換・共有し、新兵器(ワクチンや薬)を共同で開発する、ここにこそ勝機があります。
そのためにも、謙虚に人・本・旅で学ぶ必要があるのです。
アメリカの大学は、基本的に定年という考え方がありません。
80歳を過ぎても教授でいるのは可能です。
「日本でそんなことをしたら、全員が教授になってしまう、若い人が採用できない」と思われるかもしれませんが、競争原理が働いているので、そんなことにはなりません。どういうことかというと、授業のたびに学生に採点されて、スコアが悪いとどんどん降格されたり、クビになったりするのです。
魅力的な先生は80歳を超えても教授でいられますが、30〜40歳の働き盛りの先生でも、学生に支持されなかったら授業を受け持つことができなくなるのです。だから、定年がなくても、「教授40、助教30、准教30」などという適正割合がきちんと保たれるわけです。
サボったら落ちていく、がんばったら上がるという基本的な仕組みがなかったら、社会は衰退していきます。
それと同じ原理、原則を、企業や大学をはじめ、日本中に導入すべきだと思います。
そうすれば、沈滞している日本を活気づけることができるだろうし、さまざまなものに対する好奇心もわいてくるでしょう。
人間が勉強するもう一つの意味は、次世代を育てるためです。
どんなに原始的な生物でも、次世代に命をつなぐために存在しています。
人間の場合は加えて大きな脳を持っているので、次世代のために、より良き未来を残すことが可能なのです。
そんな中で、われわれ大人はもう少しがんばって、この衰退の流れをどこかで反転させる必要があります。
ただ単に次世代にバトンをつなくだけなら、それほど無責任なことはありません。
まず大人ががんばって、そのがんばる姿を若者や子どもたちに見せる必要があるのです。
だから、大人も人・本・旅で学び続け、子どもと、さまざまなことを議論する環境が必要です。
専門的な小難しいことを話す必要はないし、場合によっては子どもに教えてもらってもいい。
とにかく学ぶことをやめなければ、未来に光は差してくると思います。
昨年は、コロナ禍により、世界は大きく変わった。
そしてその結果、人は大きく二分された。
一つは、勉強し、新たなことにチャレンジしている人たち。
会議や授業がリモートになり、商売の仕方も、働き方も、生活や会社に対する価値観も、大きく変わった。
このコロナ禍により、変化が一挙に加速した。その元にはデジタルがある。
デジタルの進化により、日々、多くのものが変化した。
しかし、このコロナ禍により、世界は今、リセットされた。
ここから、世界の国々が一斉にスタートラインに立ったということだ。
これが、日本復活の最後のチャンスかもしれない。
だからこそ、歳を重ねれば重ねるほど「新しい」ことを学ぶ必要がある。
「一年の計は元旦にあり」という。
老いも若きも、この2021年を失われた日本を取り戻すべく努力を重ねて、ニューノーマルの道を開いてきたい。
老化細胞の解明を研究
東京大学医科学研究所などの研究チームは2021年1月15日、アメリカの科学誌『サイエンス』に次のような論文を発表しました。
私たちは、「老い」の原因となる「老化細胞」が生存するメカニズムを読み解き、そこから「老化細胞」を選択的に除去するための薬を導き出しました。〈老齢のマウスに、GLS-1という酵素の働きを阻害する薬剤を投与したところ、老化細胞の多くが除去され、老年病や老化が改善した〉今、私たちは、この薬の実用化に向けた研究を進めています。
本稿では、「老化細胞」とは何か、私たちが発見した老化細胞の生存に必要なGLS-1とは何か、そしてなぜGLS-1阻害薬を投与すると老化細胞を殺すことができるのか、そして、そもそも「老化」するとは何なのか、ということを一つひとつ説明していきたいと思います。
人間の体は60兆個もの細胞によってつくられています。細胞のなかには、不老不死に近い幹細胞というものもあります。たとえば、血液系であれば、赤血球や白血球、血小板やリンパ球などの血液系細胞の大元になる「幹細胞」というものがあります。この幹細胞の数はそれほど多くありません。多くの細胞は、そこから分化して分裂していったもので、この細胞は不老不死ではありません。人間であれば、50〜60回ほど分裂したら、もうそれ以上は分裂できなくなります。こうして、完全に活動を停止してしまった細胞が「老化細胞」になってしまうのです。つまり、全身にある60兆個の細胞のうち、一部の幹細胞を除いた多くは、老化細胞になっていくということです。
