2019年05月27日

「チバニアン」、申請が暗礁に

 地質学上の時代名の一つを「チバニアン(千葉の時代)」と命名しようとしていた研究チームが国際学会への申請手続きが中断せざるを得なくなっている。地層は千葉県市原市の渓谷沿いにある。約77万年前、地球の磁気が最後に反転した痕跡が残り「千葉セクション」と呼ばれる。市原市も指定地域を含む民有地を買収するなど後押ししてきたが、昨年7月、申請に反対する楡井(にれい)久・茨城大名誉教授が、千葉セクションを囲む土地について、所有者から10年間の賃借権を取得、地層への立ち入りを拒める状況になった。楡井名誉教授は「申請の資料には捏造や改ざんがある」と主張。「不正を明らかにするために賃借権を設定した。申請の取り下げを求めていく」と話していることが26日、関係者への取材で分かった。

 国立極地研究所など日本の研究チームが2017年6月、地質時代の境界を代表する「国際標準模式地」として国際学会に申請。認められれば、マンモスやネアンデルタール人がいた約77万〜12万6千年前の地質時代が、ラテン語で「千葉時代」を意味する「チバニアン」と呼ばれる。2017年11月には、1次審査を通過して模式地の候補に残ったことが明らかに。すると「チバニアン」という言葉が注目され、地層にも見学者が殺到した。斜面を登る足場がぬかるむなどしたため、市は12月、安全面を理由に斜面への立ち入りを禁止。見学者は地層を間近に見ることができなくなった。

 地層の一帯は公共用地と民有地が混在。楡井名誉教授は、階段を整備したところは民有地で、所有者の協力は得られていると説明している。一方、市の担当者は「天然記念物の指定後に、見学者への環境整備をしたいと考えている。だが、先行されてしまった」と戸惑いを隠さない。
市は2018年1月末、地層を国の天然記念物に指定するよう求める意見具申書を県を通じて国に提出。指定により保存・保護と研究活用の両立を図りたい考えで、学識経験者らでつくる検討委員会でルールづくりを検討している。その矢先の「現状変更」に、別の担当者は「天然記念物の指定に向け、心証が悪くなるのではないか」と懸念する。市は国際学会が国際標準模式地として認めるかどうかを決定する前に国の天然記念物に指定されることを目指している。

 国際地質科学連合による審査を通過するには、研究者の立ち入りが可能なことなどが可能でなければならない。申請に反対する名誉教授ら研究者が、根拠となる地層周辺の土地に賃借権を設定したため、申請要件の「研究のための自由な立ち入りの保証」が困難になった。チーム代表の岡田誠・茨城大教授(古地磁気学)は「厳しい状況だが、現場への別ルートの確保など代替案を検討して申請を出したい」と話している。申請した研究チームの菅沼悠介・極地研准教授は「捏造という指摘は事実無根。審査を妨害されている」と主張。

渡部芳夫・日本地質学会長の話「研究チームの申請内容は、専門誌に投稿して専門家の査読を受けた論文に基づいており、科学として疑念はない」研究チームからの反論文書は、近々出される模様。

参照:朝日新聞(2018/2/12)読売新聞(2019/5/26)
posted by Nina at 01:51| 千葉 | Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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