
野口聡一宇宙飛行士ら4人を乗せた、米スペースXの宇宙船「クルードラゴン」Crew-1 レジリエンスが、2020年11月16日の打ち上げ後、17日13時1分(日本時間)、国際宇宙ステーション(ISS)とのドッキングに成功した。
野口宇宙飛行士らは、すでにISSに滞在していた3人の宇宙飛行士とともに7人体制で、約半年間の長期滞在ミッションに挑む。ISSには、10月にソユーズ宇宙船でやってきたロシアのセルゲイ・ルィジコフ宇宙飛行士とセルゲイ・クジ=スヴェルチコフ宇宙飛行士、米国のキャスリーン・ルビンス宇宙飛行士の3人が滞在しており、野口宇宙飛行士ら4人はこの3人と合流し、7人体制で第64次長期滞在ミッションが始まることになる。
これまでのISSの長期滞在ミッションは6人体制で行われており、過去にソユーズの到着時などに一時的に9人になったことはあるが、長期滞在ミッションそのものが7人体制で行われるのは史上最多となる。また、クルードラゴンが運用に入り、ボーイングが開発中の宇宙船「スターライナー」も2021年以降に運用に入る予定であることから、今後は7人体制が標準となり、従来よりさらに多くの宇宙実験などが行われることが期待される。
なお、現在ISSには、宇宙飛行士が眠る場所は6人分しかない。Crew-1のクルーが滞在中に、もう1人分の寝床が設けられる予定だが、それが完成するまでは、1人はレジリエンスで寝泊まりすることになる。2021年4月以降には、ロシアのオレグ・ノヴィツキー宇宙飛行士、ピョートル・ドゥブロフ宇宙飛行士、セルゲイ・コルサコフ宇宙飛行士の3人を乗せた「ソユーズMS-18」がISSに到着する。それと入れ替わりにルィジコフ宇宙飛行士らが地球に帰還し、残った野口宇宙飛行士らと合わせた7人で第65次長期滞在が行われる。
その後、6月中旬以降にはクルードラゴンの運用2号機「Crew-2」が打ち上げられ、ISSに到着する予定となっている。Crew-2には、シェーン・キンブロー宇宙飛行士(NASA)、メーガン・マッカーサー宇宙飛行士(NASA)、星出彰彦宇宙飛行士(JAXA)、トマ・ペスケ宇宙飛行士(ESA)の4人が搭乗する。野口宇宙飛行士らCrew-1の4人は、Crew-2の到着と入れ替わる形で、6月下旬ごろにレジリエンスに乗って地球に帰還することになっている。
出典:マイナビニュース(11/17)
これらの飛行スケジュールはまだ正式に決定されていないため、時期などが変更される可能性はあるが、一時的にISSに最大10〜11人が滞在することが見込まれる。なお、ソユーズがさらにもう1機やってくるなどし、一時的な滞在人数がさらに増えることも想定されるものの、JAXAによると「運用が難しくなるため現実的ではなく、それを避けるような飛行スケジュールにするのではないか」としている。