私たちの筋肉(骨格筋:体の骨格に沿って付いている筋肉)は、ゴムのように収縮したり、弛緩したりすることで体を動かしています。この筋肉が常に合成と分解を繰り返すことで、筋肉量を維持する(増加させる)ことができます。この食事と運動による筋肉づくりのバランスが崩れると、筋肉量(筋力)はさらに低下してしまいます。食事と運動の両面から筋肉づくりを促して、アクティブな毎日をお過ごしください。
年齢を重ねるにつれて骨格筋を構成する筋繊維の減少や、運動を伝える神経機能の低下が顕著になり、筋肉量が減るとともに、筋力(握力など)や身体能力(歩く速度など)も低下していくのです。
さらに、日頃の食事や生活習慣も筋肉量を維持する上で大きく影響します。筋肉づくりに大切なのは、筋肉の素になる「たんぱく質」を摂ることと、筋肉に適度な負荷を与える運動を続けること。気をつけたいのは、たんぱく質を摂っても運動をしないと筋肉が効率よく合成されないこと、そして低栄養(たんぱく質不足)の状態で筋肉を鍛えても、かえって筋肉量は低下してしまうということ。
では、こうした筋肉量(筋力)の低下を避けるためには、どのような食事や運動習慣を心がければよいのでしょうか?
【1】たんぱく質を積極的に摂る
栄養バランスの良い食事を基本として、筋肉の素になるたんぱく質を摂ることを意識しましょう。たんぱく質が豊富な肉や魚、卵、乳製品、大豆製品など、さまざまな種類の食品からとる事です。年と共に食事量を少なくするなどの量を気にするのではなく、たんぱく質を取り込みにくくなっているので、朝・昼・夜に出来たら二品目、少なくても一品目のたんぱく質を摂るようにしてください。
薄切り肉 2〜3枚
魚の切り身 1切れ
卵 1個
豆腐 1/2丁 納豆1パック
間食にミルクを飲む、ヨーグルトを食べる、チーズをおやつにビール、ワインのつまみに。
※必要なたんぱく質の量・種類は年齢や体格、生活習慣などによって異なります。ひとつの目安として参考にしてください。
【2】ビタミンDが豊富な食品も取り入れる
効果的に筋肉の合成を促す働きのあるビタミンDは、筋肉づくりに大切な栄養素のひとつ。ビタミンDは魚介類や卵のほか、キノコ類にも多く含まれています。
【3】筋肉に適度な負荷のかかる運動をする
筋肉量を維持する(増加させる)には、適度に負荷のかかる運動を続けることが重要です。特に、大きな筋肉が集まっている下半身を鍛えることで、歩いたり立ったりといった動作が苦にならない毎日を目指すことができます。
下半身の筋肉づくりを促す運動の例 スクワット
肩幅ぐらいに両足を広げて、両腕を前に伸ばしたまま、膝をゆっくり曲げていく。
つま先より前に、膝が出ないようにする。 @息を吸いながら、5秒ほどかけて膝を曲げる。 A息を吐きながら、5秒ほどかけて元に戻す。
※回数は5〜10回ほど。心地よい疲労が残る程度に。