緊急事態解除後、一週間で都内は「東京アラート」となり、夜間の飲食店の営業を控えることになって、再度の注意を促しています。
また、北九州では5月末時点で、すでに小学校1つ、中学校2つでクラスターが確認され、休校と報じられています。6月第1週、全国でいったい何校の小中学校、あるいは高等学校で児童生徒の罹患が確認されるか、それをまず、冷静に観察する必要があります。感染した児童生徒がたった一人見つかるだけで、その学校は少なくともしばらくの間は、また再封鎖となってしまいます。
日本が欧米諸国でもコロナ対策に成功したかのようなタイトルで報道もあったが、よくよく思い返してみると、「ダイアモンド・プリンセス号」の感染の発症が契機となったので、横浜を出航した後、鹿児島、香港、ベトナム、台湾、沖縄・・・というルートでした。同クルーズ船の寄港地で、台湾は440人ほど、ベトナムも330人ほど。それでも死者数は台湾は7人、ベトナムは5月末まで死者0人です。
オーストラリアは人口2500万人で7195人の罹患、103人の死者、ニュージーランドは480万の人口で1504人の罹患、死者はたった22人です。
これに対して、日本が欧米で比較しているのは英国が572人、米国が318人。欧州の中で「集団免疫」政策で<死亡者数が突出して多いなどと言われるスウェーデンが442人、ドイツやオーストリアは100人、75人になります。ここでオーストリアを挙げたのは、約1万6600人の罹患、668人の死者というコロナ被害の規模が、5月末時点での日本の発表している数字、約1万6700人の感染、874人の死者という規模とほぼ同一であることからです。
世界最悪の死亡率を出し、チャールズ皇太子やボリス・ジョンソン首相まで感染した英国のファイナンシャル・タイムス(FT)紙は「日本のコロナ対策はそこそこよくやっている(Japan’s relative success in fighting Covid-19)」(https://www.ft.com/content/c78baffc-79b8-4da4-97f1-8c7caaad25cf)と記します。決してそれ以上の評価は下していません。
欧米先進国と肩を並べていて、特段特殊なことはなく、そこで踏みとどまっていられるのも、医療現場最前線が疲弊の限界を超えながら、何とか持ちこたえさせているからだと言えるでしょう。
過不足ない日本の現状を国民全体が自覚し、慎重に行動する必要があります。
出典:JBpress(6/3)
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/60743?page=6