野村総研の2016年の調査によると、日本では資産1億円以上をもつ富裕層は122万世帯、純金融資産総額は272兆円におよびます。このうち資産5億円以上の超富裕層(7.3万世帯)の純金融資産保有額は75兆円にのぼります。アベノミクスによる株価上昇などを背景に富裕層の資産は増え続けており、13年と比較して、富裕層は20%、超富裕層は35%増えています。
金融庁が老後に2000万円が必要だと試算した報告書をまとめたものの、担当大臣の麻生太郎副総理が受け取りを拒否。参議院選挙前に国民が不安に思うであろう老後資金についてこの時期に報告書を書いたことが「不適切だ」として、麻生太郎財務大臣が「報告書は受け取らない」という話にまで発展してしまったわけでした。何事も言うにもタイミングがあるだろうという元総理経験者大臣の選挙前のデリケートの時期だったわけで、野党の格好のバッシング材料になっています。
結論から言えば「この報告書は、(年金関連政策の担当省庁である)厚労省が年金生活者の現実について書いた報告書ではなく、金融庁が定年退職した層にむけて「金融商品の購入を推進するための報告書」がもとになっていたのです。それは、4月15日に開催された経産省の「産業構造審議会 2050経済社会構造部会」で示された報告書でした。2018年に65歳を迎える夫婦世帯で老後期間が30年間の場合、公的年金収入から生活費を差し引いた不足額が〈2895万円〉と記されていた。その際にモデルとなっているのは「夫65歳以上・妻60歳以上の無職で『平均2,484万円の貯蓄』をしている世帯で」あり、「リタイアして旅行や次の新しいスキル・趣味や時間の使い方に挑戦する世代」の「老後の30年間を65歳の時の支出額で単純に掛け算して算出」しているものであって、「厚労省」が「年金生活者」の現実について書いた報告書ではなくて、金融庁が「高齢の顧客層」に金活するための指南書ともいうべきものでした。ですから、金融庁の目線にあった国民は、その生活水準は年金だけで生活している国民ではなく、運用すべき資産がある「顧客」と呼ばれる国民です。
ですから、想定される実収入209,198円に対して実支出263,718円で、差が5.5万円とする(総務省や厚労省が使用した)データを、金融庁が「毎月の赤字額」と勝手に位置付け、これを30年間分で単純に足して「2000万円」を「不足」としたこのについて、
「老後の必要額」とは全く関係ありません。金融庁の問題提起に数値上の根拠はありません、誰でも収入以上に購入すれば、ある程度ある人でも不足するとの警鐘です。
金融庁の報告書の資料でも数字が出ていますが、高齢者の中で最も支出が高く(60歳よりも65歳の方が高い!)、全世代の平均値よりも高いのです。そして驚くべきは、同じ資料で70歳以上は支出が激減して、全世代の中でも最も低くなることがグラフで示されているのに(活動量から考えても当然なのに)、そのことを全く無視して、一様に老後の30年間を65歳の時の支出額で単純に掛け算して算出しています。こうして算出された「2000万円」は、一つの試算であったのを、政局にらみの選挙への攻防の始まりだったと考えられます。
参議院選挙は 衆議院と異なり解散がなく、任期は6年と定められており、3年ごとに定数の半数が入れ替わるよう選挙が行われます。
また、参議院選挙は各都道府県の区域を選挙区の単位とした「選挙区選挙」と、全国を単位とした「比例代表選挙」があります。
有権者は「選挙区」と「比例代表」それぞれに投票するため、1人が「2票」投票することになります。
3年に一度ですから、この際に各党派の言っていることを、どこまで腰が据わっているのか、データを含め、ウソ・ホントも良く見比べましょう。2019年6月26日 6月26日、第25回参議院選挙の日程が閣議決定されました。 公示日:7月 4日投票日:7月21日. 期日前投票について期間:7月5日から20日まで時間、8時30分から20時まで。
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