我が国では減反政策に伴い品質が重視され、斑点米を含む着色米は0.1%を超えると二等米、3%超 で三等米、0.7%超で規格外にされる。我孫子市の新年度予算でも、カメムシ駆除にドローンを使っての予算(1.8千万円)が組まれ、3月議会に上程される。
カメムシによってもたらされる斑点米被害は、米の価格に影響するため最重要課題の農業害虫である。近年特に カメムシが増加した原因 としては、@冬季の温暖化による越冬個体の生存率の増 加、A夏季の高温小雨による個体群増殖率の向上、B休耕地・雑草地の面積増大、C人手不 足により草刈りが実施されないこと等が指摘され ている。最近の斑点米カメムシの発生面積率は全国で約 3割、延べ防除面積は全水田面積とほぼ同等である。防除費用は殺虫剤だけで年間200億円程度と推測される。稲作に影響を与えるカメムシは60種以上を数え、駆除につか農薬も違うため研究がいる。
京都府南丹市園部町の園部高の生徒が、京都先端科学大主催の高校生論文コンテストでカメムシ駆除に関する研究を発表して1月に「バイオ環境最優秀賞」となった。丹波2市1町に住む同高2年生の6人が1年生の時に理科の課題研究で取り組んだ論文を提出した。 青森県などから33点の応募があり、選ばれた。
論文では、校舎周辺でクサギカメムシを捕獲して生のピーナツを餌に飼育し、生徒の親類が栽培したスペアミントを使って2018年秋に実験。プラスチックカップの底に半円のろ紙2枚を敷き、片方にミントを水蒸気蒸留した液体や試薬に漬けた溶液を染み込ませた。3匹のカメムシを入れ、ミントを避けて移動するかどうか、30分間、5分おきに位置を調べた。結果、カメムシはミントを染み込ませた部分を避けるように動くことが多かった。さらにミントの匂いの主成分のカルボンで実験すると、さらに強い忌避効果を示したという。
校舎で捕獲したカメムシがミントの匂いで逃げるかどうか実験した労作に対し、「稲作被害を与える害虫を簡単に手に入る材料で駆除したいと課題設定し、手探りの実験を通して解決を試みている」と高評価を得た。し
我孫子市は農薬のヘリコプター空中散布を中止していることもあって、市民生活への健康被害を減じてきた。農家は手作業で駆除努力をしてきたが、各戸で労働力が落ちてきて、ドローンによる新たな取り組みに目を向けているということだ。
参照:京都新聞(1/19)