2019年07月10日

報道のされ方、読み取り方

 韓国マスコミの対日報道は誤報と分かってもほぼ訂正されることはない。たとえば中央日報の「原爆は天罰だ」とキム・ジン論説委員の記事が出された時に日本が申し入れをした際に同紙は釈明記事を発表していたが、それは「(自身の伝えたかった)趣旨と異なり、日本の原爆被害者と遺族を含め、心に傷を負われた方に遺憾の意を表明します」との釈明であって、新聞として論説の撤回や謝罪といったことは行われていない。他方、日本の報道も相手が韓国になると贖罪意識を元にするからなのか事実かどうか徹底して調査しないで、誤認情報を広めてしまい、かえって収集がつかないつばぜり合いになっている。今回の「韓国に対する輸出規制」に関しても、日本のメディアは『半導体材料を“事実上の禁輸”』『対韓輸出規制を発動』などと報道するから、韓国がそれを報復ととらえてしまい易い構造にしている。

 中部大学特任教授の細川昌彦氏は、元経済産業省で貿易管理の責任者であったので、現在はその経験を踏まえ、こうした誤解に基づく報道だと指摘する。両国の報道は、もっと冷静に事実を報道されるべきであるのに、対立構造へとエスカレートしていく傾向があると言う。「経産省の代弁、もしくは擁護ととられるかもしれないが、それを恐れずに、正確な理解の一助になることを願ってあえてコメントしたい。」との日経ビジネスへの寄稿(7/3)がされていた。

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 まずそもそもこれは、韓国に対して新たに「輸出規制を発動」するものではない。韓国向けの輸出について、2004年から特別に優遇して簡略化していた手続きを、2003年までの普通の手続きに戻すものだ。簡略化した手続きとは、3年間有効な「包括許可」を得れば、いつでも輸出できるというものだ。本来は、輸出の契約ごとに「個別許可」が必要だ。私が担当していた2003年当時は、韓国への輸出は個別許可が必要であった。まさにこの時の手続きに戻すのが今回の措置だと言ってよい。

 特別に信頼できる「ホワイト国」とは、あくまでも輸出管理の観点で信頼できるかどうかだ。国際的には欧米主導で長い歴史を有する輸出管理の枠組みがある。ホワイト国の対象にするには、相手国がこれらに参加していて、しかも国内で厳格に輸出管理をしていることが必要となる。

 その経緯を振り返ると1990年代、韓国はまだ国際的な輸出管理の枠組みのメンバーではなかった。私は韓国がそのメンバーに参加できるよう、各国に働きかけ、韓国にも再三足を運んで、韓国が輸出管理をしっかりできるように全面的に支援していた。その結果、韓国も国際枠組みのメンバーになることができ、韓国からも日本のそれまでの協力、働きかけに感謝されていた。それが2004年に、韓国をホワイト国に追加して特別に優遇することにつながっていった。ホワイト国として特別優遇するためには、相手国が厳格に輸出管理をしているかどうかを確認するための協議をするのが通常だ。そうした協議を、日本は欧州など他のホワイト国と実施してきている。しかし近年、韓国だけはどういうわけか、日本との輸出管理の協議に応じていないようだ。

 また、輸出に際して「個別許可」が必要なのは、輸出管理の世界では国際的な原則で、特別に信頼できる相手国についてのみ、「包括許可」による手続きの簡略化が認められている。この対象国を、日本の制度では「ホワイト国」と呼んでいる。2004年にこの「ホワイト国」に韓国が追加されたのだ。

 なお、この個別許可について、一部の報道では「出荷ごと」に許可が必要となり、日々、工場から韓国に製品を出荷しているようなビジネスが停滞してしまうというような報道によって、輸出企業の現場は混乱しているようだ。これは誤解で、個別許可は”契約ごと”に必要で、一契約で何回にも出荷を分ける通常のビジネスは当然、一度個別許可を得ていれば出荷ごとに許可を得る必要ない。

 欧州連合(EU)を例にとれば、輸出管理のうえで特別優遇しているのは日本を含めて8カ国で、EUでは韓国は入っていない。多少の細かい点を無視すれば、日本でもEU並みの手続きにしたと言える。安全保障の友好国が「ホワイト国」であると解説している報道もあるが、そうではない。例えば、インド太平洋戦略を共有するインドや海上共同訓練をするインドネシアなどもホワイト国ではなく、個別許可が必要だ。あくまで今回の措置は、手続きを「包括許可から個別許可へ」と、元に戻す変更を行うものだ。EU並みの手続きにすること、対インドネシア並みの手続きにすることがWTO協定違反になるとするのは当たらない。韓国側の過剰反応に引っ張られ過ぎではないだろうか。基準を原則不許可にするよう変えるものではない。それでは対抗措置として生ぬるい、不十分だというのならば、米国のような原則不許可にするような法律を議員立法で作るしかないだろう。

 
参照:https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00133/00013/?P=1

posted by Nina at 00:00| 千葉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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