これらの老化細胞は、本来であれば免疫細胞であるマクロファージ(白血球の一種)などが食べて除去してくれるのですが、生き延びた老化細胞が残ってしまい、体内のあちこちに蓄積されていきます。それらの老化細胞が炎症物質を誘発して、臓器や皮膚などにさまざまな炎症を起こしていきます。それが内臓疾患やシワなど、いわゆる加齢が原因のさまざまな疾患や症状として現れてくるのです。
老化細胞のなかには、そうやって分裂の上限に達して寿命が尽きた細胞のほかに、過剰なストレスなどによって、そこまで分裂を繰り返していないにもかかわらず、活動を完全に停止して老化細胞になってしまうものもあります。ストレスは細胞を酸化させて老化細胞へと誘導し、老化スピードを加速させてしまうのです。ストレスといえば、紫外線や放射線なども細胞にとってストレスのひとつです。これらを浴びると遺伝子に傷がつき、細胞の老化を早めることがわかっています。屋外の仕事で年中日焼けしている方の皮膚と、常に日焼けに注意して日焼け止めを塗るなど、UV対策をしている女優さんのような方の皮膚を比べると、どちらも70歳くらいになった時の老化具合には大きな差が出ています。
あるいは、がん遺伝子が活性化することで細胞老化が誘導されることも判明しました。しかし、細胞老化が、がん細胞の増殖を抑える役目もあるため、一概に老化細胞を悪者だと言い切れない部分もあります。、細胞分裂の上限を終えて自然に老化した細胞と、これらストレス性の老化細胞は結果としてとくに違いはないと考えられます。蓄積された老化細胞が、さまざまなかたちで人の見た目や臓器を老化させているのです。皮膚のシワというのも、その部分に溜まった老化細胞によって、微小ながら過剰な炎症が起きていることの表れとも考えられます。
一方で、老化細胞と関係の低いであろう老化現象もあります。その代表的なものが薄毛です。薄毛は、毛母細胞の働きが抑制されることで毛周期という毛の生え変わりのサイクルが乱れて、毛が太くならず、十分に成長する前に抜け落ちてしまうことで進行します。この毛母細胞の働きを抑制する原因になってしまうのが、男性ホルモンであるテストステロンの存在。テストステロンは酵素によってジヒドロテストステロンへと変化しますが、このジヒドロテストステロンが毛母細胞の働きを抑制することが知られています。つまり、薄毛自体は、老化細胞の蓄積による炎症が主な原因というわけではなく、男性ホルモンの影響が大きく関与しているのです。
実際、若くても薄毛が進行している人もいれば、年をとってもフサフサの人もいますね。遺伝的に男性ホルモンの影響が強く出ているための症状と考えられます。次に、薄毛と同様に見た目年齢を大きく左右するのが白髪ですが、白髪もたしかに老化現象ではありますが、老化細胞による炎症と関係があるとは証明できていません。髪の毛が白くなるのは、毛母細胞にある毛母メラノサイトの働きが低下して、メラニンという黒い色素の産生能力が低下していくためです。
褐色や金髪などの髪の色を持つ人たちは、もともとこのメラニン色素の産生量がそれほど多くないため、髪の毛が黒くならないのです。金髪や赤毛、栗毛など、髪の毛の色は遺伝的要素が大きく、それはメラノサイトによるメラニン色素の産生能力によって決まると考えられています。
老化細胞を除去することで白髪がなくなるかどうかは、薄毛と同様に、わからない、ということになります。
☆彡なぜ老化細胞は蓄積されてしまうのか
ここでは、老化細胞がなぜ死ぬことなく生き延びて蓄積されていってしまうのか、というメカニズムについて説明していきましょう。人間の細胞の中には、リソソームという細胞小器官があります。リソソームは古くなったタンパク質を取り込んで分解するための器官で、その内側は強力な酸性になっています。
細胞が老化してくると、リソソームの膜に傷がついてしまい、そこから内部の酸性物質が染み出してきて細胞全体が酸性に傾いてしまいます。細胞全体が酸性化してしまうと、本来の細胞であれば死んでしまうはずなのですが、老化細胞はGLS-1という酵素を活性化し、大量に発現させて生き延びてしまうということが私たちの研究でわかってきました。
