安部首相が一世帯に2枚ガーゼマスクを郵送すると、公言して”アベノマスク”と”アベノミックス”をもじって揶揄される、その費用対効果のほどであるが、それでも省庁はその言に従って動き出している。厚生労働省は製造・販売メーカーに対し400万枚の売り渡しを指示した。厚労省が買い取ったマスクは、地方自治体からの要望を踏まえ、まずは緊急事態宣言を出した北海道で、人口に占める患者数の割合が特に多い中富良野町と、感染者の集団・クラスターの発生などにより今後の患者数の増加に注意が必要な北見市へ、6日から順次配送される。
「マスクの再利用」についてはSNSでも話題になっていて、「マスク不足の中、再利用は仕方ない」という声のほか、「病院で同じように習いました」などの声も挙がっているが、1回の使用で捨ててしまっていたマスクを何度も使い回せるとなれば、マスク不足の解消につながるに違いない。そこで不織布マスクの「使い回し」はその効果や衛生面について、国内のマスクメーカー2社に直撃取材した記事があった。メーカーに言わせると、フィルターに帯電処理をほどこしてウイルスの粒子を付着させているタイプの不織布マスクでは、液体に濡らしてしまうことでウイルスの捕集効果が減るということが想定されます。メーカーによると、製造・販売を行っている不織布マスクが再利用が可能かどうかのデータはないそう。一方で、飛沫感染対策用のマスクは、ウイルスを吸着させるためのフィルターが濡れてしまうことで、その効果を十分に発揮できない可能性があるというのだ。
本当に理解すべきことは、咳やくしゃみなどの症状がある場合はウイルスを飛び散らせないよう、マスクが必須となってくる。1〜2時間並んで7枚入りマスク1個しか入手できない人はメーカーが、どのような目論見で製造販売しているかも理解して、風の強い日に行列などしないでほしい。
経産省の公式サイトでは、予防策としてのマスクの着用は「混み合った場所、特に屋内や乗り物など換気が不十分な場所」では効果があるとし、「屋外などでは相当混み合っていない限り、マスクを着用することによる予防効果はあまり認められていません」とした上で、くしゃみや咳の症状がある場合にはマスクの代用品としてハンカチやタオルを挙げている。経済産業省は「マスクの再利用」について、「1つのマスクを長く使ってもらうため、洗ったり、消毒液をつけることで、2〜3回程度は再利用できることを業界団体から周知してもらう」方向で検討したというが、結局、周知はされなかった。洗って使いまわしできることが国民に浸透すると、マスクの売り上げが減る可能性があるので、マスクを洗って使えると、メーカーとしては言えないという事情も分かりました。
家の周りや公園をウォーキングしたり、犬の散歩をしたりときは、人との接触がなく感染のリスクが低いためマスクは不要だという(花粉症の人は除く)。マスクのほかにも、新型コロナウイルスの感染から身を守る対策がある。ご存じ、手洗いとアルコール消毒だ。医療現場ではアルコールで手指を消毒することを「手指衛生」といって、感染対策のキホンのキになっている。「アルコール消毒はスーパーなどの施設に入ったときだけでなく、そこから出るときも行ってください。我々も、仕事をしている医療現場では、病室に入るときだけでなく、病室から出たときもアルコールを使います。何かモノに触れたら、すなわちそれは感染リスクがあるということですから。ただし、アルコール消毒をしたら手洗いはしなくて大丈夫です。できれば、アルコールを持ち歩いたほうがいいでしょう」
マスク不足の今、できる予防策は?
厚労省の公式サイトでは「感染症の拡大の効果的な予防には、感染症の疑いがある人たちにマスクを使ってもらうことが何より重要」として、不要なマスクの買い占めなどを自粛するよう呼びかけた上で、使い捨てマスクが無い場合の代用として、ガーゼマスクやタオルで口元をおさえることでも十分にくしゃみなどの飛沫を防ぐことができると紹介している。
マスクの着脱の際は、手にウイルスが付着することを防ぐため、顔を覆っている部分には手を触れず、耳にかけているゴムひもを持って外すことを覚えておく。外したマスクはウェットティッシュで拭くなどした、極力清潔なところを選んで置いてください。隙間からウイルスが入ってしまうことを防ぐため、鼻の隙間などぴったりとフィットさせて着用することを心がけないとわざわざ手に入れても効果がないので、手に入れて安心なのではなく、使い方をしっかり身に着けて!
参照:FNNプライム(3/4)