2019年03月06日

ぬれ煎餅の収益が銚子電鉄を支えている

銚子電鉄、関東最東端に位置するローカル鉄道で、全長6.4キロ。1923年開業して市民の足になって活躍してきましたが、自動車の普及で乗客数が減っていきました。昭和30年代は年間250万人を超える乗客を運んだものの、年号が平成に変わるころにはすでに100万人を下回りました。廃線の危機と隣り合わせのなか当時の社長の横領が発覚し、行政からの補助金も打ち切られて万事休す、という状況で落とす神あれば、拾う神ありで、ぬれ煎餅で繁盛した店の店主が秘伝のタレのレシピを教えてくれました。そのおかげで、このところの経営は食品加工業による年間3億8000万の収益が、赤字(1億3800万円)の鉄道事業を支えています。

犬吠駅を降りると、駅舎から漂ってくるのは、しょうゆの焼ける香ばしいにおいです。2人の女性が網の上で煎餅を焼き、しょうゆで味を付けた銚子電鉄の名物「ぬれ煎餅」です。駅舎は第1回「関東の駅百選」に選ばれたとかの古く白い壁に青い西洋風のタイルが埋め込まれた入り口が「ポルトガルの宮殿風建築」なのだそう。

駅から車で15分ほどの距離にある、ぬれ煎餅工場がある。直売店「ぬれ煎餅駅」の山嵜貴史駅長(53)は、「今も電車を走らせるために煎餅を焼いているのです」と言う。食品加工業に携わる従業員約40人に対し、鉄道事業にかかわるのは10人ほど。ぬれ煎餅の工場で働いたり、販売に携わったりする人のなかには、かつて車掌として働いていた人もいるそうです。「鉄道マンから煎餅マンになっても、地元を愛しているから、銚子電鉄を存続させるために奮闘しています」

工場の一角では、しょうゆを使ったソフトクリーム(税込み250円)やロールケーキ(税込み300円)も販売。一瞬ためらいましたが、しょうゆの香ばしさと甘さは想像よりもぴったり。ここで忘れてはならないのがしょうゆ全国シェア2位のヤマサ醤油です。ヤマサの工場には、大正末期に輸入された「オットー」というドイツ製のディーゼル機関車が展示されています。昭和39年までヤマサの工場で働いていた機関車が当時のまま、残されています。

銚子の街は、サンマやサバなど、水揚げ量は4年連続で日本一を誇る銚子漁港。関東最東端である犬吠埼は、日本で一番早く日の出を見ることができる場所でもあります。ところが、人口は9万人を超えていた1970年から2万人以上も減少、千葉県で最も大きな減少率となっています。2016年1月からは、銚子エリアに住む高齢者を主なターゲットに、食品などを宅配する事業を始めました。地元のスーパーが倒産し、思うように食料が手に入らなくなった高齢者らが増えたためです。電車を使い駅から駅へ食材を運んだり、自宅へ車を使って食料品などを運んだりしています。

本業である鉄道事業も、「廃線ギリギリ」「ぼろぼろ」を逆手にとった画期的な取り組みをしています。昨年夏には、電車そのものをお化け屋敷にする「おばけ列車」を運行したところ、夏休みを楽しむ子どもたちで満席になったそうです。

銚子電鉄は危機と闘いながらも、「運輸」のビジネスを起点に街の足ばかりでなく生命線といえます。ぬれ煎餅は鉄道を守るために作られた商品で、ネットで購入することができます。


posted by Nina at 00:00| 千葉 ☁| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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