なぜGLS-1という酵素が出てくると老化細胞が生き延びるのかというと、GLS-1はグルタミンをグルタミン酸に変換する酵素なのですが、この代謝の過程でアンモニアをたくさんつくり出します。アンモニアはアルカリ性の物質のため、酸性化していた老化細胞を中和してしまい、老化細胞を延命させてしまうのです。老化細胞は、酸化してしまった自分を中和することで生き延びるべく、GLS-1酵素を大量に発現させていると考えられます。
☆彡老化細胞が分泌する炎症性タンパク質が疾患の原因
細胞老化のカギを握っているのが“P53”という遺伝子で、“ゲノムの守護神”との異名を持っており、損傷したDNAの修復や細胞分裂の調整などにも携わっているという特異な遺伝子です。傷ついたDNAを修復する一方で、修復できないほどにDNAがダメージを受けた場合には、細胞の老化をうながし、老化細胞として排除する。まさにゲノムの守護神、正常な細胞を守る司令塔といえるでしょう。
私たちはこのゲノムの守護神を特定の期間、活性化させることで、細胞を均一に老化させるという方法を開発したわけです。この人工的な老化細胞があったからこそ、老化細胞を延命させる特定物質、GLS-1を見つけ出すことに成功したといえます。老化細胞は、もう細胞分裂はしないため増殖はしませんが、SASP(Senescence-Associated Secretory Phenotype=細胞老化関連分泌現象)を起こして炎症性タンパク質を分泌します。このSASPによって臓器や組織に引き起こされた慢性炎症が、加齢性の疾患の原因となってしまうのです。
加齢によって筋肉量が減少して筋力が低下する、いわゆるサルコペニアの症状も一部は老化細胞のSASPによって進行すると考えられます。または、脳の神経細胞での慢性炎症はアルツハイマー病などの認知症の原因のひとつとなります。目の組織においては緑内障や白内障などの加齢性の眼病の原因となり、あるいは血管の老化は動脈硬化のリスクを高めます。そのほかにも、呼吸器系の臓器においては心不全や心筋梗塞の原因となったり、肺の線維化が進んで弾力性を失い機能低下につながったりします。あるいは、血中のインスリンに対する感受性が低くなることで血糖値のコントロールがうまくいかなくなり、糖尿病のリスクも高くなります。
加えて、このSASPによって分泌される炎症性タンパク質は、細胞の遺伝子自身をも傷つけてしまい、細胞組織を“がん化”させてしまうということもわかっています。つまり、正常な遺伝子を傷つけることで、異常な“がん細胞”を誘発してしまうのです。老化だけでなくがんリスクも高めると聞くと、心中穏やかではいられないという方も多いと思います。とはいえ、人間の体というのは非常に複雑なプログラムで成り立っており、老化細胞には完全にマイナスの面しかないかというと、そうとも言い切れないのです。
というのも、老化細胞は、異常な増殖を繰り返すがん細胞を、その周囲の細胞とともに老化させて、増殖を抑え込むという役割も果たしているからです。繰り返しになりますが、老化細胞はもう細胞分裂しません。増殖しない細胞です。がん細胞を老化させることによって、その異常増殖を防ぐ、つまりがんを防ぐことが老化細胞のプログラムのひとつであると考えられるのです。
老化細胞ががん細胞の異常増殖を防ぐのであれば、GLS-1を阻害して老化細胞の命綱を断ち、除去してしまうことが、がんの異常増殖につながってしまうという懸念はないのか、と思われるでしょう。しかし、そんなことはありません。なぜならば、「細胞老化のプロセス」と「老化した細胞」は、切り離して考えるべきものだからです。
細胞を老化させるプロセス自体は阻害すべきではありません。役割を終えた細胞はどんどん老化していく。これ自体は細胞分裂に限界がある以上、必要なプロセスです。一方で、GLS-1は、細胞を老化させるプロセス自体にかかわっているわけではありません。すでに老化し酸性化した細胞を、GLS-1がグルタミンを代謝する過程で産生するアンモニアによって中和させるというのが、GLS-1による老化細胞“延命”のプロセスです。つまり、GLS-1を阻害したからといって、細胞の“老化自体”がストップするわけではないのです。老化した細胞に、正しく退場してもらう、ということです。
