平成29年に 金融庁が発表したレポートによると、現在日本人の金融所得はどんどん減っている。これは、残念ながら日本において十分な金融教育がなされていないことが原因の1つと考えらる。
米国を代表する起業家のマーク・モーガン・フォードは、著述家であり、投資家である。今では50億円を超える純資産を持つが、そのスタートは年棒350万円で働く、小さな出版社の平凡な会社員だったという。そんな彼に転機が訪れたのは1983年、30歳の頃。ベストセラー『人を動かす』で有名なデール・カーネギーのコースを受講していたマークは、そこで人生の優先順位を決めるという課題を与えられた。さんざん迷った挙句、彼が導き出した自身の最優先目標は「裕福になる」ことだった。1985年、マークは会社に在籍したまま、個人資産は1億5千万円を超えるほどになっていた。「裕福になる」と決意してから、2年後のことだ。それから10年あまりで50ものビジネスを立ち上げ、そのうちの半分が、わずか3年ほどで年間数億円の利益を生むようになっていた。そして、そのほとんどを貯蓄に回し運用することで、資産はさらに増えていった。1993年、最初のリタイア生活を終えた後、ビジネスに復帰。年商100億円以上の会社を2社、50億円以上の会社を2社、10億円以上の会社を10社以上保有するまでになる一方、マイケル・マスターソンのペンネームで、起業や個人の生産性、資産形成などに関する本を多数執筆し、うち3冊はニューヨークタイムズ紙、ウォールストリートジャーナル紙のベストセラー入りとなった。
60歳を過ぎたマークの今の純資産は50億円を超えると言われ、現在はリタイア生活を楽しみながらも、自身が率いる独立系の経済出版社パームビーチリサーチグループで、約10万人の購読者向けに資産形成に関するアドバイスを行なっている。マークがこれまでの人生で実際に取り組んで効果があった方法は『大富豪の投資術』で紹介している。起業法や優秀な社員になって給与所得を増やす方法、投資に関しての特別な知識やスキルがなくても、簡単に実践できて富を増やし続けてこれた方法だ。株式投資ばかりでなく、不動産、債券、金、美術品への投資法から副収入の作り方、財産管理、資産の防衛法、さらには経済面のみならず、身体や精神的にも豊かに暮らしを手に入れるためのあらゆる面で役立つだろうと思われる63の具体的な方法がわかりやすく書かれた1冊になっている。
他にも、地道に蓄財して大金持ちになった人にアン・シェイバーがいる。彼女は公務員で、年収は120万円ほど。誰よりも一生懸命働いていたにも関わらず、女性というだけで一度も昇給しないままでいた。退職した当時、アンは50歳。手元には現役時代に貯めた50万円だけ。50歳の独身女性が、ニューヨークの質素なアパートで年金生活に入った。それから約50年後、101歳という長寿を全うしたが、資産分与に関する遺言状が弁護士に託された。アンが独身女性だったことや年収を考えれば、資産はほとんど残っていないだろうと思わたが、、実際には、アンが持っていた株式や債券の束を確認したところ、なんと彼女の資産は2200万ドル(約22億円)にもなっていた。その遺産はアンの遺志に従い、全額が女性のための奨学金の設立に寄付された。アンが働いていたときに耐えてきた女性差別を、すべての女性が克服できるようにとの願いからだった。
日本人も節約だけで暮らすのでなく、裕福になる方法にチャレンジして、まずは図書館でそうした本を探してみてはどうだろう。