2019年07月23日

日本の若者の韓国ブーム

マーケティング会社・トレンダーズが運営する若年層トレンド調査機関「TT総研」が、無料通信アプリ「LINE」(ライン)を通して東日本と西日本の女子高校生計246人から回答を得た今年上半期のトレンドランキングでは、東西いずれの回答でも「チーズドッグ(ハットグ)」が2位に入った。韓国の女性アイドルが身につけて爆発的に人気が出た「うさみみ帽子」も東4位、西5位にランクイン。好きな場所を選ぶスポット編でも、東で新大久保が若者たちが集う原宿やディズニーランド・シーを上回る2位になり、西では韓国そのものが3位に入った。今後も新たな韓国のアイドルグループがランク入りすると見込まれ、トレンドは続くと予測されている。日本の若者の間では空前の韓国ブームが起きているという。
 
 権准教授はこれを日韓関係にあてはめ、文化交流や経済が発展して、以前のように政府間の関係が悪化するだけでは影響を受けなくなっていることを指摘。「1998年に金大中大統領と小渕恵三首相との間で署名されたパートナーシップ宣言以降に、社会、文化、地方自治などさまざまな面で急速に関係が深まりました。多元化・多層化した『複数の日韓関係』ができています」と説明する。

 現在の韓国ブームは、K−POP、化粧品、グルメの3本柱。韓国企業は近年、アジア全体を中心とした海外展開に力を入れている。内閣府が18年10月に行った調査では、「韓国に親しみを感じる」と回答した60〜69歳が31.3%、70歳以上が28.2%にとどまったのに対し、18〜29歳は57.4%に上り、世代間格差がある。

 K−POPを代表する「防弾少年団(BTS)」は2014年に日本でデビューした。オリコンによると、3日にリリースした日本での10枚目シングルは週の売り上げが62.1万枚を記録して初登場1位になった。1位は4作品連続という。韓国コスメも若い女性に人気がある。財務省貿易統計によると、08年に118億4356万円だった韓国からの「精油・香料及び化粧品類」の輸入額は、今回のブームが始まったとされる16年に262億6863万円になり、18年は364億5130万円と10年間で3倍に膨らんだ。

 画像投稿サイトのインスタグラムでは、韓国の男性芸能人の化粧やファッションをまねる日本人男性の投稿写真も少なくない。大手化粧品メーカーに勤める男性(28)は「最近はK−POPの影響から化粧をする若い男性が増えた。自分の会社でも韓国美容のトレンドを受けた製品を開発している」と語る。新大久保の韓国語教室主宰者によると、受講生の9割は女性で主婦や会社員が中心。「以前はドラマを見て習いにくる生徒が多かったが、最近はもっぱら歌がきっかけです」と語る。

 今回の韓国ブームは第3次と呼ばれている。第1次は03年ごろから爆発的な人気を呼んだ韓流ドラマ「冬のソナタ」によるもの。第2次は10年前後で、少女時代や東方神起といったアイドルが本格的に日本でデビューし、NHKの紅白歌合戦にも出演した。ただ、どちらのブームもドラマ、アイドルの領域を大きく超えることはなかった。

決して日本の片思いではない。18年に日本を訪れた韓国人は前年比5.6%増の延べ約750万人だった。5100万人ほどの韓国の人口をそのままあてはめれば、7人に1人が日本に来た計算になる。非営利団体「言論NPO」(工藤泰志代表)と韓国のシンクタンク「東アジア研究院」が5〜6月に実施した日韓共同世論調査では、韓国に良い印象を持つ日本人が20.0%で過去最低だったのに対し、日本に良い印象を持つ韓国人は31.7%で過去最高となった。日本の小説や芸能も親しまれている。

 日韓の文化交流に詳しい一橋大学の権容ソク(クォン・ヨンソク)准教授は「韓国側はここ数年持続的に日本に対するイメージが良くなっていました。政治関係や国民感情の面での葛藤はあっても、お互いの良い文化にひかれ合うことは当たり前のこと。日韓関係が正常化する過程にあることを意味しています」と指摘。日韓関係をひとまとめにして考えようとする動きに対して、違和感を覚える若者たちは多いとみている。「政治や歴史の問題はわかったけれども、好きなものは好きなんだから好きにさせてよ、という思いでしょう。それをやめろという声は、思春期の子どもにこれもあれもダメと口出しする親と同じです。家同士は反発していても個人は互いにひかれ合う、いわば、ロミオとジュリエットのような関係です」と表現した。

「現在も日本製品の不買運動が騒がれている一方で、ソウルにある天丼屋には開店前から行列ができています。私の見る限り、今はさほど影響がないです」

 とはいえ、経済戦争と呼ばれる深刻な状況に陥れば、「モノや商品を媒介にするブームは当然影響を受けるでしょう」とも懸念する。日本側では不買運動などが注目されて韓国へのマイナスイメージが膨らみ、韓国では「意図的に韓国だけを標的にしている」という憤りが急速に渦巻いているのも事実だ。「こうなると文化は最後の砦(とりで)です。文化交流まで冷却化されてしまったら、本当に日韓関係は危機的な状況になります」と語る。

 権准教授はこう強調した。「もっと交流の実態を互いが知る機会が必要です。今必要なのは、不買運動でも、旅行の自粛でもない。互いに好きなものは好きと言い合えばいいのです」

出典:毎日新聞(7/20)
posted by Nina at 00:00| 千葉 ☁| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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