細胞の遺伝子の異常が生じてがん化したとしても、細胞をも老化させることで自身の異常増殖を防ぐ。考えてみれば、よくできた人間の防御プロセスだといえるでしょう。あとは、老化細胞を適切に除去し、新しく健康な細胞が増えていけば、老化の進行は止められるというわけです。
---------- 中西 真(なかにし・まこと) 東京大学医科学研究所癌防御シグナル分野教授 名古屋市立大学医学部医学科卒業、名古屋市立大学大学院医学研究科博士課程修了(医学博士)。自治医科大学医学部助手、米国ベイラー医科大学留学、名古屋市立大学大学院医学研究科基礎医科学講座細胞生物学分野教授を経て、2016年4月より現職。
私たちは、「老い」の原因となる「老化細胞」が生存するメカニズムを読み解き、そこから「老化細胞」を選択的に除去するための薬を導き出しました。〈老齢のマウスに、GLS-1という酵素の働きを阻害する薬剤を投与したところ、老化細胞の多くが除去され、老年病や老化が改善した〉今、私たちは、この薬の実用化に向けた研究を進めています。
本稿では、「老化細胞」とは何か、私たちが発見した老化細胞の生存に必要なGLS-1とは何か、そしてなぜGLS-1阻害薬を投与すると老化細胞を殺すことができるのか、そして、そもそも「老化」するとは何なのか、ということを一つひとつ説明していきたいと思います。
人間の体は60兆個もの細胞によってつくられています。細胞のなかには、不老不死に近い幹細胞というものもあります。たとえば、血液系であれば、赤血球や白血球、血小板やリンパ球などの血液系細胞の大元になる「幹細胞」というものがあります。この幹細胞の数はそれほど多くありません。多くの細胞は、そこから分化して分裂していったもので、この細胞は不老不死ではありません。人間であれば、50〜60回ほど分裂したら、もうそれ以上は分裂できなくなります。こうして、完全に活動を停止してしまった細胞が「老化細胞」になってしまうのです。つまり、全身にある60兆個の細胞のうち、一部の幹細胞を除いた多くは、老化細胞になっていくということです。
これらの老化細胞は、本来であれば免疫細胞であるマクロファージ(白血球の一種)などが食べて除去してくれるのですが、生き延びた老化細胞が残ってしまい、体内のあちこちに蓄積されていきます。それらの老化細胞が炎症物質を誘発して、臓器や皮膚などにさまざまな炎症を起こしていきます。それが内臓疾患やシワなど、いわゆる加齢が原因のさまざまな疾患や症状として現れてくるのです。
老化細胞のなかには、そうやって分裂の上限に達して寿命が尽きた細胞のほかに、過剰なストレスなどによって、そこまで分裂を繰り返していないにもかかわらず、活動を完全に停止して老化細胞になってしまうものもあります。ストレスは細胞を酸化させて老化細胞へと誘導し、老化スピードを加速させてしまうのです。ストレスといえば、紫外線や放射線なども細胞にとってストレスのひとつです。これらを浴びると遺伝子に傷がつき、細胞の老化を早めることがわかっています。屋外の仕事で年中日焼けしている方の皮膚と、常に日焼けに注意して日焼け止めを塗るなど、UV対策をしている女優さんのような方の皮膚を比べると、どちらも70歳くらいになった時の老化具合には大きな差が出ています。
あるいは、がん遺伝子が活性化することで細胞老化が誘導されることも判明しました。しかし、細胞老化が、がん細胞の増殖を抑える役目もあるため、一概に老化細胞を悪者だと言い切れない部分もあります。、細胞分裂の上限を終えて自然に老化した細胞と、これらストレス性の老化細胞は結果としてとくに違いはないと考えられます。蓄積された老化細胞が、さまざまなかたちで人の見た目や臓器を老化させているのです。皮膚のシワというのも、その部分に溜まった老化細胞によって、微小ながら過剰な炎症が起きていることの表れとも考えられます。
一方で、老化細胞と関係の低いであろう老化現象もあります。その代表的なものが薄毛です。薄毛は、毛母細胞の働きが抑制されることで毛周期という毛の生え変わりのサイクルが乱れて、毛が太くならず、十分に成長する前に抜け落ちてしまうことで進行します。この毛母細胞の働きを抑制する原因になってしまうのが、男性ホルモンであるテストステロンの存在。テストステロンは酵素によってジヒドロテストステロンへと変化しますが、このジヒドロテストステロンが毛母細胞の働きを抑制することが知られています。つまり、薄毛自体は、老化細胞の蓄積による炎症が主な原因というわけではなく、男性ホルモンの影響が大きく関与しているのです。
実際、若くても薄毛が進行している人もいれば、年をとってもフサフサの人もいますね。遺伝的に男性ホルモンの影響が強く出ているための症状と考えられます。次に、薄毛と同様に見た目年齢を大きく左右するのが白髪ですが、白髪もたしかに老化現象ではありますが、老化細胞による炎症と関係があるとは証明できていません。髪の毛が白くなるのは、毛母細胞にある毛母メラノサイトの働きが低下して、メラニンという黒い色素の産生能力が低下していくためです。
褐色や金髪などの髪の色を持つ人たちは、もともとこのメラニン色素の産生量がそれほど多くないため、髪の毛が黒くならないのです。金髪や赤毛、栗毛など、髪の毛の色は遺伝的要素が大きく、それはメラノサイトによるメラニン色素の産生能力によって決まると考えられています。
老化細胞を除去することで白髪がなくなるかどうかは、薄毛と同様に、わからない、ということになります。
☆彡なぜ老化細胞は蓄積されてしまうのか
ここでは、老化細胞がなぜ死ぬことなく生き延びて蓄積されていってしまうのか、というメカニズムについて説明していきましょう。人間の細胞の中には、リソソームという細胞小器官があります。リソソームは古くなったタンパク質を取り込んで分解するための器官で、その内側は強力な酸性になっています。
細胞が老化してくると、リソソームの膜に傷がついてしまい、そこから内部の酸性物質が染み出してきて細胞全体が酸性に傾いてしまいます。細胞全体が酸性化してしまうと、本来の細胞であれば死んでしまうはずなのですが、老化細胞はGLS-1という酵素を活性化し、大量に発現させて生き延びてしまうということが私たちの研究でわかってきました。
なぜGLS-1という酵素が出てくると老化細胞が生き延びるのかというと、GLS-1はグルタミンをグルタミン酸に変換する酵素なのですが、この代謝の過程でアンモニアをたくさんつくり出します。アンモニアはアルカリ性の物質のため、酸性化していた老化細胞を中和してしまい、老化細胞を延命させてしまうのです。老化細胞は、酸化してしまった自分を中和することで生き延びるべく、GLS-1酵素を大量に発現させていると考えられます。
☆彡老化細胞が分泌する炎症性タンパク質が疾患の原因
細胞老化のカギを握っているのが“P53”という遺伝子で、“ゲノムの守護神”との異名を持っており、損傷したDNAの修復や細胞分裂の調整などにも携わっているという特異な遺伝子です。傷ついたDNAを修復する一方で、修復できないほどにDNAがダメージを受けた場合には、細胞の老化をうながし、老化細胞として排除する。まさにゲノムの守護神、正常な細胞を守る司令塔といえるでしょう。
私たちはこのゲノムの守護神を特定の期間、活性化させることで、細胞を均一に老化させるという方法を開発したわけです。この人工的な老化細胞があったからこそ、老化細胞を延命させる特定物質、GLS-1を見つけ出すことに成功したといえます。老化細胞は、もう細胞分裂はしないため増殖はしませんが、SASP(Senescence-Associated Secretory Phenotype=細胞老化関連分泌現象)を起こして炎症性タンパク質を分泌します。このSASPによって臓器や組織に引き起こされた慢性炎症が、加齢性の疾患の原因となってしまうのです。
加齢によって筋肉量が減少して筋力が低下する、いわゆるサルコペニアの症状も一部は老化細胞のSASPによって進行すると考えられます。または、脳の神経細胞での慢性炎症はアルツハイマー病などの認知症の原因のひとつとなります。目の組織においては緑内障や白内障などの加齢性の眼病の原因となり、あるいは血管の老化は動脈硬化のリスクを高めます。そのほかにも、呼吸器系の臓器においては心不全や心筋梗塞の原因となったり、肺の線維化が進んで弾力性を失い機能低下につながったりします。あるいは、血中のインスリンに対する感受性が低くなることで血糖値のコントロールがうまくいかなくなり、糖尿病のリスクも高くなります。
加えて、このSASPによって分泌される炎症性タンパク質は、細胞の遺伝子自身をも傷つけてしまい、細胞組織を“がん化”させてしまうということもわかっています。つまり、正常な遺伝子を傷つけることで、異常な“がん細胞”を誘発してしまうのです。老化だけでなくがんリスクも高めると聞くと、心中穏やかではいられないという方も多いと思います。とはいえ、人間の体というのは非常に複雑なプログラムで成り立っており、老化細胞には完全にマイナスの面しかないかというと、そうとも言い切れないのです。
というのも、老化細胞は、異常な増殖を繰り返すがん細胞を、その周囲の細胞とともに老化させて、増殖を抑え込むという役割も果たしているからです。繰り返しになりますが、老化細胞はもう細胞分裂しません。増殖しない細胞です。がん細胞を老化させることによって、その異常増殖を防ぐ、つまりがんを防ぐことが老化細胞のプログラムのひとつであると考えられるのです。
老化細胞ががん細胞の異常増殖を防ぐのであれば、GLS-1を阻害して老化細胞の命綱を断ち、除去してしまうことが、がんの異常増殖につながってしまうという懸念はないのか、と思われるでしょう。しかし、そんなことはありません。なぜならば、「細胞老化のプロセス」と「老化した細胞」は、切り離して考えるべきものだからです。
細胞を老化させるプロセス自体は阻害すべきではありません。役割を終えた細胞はどんどん老化していく。これ自体は細胞分裂に限界がある以上、必要なプロセスです。一方で、GLS-1は、細胞を老化させるプロセス自体にかかわっているわけではありません。すでに老化し酸性化した細胞を、GLS-1がグルタミンを代謝する過程で産生するアンモニアによって中和させるというのが、GLS-1による老化細胞“延命”のプロセスです。つまり、GLS-1を阻害したからといって、細胞の“老化自体”がストップするわけではないのです。老化した細胞に、正しく退場してもらう、ということです。
細胞の遺伝子の異常が生じてがん化したとしても、細胞をも老化させることで自身の異常増殖を防ぐ。考えてみれば、よくできた人間の防御プロセスだといえるでしょう。あとは、老化細胞を適切に除去し、新しく健康な細胞が増えていけば、老化の進行は止められるというわけです。
---------- 中西 真(なかにし・まこと) 東京大学医科学研究所癌防御シグナル分野教授 名古屋市立大学医学部医学科卒業、名古屋市立大学大学院医学研究科博士課程修了(医学博士)。自治医科大学医学部助手、米国ベイラー医科大学留学、名古屋市立大学大学院医学研究科基礎医科学講座細胞生物学分野教授を経て、2016年4月より現職。
2021年01月01日
明けましておめでとうございます
![shougatu.jpg](https://kaizublog.up.seesaa.net/image/shougatu.jpg)
日秀・将門神社に初詣してきました。
お正月にStay Home、明日は箱根駅伝に中央学院大学が欠場、そんな時に大河ドラマをYouTubeで見てみるのは、いかがでしょう。
実は、この所の調査で、将門の郷は湖北・中里だったのではとの説が出てきています。
昭和51年制作の『風と雲と虹と』で将門を演じたのが故・加藤剛でした。当時に人気の頂点にあった俳優が民を思う武者ぶりを演じ、そのほか、吉永小百合、星由里子、真野響子、草刈正雄、多岐川裕美、森昌子、山口宗、故・緒形拳などで、脇を固め物語が展開しました。それまでにもあった将門びいきが更に盛り上がったようで、各地の将門ゆかりの地が観光されるようになっていきました。今では、将門マラソン、将門トレッキングルートなどが開催されており、多くの人が集まっています。
しかし、あまり我孫子では話題になっていませんでしたが、それは当時の厳しい残党狩りの制裁が、特に地元に起きていたからだろうといわれます。まだか、まだかとブレイクする時を待っていた我孫子の歴史ロマンの探求が、ようやく掘り起こされる年になりそうですから、皆さまからも情報をお待ちしております、Tel/Fax 04-7184 -9828 へ